山あり谷ありウマ娘 〜気付いたら脱サラしてトレーナーになった話〜 作:ギノっち@カマタラル
「―――っ、ん.........あら.........?」
混濁する意識の中、耳に聞こえて来るのはチャイムの音。じっとりとした湿度を伴う高気温が汗を滲み出させてくる。
周りを見ると皆さん、既に鞄を持って教室を後にする方々。もしや、ホームルームを寝て過ごしてしまったのでしょうか.........?
「[まっきー]!!良く眠れた?」
「[東海林]さん。起こしてくれませんでしたの?」
「だって〜。気持ちよく寝てたし〜」
ひょこり。と顔を机の下から半分覗かせて来るのは[
起こしに来てくれた彼女と共に、私達は練習に向かいました。
「あ〜あ。今日でもう[終わり]か〜」
残念そうな声で嘆く帝央。無理もありません。アスリート育成のこの学園は中高一貫性の女子学校。六年間過ごした日々を思うと、あまりに呆気ないと感じます。
「コーチ泣いちゃうかな〜?」
「どうでしょうね」
私達を育てて下さった[コーチ]。爽やかな人でありながら情に熱く、一人一人に親身に向き合ってくださる大人の男性。部活内外問わず、生徒に人気のある方です。
数多くの別れも経験している筈ですから、そうそう取り乱す事も無いとは思いますが.........
ーーー
「はぁ.........はぁ.........ふぅ」
額から流れ出る汗を拭い、強く差し込む物の、優しい夕日の日差しに目を向けます。疲れては居ますが、やはりこの清々しさを一度体験してしまうと中々止められない物です。
そんな私に、コーチが近付いて来ました。その手にはタオルとスポーツ飲料があり、それを渡してきます。
「お疲れ様。中々良いタイムだったよ」
「ありがとうございます。コーチ」
「うん。これならここを出ても、[プロ]としてやって行けそうだね」
タオルとドリンクを受け取りながら、彼が持つストップウォッチに目を向けます。距離は10000m。女子の持久走としてはかなり長い距離ですが、今までの鍛錬のお陰でそれほど苦にはならないレベルです。
.........[プロ]。その言葉には少し、抵抗感があります。私の家系は代々アスリートの家柄。私の両親も、そしてその親であるお祖母様。お爺様も、何かしらのスポーツで一線級の活躍をしていた存在。
.........ですが私自身、そこまで苦労して今ここにいる。という訳では無いのです。
人から見れば栄光の道。努力と才能。それによってもたらされた数々の成功と活躍。それの何が不満なのかと言われてしまえば、困ってしまいますが.........
「.........槙菜くん。そろそろ卒業だね」
「!え、ええ.........そうですわね」
私の気も知らず、彼は神妙な顔でそう言いました。空気が少し張り詰めている。そう感じる程度には、雰囲気が少しシリアスな物へと変わっていきました。
「.........その、なんて言ったら良いのかな」
「.........?」
「.........君の事が好きだ」
「結婚を前提に、僕と付き合って欲しい」
「.........」
突然でした。私がその展開を読めない程に唐突で、そして潔い告白でした。
夕日が揺れ、沈んで行くのを背に、彼はまた爽やかな顔でそう言ったのです。
「.........ああ、そうですか」
マック「では帰らせて頂きますわね」
「―――なっ」
目の前の人は酷く驚いた顔を見せています。無理もありません。今まで従順だった生徒が、その今までを無視する様に彼の申し入れを断ったのですから。
「な、んで.........ここは[良い世界]じゃないか!!!」
マック「そうですわね。けれど、[良すぎるのも毒]。という事もありますわ」
普通の存在。普通の暮らし。ここでの記憶は沢山あります。作られた物でしょうが、確かに楽しい物ばかりです。
.........けれど、そんな物で人生を語れてしまうのならば.........それはきっと、聞く人にとってはさぞ[退屈]なものだと感じてしまいます。
