山あり谷ありウマ娘 〜気付いたら脱サラしてトレーナーになった話〜   作:ギノっち@カマタラル

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マック「やけ食いしていたら絡まれましたわ......」

 

 

 

 

 

ビール「もぐもぐパクパク.........」

 

 

『.........』

 

 

『.........』

 

 

ビール「もきゅもきゅサクサク.........」

 

 

『.........なァ、これ止めた方が良いんじゃ.........』

 

 

『サンちゃん良いんだ。これも仕方の無い事なんだよ』

 

 

ビール「ゴクン.........すみません。こちらのキャロットシャーベットをもう二つ、いえ三つ追加で下さい」

 

 

 落ち着いた雰囲気の飲食店。最近テレビやネットで流れている曲をBGMにして私、メジロマックイーンは[彼の身体]を借りて食事をして居ました。

 

 

「お待たせいたしましたなの〜」

 

 

ビール「ありがとうございます。シャリシャリ.........」

 

 

 ひんやりとした感触を口の中に感じ、そして次の瞬間には溶けて風味を口内全体へと届き渡らせる。口コミ通りのクオリティです。

 しかし、そんなシャーベットでも私の煮えたぎる心を鎮させるには到底足りません。

 

 

ビール(そうよ.........それもこれも全部[あの人]の.........!!!)

 

 

 何故私がこんなにも怒りに満ちているのか。話は数刻前まで遡ります.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タキオン「模擬戦をやる事になった?」

 

 

カフェ「はい.........リギルの人達と.........」

 

 

 そう。あれは昼休みのチームルームでした。突然マンハッタンカフェさんが困惑した表情で報告してきたそうなのです。

 もちろんこちらとしては受けるメリットはありません。手の内がバレてしまう可能性がありますし、何よりそれは相手からしても同じであり、わざわざ模擬戦をやる必要など無いからです。

 

 

『それほどまで自信がある。と.........』

 

 

『チッ、気に食わねェなァ』

 

 

ビール(マックイーン。表に出ないようにね)

 

 

 この時私は彼の耳に着いている[私のアクセサリー]に隠れていました。

 最初の頃は誰にも気付かれないと言うのがとても悲しく、そして寂しくもありましたが、彼に身に付けられているととても安心.........

 

 

 .........コホン。惚気もこの辺にしておきましょう。とにかく、リギルのチームメンバーと模擬戦をすることになり、その相手としてカフェさんが選ばれたのです。

 

 

 他の出走者からはチームに所属していない実力者達を集めているようですが.........どこからどう見てもカフェさんとの真っ向勝負を[彼女]は望んでいるそうです。

 

 

 そうして、放課後になったのですが.........

 

 

 

 

 

「―――ッッッ!!!!!」

 

 

 

 

 

『っ、うるせェなァ.........』

 

 

『我慢して下さい。本番はこれ以上に盛り上がるんですのよ?』

 

 

 観客席は既に最高のボルテージまで高まっていました。まだ誰もターフに出てきていないと言うのに凄まじい盛り上がりです。

 恐らく、カフェさんと[彼女]の対決が見たいのでしょう。自分で言うのもなんですが、長距離に置いては同じ相手に負けた事はありませんから。

 

 

タキオン「.........っ、出てきたね」

 

 

デジ「はい、マックイーンさんです.........!」

 

 

『あら、中々様になっていますわね』

 

 

ビール(だねぇ。でも君の方がもう少し雰囲気柔らかいかも)

 

 

 続々とターフへと姿を現す者達。カフェさんの次に現れた彼女は正に普段の[私]と言っても差し支え無いほどの落ち着きとオーラを放っていました。

 

 

 .........次の瞬間までは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.........貴女達が今日の[バックダンサー]ですか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カフェ「え」

 

 

全員「えっ」

 

 

『oh.........』

 

 

『はァ!!?』

 

 

ビール(うわぁ.........)

 

 

 そう。あの人はこともあろうに挑発をしたのです。先程まで完璧に私そのものだったのに、完全に皆さんが度肝を抜かれてしまっています。

 有り得ません。対戦相手にはしっかりと敬意を払うべきです。レースというのは一人で成り立つ物では無いのですから。

 

 

 それ以上に腹が立つのはあのドヤ顔です。なんですかそれ。上手くやったつもりですか?失敗したんですよ貴女は今。完全にやらかしたのですよ!!?

 

 

『ち、ちょっと行ってきます!!!』

 

 

ビール「えっ!!?ちょ、マッ―――」

 

 

ウララ「?ビールちゃん!どうしたの?」

 

 

ビール「マ.........マックが食べたくなってきたなぁ〜?」

 

 

カレン「ビールちゃん。最近食べ過ぎだよ?」

 

 

 私を制止しようとした彼でしたが、状況が状況だったため、それは失敗に終わりました。

 私はそれを横目で見ながらも、ゲートインした彼女に一目散に近付きます。

 

 

『ちょっと!!!貴女何やってるんですの!!?』

 

 

マック「なっ!!?(ち、ちょっと何やってるのよ!!!)」

 

 

『それはこちらのセリフです!!!なんですか先程のアレは!!!貴女から見た私はあんなのですの!!?』

 

 

マック(あ、アレはその、パフォーマンスよ!!!レースの仕方がつまらないなら責めてそれ以外で楽しませようと.........)

