山あり谷ありウマ娘 〜気付いたら脱サラしてトレーナーになった話〜   作:ギノっち@カマタラル

23 / 235
桐生院「わ、私に付き合ってください!!」 (前編)

 

 

 

 

 

 

桜木「おい!!!裏取られてんぞ!!」

 

 

黒津木「るせぇ!!!回復が間に合わんのじゃボケェ!!!」

 

 

神威「アァ〜↑↑↑」

 

 

「モザンビークヒア」

 

 

桜木「あ、変なピン刺した」

 

 

 キーン.........

 

 

神威「し、死んだ.........」

 

 

 男三人集まればやることと言えば決まっている。ゲームだ。久々の休み。うまいものをたらふく食ってしこたまジュースを飲んでやるゲームは楽しい。

 とは言っても、完全に仕事との繋がりを断ち切ることは出来なく.........

 

 

 トゥルルルルル

 

 

桜木「あ、悪ぃ電話だ。誰からだ?」

 

 

神威「女だ」

 

 

黒津木「玲皇と仲良しのあの子だ」

 

 

桜木「なわけあるか」

 

 

 マックイーン達との連絡先は交換していない。ハッキリいえば、プライベートに干渉してしまえば、トレーナーとウマ娘のしっかりとした線引きが無くなってしまうからだ。

 これも古賀さんの教え。因みにこれを教えて貰った直後に担当から電話で呼ばれていた。有言不実行。

 

 

桜木「もしもし、桜木です」

 

 

「もしもし、桐生院です」

 

 

桜木「え?」

 

 

 これは予想外の人物だ。隣でチェックマークつけてるコイツらもギョッとしてる。おい、勝手に俺のコントローラーまで弄るなバカ。

 

 

桜木「あの、どう言った要件で?」

 

 

桐生院「そ、その.........私に.........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「私に付き合ってください!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桐生院「す、すみません。来て貰ってしまって.........」

 

 

桜木「い、いいのいいの。気にしないでくれ.........」

 

 

 あのオフから更に一週間後のオフ。あの電話の直後顔面がめり込んで前が見えなくなるほどタコ殴りにされたが、何とか一命を取り留めた。

 取り留めたのは言いものの、後日ことの詳細を聞くと。別段深い意味は無く、自身の悩みに付き合って欲しいとの事だった。

 

 

桜木「んで、一応連れては来たんですけど.........」

 

 

ウララ「わーい!!ウララの勝ちー!!!」

 

 

白銀「へぇ!?」

 

 

ライス「ナイスだよ!ウララちゃん!」

 

 

黒津木「あれれぇー↑?どうちたのかな翔也くぅーん?丸いの触って下手くそになったんでちゅかー?」

 

 

白銀「メリィッッ!!!」

 

 

神威「俺関係ないッッ!!!」

 

 

桜木「参考になりませんよ。ウララ達は兎も角として、特に俺達の遊び方なんて」

 

 

 桐生院さんの悩み。それは同世代が居ない 環境の中で居続けたせいで友達が居らず、遊ぶという行為を知らないという事。

 このままではハッピーミークとの良好な関係を築くことが出来ない。そう感じた桐生院さんはこうして俺に助けを求めてきたという訳だ。

 

 

桜木(ざまぁみやがれ。お前らも顔面へこましちまえば良いんだ)

 

 

黒津木「翔也さん!アイツ浮気者っすよ!!」

 

 

神威「そうっすよ!!アイツあの女の人に告白されてましたよ!!仲良い子が他に居るのに!!」

 

 

桜木「な!?テメェらァッッ!!!」

 

 

白銀「メリメリメェリメリィッッ!!!」

 

 

 どストレートが腹部に決まる。コイツ。本気か?本気と書いてマジなのか?あったまきたもう許さねぇ。

 

 

桜木「真っ直ぐ行ってぶっとばすッッ!!!右ストレートでぶっとばすッッッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウララ「わーい!!トレーナーの車だー!!」

 

 

ライス「すごい大きい.........!」

 

 

桜木「ごめんなさい.........僕が悪かったです.........」

 

 

白銀「分かりゃいいんだよタコォッッ!!!」

 

 

 なんで?俺が勝つところでしょ今のは、だって俺は悪くないし。俺は悪くねぇ!!悪くねぇよな.........?

