山あり谷ありウマ娘 〜気付いたら脱サラしてトレーナーになった話〜   作:ギノっち@カマタラル

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トレーナー「俺とマックイーンと夏祭り」 (後編)

 

 

 

 

 

 

 さてやって参りましたお祭りの折り返し地点。中央に陣取るは焼きそば屋台。

 しかしこの屋台、普通の屋台とはひと味もふた味も違う.........それは何故か。

 

 

「やらないか?」

 

 

桜木「やんねえよ。公共交通機関のど真ん中で何流しとるんじゃボケナス」

 

 

 その屋台には『古のオタク焼きそば』という改造が見え見えの看板。そして屋台のBGMとして『やらないか?』が流されていた。決して『バラライカ』では無い。

 

 

白銀「やらないか?」

 

 

「うほいい男」

 

 

 随分とノリのいい客もいるもんで、焼きそばを手渡す時にそう返す奴もいる。ここがまさかゴールドシップの焼きそば売りの拠点?頭おかしすぎるだろ。

 左右を見てマックイーンとテイオーの様子を見ても、この状況についていけないみたいだ。良かった、理解してなくて。

 

 

桜木「お腹すいてない?」

 

 

キタ「だ、大丈夫です!」グー.........

 

 

 お腹は正直だ。正常に動いてるならば、ちゃんと成長出来る証だ。ここは一つ癪だが、あの焼きそばを貰っていこう。

 

 

桜木「焼きそば一つ」

 

 

神威「あいよ.........待て、お前まさか」

 

 

桜木「違う。迷子の子だ。決して誘拐じゃない。それよりなんだお前のその格好は」

 

 

 目の前に居る神威はそれはもう見事な古のオタクだった。チェックのシャツになんだかよく分からない柄のハチマキ。メガネ。どこからどう見ても古の者だ。

 対して白銀は焼きそばを手渡しながらずっとヤラないかを踊っている。そのプロスポーツで培った体力をそんなことで使っていいのか?

 

 

桜木「そして極めつけは.........!!」

 

 

ブルボン「.........?」

 

 

桜木「なんでブルボンも巻き込んでやがる!!!」

 

 

マック「まぁ!?ブルボンさんでいらしたの!?」

 

 

テイオー「うぇぇ!?!?ブルボンだったのー!!?」

 

 

 黙々と焼きそばを作り続けるブルボン。その姿はセーラー服にグルグルメガネと一番分かりやすい姿だが、何故か彼女だと気が付けなかった。俺もここまで近付いてようやく彼女だと分かった。

 

 

ブルボン「集客率、以前の状態から32%上昇しています。つまり、この姿は的確です」キリッ

 

 

桜木「ブルボンちゃん、もう少し自分を大切にしよっか.........」

 

 

 はて?と言うように首を傾げるミホノブルボン。君は余りにも無防備が過ぎるのだ。

 俺はそう思いながらも焼きそばの代金を払い、頭の上に居るキタサンブラックのお嬢ちゃんに箸と一緒に手渡した。

 

 

桜木「つか、翔也は兎も角お前は保護者だろ。このBGM止めろよ」

 

 

神威「いや、俺も止めたんだけどよ.........」

 

 

ブルボン「マスター。このBGMを掛けると何故か道行く人の視線の42%を確保出来るのです。よって集客には適任かと」キリッ

 

 

マック「確かに.........意味はよく分かりませんが耳に残りますわね.........」

 

 

テイオー「え?ボクこれ聞いたことあるよ?きらりんレボリューションでしょ?」

 

 

桜木「うわ、よく知ってんなーお前.........俺でもギリだぞギリ」

 

 

テイオー「へっへーん!ボクのお母さんこういうの好きだからねー!!けど、この曲女の子が歌う曲だよ?」

 

 

白銀「そりゃお前この曲はホ」

 

 

桜木「この曲はオタクが拗らせて歌っちまった黒歴史なんだ!!!だよなぁ!?」

 

 

神威「うん」

 

 

 危ない所だった。間一髪奴の口の中に財布をねじ込んで真実を光から遠ざけた。腐るのはまだ早いし、こんなゲテモノで腐って欲しくは無い。

 そう思っているとBGMがとうとう終わりの時を告げた。良かった。これで解決ですね。

 