 

 

『それでも対戦相手を罵る必要は無いでしょう!!!見て下さいカフェさんのこの顔!!!』

 

 

カフェ「.........」

 

 

『ギョッとしてるでしょう!!?貴女のせいですわよ!!!』

 

 

マック(あ、貴女のせいよ!!!きっとこの変な空気を察してるんだわ!!!分かったらさっさと帰りなさいこの.........スイーツ!!!)

 

 

『っ!な、なんですって〜.........!!!誰の頭が[スイーツ]ですか!!!』

 

 

 口論はヒートアップしていきます。彼女を問い詰めて行きますがその度にああでもないこうでもないと言い訳を繰り広げる始末。ゴールドシップさんの方がまだ聞き分けが良いです。

 そして終いにはカフェさんの動揺すらも私のせいに.........この人には一度お仕置をした方が―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――マックイーンさん。何でお二人に.........?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二人「.........えっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――ガコンッッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三人「あっ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーっと!!!メジロマックイーン、マンハッタンカフェ完全に出遅れです!!!スタートアップも出来ていなかった様子ー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビール「.........はぁぁぁ」

 

 

 結局、私もカフェさんも最下位争い。そしてカフェさんから私の存在を皆さんにバラされる始末.........桐生院さんがまた倒れる事になってしまいました。

 

 

『ま、まぁまぁ良いじゃない♪俺の事はバレなかったんだし?』

 

 

『良く誤魔化せたな。命を助けてくれた恩人だとかってよ』

 

 

『嘘はついてません?ウマ娘の少女を高校時代に助けたのは事実ですし?』

 

 

 そうです。幸い彼がウエスタンビールだと言うのはバレませんでした。バクシンオーさんにもカレンさんにも、そしてファインさんにも。

 しかし.........この様な事態になってしまったのは一重に私の責任。あの時感情に流されずしっかり彼のアクセサリーに留まっておけばこんなややこしい事態には.........

 

 

 うぅ、す、ストレスでまた空腹感が.........!

 

 

ビール「も、申し訳ございません。ニンジンシャーベットを二つ注文してもよろしいでしょうか.........?」

 

 

「え、か、かしこまりましたなのー♪」

 

 

『おい。流石にもう止めろよ』

 

 

『サンちゃん。俺はもうここに来る前からダイエット確定だったんだ。1kg太ろうが100kg太ろうがその事実は変わらないんだ』

 

 

(何言ってンだコイツ)

 

 

 あぁ、ごめんなさいトレーナーさん.........私はダメなウマ娘です。ダメ娘です。

 でもそんな私の暴食を許してくれるだなんて、貴方は酷い人です。ここで叱ってくれたら止めれましたのに.........これでは元の身体に戻りたくなくなってしまいます.........

 

 

 そんな悲しみにも似た恋慕を感じていると、不意に店の外が若干騒がしいのに気付きました。

 次第にその騒がしさは近付いて来ており、遂にこの店内へと広がりを見せ始めました。

 

 

「いらっしゃいませなの〜♪」

 

 

「おうオメェらっ!今日は[抗争戦]勝った祝勝だ!!!いつもの[アレ]でぶち上がろうぜっ!!!」

 

 

「「「うっす!!!」」」

 

 

「てなわけで、いつもの[ニンジンシャーベット]。人数分な♪」

 

 

「あっ、ごめんなさいなの.........ニンジンシャーベットは今在庫が無くって.........」

 

 

「「「「えー!!?」」」」

 

 

 どうやら彼女達はニンジンシャーベットを食べに来たようですが、残念ながら在庫が無くなってしまっていたようです。

 仕方ありませんわ。時間ももう夕方過ぎ。こんなにも美味しいんですもの。きっと人気商品に違いありませんわ。

 

 

「嘘だろ.........売れてねェからいつでも祝杯上げられるもんだと思ってたのに.........」

 

 

『.........』

 

 

ビール(.........なんですかその顔は。私のせいだと?)

 

 

『ごめんねマックイーン。俺もサンちゃん同じ意見かな』

 

 

ビール「.........うぅ、だってお腹が.........あっ」

 

 

 彼にサンちゃんと呼ばれている存在から向けられる蔑む様な目。それから目を逸らすと、先程の団体ウマ娘のうちの一人と目が合いました。

 そしてその目線は一度私のテーブルへと向けられて、何やらリーダーの様な方にその情報を話し始めました。

 

 

『.........あれ、こっち来てるね』

 

 

ビール(どどど、どうしましょう!!?)

 

 

『テメェが撒いた種だろ』

 

 

ビール(それはそうですけど!!!まさかこんな事になるだなんて「おい」.........)

 

 

「見ねェ顔だな?」

 

 

 気付けば先程までカウンターに居た方々が目の前まで来ていました。今日はもう踏んだり蹴ったりです.........