 

 

神威「僕は悪くない」

 

 

桜木「そのふざけた幻想をぶち殺してやっから覚悟してくれ」

 

 

黒津木「お前のブーブか。久しぶりだな」

 

 

桜木「やめてくれない?恥ずかしいわ。お前が何も恥ずかしがらずにそれを言うの友達として恥ずかしいっすわ」

 

 

 助手席に桐生院さんを乗せ、後ろにはウララとライス。その後ろにはうるせぇヤツらを乗せ、車を発進させる。

 

 

白銀「酒は?」

 

 

桜木「あるわけねえだろ。一応保護者なんだぞ」

 

 

黒津木「からあげは?」

 

 

桜木「目の前に居んだろ」

 

 

神威「は?」

 

 

黒津木「俺達はからあげ!!」

 

 

 そう言いながら後ろはもみくちゃになる。パトカーの前ではせめて大人しくしてくれよ?

 そんな光景を楽しそうに見ているウララとライス。傍から見たら面白いに決まってる。

 

 

桐生院「あの、アレは?」

 

 

桜木「ああ、小学生のイツメン泊り会で急に発生したイベントだ。黒津木がお酢になって俺達からあげが寝ている上をゴロゴロと寝回すっていう儀式」

 

 

白銀「しゅうくん一緒に寝る?」

 

 

桜木「もれなく母さんに怒られる」

 

 

神威「もうおやすみ」

 

 

黒津木「」

 

 

桐生院「あ、あれが友達.........」

 

 

桜木「桐生院さん。本っっっ当にあれだけは参考にしないでくれマジで。おじさんとの約束だ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ウララ「ライスちゃん待て待てー!!」

 

 

ライス「ひゃあ!冷たいよー!」

 

 

 車で移動してきたのは少し大きめな公園。のびのびと遊ぶのはこういう所だ。ウララとライスも楽しそうに水遊びをしている。来て良かったですよ。本当に

 桐生院さんも初めてなのか、少しソワソワしている。

 

 

桜木「混ざってきてもいいんじゃない?」

 

 

桐生院「い、いえ。私も保護者なので.........」

 

 

神威「いやいや、せっかく汚れてもいい服装できたんですから。遊んでいきましょうよ」

 

 

 おお、さすが上手いな創は。伊達にパワポケ彼女全制覇して居ない。中々のプレイボーイだぜ。

 

 

桐生院「で、ではお言葉に甘えて.........」

 

 

桜木「.........よし、行ったな」

 

 

 二人に混ぜてもらう為にここから離れた桐生院さん。その姿を確認し、コイツらと話を合わせる。

 

 

桜木「いいかお前ら。いつもみたいにやったらドン引きは間違いなし。ヒートアップもそこそこに、程々に楽しむぞ」

 

 

「「「ラジャ」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桐生院「ハァ.........ハァ.........あ、遊ぶのって、結構疲れるんですね.........」

 

 

ウララ「うん!!でも、お姉さんも楽しかったでしょ!!」

 

 

 楽しい.........?確かに、今まであまり感じたことの無い類の感情です。けれど、これが楽しいという物だと気付くのにそう時間も掛からず、また、抵抗もありませんでした。

 そうですか!これが.........これが友達と遊ぶという楽しさなんですね!!桜木さん!

 

 

桐生院「ありがとうございます.........桜木さ」

 

 

黒津木「山形ァッッ!!!」

 

 

桐生院「!?」

 

 

 目の前にいるのは腹部が濡れ、倒れている神威さんを抱き支える黒津木さんの姿。そしてその前の山の上には、先程まで来ていた上着を脱ぎ、何故か赤いマントを付けた桜木さんが居ました。

 

 

桜木「.........ふぅーん」

 

 

白銀「どうしたよォ。揉め事かァ?」

 

 

 頭を振りながら登ってきた白銀さん方を見る桜木さん。白銀さんの片手には見たことも無い物がありました。なんなんでしょう。

 

 

桜木「ああ、でももう終わったんだ。残念だなぁ.........もう少し早ければ見れたのに」

 

 

白銀「俺は心配しちまったぜ?お前がまたべそかいて泣いてんじゃねえかと思ってよ」

 

 

桜木「白銀.........!昔からお前のことが気に入らなかったんだよ。どこにでも出てきてボス面しやがるッッ!!!」

 