私は自分の[物語]を知らない誰かの食い物にするつもりは毛頭ありません。だからと言って、[仲間]や[友人]と振り返る思い出がただ楽しかっただけの味気の無い物に成り下がるのは御免です。
「まさか.........ずっと[騙していた]のかい.........?」
マック「.........」
「なんでそんな事を.........!!!」
マック「ここに来た以上、[選ぶ権利]は私にあります」
「選ぶ.........権利.........?」
.........常日頃から、彼は私達に行動や直接的では無い言葉でそれを示してきました。優柔不断な一面はありますが、それは確かに[自分で選ぶ]という事をしているからこその弊害です。
教育者としてでありながら一人の[個人]として、彼は私達を[ウマ娘]。[アスリート]として見ながらも、未だ[未熟な個人]としてを見てくれているのです。
[大人]として生きていく為に、[選ぶ力]を養う事を、彼は常日頃してくれているのです。
マック「こちらとあちら。どちらが良いのか、今ハッキリとしました」
マック「断然あちら側です」
「そんな、どうして.........!!?」
マック「理由はたった一つです」
「[あの人]はもっとロマンチックに告白してくれますから.........♪」
ーーー
『バカ野郎ッッ!!!目ェ覚ませ[相棒]ッッッ!!!!!』
―――ウエスタンビールの後頭部に強い衝撃が走り、思考のプロセスがリセットされる。それも、終わった直後の状態。興奮覚めやらぬ状態にまで彼は意識を戻す事が出来た。
ビール「いっっってッッッ!!!??ここはどこ!!?俺は誰!!?相棒って何!!?」
―――気付いたら俺は顔面から地面に倒れていた。頭も痛い。何が.........何があったんだ一体.........
痛みと聞こえた言葉に混乱しながら真横を見ると、Mさんが居た。凄い目で俺を見ていた。アレは養豚場の豚を見る目だ!!!
『.........さっさと立つ』
ビール「ってて.........(サンちゃん。相棒って何よ?)」
『.........知らねェ.........///』
あら可愛い。いつの間にかこんなに愛らしくなっちゃって。ツンギレがツンデレ位にまで落ち着いたかな?
.........いやごめんって。悪かったよ。俺が悪かったからそんな睨まないでよ.........
『状況は最悪よ。あの子は[催眠]を掛けられて意識が殆ど無くなってるわ』
『.........殴る訳にもいかねぇしな』
ビール(.........どうすっかなぁ.........ん?)
全員「ジー.........」
ビール「.........な、なに?」
殆ど全員(なんか居るバカ共はぶっ倒れてる)が俺の方を無言で見つめてきている。それも何か、期待してる感じの奴。
なに!!?なんなの!!?君達俺をなんだと思っているの!!?こんな状況何とかできる訳ないじゃん!!!マジシャンでもなんでも無いんですけど!!!
テイオー「もーっ!!何やってるのさサブトレーナー!!こういう時はサブトレーナーが何かするんだよ!!?」
ビール「何かってなに!!?」
ダスカ「決まってるじゃないっっ!!!さっさと[愛の告白]してマックイーンを目覚めさせるのよ!!!」
ビール「んな無茶な!!?おかしいだろどう考えたってェッッ!!!」
ウオッカ「でもよー。サブトレーナーってイチャイチャしてないと死ぬってトレーナーが言ってたぜ?」
ビール(殺そう。あのバカは)
スズカ「その、マックイーンに直接伝えたい事。あるんじゃないかしら?」
ビール「つ、伝えたい事って―――」
「こっくはく♪こっくはく♪」
ビール「づァァァクソァ!!!そんなんだろうと思ってたよッッ!!!この野次ウマ娘共がァッッッ!!!!!」
手拍子揃えて囃し立てるウマ娘達。数人は興味無さそうな感じではあるが、やるなら早くしろと言わんばかりの視線が痛い。何これ?罰ゲーム?女子怖.........学生時代でもこんなイジメ受けたこと無いんですけど.........