 しかし、話を聞かない事には始まりません。もしかしたら私の食べっぷりを見て何かこう、ポジティブな感想を.........

 

 

「俺らはここらの[シマ]牛耳ってる[lasting]ってんだ」

 

 

「ニンジンシャーベットは抗争戦で勝った時に食う言わば祝杯物。それを根こそぎ食い尽くしたのはテメェだな?」

 

 

ビール「.........申し訳ございません。その、私も少々嫌な事がありまして」

 

 

「ほう?それは俺らも同じだ。せっかくの祝勝会が台無しになったんだからな」

 

 

 .........むぅ、こちらが下手に出ているのを良い事に言葉に棘を含んで来ます。周りにいる方もその鋭すぎる視線からして敵対心を隠せていません。

 どうしたものでしょう。そうこの展開を切り抜ける為の考えましたが、その答えより先にあちらが提示してきました。

 

 

「俺らはウマ娘だ。だからゴタゴタとかモヤモヤの決着は全部[レース]で付ける」

 

 

「お前が勝ったら許してやる。もし負けたら.........」

 

 

ビール「負けたら、どうなるんですの?」

 

 

「.........俺の[チーム]で雑用してもらう」

 

 

 相手は勿体ぶるようにそう言いました。その顔はまるで自分達の勝利を確信していると思えるほどのにやけ顔。

 それにしてもこれは.........中々ハードな条件です。もちろん負けるつもりなど毛頭ありませんが、レースに絶対は存在しません。

 その上、この身体。トレーナーさんの身体を借りるのは今日が初めて.........一体どうなるか.........

 

 

ビール「それで?一体どのレース距離でやンだ?」

 

 

『ここは大人しく私の得意距離である長距離を.........って!!?』

 

 

「?なんか急に雰囲気が.........」

 

 

ビール「気にすンな。そういう[特性]なンだよ」

 

 

『ちょ、ちょっと!!!』

 

 

 気が付けばいつの間にか身体の外へと放り出されて居ました。目の前には、サンちゃんなる存在が入った彼の身体があって受け答えをしています。

 私の受けた勝負ですのに.........そう思いつつも、彼女のその自信満々な表情に少し安堵します。

 

 

ビール(.........安心しなァ。オレ様ちゃんは結構[荒々しいレース]にゃァ慣れてんだ)

 

 

『っ!ま、任せても良いのですか?』

 

 

ビール(あァ。大船に乗ってな)

 

 

『やっちゃえサンちゃん!!!』

 

 

 ニヒルな笑みを浮かべる彼女。私の勝負を彼女に預けます。

 

 

 距離は指定され、[長距離]となりました。それに対して彼女は臆すること無くその条件を呑み、代金を払って店を出ていきます。

 

 

ビール「覚悟しろよォ?オレ様ちゃんの強さは[アメリカ級]にデケェからよォ」

 

 

「ほう?それは.........楽しみだな」

 

 

 こうして、戦いの火蓋は切られたのでした.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい新入り。しっかり掃除しろよ」

 

 

ビール「は、はい!」

 

 

 抱いた期待。それはシャボン玉の様に儚く弾けて消えました。彼女のレースは最初こそ優勢だったものの、[一バ身差]で決着を付けられてこうして雑用係となってしまったのです。

 

 

ビール(.........うぅ、少々汚いですわね)

 

 

(.........俺の部屋よりマシかも)

 

 

ビール(.........今度掃除しますから)

 

 

『そ、それだけはご勘弁を.........』

 

 

 街から少し離れた廃屋。そこを根城にしているというのです。彼女はレースで負けた後ここに連れて来られたのです。

 もっとも、意気消沈していたので途中で無理やり変わってあげたのですけど。

 

 

 まず何をすべきか.........と言わなくても、雑巾がけからした方が良いでしょう。床が少し汚れています。ゴミや物が散らかっていないのがせめてもの救いです。

 

 

ビール(全く、勝てると言ったから変わってあげましたと言うのに、これなら私が走った方が良かったです)

 

 

『.........』

 

 

ビール(.........ちょっと!!ちゃんと聞いて―――『ごめん』.........え?)

 

 

『.........ナサイ』

 

 

 先程まで気を失っていたかのような振る舞いを見せていた彼女。トレーナーさんに担いで貰って着いて来てもらいましたが、彼女に小言を言おうとして振り返るともうその場には居ませんでした。

 そして彼女の謝罪が聞こえて来た時、その方向を見ると壁に向かって縮こまって体育座りをしている彼女が見えたのです。

 

 

 声の調子から。そしてその姿から、先の勝負が心に来ているのが手に取るように分かりました。

 そんな相手に追い打ちをかける趣味など無く、私は彼女に近付いて背中をさすりました。

 

 

『オレ.........強かったんだよ.........』

 

 

『信じて貰えねぇかもしれねぇけど.........[アッチ]じゃ、オレの名前を知らねぇ奴なんて居なかったくらい.........』

 

 

ビール(.........仕方ありませんわ。きっとこっちでは勝手が違うと思いますし)

 

 

 悔しそうな声色で彼女は俯いたままそう言います。両手を握り締めて居る姿からは私達と何ら変わらない、ただ[勝ちたい]という意志の強さが見て取れました。

 初めて彼女の[心]の奥底に触れ、その存在を実感します。彼女もまた、[レース]という世界で生きてきた存在なのだと理解して行きます。

 

 

 そんな彼女の為に、私は[賭け]をすることにしました。

 

 

ビール(.........一つ、[賭け]をしませんか?)