 

ウララ「わわわ.........どうしちゃったんだろうトレーナー.........」

 

 

ライス「う、うん.........」

 

 

白銀「テメェもなったんだろ?この公園の人口山場でよォ?」

 

 

桜木「白銀ェェェェーーーーッッッ!!!!!」

 

 

白銀「さんをつけろよデコスケ野郎ォォォッッッ!!!!!」

 

 

桜木「〇ねェェェェッッッ!!!!!」

 

 

 大人が言っては行けないような事を大声で叫び散らかし始めてしまう桜木さん。一体どうしたのでしょう。今までそんな姿を見せたことなんて一度もないのに.........

 と、止めなければ。そう思った次の瞬間。白銀さんの手に持っているプラスチックの何かから、勢いよく水が発射され、桜木さんがゴロゴロと山場から転がっていきました。

 

 

桜木「.........どうだった!?」

 

 

黒津木「歴代三位くらいじゃね?やっぱフラストレーション溜まってねえから本気度が伝わってこねえよ」

 

 

桐生院「え?」

 

 

神威「俺もそんくらいかな。あれはただ単に叫んでるだけだと思う」

 

 

桜木「マジかー。AKIRAごっこの頂点に立つ出来だと思ったんだけどなー」

 

 

 何がなんだかよく分かりません。一体彼らは何の話をしてるのですか?

 

 

ライス「お兄さま、今のってなんだったの?」

 

 

神威「え?ああ、AKIRAっていうアニメ映画のなりきりごっこだよ。玲皇のフラストレーション発散の為に始めたんだ」

 

 

 な、なるほど。映画ですか.........うぅ、あまりそう言う方面の知識もないので、ぜひ教えていただきたいものです。

 そう思っていると、神威さんの周りに桜木さん達が集まってきました。

 

 

桜木「お、おい。お兄さまってなんだ。お前、返答次第じゃアイツらに殺されるぞ.........」

 

 

神威「そんな事ないよ玲皇」

 

 

神威「もう死んでる」

 

 

桜木「創ェッ!逃げろォッッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「なるほど、図書室で色々と気にかけてたらいつの間にかそこまで仲良くなったと.........」

 

 

神威「うん.........」

 

 

白銀「あーあ。ボコボコにしたら腹減ってきたわ。どこ行くんだ?」

 

 

 コイツ。自分があんな最悪な目にあったからって女関係に敏感になり過ぎでは?

 とは言っても、アレは本当に可哀想だった。意識を取り戻した後もコイツはπとしか喋れなかったからな。本当に可哀想。

 

 

桐生院「こ、こうですか?」

 

 

ライス「うん!桐生院さん上手だよ!」

 

 

ウララ「わー!!次はウララね!!」

 

 

 桐生院さんは助手席から後ろの席に移動して、ウララ達と一緒にあやとりを教えて貰っていた。中々微笑ましい。こういうのでいいんだよこういうので。

 そう思いながらも、昼食はどうしようかと悩みながら街並みを眺めていると、知っている後ろ姿を見つけた。

 

 

桜木(あれは.........よし)

 

 

 車をその子の隣になるように発進させ、ゆっくりと近づいて行く。隣まで行って減速させると、流石に不審に思ったのか、仲の見えないようコーティングされたガラスを不安そうに見つめてきた。

 その子側のガラス。つまり、助手席側の窓ガラスを開けると、その不安そうな顔も霧散した。

 

 

桜木「どうもお嬢さん。お出かけかい?」

 

 

マック「と、トレーナーさん!?」

 

 

ウララ「あ!!マックイーンちゃんだ!!」

 

 

 そう、俺の担当であるメジロマックイーンが目の前でルンルン気分で歩いていたのだ。これを逃すトレーナーでは無い。

 

 

白銀「なんだ.........あの髪の色を見ると、頭がざらつく.........」

 

 

桜木「可哀想に.........そいつの目潰しとけ」

 

 

白銀「ざらつきが.........止んだぜ.........」

 

 

 おや、どうやら目は潰さなくても良さそうだ。良かった良かった。

 

 

マック「それにしても、珍しい組み合わせですわね.........」

 

 

桜木「ああ、桐生院さんの頼みで、友達との遊び方をな.........マックイーンはどこかに行く予定だったのか?」

 