だが、やらなければ話が進まない。最早他の手立てを考えてる者は居ないんだ。さっさと終わらせて次の手を考えさせてもら―――
「ククク.........たかが人一人の言葉で、彼女を取り戻せるとでも?」
―――あ゛?
ビール「―――スゥゥゥ.........」
キレた。俺の中で決定的な何かがキレた。
[たかが]?ふざけるなよ。俺はそりゃ自分の好き勝手をやって後片付けなんざしない様な無責任な大人だ。
けどな.........そんな俺にだって、果たしたい責任はあるんだよ。
ビール「.........マックイーン。聞こえないならそれで良い。これは俺の[
ビール「俺と君は、[一心同体]だ。君の選択を揺らす事を俺はしたくない」
ビール「君が俺を嫌うならそれで良い。君が幸せになれるのなら、俺は君の前から消えても良い」
「.........随分殊勝な言葉だね」
「―――でもこれだけはハッキリ言っておく.........!!!」
「俺はッッ!!!君の事が大好きだッッッ!!!!!」
「君とッッ!!!仲間と過ごした思い出を自分だけで振り返る[未来]なんて欲しくないッッッ!!!!!」
「俺と.........[結婚]してくれェェェェ―――ッッッ!!!!!マックイィィィ―――ンッッッ!!!!!」
全員「.........ゑぇ?」
―――誰がそこまでやれと言った。そう思いながら俺は頭を抱えた。過去の自分の勢い任せの行動。正に黒歴史ノートに現在進行形で続きを書かれている様な状態だ。
.........しかし、彼女は背を向けたまま動かない。ここまでやってダメだったら本当に不味い。主に俺の自尊心が。ポッキリ折れてしまう。
頼む.........振り向いて蔑むだけでも良い.........!!!せめて何か反応をしてくれ.........!!!
そう思っていると、無反応だった彼女の身体が震え始める。こ、これはまさか.........成功したのか.........!!?
「―――は〜い♡♡♡♡♡」
全員「ゑ゛ぇ゛!!!??」
「な、何ィィィッッ!!!??」
.........彼女は片手を頬に添え、見た事も無いほどに嬉しそうな表情で振り向いて見せた。
そしてそのまま奴へと迫り、両手を広げて飛び込んで行く。それを待っていたかのように桜木もまた、両手を広げて彼女を出迎えた。
勢い余って彼女の脚が地に着く間に三回転。その勢いを全ていなして奴は彼女を見事取り戻したのだ。
マック「トレーナーさん.........♡ふふ♪」
ビール「マックイーン.........いや、[マックちゃん].........」
マック「.........!!!///」ボフン!
ビール「.........大好きだ」
マック「〜〜〜///」キュンキュン
フジ「ちょちょちょ!!!それ以上は見過ごせないからね!!?」
あ、危なかった.........彼等の空間に引きずり込まれて思考を停止させてしまっていたが、こんな場所でキスする所だったぞ!!!
フジキセキが居てくれて良かった.........流石は寮長。風紀の乱れを事前に止めてくれた.........
黒津木「うわァ!!?流石に俺の家でぬきたしで〇くなァッッ!!!」ガバッ!!!
神威「テメェ俺の為に変な新興宗教入るんじゃねェッッ!!!」ガバッ!!!
白銀「なんかぶん殴ったら死んだんだけどッッ!!!」ガバッ!!!
桜木「うわっ」
地面に突っ伏していた奴らも意識を取り戻し始めた。しまった。ここで殺しておけば良かった。あんな神とかより優先順位高かっただろ常識的に考えて.........