 

 

『.........?』

 

 

ビール(先程貴方が受けた勝負。今度は私がしましょう)

 

 

ビール(一週間後に[長距離]で、同じ相手とレースをします。私が勝ったら―――)

 

 

『―――!本気かよ.........!オレでも勝てなかったんだぞ!!!』

 

 

 私の提示した条件に彼女は懐疑的な態度を示しました。確かにかつては圧倒的な実力を持っていた存在だと口ぶりからして理解出来ます。

 しかし、それも[別の世界]での事。こことはきっと仕組みや何かしらが違っているはず。その分ならば、私の方が断然有利です。

 

 

 この世界のこの[国]。この[時代]に置いて、[長距離]と来るならば.........私は同じ相手に[二度も負ける]事はしない。そうはならない様にしています。

 

 

 そんな私のことを静かに見つめている。[彼]の視線に気付いた私はそっと彼の方を見ました。

 

 

『.........』

 

 

ビール(.........ふふ♪楽しみですか?)

 

 

『うん。君の走りを久々に見れるんだ。[トレーナー]としては当たり前だろ?』

 

 

 静かに。ですがその熱意は揺らぐ炎の如く苛烈な熱を帯びている。触れれば火傷してしまう様な熱意を内に秘め、彼は私を見て微笑みます。

 

 

 こうして見れば何も[変わっていません]。[メジロマックイーン]とその[トレーナー]。在り方としては[退屈]な程に、何一つ変わりなく存在している。

 こんなにも[変わってしまった]と言うのに、心を繋ぎ止める[糸]も、その心の[形]も、出会った頃から何一つ変わらない。

 

 

ビール(.........本当、[退屈]しない)

 

 

ビール(ううん、[出来ない人]ね)

 

 

 この人が居るから[強く在れる]。傍に居るだけで、見てくれていると信じるだけで力が湧いてくる。どんな逆境すらも跳ね除ける事の出来る力を.........

 

 

ビール「.........ですがまず、ここのお掃除です。任された仕事は例え不服でも、完璧に仕立てあげて見せますわ」

 

 

 ふうっと息を整え、気持ちを目の前の事に向け直します。汚れた床。剥がれた壁。乱雑に台やテーブルの上に置かれた様々な物。

 まずはそれらを一週間で片付けると目標を掲げ、私は行動に移しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「.........」

 

 

ビール「.........約束通り来ましたね」

 

 

「あぁ、思えば[オマエ]とはやってないからな。あのレースは思えば[無意味]な物だった」

 

 

 廃墟の表。まだ日の高い午前の週末。目の前にはウマ娘用のコースが広がっている。大きさはかなりあるが、誰一人として居ない。

 かつては賑わいを見せていた場所だ。だがそれも不景気やらなんやらが重なって会社が潰れちまった事で、取り壊す資金繰りも出来ずに閉鎖されちまっている。

 

 

 それが、[俺ら]の溜まり場だ。

 

 

「しかしどういう風の吹き回しだ?それで納得したから、一週間雑用やってたんだろ?」

 

 

ビール「ええ、いい経験になると思いましたし、そこは[約束]しましたから」

 

 

「.........へっ、律儀だねぇ」

 

 

 この女は突然、勝負しろと言ってきた。同じ条件で同じコース。それを明日やれと俺に言ってきた。

 まぁ、アレは真っ当な勝負じゃなかった。俺としても不本意だったが、コイツはそれでも条件を飲んでその勝敗を受け入れた。

 

 

 だが、それでは今のこの現状は説明出来ない。

 

 

 何故今更になって、また勝負を挑んできやがった?それだけが疑問だった。

 

 

ビール「私にもやるべきことがあります。楽しい事もありましたがやはり、戻るべきなのです」

 

 

ビール「それに―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――[友人]がやられて何もしないのは、私の道理に反しますから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ.........!!?」

 

 

 膨れ上がる闘気。それはコイツの周りを包む所か、俺にまで及んでその大きさすら把握出来なくして来る。

 間違いない。コイツは[アウトロー]の器じゃない。[日の元]のレースで価値を積み上げてきた奴の風格.........!!!

 

 

『お前、中々やるじゃん』

 

 

(.........ふっ、まさかここに来て[アイツレベル]と出くわすとは.........ヤキが回ったか?)