 

マック「いえ、カラオケに行ってきた帰りですから、この後は特に何も.........」

 

 

桜木「よかったら一緒に遊びに行かないか?」

 

 

マック「よろしいのですか?」

 

 

 手を合わせ、しっぽを揺らしてこちらの提案を聞き喜ぶマックイーン。相変わらず可愛い反応してくれる。

 

 

桜木「ああ、ちょうど一人分席空いてるしな」

 

 

 そう言いながら、空いている助手席を指さしてみせる。マックイーンは少し戸惑いながらも、自らの手でそのドアを開けた。

 

 

マック「失礼しますわ」

 

 

桜木「どうぞ、まぁちょっとボロっちいけど、我慢してくれ」

 

 

マック「いいえ、それにしてもお車の運転ができるなんて、知りませんでしたわ」

 

 

 まぁ、俺自身最近はそこまで運転はしていない。社会人一年目は嬉しくて通勤に使ってはいたが、自分で運転するのも面倒になってきて二年目後半からは電車通勤してた。

 今の職場になって、引っ越したせいもある。徒歩20分圏内で学園に着く近さ最良物件。風呂は付いてないが

 

 

白銀「ああ、コイツん家徒歩20分圏内のボロアパートだから」

 

 

桜木「おい!!個人情報だそれは!!お前も住んでんだからそこに!!」

 

 

 いっけね、といいながら両手で口を抑えるバカ。これで古賀さんとの掟の一つ、担当に家の場所知られるべからずが破られてしまった。

 

 

桐生院「ボロアパート.........徒歩20分圏内のボロアパートと言えば.........」

 

 

桜木「.........[澄麗荘(すみづらそう)]です」

 

 

 まず学園近くのボロアパートはあそこしかない。諦めてその名前を口にするだけで桐生院さんの顔がサーッとなる。どうやら見た事あるらしい。マックイーン達はその名を聞いても何も思い浮かばず、首を傾げている。

 

 

桐生院「わ、私も一人暮らしの為に、一応下見として物件を見たんですけど.........」

 

 

桜木「安心してくれ!!風呂は付いてないがちゃんと入ってる!!仕事終わりと早朝に毎日二回!!」

 

 

マック「お風呂が無い???」

 

 

ライス「マックイーンさん、そのままの意味だよ.........」

 

 

 申し訳なさそうに言うライスの言葉を聞いて、マックイーンも血の気を引かせていた。うん、想像つかないよね、お風呂が付いてないなんて。俺もそんなところ住むヤツ、オードリーの春日くらいだと思うもん。

 けどそこに俺の名前も連なったんだよなぁ今.........どうも、トレーナーの桜木です。

 

 

桜木「学園と反対方向に、爺さんがやってる銭湯があってな。そこ夜は九時まで、朝は五時から空いてるんだ」

 

 

神威「ああ、あの面白い爺さんいる所か?」

 

 

桜木「そうそう、みんな俺の子供みたいなもんだから人参分けてやるって言ってくるジジ様」

 

 

 奥さんが家庭菜園やってるみたいで、若い常連に良く分けてくれる。あれが結構美味しんだよな。

 

 

ウララ「人参分けてくれるの!?」

 

 

桜木「ああそうだ。新鮮で美味しいぞ?」

 

 

黒津木「んで、どこ行くんよ?」

 

 

白銀「カラオケ行こうぜ」

 

 

桜木「マックイーンの話聞いてた?」

 

 

 さっきカラオケから帰ってきたって言ってたでしょ?いつも思うけどなんでコイツは人の話を聞いてくれないんだ。

 

 

桜木「はぁ〜〜〜(クソデカため息)」

 

 

マック「わ、私は良いのですよ?人とカラオケに行くことなんて滅多にないので.........」

 

 

桜木「よし行こう」

 

 

白銀「アイツブッ〇そっかな!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「ここ、カラオケもあったのか.........」

 

 

 やってきたのは以前見つけたゲームセンター。マックイーンとテイオーにぬいぐるみを愛でてる恥ずかしいシーンを見られたゲームセンターだ。良い思い出はそんなに無い。

 

 

白銀「順番待ちだってよ」

 

 

神威「大盛況なこって」

 

 

ウララ「みんなおうた歌うの大好きなんだね!!」

 

 