そう思い、肝心の神の方を見てみると驚愕一色の表情で彼女と三人を交互に見つめていた。
「あ、有り得ない.........!!![IMUNI]の催眠は誤魔化しなんか効かない.........!!![桜木 玲皇]の存在すら嫌悪させるように調整したはず.........!!!」
四人「なんだ。そんな事か(ですか)」
全員「え?」
黒津木「このバカが自分家以外でする筈ないじゃん」
ビール「宗也ぁ〜?」
神威「コイツがスピリチュアルにハマる程純粋な訳無いじゃん」
ビール「創ぇ〜?」
白銀「うわっ!!!玲皇殺せるなら殺しとけば良かった!!!」
ビール「殺す殺すうるせェよッッ!!!子供の前だぞッッッ!!!!!」
白銀「このお子ちゃま誰?話しかけないで」
ビール「てんめぇ.........!!!」
昂るボルテージを何とか抑え込み、右手を震わす桜木。しかしその様子を見て白銀は首を傾げる。
そして額に手を当てて溜息を吐くと同時に、ゆっくりと立ち上がった。
黒津木「つうか効く訳無ぇじゃん?そんなの」
神威「そうそう。何年親友やってると思ってんのさ」
白銀「舐めないで」
「そもそも俺ら玲皇の事嫌いだから」
ビール「上等だテメェ―――!!!」
ターボ「おー!!ターボレグルスの喧嘩久しぶりに見た!!」
マチタン「止めた方が良いよねっ?よねっ!?」
ネイチャ「巻き込まれるからやめとこうよ。[名物]なんだし」
レグルス(め、名物にされてるの.........?)
取っ組み合いの喧嘩が突然勃発した。何が起きてるのか理解が出来ないが、レグルスのチームメンバーは最早いつもの事と割り切って奴の方を見る。
ゴロゴロと肉団子状態で転がりながりも彼女達と奴との間から消えて行く。良いぞ。そのまま全員死ね。
「ふ、ふふ.........まさか君も、彼が嫌いだったのかい?失敗したよ。元々芽生えていた[悪感情]を増幅する機能は付けてないからね」
マック「何を勘違いしていますの?」
「え」
マック「私、嫌ってなどいません。むしろ好きです。この世界の誰よりも」
タキオン「い、言ったッ!!」
デジ「流石マックイーンさん!私達には言えない事を平然と言ってのける!そこにシビれる憧れるゥ!!!」
うお.........こっちまで衝撃が来た.........違うとは分かっているつもりだが、自分ではない自分に対して言われていると知りつつもここまで好意を向けられているとは.........全く罪な男だ。
まぁ、そんな男も今は殴り合いに勤しんでいるのだが。
「そ、そんな事で.........?そんな事で[IMUNI]の催眠を.........!!?」
マック「ええ。[そんな事]です」
マック「貴方が例えどんなに彼を嫌いにしようとしても―――」
「―――それを含めて、また[好き]になります」
ピンポンパンポーン♪
「ライブ開始まで残り30分となりました」
「参加をする選手は舞台袖までお越しください」
桜木「む.........すっかり失念していた」
そうだ。レースにはライブがあったのだった。トレーナーとしての立場で再びレースに来るのは[凱旋門]含め二度目。まだまだだな。俺も。
打ち合わせには桐生院葵に一任している。ハッピーミークもそれに付き添っているから下手な事はしないだろう。
ファイン「では行きましょうか♪」
カレン「うんっ!」
シエル「えぇ!!?この状況で行くんですか!!?」
マック「トレーナーさん達が何とかしてくれますから、私達はファンの皆様の為に頑張りましょう?」
桜木「.........可哀想だな。お前ら」
埃を巻き上げながら肉団子となって転がっていた四人は先程取っ組み合った場所まで転がり戻り、息を荒らげながら立ち上がる。
雰囲気が寂しくなった事を察した四人がこちらを見ると、ウマ娘達が誰も居なくなっている事にようやく気付いた。
ビール「あ、あれ.........?皆は.........?」
「.........ライブに行ったよ」
四人「な、何ィィィィ!!!??」
とても言いにくそうな顔で事実を告げる奴。それに驚嘆の声を上げ、全員が一斉に膝を着いた。
.........いやこれどういう状況?
ビール「テメェらのせいで.........俺はマックイーンとイチャつく時間を無くしたぞ!!!許せぬ!!!」
白銀「うるせェ!!!元はと言えば玲皇が俺のLINE無視したのが行けねェんだろうがッッ!!!どこだよアイツはッッ!!!」
四人(なんでアイツを玲皇(俺)じゃない判定してんだよコイツ.........)