 

白銀「何勘違いしてるんだ?」

 

 

桜木「ひょ?」

 

 

ブルボン「私の出番です。焼きそばの作成責任者を移行します」

 

 

「アーイマイサンセンチ!」

 

 

桜木「」

 

 

マック「まぁ.........」

 

 

テイオー「すごーい!!!」

 

 

キタ「モグモグ.........!」

 

 

 屋台の天井に飛び乗り、ノリノリで『もってけセーラーふく』を踊り出すミホノブルボン。いや、セーラー服だけども、

 そう思っているとその姿を見てすすり泣いている若干数の存在が居るのに気が付いた。

 

 

「くそ.........!あのころは良かったなぁ......!」

 

 

「戻りてぇ.........!戻りてぇよ.........!!」

 

 

 可哀想に、昔の景色に取り残されたもの達だ。いつまでも有り得ぬ幻影を追い求めるしかない生きた屍だ。残念ながら深夜アニメに続編が来るかは分からない。僕も待ってます。めだかボックス3期。

 けどな、人は前に進むと決まってるんだ。時は前に進むと決めたのは誰かは知らんが、人は前に進む。希望は前に進むんだ!!

 そんな思いを抱きながらパーフェクトなダンスを見上げていると、何かを落とした様な音が聞こえた。

 

 

ゴルシ「おい.........なんで、アタシの屋台がなんでこんな.........とんでもオモシロサーカスになってんだ.........?」

 

 

桜木「.........まずくね?」

 

 

ゴルシ「ああ.........アタシの、『ゴールドシップの美味しい焼きそば』がなんで.........『古のオタク焼きそば』になってんだ.........?」

 

 

 膝から崩れ落ちるゴールドシップ。あんな顔初めて見た。巨人に仲間でも食われたかの様な絶望感満載の顔。そんな顔もできるんだなーと、感心している場合ではない。というかそもそもお前の屋台じゃないだろ。

 マックイーンは先程から逃げようと俺の裾を引っ張っている。テイオーも逃げの準備は完了している。お前らそこまで得意じゃないだろ。

 

 

ブルボン「ゴールドシップさん。こうすることによって、集客率、販売率、共にゴールドシップさんが焼きそばを作っていた時点より25%ほど上昇しました」

 

 

ゴルシ「アタシはよ.........別に焼きそばが売りてえ訳じゃねえ.........」

 

 

ブルボン「?ではなぜ?」

 

 

ゴルシ「ただ.........純粋にアタシの焼きそばが食いてぇって思われて.........それを食ってもらいたかっただけなのに.........!!」

 

 

桜木(ガチで泣いてね?)

 

 

マック(まずいですわ)

 

 

テイオー(絶対まずいやつだよ)

 

 

キタ「ご馳走様でした!」

 

 

 食べ終わった容器を上から貰い、白銀の奴に投げつけた。コイツはこんな状況でも爪楊枝で歯の隙間を掃除している。余裕だなお前。

 

 

ゴルシ「誰だ.........?こんな店にしたのは.........?」

 

 

白銀「俺」

 

 

三人(やっぱり)

 

 

 流石にそろそろ不味い。俺も逃げようと準備を始めた。因みに神威の奴は持ち前の影のうすさでもう何処にいるのか分からない。前世は忍者だろう。さすが忍者きたない。

 

 

ゴルシ「焼きそばを無礼(なめ)るなよ」

 

 

白銀「.........ペロリンチョ」

 

 

ゴルシ「死ぬかァ!!?消えるかァ!!!土下座してでも生き延びるのかァ!!!???」ダッ!!!!!