 

 

 覚えのある感覚。鋭いようでいて柔軟。剛直でありながらその実繊細。レースで通すべき意地と捨てるべき拘り。それを感覚で分かっている奴の風格だ。

 でもコイツは[違う]。感覚なんかじゃない。理路整然としていて、一回一回のレースで拾うものと捨てるもの。それらを区別してきやがるタイプ。

 

 

「.........お喋りは終わりだ」

 

 

ビール「ええ。お互い、[楽しみましょう]」

 

 

「姉御ー!!!準備OKですっ!!!」

 

 

 遠くからの声を合図にゆっくりと姿勢を前のめりにする。ゲートが開く準備が整った。コイツがどういう走りをしてきやがるのか.........しっかりと見てやる.........!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――ガコンッッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――ゲートが開いた。どちらも出遅れる事無く難なくレースが展開される。

 しかし、そのレースを見て誰もが驚きを隠せていなかった。

 

 

『速すぎやしねェか.........!!?』

 

 

『いや。アレが[あの子]のレースだよ』

 

 

『アレこそが.........[メジロマックイーン]のやり方だ』

 

 

 前目に着く先行策。普通であれば相手に揺さぶりを掛ける為にもう少しスピードを抑え込んでやる。或いは相手の出方を伺って後ろに着くやり方もある。

 だが彼女のレースは至極単純。逃げより後ろを誰よりも早く走る。前を走る者は後ろからの圧で、後ろを走る者は前と引き離されるという焦りでリズムを崩される。

 

 

(.........本当、変わらないな)

 

 

(変わんないのに、いつも[見ちゃう]な。君のレースは)

 

 

 姿形は違えど、そのレースは何にも変わらない。圧倒的な力を[理解させる]。一度彼女に勝てたとしても、[二度目]は無いと思い知らせてくる。

 

 

『.........サンちゃん。君は[ここ]で二度走ってどう思った?』

 

 

『?どうって、ヤケにスピードが出やがるなって.........』

 

 

『そう。そうなんだよ。日本の芝は速度特化なんだ。脚に負担が掛かりやすい』

 

 

『見た所、君も結構[脚を気にした走り方]をしてるよね』

 

 

『っ!』

 

 

 先の二戦。サンちゃんはかなり足を庇った走り方をしていた。それもかなり[不慣れ]なやり方だった。今までそんな走りをした事が無い。とでも言うような程に。

 身体に慣れていないという事もあるだろう。それも相まって負けてしまった。そう言い訳出来る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう。言い訳[出来てしまう]。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『.........マックイーンもそうなんだ』

 

 

『え.........?』

 

 

 今の彼女を何も知らない人から見れば、完璧な存在だと言うだろう。でもそうじゃない。今でもあの子は、あの[痛み]に怯えている。

 どうしようも無いほど。絶え間ないと思ってしまう程の[苦痛]。それを身体に刷り込まれ、脳に刻み込まれてしまった彼女の走りは些細だが変わってしまった。

 

 

『君が知っているかは分からないけど、あの頃とは走り方が違う』

 

 

『あの頃の様な[完璧]で、[徹底]した走りは出来ない』

 

 

『.........けど』

 

 

 

 

 

 ―――長距離レースも中盤戦。ジリジリと間を詰めて来るのはやはり中々の手練だと言うこと。それを思い知らせてきます。

 

 

ビール(本当、この実力なら[トゥインクルシリーズ]でも通用したでしょうに)

 

 

ビール(.........けど貴女はきっと、ここに[居場所]を見出したのですね)

 

 

 [帰るべき場所]。[居るべき場所]。人にはそれぞれ、まるで運命で定められたかの様に存在しています。

 その場所を離れようとしてしまえば何かの力が働いて、その場所へと引き戻されそうになってしまう。多くの人がそれを受け入れて生きている。

 

 

 現に私ですら、彼女の[居るべき場所]はこんな所では無いと思ってしまいました。それについて心の中で謝りつつも、この場所に居続け、力を着けて行ったであろう彼女に敬意を表します。

 

 

 居るべき場所。私にとってそれはもう、この[ターフ]の上では無いのでしょう。それを示すようにあの[痛み]は、未だに私の中から消えてはくれません。

 

 

 .........ですが。

 

 

ビール(だからこそ、[忘れられない]のです)

 

 

 

ビール(あの日の[レース]を、あの日の[光景]を、あの日の―――)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(―――[あの人]の[想い]をッッッ!!!!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――スゥゥゥゥゥ.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――ガチンッッッ!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 [勝ち続ける意志力]

 [Lv 1]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『.........何だよ、あれ.........』

 

 

 ―――最終コーナーの手前も手前。彼女はそこから徐々にではあるが加速を付け始める。

 それだけじゃない。その身体の動きはより[自然]に、そしてより[能動的]になって行く。

 

 

 [無尽蔵のスタミナ]。それが彼女の武器であり、才能だ。それを疑う者は誰一人として居ない。

 だがそれでも、それが彼女の[中心]では無い。[個性]と言うにはあまりにも手慣れた振るい方をしている。

 

 

 では[個性]とは何か?この場に置けるそれは、自分には到底扱い切れない制御不能な[存在]。

 否が応でも表に現れ、決してコントロールする事の出来ない産物。生を受けると同時に与えられる物。

 