怒りの声を上げてそう抗議する白銀。それに困惑する俺達。若返ってるんだからどっからどう見たって桜木は俺だろう。
白銀「お爺ちゃん玲皇どこ」
桜木「お前にお爺ちゃん呼ばわりされる筋合いは無い」
白銀「.........あっ」サワッ
ビール「.........ファッッ!!!??」
何かに気付いた様子の白銀。そしてその思考を逡巡する事も無く奴は.........
.........[胸を触った]。ウマ娘化したこの時代の俺の。[胸]を。
ビール「な、何し.........///やめ、ン.........///」
白銀「え、うわっお前玲皇か!!?」
二人「なんでそれで分かる!!?」
「だって〇首無いもん」
ビール「.........」
ビール「.........グス」ペタペタ
ビール「.........ナンデソナコトイウノ?」
全員(な、泣いちゃった.........)
さ、最低過ぎる.........奴ですら引いているぞ.........この、何.........?え、何なのこの空間!!?
誰も得をしない。寧ろ損しかしてない気がする展開。白銀は「胸無さすぎ」とか言って煽る始末。マジでデリカシー無い。
そんな中、真面目な雰囲気をいち早く取り戻した黒津木が神威の付けている眼鏡を何でか知らんが優しく奪って何故か考察を始める(なんで?)
黒津木「そ、そうか。玲皇は元々〇首引っ込んでるから、それで当てたのか.........」
「え、引っ込んでる事なんかあるんだ」
黒津木「遺伝子上の[劣勢部分]が発露してるか、或いは先天性の身体病か。何も不思議な事じゃない」
神威「〇首が引っ込んでるのが[劣勢遺伝]の可能性.........?つまり、ボスボスの実モデルビッグボスを食べた全身劣勢遺伝人間のリキッドスネークは陥没〇首だったって事.........?」
白銀「は?キモいよお前ら」
三人「お前が言うなッッッ!!!!!」
ビール「―――るな」
全員「.........え?」
突然、部屋の隅っこで蹲っていた少女が口を開いた。静かで、しかし確かな圧を孕んだ語勢。それに対してこの場にいる全員が静かに冷や汗をかき始めていた。
徐々にその胸の内に秘めた物(比喩では無いし直喩でも無い)を爆発させて行く。
そして遂に、彼女はその足で思い切り地面を踏み抜いた―――
「喋るなァァァァ―――ッッッ!!!!!」ガクガクガクガク!
魔王 ウエスタンビール があらわれた!
桜木 Lv72
黒津木 Lv27
神威 Lv27
白銀 Lv27
アニマ Lv21
戦う
外法 ◁
道具
逃げる
身代わり
見捨てる
超融合 ◁
ごめんなさい
黒津木 は 超融合 を使った !
黒津木「クッソ!!!俺はァ!!手札から速攻魔法ッッ!!![超融合]を発動ッッ!!!」
桜木「バカお前やめろ!!!」
黒津木「融合すんのは玲皇と[創の眼鏡]だァァァァァッッッ!!!!!」ポイッ!
神威「お前何してくれちゃってんの!!?」
パシッ!
しかし 魔王 にはきかなかった.........
[創の眼鏡]は割られてしまった.........
神威「あぁあぁぁああぁぁぁ!!!あ゛あ゛あ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ッッッ!!!!!」
神威「テメェェェェェ―――ッッッ!!!!!何してンだァァァァァ―――ッッッ!!!!!」
神威 は バイキルト をつかった
神威 は スクルト をつかった
神威 は ピオリム をつかった
神威 は こんらん している !!!
白銀「ねぇアイツら何やってんの?」
桜木「お前のせいだろッッ!!!」
白銀 は パーティ から脱退した。
「.........」
アニマ は 逃げ出した。
ビール「逃げるなァァァァ!!!!!」ブオン!!!