 

 

桜木「巻き込まれるぞ!!!関係者だと思われる前に逃げろ!!!」

 

 

テイオー「あいあいさー!!!」

 

 

マック「もう無茶苦茶ですわー!!!??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「ハッハッハッハ!!!!いやー最高のショーだったな!!」

 

 

マック「もう、こっちは危うく心臓が止まりかけましたわ.........」

 

 

テイオー「うん。あんなゴルシ見た事ないもんね」

 

 

 豪快に笑うトレーナーさんをテイオーと一緒に睨みつけます。彼の上に乗っているキタサンブラックさんは、ご両親が見つからず泣きそうになっています。

 

 

キタ「うぅ.........」

 

 

桜木「大丈夫さ!絶対見つかる!親なんて子供が居なくなったら血眼で探すんだから!!」

 

 

テイオー「なんか知ったふうだね、サブトレーナー」

 

 

桜木「迷子常習犯だったからな俺は。昔の方向音痴具合はオグリさんにも勝るとも劣らなかったぞ」

 

 

マック「そんな所自慢されても困りますわ.........」

 

 

 最長で四時間ほど迷子になったと自慢げに語り始めたトレーナーさんですが、お陰でキタサンブラックさんに笑顔が浮かびました。やっぱり、面白い人ですわよね?

 そう思い、その話に片耳を向けながら微笑んでいると、静かにテイオーが口を開きました。

 

 

テイオー「.........ごめんね、マックイーン」

 

 

マック「?急にどうしたんですの?」

 

 

テイオー「だって、サブトレーナーとデートしてたんでしょ?」

 

 

マック「な!?デ.........!?」

 

 

桜木「?」

 

 

キタ「?」

 

 

 つい大きくなってしまいました。私の声に釣られてお二人がこちらに視線を向けます。ちょっとつまづいただけだと伝えると、心配の言葉を送ってから、お二人はまた話し始めました。

 

 

マック(そんなのではありません.........!これはその.........タキオンさんの実験に付き合ってるだけですわ!!)

 

 

テイオー(え?そうだったの?ゴメンゴメン!ボク勘違いしちゃったよ〜)

 

 

マック(全く、そんな訳ないじゃありませんか............)

 

 

マック(.........そんな、訳.........)

 

 

 目の前で、少女を肩車して歩く彼の姿は、父親のようでした。その隣には、彼の伴侶が居て.........

 それを自分に置き換えると、とても嬉しく思い、逆に他人に置き換えると、とても胸が苦しくなります。

 私は.........私は一体、どうすれば良いのでしょう?

 

 

桜木「あーーーーッッ!!!???」

 

 

三人「!?」

 

 

桜木「運営本部に電話すりゃいいじゃん」

 

 

二人「あ」

 

 

 今までの空気を断ち切る様な声を上げた後、直ぐに電話をかけるトレーナーさん。1コール、2コールと掛けられると、その電話が取られました。

 

 

「こちら運営本部だ」

 

 

桜木「あの、迷子のお知らせなんですけど」

 

 

「桜木.........そうか、遂に手を出したか」

 

 

桜木「ブっさんじゃねえか!!!開口一番最近それだなおい!!!」

 

 

ナリブ「運営本部より直ちに桜木玲皇を捕獲しろ。道理で見当たらない訳だ」

 

 

桜木「は?」

 

 

「ブライアンさん!見つかったのー!?」

 

 

テイオー「マヤノ!?」

 

 

 これは.........また何か大事に巻き込まれそうな気配ですわ.........

 

 

「ハッハッハ!!!!桜木トレーナー!!」

 

 

桜木「理事長!?」

 

 

やよい「観念ッ!!もう助からないぞ♡」

 

 

 電話越しからその声が聞こえた瞬間、ザワっと茂みの方から音が聞こえました。動物ではありません.........音の大きさからして人です。まさか、もうここに.........?

 

 

たづな「ふふっ、トレーナーさん♪」ニッコリ

 

 

桜木「.........へ、へへへへ」

 

 

桜木「スゥー.........悪ぃけど急ぎの用事が出来たんで.........」

 

 

たづな「ダメです♪」

 

 

 そんな楽しそうなたづなさんの声が聞こえた瞬間。今ではもう聞き慣れてしまったトレーナーさんの叫びにも似た悲鳴が響き渡りました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キタ父「いやー助かりました!!本当にありがとうございます!!」

 

 

たづな「いえいえ♪キタサンブラックちゃんが見つかって本当に良かったです!」

 

 

桜木「ねぇ?俺アームロック掛けられる必要あった?ねぇねぇねぇ?」

 

 

 技を掛けられた方の関節がまだ痛む。事故にあった後でさえこんなに痛むことはそうそう無い。もしかしてたづなさん。俺がぶつかった車両の生まれ変わりか?(?)