 まだ何もしていないのに、楽しそうに座っているウララを見ると気分が洗われる。いつもなら俺に暇つぶしでプロレス掛けてくる白銀も大人しくしてくれている。

 

 

黒津木「じゃ、俺クレーンゲームやってくるわ」

 

 

桜木「何狙い?」

 

 

黒津木「タキオン一択。当たり前だよな?」

 

 

桜木「あ、おい待てい(江戸っ子)。お前最近タキオンになにか吹き込んでないか?炊飯器調理にハマってるんだが」

 

 

黒津木「俺が休憩中にニコニコ見てると横からにゅっと顔を覗かせてくるんだよ。俺は見せてねぇ!!」

 

 

桜木「そりゃ仕方ないよな?」

 

 

 なるほど、確かにそれは仕方ない。横から勝手に見てるのを咎めたり、視聴を途中で止めれば不仲になる可能性もある。コイツは正しい事をした。

 

 

黒津木「違う!違うんだ玲皇.........」ガタタ!

 

 

黒津木「俺が悪いんだよ.........タキオンがオタクになりかけてるのは俺のせいだ!!」

 

 

桜木「うるさっ」

 

 

 やめろやめろ、俺たち以外みんな怖がってるじゃねえか。さっきヒートアップしちまったんだからもうやめようって反省しただろ!?

 

 

桜木「ほら、早く行ってこい。取られるぞ」

 

 

黒津木「やっべ、俺行かなきゃ!!」

 

 

ウララ「保健室の先生ってタキオンちゃんの事好きなの???」

 

 

 あ、ズッコケた。聞こえちまったんだな、可哀想に。フォローしてやるから行ってていいぞ。

 

 

桜木「あー、まぁそうだな。アイドルに対する好きって言う感情かな?」

 

 

ウララ「トレーナーにもわかるの!!?」

 

 

桜木「ああ、俺は」

 

 

マック「.........あの、どうしてこちらを?」

 

 

 やばい、なんか向いちゃった。どうしよう.........

 

 

桜木「白銀がプロで活躍し始めてから好きになったからな」

 

 

白銀「へぇえ!?」

 

 

 よかった。丁度奥にいたヤツに気付くことが出来た。ごめんなマックイーン、流石に関係性を考えると素直な気持ちを言うのは難しい。

 

 

マック「ソウデスワ......ワタクシナニヲカンチガイシテ.........」

 

 

桜木「マックイーン?」

 

 

マック「いえ、何でもありませんわ。トレーナーさん」

 

 

 そう言われても、マックイーンの若干赤くなった頬を見て罪悪感が湧いてくる。ごめんよ、乙女心を弄ぶような事をして.........

 まぁ、誰だって好意を持たれてると思ったらドキッとするだろう。こんなおじさんより同年代の男の子の方が話は合うし、せめて遠くで見守らせてくれ。

 

 

桜木「ところで、さっきからライスと桐生院さんが見当たらないんだけど.........」

 

 

ウララ「ライスちゃん達はメダルコーナーに行ってるって!!」

 

 

 そうだったのか、ウララの言った通りメダルコーナーに目を向けてみると、いつの間にか神威、桐生院さん、ライスがメダルで遊んでいた。

 

 

ライス「見て見てお兄さま!ライスお金持ちになったみたい!」

 

 

神威「いいな.........俺さっきつまずいてぶちまけて半分くらい消えた.........俺の300円分.........」

 

 

桐生院「えっと、良ければ私の分けますか?」

 

 

 創はいつも通り創だった。可哀想、早く神社にお祓い行けばいいのに。

 あ、でも今年でもう3回行ってるのか、じゃあもう無理だな。

 すまねぇ、すまねぇといいながらメダルを分けてもらってる姿を見ると涙が出てくる。

 

 

マック「ツイてませんわね.........司書さん.........」

 

 

桜木「いつもの事だ」

 

 

ウララ「いつもなの!!?」

 

 

桜木「ああ、小学校の時、アイツの弁当だけカラスに狙われたし、ガチャは天井まで引かんとだいたい引けない。サイコロ振っても大事な場面で大体ファンブル。ポーカーやっても豚しか揃わない。まぁ、可哀想な奴だよ」

 

 

マック「それは、凄いですわね.........」

 

 

 そう、凄いのだ。こんなレベル光景は日常茶飯事だし、なんなら俺達にも飛び火するので慣れたものだが、コイツの可哀想な所はひとたびいい事が起きれば悪い事がそのツケを返済するように起こる。

 今回は逆のパターンだった。アイツも、楽しそうにメダルゲームをしてる。

 

 

ウララ「トレーナーの友達って面白いね!!」

 

 

桜木「だろ?俺以外みんな個性的だよ」

 

 

マック「ふふっ、トレーナーさんも十分負けていませんわ」

 

 

 そうか?あの面子と比べてもそうとう常識的な人間だと思うんだが.........