「ひっ!!?」
[創の眼鏡だった物] が投げつけられる。
知らなかったのか?魔王からは逃げられない。
神威「殺す.........!!!殺してやるッッッ!!!!!」
神威 の とびひざげり(成功値90) !
神威 の まわしげり(成功値85) !
神威 の せいけんづき(成功値99) !
ダイスロール
91.86.100
桜木 に 攻撃 が当たらない!
桜木 に 攻撃 が当たらない!
強化ガラス に 命中!
強化ガラス に 1 のダメージ
神威 は 52 のダメージを受けた
桜木「コイツ目が見えてないッッ!!!??」
黒津木「お前眼鏡どうしたの!!!??」
神威「おおぉぉぉぅぅぅぁぁああああああ!!!!!(悶絶発狂)」
桜木「くっ!俺に出来る事はこれしかない.........!!!」
桜木 の ともえなげ(成功値85) !
ダイスロール
46
白銀「あァ!!?なんで俺狙ってんだよ!!!」
桜木「お前を殺す.........!!!」
白銀 の 回避(成功値90) !
ダイスロール
1
回避 が 鉄山靠 にへんかした !
白銀 の 鉄山靠 が アニマ を襲う !
「ちょ、ま―――」
アニマ は 気絶した !
白銀「.........ん?待てよ。今日俺のプロポーズが失敗したの.........まさかコイツのせい?」
桜木「.........え、待って聞きたくない単語が聞こえたんだけど?プロポーズって何?」
白銀「殺さなきゃ(使命感)」
桜木「人の話を聞けィッッ!!!」
白銀 の 殺人拳(成功値1) !
ダイスロール
1
殺人拳 が 滅殺拳 にへんかした !
白銀 の 滅殺拳 が アニマ を襲う !
桜木「アカンこれじゃ花道が死ぬゥ!!!」
黒津木「何の問題ですか?♂(レ)」
神威「死ねェェェェ―――ッッッ!!!!!」
神威 の 燕尾(成功値80) !
ダイスロール
100
燕尾 が バジリスクダンス にへんかした !
バジリスクダンス が 全員の 混乱 を誘う !
全員(何やってんだアイツ.........)
全員 混乱 している!
ウエスタンビール の 人砲撃(成功値75) !
ダイスロール
68
ウエスタンビール は 踊る神威の 頭 を掴む !
ビール「ハイメガジョンバズーカを使う!!!」
白銀「ジョン!!!??」
ビール「白銀ジョンは伊達じゃないッッッ!!!!!」
白銀 に 踊り狂う神威 が襲いかかる !
白銀 に 12 のダメージ !
神威 に 59 のダメージ !
神威 は 気絶した !
白銀「こ、殺す.........殺してやる.........!!!」
ビール「GURRRRRR.........」
黒津木「うおおおおお!!!エクスカリバァァァァァ―――!!!」
桜木「あっ!!?テメェ俺狙いかよッッッ!!!!!」
黒津木 の エクスカリバー蹴り(成功値70) !
ダイスロール
23
桜木 の 勢殺(成功値90) !
ダイスロール
10
黒津木 に 21 のダメージ !
黒津木「は?痛いんだが?」
桜木「クソがッッッ!!!!!老い先短ェ老人の思い切りの良さを舐めやがってッッッ!!!!!」
白銀「お爺ちゃんどけッッッ!!!!!」
白銀 の タックル身代わり(成功値70) !
ダイスロール
100
タックル身代わり が タンクトップタックル にへんかした !
桜木 は まだ先程の衝撃が残っていて動けない !
桜木 に 28 のダメージ !
桜木 は 気絶した !
ビール「テメェら全員ッッ!!!地獄に招待してやらァァァァッッッ!!!!!」
白銀「ピクミンシールド!!!」
黒津木「バッ!!?お前ッッッ!!!!!」
ウエスタンビール の ゴルシキック零式(成功値50) !
ダイスロール
1
白銀 の 身代わり盾(成功値99) !