 

 ようやく見つけられた。見つけてくれた。それこそが彼女の[走りそのもの]であり、何者にも変えられない[個性]なんだ。

 

 

『[完璧]でも無い。[徹底]した走りでも無い』

 

 

『だったらあの子はコーナーを抜けた所で相手を突き放すし、精神的負荷を掛ける為にもう少し抑えた走りをする』

 

 

『でも[俺達]が目指したのは[それ]じゃない』

 

 

『[完璧]とは違う。[完全]とは真逆の方向なんだ』

 

 

 [勝ちたい]という意志は誰にでもあるものだ。そんなものを個性と言う人は居ないだろう。

 けれどもし、彼女と同じ境遇に立っても尚同じ事を思い続けられる人間が世界に一体どれほど居る?

 

 

 どんな苦境に立たされても決して諦めない心。決して勝利を手放さない意志の力。それは最早[個性]と呼んでも差し支え無いだろう。

 純真純然な[勝ち]に対する思い。僻みも無く負い目も無い。ただただそれを求め、日々鍛錬を続ける存在。

 

 

 それこそが、[メジロマックイーン(強者)]の姿なのだ。

 

 

『[夢]を追いかけ、[一片の可能性]を信じて突き進んだ先。それが[俺達]の目指す場所なんだ』

 

 

『.........』

 

 

『結構楽しそうでしょ?サンちゃん』

 

 

 

 

 

 ―――コイツはそう言って、なんでもない様に笑って見せやがった。それがどんだけ辛くて苦しい事なのか、分からない訳無いはずなのに.........

 

 

(.........この世界は、[特別]だ)

 

 

(叶わなかった夢を、有り得なかった[未来]を映し出す。オレにとっちゃ絶対そっち側には行けない[鏡]の様な世界だ)

 

 

 オレは.........オレには、夢なんて無かった。ただオレをバカにする。コケにしてくる連中を見返したかっただけだ。

 その中には、オレをまるで[操り人形]みてぇに手のひらで転がしてくる[運命]って奴も含まれている。

 

 

 それにだって抵抗したさ。けど終いには.........

 

 

 [すまない.........すまない、[    ].........もう、君の耐えている姿を見ているのが.........辛いんだ.........]

 

 

 [オレ達]は[一匹]じゃ生きて行けない。それを知ったのは、檻から抜け出した後だった。

 人間とかいう自分勝手な奴らに、そもそも産まれる前から身体を.........[血]を好き勝手に弄られていた。それで構成されちまっている身体はもう、人間無しじゃ生きて行けねぇ。

 

 

 そんな奴らが諦めた。オレの行く末は決まっちまっていた。

 

 

 でも.........その気持ちだってもう、分かっちまうんだよ.........

 

 

 [ガキ共]見てりゃ.........そりゃ、夜には[寝て欲しい]って思っちまうもんなんだ.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ―――だけど、コイツは違う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 往生際が悪すぎる。諦めるって事を忘れちまった様な存在。立ち止まる事なんてしない。夜になっても目を閉じない。

 目を開けたまま[夢を見ている]コイツは、誰の夢だろうと諦めようとはしない。夜が来ようと関係なく目を開けている。

 

 

 次はどこに向かおうか。何があるんだろうか。それだけが頭の中にある典型的なバカだ。だけど幾らバカでも場数を踏めば賢くなる。

 コイツは.........何故かバカであろうとしてやがる。

 

 

『.........怖くねぇのかよ』

 

 

『お前、アイツがもう一度[壊れたら]どうすんだよ』

 

 

『そりゃ勿論。もう一度[超える]までですよ。それ以前に、二度目は無い』

 

 

 .........やっぱコイツは、突き抜けたバカだ。ちゃんと考えられる頭があるってのにそれを使おうとしない。正真正銘の愚か者だ。

 

 

 オレはこう言った考え無しな奴が大嫌いだ。自分の身の丈も分からず、有り得る未来を夢見て現実に怯える。そんな姿が見て取れる。

 

 

 それこそ、[アイツ]の様に.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 [よしっ!俺が[馬主]になったからにはもう安心だぞ!!]

 

 

 [もう絶対、セリには連れてかないからなっ!]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『.........っ』

 

 

 .........随分昔の事を思い出しちまった。それもこれも全部目の前のコイツが悪い。

 

 

 この世界。[競走]の何もかもを見てきて理解しているはずなのに、その上でヘラヘラ笑うコイツが.........重なって見えちまう。

 

 

 そして何より.........