 しかし、そんな俺の姿を見て、マックイーンはクスクスと上品に笑う。

 背中にウララの寄りかかってくる軽さを感じながら、談笑に浸っていると、ふとカラオケ側の受付が騒がしいことに気付いた。

 

 

「だぁかぁらぁ!!さっきから言ってんじゃねえかよ!!宇宙人と海底人の将棋VS囲碁が白熱して延長してたって!!!」

 

 

白銀「やめ!やめろ!!お前の言葉は一般人にはハードすぎる!!俺に任せろバカ女ァ!!」

 

 

桜木「何やってんだアイツら.........」

 

 

白銀「店長、ここは一つ。世界8位のサインで許してくれねえか?」

 

 

店長「ダメです」

 

 

白銀「よし分かった表出ろブッ〇してやっからな」

 

 

ゴルシ「何してんだよお前!!仮にも有名人がそんなこと言っちゃダメだろ!!!」

 

 

 さっき抑えられてたヤツが抑えてたヤツを抑えている。本当に何やってんだ.........

 マックイーンは他人のフリをしようとしているが、ウララは正直クビを突っ込む気満々だ。仕方ない、大人として先陣を切るか。

 

 

桜木「あの、どうしたんですか?」

 

 

ゴルシ「あぁ!?どうしたもこうしたもあれもしたもそれもしたもねえよ!!!」

 

 

桜木「多い多い」

 

 

ゴルシ「アタシはただ目の前で繰り広げられていたナスカの地上絵奪還作戦を司令長官として見届けていただけだ!!!」

 

 

店長「このとおり、何故か三日ほどカラオケに滞在していたのですが、その理由を聞いても私共もチンプンカンプンでして.........」

 

 

桜木「あー、すいませんね知り合いが」

 

 

白銀「多分カラオケのメニュー全部注文したらどんだけ過ごせるか試したかったんだろ」

 

 

ゴルシ「はァァ!??!!?アタシはお前じゃねえからそんな事しねぇ!!!」

 

 

 あれ、いつもならめちゃくちゃに乗っかってくるはずなのに、さては当たってたのか?

 グイグイと白銀の顔をこれでもかという程に手で押すゴールドシップ。

 

 

白銀「ええい!!鬱陶しいわ!!!」

 

 

ゴルシ「なんだとぉ!!?お前それがπを触らせてもらった恩人に対する言葉使いかァ!!?」

 

 

桜木「やめろ、知らない人が聞くと誤解するから。ゴールドシップ、俺達これからカラオケするけど、一緒に来るか?」

 

 

 そう言うと、渋々白銀から手を離し、考える素振りを見せるゴールドシップ。

 しかし、顔を見るにこれはどうしようかという迷いというより、行きたくないけど普段良くしてもらってるし無下にしたくない系の顔だ。多分そこまで堅苦しくはないだろうけど俺には分かる。社会人を舐めるな。

 

 

ゴルシ「うーーーん.........悪いけどパスするわ!流石にこんな所にこれ以上居たら頭がおかしくなっちまうぜ!!」

 

 

店長「.........」

 

 

桜木「あ、アハハ、三日間も密閉空間に居たらそりゃ、気も狂いそうになるけどな.........」

 

 

 決して元からだろ。なんてのは言わない。折角ここで話が終わりそうなんだ。油を投下してどうする?

 空き部屋も出来たし、さっさとアイツらを呼ばなければ.........

 

 

白銀「元からだろ」

 

 

 コイツホンマに.........そんないつも通りの愚痴を心で垂れながら、目の前でかなり強めのヘッドロックに死にそうになる白銀と、若干キレ気味なゴールドシップを見ていた。

 

 

 

 

 

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ......To be continued

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。