ダイスロール
58
黒津木 に 98 のダメージ !
黒津木 は 気絶した !
白銀「クッソ!!!なんでこんな事になってんだよ!!!」
ビール「次はお前だ」
白銀「おい玲皇ォッッッ!!!!!」
白銀 の 説得(20) !
ダイスロール
20
白銀「お前はこれを見て何とも思わねェのか!!!」
ビール「.........!」
白銀「全部お前がやったんだぞ!!!(違う)」
ビール「そ、そんな.........(違う)」
白銀「俺はお前を許せるぞ!!!(嘘)」
ビール「.........いやでももう一人殺そうが大差無いよね」
白銀「え」
ウエスタンビール の 全力パンチ(成功値80) !
白銀 の 無意識クロスカウンター(成功値90) !
ダイスロール
32.12
白銀 に 1241 のダメージ !
ウエスタンビール に 121 のダメージ !
白銀 は 気絶した !
ウエスタンビール は 気絶した !
パーティ が 全滅 した.........
ーーー
桐生院「ライブ。成功しましたね」
ミーク「うん.........楽しかった.........」
レースのウイニングライブが全て終わり、私達は桜木さん達の居る特別観戦室に向かいます。
全く。トレーナーという者、しかとその目に勝利者の姿を目に焼き付けて置くべし。という桐生院家の教えに背く彼には、今更ながら嫌な気持ちを感じますが、状況を考えるのならば仕方無いのかもしれません。
桐生院(.........花道さんとも、色々お話しなければいけないでしょうし)
元チーム[レグルス]のサブトレーナーの花道さん。過ごしてきた時間は短いながらも、彼も歴とした仲間です。URA運営委員会から来た人とは言え、私自身も彼を見て学んだ事は沢山ありますから。
カフェ「.........」
タキオン「?なんだいカフェ。まだ怒ってるのかい?」
カフェ「.........せっかく[お友達]が戻ってきたのに、また帰って行きました」
シャカ「愛想尽かされたか?」
カフェ「.........」ギロッ
シリウス「身も蓋もねぇ事を言うんじゃねぇよ.........」
.........元々静けさとは程遠いチームでしたが、大所帯になった事で更に程遠くなりましたね。それがこのチームの良い所だとは思いますが、私自身、もっとメリハリの効いたチームの方が過ごしやすいのかもしれません。
桐生院(っと、行けない行けない。今はチームを引っ張っていかないと.........)
マック「.........?貴方.........えぇ」
桐生院「?マックイーンさん?どうかしましたか?」
マック「!いえ、こちらの話ですわ.........ホントウデスノ?」
後ろの方で何やらヒソヒソと内緒話を始めるマックイーンさん。ですが、彼女と会話をしている人は居ない様子.........唯一マンハッタンカフェさんが驚いた表情で彼女を見つめていますが.........
ミーク「トレーナー.........着いたよ.........?」
桐生院「!ありがとうございます。ミーク。桜木さん。花道さん。入りますね?」
ドアノブを捻り、手を引く。扉が開き切り目に飛び込んできたのは.........スプラッタな部屋の状態でした。
桐生院「な、ぇ.........はっっ!!!??」
突然の非常識空間。外と中の世界が違うのでは無いかと見紛うくらいの惨状。とても今自分達の居る世界で起きた事だと思いたくない程の有様でした。
視覚の次に刺激されたのは嗅覚でした。余りにも鼻につく、鉄のような臭い.........これは恐らく、いえ、間違いなく[血]でしょう。
.........でも、この部屋には誰も[残って居ない]。それがもっと、私の頭を混乱させて行きました.........
桐生院「い、一体何が.........!!?」
カフェ「.........?うん。うん。あそこ?」
桐生院「っ、カフェさん?何を.........それは、紙.........?」
一人用ソファの上に置かれていた紙。彼女は誰かから情報を聞き、そのまま真っ直ぐにそれを取り、私に手渡してきました。
折りたたまれたそれに何が書いてあるのか.........私は恐れを抱きつつも、その内容を確かめました.........