 

 

ビール「っ!はァァァァァッッッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 コイツが、[メジロマックイーン]を救ったのが一番。オレにとっては苦しい現実だった.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビール「お世話になりました。とても良い経験を積むことが出来ましたわ」

 

 

「.........」

 

 

 私が挑んだ長距離レース。その結果は[七バ身差]という結果で勝負が着きました。

 

 

 レースが終わり、約束通り私は解放されました。荷物をまとめて皆さんに頭を下げると、皆さん不可解そうな目で私を見てきていました。

 

 

ビール「?な、なにか?」

 

 

「お前、一体何者だ?」

 

 

ビール「え?」

 

 

「姉御はここいらを締めるリーダーッス。幾らトレセンでトレーニングしてるからってあんな勝ち方、無名の奴には到底無理ッス!!」

 

 

 これは.........困りました。確かに彼女の実力は折り紙つき。[アウトローレース]が主戦場だったとしても公式レースに出れば。具体的に言えばしっかりと正確なトレーニングを積めば[G1級]のレースで掲示板入り出来るほどの実力者です。

 そんな相手にあんな大差をつけてしまえば正体を疑われるのも必死.........こ、ここはどうすれば.........

 

 

ビール「え、えと、その。そう!!実は私、桜木トレーナーさんと知り合いでして!!」

 

 

「桜木?あの[レグルス]のか!!?」

 

 

ビール「え、ええ!!め、メジロマックイーンさん.........と、同じトレーニングを実は.........」

 

 

「「「「.........」」」」

 

 

ビール「.........お、オホホ」

 

 

 く、苦しかったでしょうか.........?いえしかし、最早これしか言い逃れようが無かったのです。

 ずっとトレーニングをしていたと言えば何故公式レースに参加していなかったのかと聞かれるでしょう。感覚で、なんて言ってしまえば角が立ちます。

 そう。これが最適解だったのです。これ以外に言えることは私には.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「すっげェェェェェ!!!!!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ビール「へ?」

 

 

『え?』

 

 

 もう逃げてしまいましょうか。そんなことを考えて俯いていると、唐突に賞賛する声が聞こえてきました。

 顔を上げると先程まで疑っていた表情がキラキラとした物へと変わり、尊敬の念の籠った視線を私に浴びせてきました。

 

 

「お、俺達ファンなんだよ!!あのチームの!!」

 

 

「あんな個性の塊まとめあげる所か誰一人その個性を殺していないチーム力っ!!正に神業ッス!!」

 

 

「か、感激〜.........!!」

 

 

「握手お願いしますっ!!!」

 

 

ビール「え、ええ!!勿論ですっ!!」

 

 

 気が付けばただの雑用係から、まるでアイドルに生まれ変わったかの様な扱い。少し困惑してしまいましたが、彼女達もまたチームのファンなのだと知り、私もつい握手に応えてしまいます。

 

 

「そっか〜。まさかマックイーン[様]のトレーニングを受けてるとはなぁ」

 

 

三人(ま、マックイーン様!!?)

 

 

「道理で強い訳だぜこんちくしょう!!でもいい経験になった!!!あんがとよッッ!!!」

 

 

ビール「!ふふ、宜しければまたお相手。お願いいたしますね」

 

 

「おうっ!!!」

 

 

 ぶっきらぼうで無愛想だと思っていた第一印象。しかしその実態はかなりのファンガールだったようです。

 彼女は最終的に気合を入れる様に私の背中をビシッと叩き、私の事を送り出してくれました。

 

 

 そうして、彼女達と別れた私は彼の自宅へ帰る為に電車に揺られていました。

 

 

『いやぁ、それにしてもびっくりだな〜。まさかファンだったとは』

 

 

ビール(ビックリも何も、考え直せば至極同然です。URAファイナルズに殆どのチームメンバーが出場した上に、全員決勝まで残ったのですから。当然の結果ですわ)

 

 

 不思議な事もあるものだ。とでも言わんばかりの顔をしてぷかぷか浮いている彼に対して苦言を呈します。いつまでもそんな態度を取られると頑張っている私達に失礼だと思います。

 

 

『いやチームの方は良いのよ?ただ俺への食いつきもかなり尋常じゃなかった感じだし』

 

 

ビール(先程の言葉通りです。貴方の功績でもあるのですから素直に受け取ってくださいまし)

 

 

『そう?マックイーンがそう言ってくれるならそうしようかな?』

 

 

 全くもう.........この人は本当、自分に対する評価に無頓着なんですから。今回の事件の発生もそれが原因なんですよ?もう少し自慢げにして欲しいものです。

 電車に揺られながら窓の外へと視線を移します。一週間通い続けてようやく見慣れてきた景色。それらがまた日常から無くなっていくのだと思うと寂しい気さえします。

 

 

 けれど、そんな寂しさを紛らわすように.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グ〜〜〜.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あら、お腹空いちゃったみたいだね』

 

 

ビール(なっ、い、いつもでしたらレースの後は空きませんのに.........!!!///)

 

 

『身体違ェしな.........っつかあンな事あってまだ食いたがるのかよォ.........』

 

 

 ま、またしても醜態を.........!!!私だって空きたくてお腹を空かせている訳では無いです!!!

 

 

 うぅ、一体何が足りないのでしょう.........思えばあのお店でスイーツを食べていた時もあまり満腹感が得られませんでした.........一体何が.........

 

 

『まぁまぁマックイーン。帰ったらご飯作ってあげるからそう気を落とさないで』

 

 

ビール(!トレーナーさん.........)