 まぁそんな訳の分からない妄想なんかより今は喜んだ方がいいだろう。キタちゃんのお父さんは嬉しそうにキタちゃんを抱き締めていた。

 

 

キタ母「本当にありがとうございます!なんとお礼を言っていいか.........!」

 

 

桜木「いえ!当然のことをしたまでです!それに、キタちゃんの明るさのおかげで道中も楽しかったし、な?」

 

 

マック「ええ!」

 

 

テイオー「うん!」

 

 

 俺の隣で元気に頷く二人。実際、キタちゃんといて雰囲気が沈むことはなかった。明るく居れるということはそう簡単な事じゃない。

 

 

ナリブ「なんだ、オマエも両親を探してたのか」

 

 

桜木「君はどうやら俺の事を犯罪者に仕立てあげたいらしいな?」

 

 

ナリブ「私はまだ前田慶次の件をわすれた訳じゃ無い」

 

 

 えぇ、まだ怒ってんのかよ.........最近はもう諦めて何も言ってこないと思ってたのに.........

 そう思っていると、運営本部のテントからまた一人、栗毛のウマ娘が出てくる。

 

 

「テイオーちゃん!!」

 

 

テイオー「マヤノ!!」

 

 

 タッタッタとテイオーはマヤノと呼んだ少女に駆け寄る。そうか、あれがマヤノトップガンか.........中々走りそうなウマ娘だ。

 そんな事を思っていると、またもや脇腹に衝撃が走る。結構痛いんですよ?マックイーンさん?

 

 

マック「全く、すぐ手を出そうとするんですから.........」

 

 

桜木「いや、出さない出さない」

 

 

マック「あなた最近、ウマたらしと呼ばれてることをご存知ですか?」

 

 

 え!?何それ全然聞いた事がないんだが.........女の子と喋る事が何より不得意な俺が.........?

 と思ったが、思い返せば思い当たる節はある。トレーナーになってからというもの、ウマ娘と話すのが合法的に許されている感があり、片っ端から受け答えや質問をしてるからか?

 くっ、こんな事なら学生時代にもっと青春して女子との会話を堪能しとけば良かった.........

 

 

キタ「あの!」

 

 

桜木「?」

 

 

キタ「あ、ありがとうございました!!」

 

 

 俺たちに向かってぺこりとお辞儀をするキタちゃん。偉いな、見た目からしてまだ5歳にもなってないだろうに.........

 俺はキタちゃんに視線を合わせる為に、ゆっくりとしゃがみ込んだ。

 

 

桜木「こっちこそ、君と一緒に居られて楽しかったよ。今度ははぐれちゃダメだぞ〜?」

 

 

マック「.........はぁ、そういうところですわ」

 

 

桜木「?」

 

 

 え?どういうところだ?まさか、頭を撫でるのってよろしくない.........?おかしいな、妹は喜ぶんだけど.........

 頭から手を離してみると、キタちゃんはトテトテと自分の両親の方へ走って行った。さすがウマ娘。子供のスピードとは思えないな。

 

 

マヤノ「.........」

 

 

テイオー「どうしたの?」

 

 

マヤノ「ねぇテイオーちゃん。あの二人ってもしかして.........」

 

 

 後方に居るマヤノトップガンがこしょこしょとテイオーに話しかける。俺の耳には到底届かない為、俺とマックイーンについての何かについて話していることしか分からない。テイオーは俺とマックイーンを交互に見てニヤニヤとしているが、一体どうした?

 もしかして、チーム入団希望か?だったらいつでも歓迎だ。ぜひうちのスピカ。出来ればスピカ:レグルスに来て欲しい.........

 

 

テイオー「じゃあボク達もう行くから!」

 

 

桜木「ありゃ?」

 

 

マヤノ「バイバイ!マックイーンちゃんとマックイーンちゃんのトレーナーちゃん!」

 

 

 手を振りながら走って行くマヤノトップガン。去り際にテイオーは何やら一言、マックイーンに耳打ちして行った。

 うーん、どうやらチームの入団の相談ではなかったらしい。だったらなんだ?もしかしてうまぴょい疑惑、まだ晴れてないのか?