[白銀が暴れ散らかしたので帰ります。先帰ってて下さい。ゴールドシップのおじいちゃんより]
ーーー
―――桐生院がここに訪れる数十分前の事。
見る者が見れば全員死んでいるのではないかと思ってしまうほど静まり返った部屋の中で横になっている人間達。それらが少しずつ意識を取り戻して行った.........
ビール「い、ててて.........」
黒津木「くっ.........」
神威「何も見えねぇ.........!眼鏡どこだ.........?」
「っ.........ここ、は.........?」
むくり。と起き上がるその四名。一人、意識は取り戻しつつも先の事に思考を割き、それが固まってから起き上がろうとしている男。未だ意識を取り戻さない男。それらが一つの部屋に混在していた。
そして四人は目を合わせる。最初こそ見知った顔だ。何故彼等が?と各々安心感や猜疑心が生まれていたが、やがて先程までのやり取りの記憶を思い出す。
そして―――
ビール「うわあぁぁぁぁぁぁッッッ!!!??(孫悟飯)」
黒津木「わぁぁぁぁぁぁああッッッ!!!??(淫夢)」
神威「☆△☆✕☆□☆〇☆↑☆↓☆!!!??(発狂覚醒)」
「ああぁぁぁぁぁぁぁぁあッッッ!!!??(世界一有名な猫)」
その者達を動かすのは恐怖だった。やらなければやられる。その一心が心を支配した。
想像して欲しい。もし目を覚ました自分の身体の上にスズメバチが居たらどうなる?鬼蜘蛛だったら?ゴキブリだったら?冷静な思考など、常人には出来ないだろう。
彼等は[常人]だった。それだけの話だ。
やがてそのまま、お互いがお互いを退けるべく混濁した頭で一斉に飛びかかる。誰がいち早く誰をやるのか。先の事に思考を割いていた筈の男の頭の中では既にスタッツが出来上がっていた。
しかしそれを壊す者が居た。
「うるせェ(ガチギレ)」
桜木(あっ)
―――終わった。その男の言葉。そしてその言葉に込められた感情に触れて思った。もう[決着]が着いてしまったのだと。
[常人]ならばこの状況、溜まったものではない。四人の人間が自分を中心に防衛本能のまま飛び込んできている。自身を狙っていないとはいえ、意識を取り戻してすぐまともな思考など出来るはずもない。
だが奴は.........その、[おかしい]。[特別]なんて言葉で片付ける訳には行かない。その言葉が可哀想だ。それくらいまともじゃない。
.........いや意識がまともならそれに着いていけるコイツらも例外じゃないな。皆おかしい。
むくり。と不機嫌そうな顔で起き上がる白銀。その怒りのまま傍若無人に暴力を振るい、寝起きの奴らをまた夢の世界へ旅立たせて行った。
桜木(.........[サプライズ白銀理論])
今思いついた。もし打開困難な状況に追い詰められた時、奴が登場して解決出来てしまう様な事態ならそれは大した問題では無い。という理論だ。
つまり、何が言いたいかと言うと.........
桜木(.........もっと真面目にやっときゃ良かった(泣き))
泣いた。こんな奴に助けられなきゃ完遂できない作戦を立ててしまった自分の不甲斐なさと抜け目さに、泣いてしまった。
.........そそくさと気絶した四人を抱え始め立ち上がる白銀。視線はやがて俺へと移るが、担ぎ上げた彼等とは違い早く立てと顎で指示を出す。
薄目でそれを確認した俺は、逆らえば死ぬと思い、溜息を吐きながら立ち上がった。
桜木(.........先に、帰るしか無いな)
酷い惨劇を目の当たりにし、既に抗議する意志もない。俺はポケットに常備しているメモ帳を開き、走り書いてからそれを破る。
それを折って手を離す。不規則に落ちるそれがソファの上に落ちたのを確認し、俺は彼等の後を追う為にこの場から離れて行った.........
......To be continued