 

 

『俺の身体なんだし、暫く変わるよ。お腹空かせるのは慣れてるからね』

 

 

ビール(そ、そういう訳には行きませんっ!これも一種のトレーニングですわ!!)

 

 

 未だに慣れることの無い空腹感。幼き頃に甘やかされて来た私の欠点。これもいつかは克服しなければ行けません。いつまでも欲しがりのままでは子供のままですから。

 目指すべきは節制。そして出来ることなら、それをしながら[与える側]に立ちたいと思っています。

 

 

 そう、[夢]を諦めながらも、私達のソレを支えてくれた.........この人のように。

 

 

『晩飯ってェよォ。作るのダルくねェかァ?ピザで良いだろピザで』

 

 

『ダメだよサンちゃん。ただでさえデリバリーばっかしちゃってたんだから。今日から本格的に身体作りの為に献立表を作って行きます』

 

 

ビール(!で、では今日からトレーナーさんのご飯が食べられるのですね!!?)

 

 

『うおっ!!?急に尻尾振ンなよ!!!』

 

 

 そうです。きっとそうに違いありません。ここ最近の不満足感は彼の手料理を食べれていなかったからですっ!!!

 トレーナーさんが真心込めて作ってくださる物は栄養満点で、しっかりと皆さんの身体の事を考えてくれていて.........食べてるだけで心がポカポカしてくるんです.........♡

 

 

ビール(勝てる.........!これで誰が相手だろうと負けはしませんわっ!!!)

 

 

『.........お前の飯薬でも入ってンのか?』

 

 

『ここ日本だよ!!?流石に買えないじゃんねェ!!!』

 

 

 これから毎日.........?朝も昼も夜も?平日も休日もトレーナーさんのご飯が.........!!?

 ま、ままま、待ってくださいっ!!!そんなの実質、け、けけけ、結婚.........///

 

 

「間もなく、府中。府中」

 

 

『おっ、着いたよマックイーン.........マックイーン?』

 

 

ビール「フ、フヒヒ.........結婚.........トレーナーさんと.........♡♡♡///」

 

 

『ウォエ.........頭スイーツになってやがる.........』

 

 

『ああうん。俺変わるね。買い出ししなきゃだし』

 

 

 彼との生活.........夫婦となった日々を妄想している内に気付けば私は身体から離れており、目の前にはいつの間にか彼の美味しい手作りカレーが出されているのでした.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 Here Comes A New [Racer]!!!

 

 

 

 

 

 長距離

 ウエスタンビール(メジロマックイーン) New!

 

 

 

 

 

......To be continued

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オマケ

 

 

 

 

 

 メジロマックイーンのお料理教室っ!ですわ?

 

 

 

 

 

マック「御機嫌よう。メジロマックイーンよ」

 

 

マック「今回はスタミナ増強特性ラーメンを作って行くわ」

 

 

『ちょ、ちょっと待ってくださいましっ!貴女料理作れますの!!?』

 

 

マック「当たり前でしょう?暇な時は彼の所に行って見てたんだから」

 

 

『そ、そんな簡単ではありませんっ!!良いですか?お料理というのはまず―――』

 

 

マック「用意する具材は生姜とにんにく。味噌と豆板醤。長ネギとひき肉。それとごま油ね」

 

 

マック「さっとやっちゃいましょう。別に言う事も無いし」

 

 

『な、なんて手際なの.........!!?』

 

 

マック「これで鍋に入れて炒めてから水で沸騰させておけばスープの素が出来るわ」

 

 

マック「後やることと言ったら麺を入れて具材盛り付けるだけよ。はい完成」

 

 

『なっ.........お、黄金にキラメキ輝いて.........!!?』

 

 

マック「貴女には到底生み出す事の出来ない輝きでしょうね?」フッ

 

 

『ひ、ひとくち!!ひとくちだけ食べさせてくださいましっ!!!』

 

 

マック「働かざる者食うべからず。貴女、何かしてくれたかしら?」

 

 

『そ、そんな.........!よよよ〜.........』

 

 

マック「うんおいしい♪これでぐっすり眠れるわね♪」

 

 

『.........え待ってまさかすぐ寝るつもりですか?』

 

 

マック「当たり前じゃない。食べて寝る。それが身体を健康に保つ為の最大の―――」

 

 

『―――あら?』

 

 

マック「い、今からカロリーを消費する為の超効率メニューを皆さんにご紹介いたしますわ!!」

 

 

マック「一緒に頑張って痩せましょうねっ!!」

 

 

 

 

 

 メジロマックイーンの[ダイエット講座]っ!らしいわよ?

 

 

 

 

 

 Tips

 [勝ち続ける意志力]

 レース中盤。先行集団の先頭に立っていると持久力を大きく回復して加速し、コーナー手前まで速度を上げる。先頭で無い場合は持久力を回復し速度を上げる。

 コーナーを回った後逃げより後ろだと持久力を減らして更に加速力を上げる。先頭に立っている場合は持久力を減らして速度を大きく上げる。

 

 

 

 

 

 End.........♪

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