 

 

桜木「なぁ、テイオーはなんだって?」

 

 

マック「さぁ.........よく分かりませんでしたわ.........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マック「.........」

 

 

テイオー『頑張ってね!マックイーン!』

 

 

 私の耳にひっそりそう告げると、テイオーはいつもの様に笑いかけました。

 一体、何をどう頑張るのでしょう.........?彼女の発言にぐるぐると思考を回します。

 隣を歩くトレーナーさんを見ても、やはり答えはまとまりません。それどころか、更に乱雑に選択肢が散らばり始めます。そんな問答に気を取られていると、不意に足元のバランスが崩れました。

 

 

桜木「大丈夫か?」

 

 

マック「へ?え、ええ.........ありがとうございますわ.........」

 

 

 声も発さなかったのに、トレーナーさんは前に倒れそうになった私を支えて下さいました。ちゃんと見てくれているのですね.........

 ふと、体を支えてくれている彼の手に視線が動きます。手の甲の指の付け根からうっすら見える骨。私のより大きな手。男性にしては細く、綺麗な指.........

 

 

桜木「あ、悪い!」

 

 

マック「あ.........」

 

 

 私の視線に気付いたのか、彼はスっと手を引っ込めてしまいました。もう少し観察したかったのに.........

 

 

マック「綺麗な手をしてますのね」

 

 

桜木「ああ、母さんにも言われてたけど、見た目に反して不器用だからよく笑われた」

 

 

 苦笑いを浮かべるトレーナーさん。確かに、不器用だと思う場面もありますが、それは単に不慣れだからだと思います。書類仕事をしている際のペンを回す行為も軽々とやってのけますし、以前焼き魚定食を食堂で注文した際には、骨以外は残さず、綺麗に食べ切っていました。

 しかし、恥ずかしいので口には出しません。それではまるで、私が四六時中彼を見ているようではありませんか?

 止めていた足を前に進ませようと足を上げると、なんだか足裏が酷く冷たく感じました。もしや.........

 

 

マック「あら、鼻緒が.........」

 

 

桜木「ありゃりゃ、定番っちゃ定番だな.........」

 

 

 そう言いながら、流れるように私の前でトレーナーさんは背中を向けて屈みました。その意図は、分かっているつもりですが、どうしても躊躇ってしまいます。

 

 

マック「あの、お気持ちは嬉しいのですが.........」

 

 

桜木「何言ってんの、大切な夢に使う脚をこんな所で汚せるわけないでしょ」

 

 

 トレーナーさんは、ムッとした口調でそう言い切りました。仕方ないので従いましょう。仕方ないので。

 脱げてしまった草履を持ちながら、彼の背中に寄りかかり、首に手を回します。彼に接着している体の全面がとても熱いです。

 

 

マック「申し訳ございません、トレーナーさん.........」

 

 

桜木「いいのいいの、こういう時は誰にでもあるから」

 

 

 彼の背中に、顔を埋めます。彼の匂いが鼻を通り、脳に直接刺激を与えてきます。なんだか、とても安心してしまいます。

 ウマ娘の耳は、とても良いのです。そのお陰で、背中からでも伝わってくる彼のペースの早い心音を聴きながら、心地よくなって行ってしまいます.........

 

 

桜木「マックイーン」

 

 

マック「はい.........?」

 

 

桜木「ちぎれた草履の鼻緒の代わりになるもの探してくるから、ちょっとだけ待っててくれ」

 

 

 そう言うと、トレーナーさんはベンチに私を座らせ、人混みの中を走っていきました。

 少々心細いですが、ここでしばらく待つことにしましょう.........

 

 

マック「.........」

 

 

 周りのざわめきも、耳にはあまり入ってきません。騒がしい筈なのに、なんだか静かに感じます。まだでしょうか?まだ、帰ってきませんか?

 一分、二分と経つ度に、寂しさが体に染み渡るように広がっていきます。以前はこんなことにはならなかったのに.........全部、あなたのせいですわ!

 

 

「もしもーし?」

 

 

マック「もう!遅いですわよ!トレーナー.........さん.........?」

 

 

ギャル男「おっほ!可愛いウマ娘ちゃんじゃん!」

 

 

チャラ男「先輩!ヤリっすね!!」

 

 

 目の前で私を囲む二人の男性。たまに居るんです。こういう人達が.........ですが、まさかトレーナーさんと間違えるなんて.........申し訳が立ちません。

 普段ならばメジロ家秘伝の護身術でひとひねり出来るのですが、今は浴衣姿で、片方の草履の鼻緒もちぎれてしまっています。

 そんな風に考えあぐねていると、男性の一人が私の手首を掴みあげました。

 

 

マック「なんですか?レディに対する扱いではありませんことよ?」

 

 

ギャル男「お、いいねぇ.........こういう女が一番そそるんだよなぁ?」

 

 

チャラ男「先輩!さっさと連れ込みましょう!!」

 

 

「へー、どこに連れ込むんだ?」

 

 

三人「!?」

 

 

 私の前に立ち塞がる男性二人の肩を握る様に掴む男性。それは紛れもなく、私のトレーナーさんでした。

 ですが、普段の優しい雰囲気はありません。声も普段と同じ通りの筈なのに、優しさは一切感じられず、私も驚いてしまいました。そこには見た目通りのトレーナーさんが立っていました。

 

 

桜木「困るんだよ。俺の連れに手出されちゃな?」

 

 

ギャル男「は、ははは.........冗談すよ、冗談」

 

 

チャラ男「そ、そうそう.........」

 

 

桜木「なら、俺も冗談言うか?さっさと目の前から消えねえと、テメェらの大事なモン握り潰すぞ」

 

 

 そう言いながら、トレーナーさんは肩から手を離しました。その瞬間に、目の前にいた男性二人は一目散に逃げて行きました。

 その様子を見たトレーナーさんは、息をふうっと吐き出すと、元の優しいトレーナーさんに戻りました。

 

 

桜木「怖がらせちゃったか?」

 

 

マック「いえ.........その、かっこよかったですわ.........!」

 

 

桜木「.........はは、そう言われたのは初めてだ」

 

 

 驚いて目を見開いた後、照れる様に笑うトレーナーさん。あの本気の目に少しドキッとしてしまったのは内緒にします。

 

 

マック「ふふっ、あんなに怖いトレーナーさんは初めてです」

 

 

桜木「ああ、高校の頃、ヤクザ役に抜擢されてな。昔取った杵柄ってやつだよ」

 

 

桜木「ほら、代わりの鼻緒を作るから、靴を貸して」

 

 

 そうでした。そのために彼は頑張ったのですわ。私は彼に草履を渡しました。

 彼はその手で手早く鼻緒の作りを済ませると、私の足に手を添え、その草履を履かせてくださいました。

 

 

マック「随分と手馴れてますのね」

 

 

桜木「ああ、毎回妹が草履を履きたがるんだが、毎回鼻緒を千切らすんだよ」

 

 

 彼が顔を見上げるように上げると、私の視線とばったり会ってしまいました。数瞬、見つめあった後、お互いに視線を逸らしました。気まずい空気が場を包みます。

 ですが、先程より明確に周りの音が聞こえます。周りの色がはっきりとします。彼が居ると言うだけで、周りの景色は色合いを良くするのです。

 

 

桜木「.........さ、出来たぞ。立てるか?」

 

 

マック「もちろん立てます。お気遣いありがとうございますわ、トレーナーさん」

 

 

 差し出された彼の手を取り、ベンチから立ち上がりました。その手が離れようとした時、少し名残惜しい気もしましたが、彼の隣で歩き出し始めると、そんな気も紛れました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「あらら、ここが終着地点か」

 

 

マック「随分歩きましたわね」

 

 

 隣にいるマックイーンと顔を合わせ、笑い合う。本当、何時間歩いたんだろうな。

 けれど、その何時間が終わってしまうのは少々名残惜しい。もう少し隣で歩いていたかったなぁ。

 

 

桜木「なんか食べたいもの他にある?門限もまだ全然余裕あるし、戻れるぞ?」

 

 

マック「いえ、もう堪能し尽くしましたわ。後は花火を見るだけですわね」

 

 

桜木「花火、花火か.........」

 

 

 ここから橋の方まで歩いたとしよう、学園の寮からは大分遠くなるし、花火の終わる時間が何時になるか分からない。都会は規模が違うからな。

 それに何より、先程マックイーンに絡んでいた二人組の様に、あの人混みの中ではぐれてしまえば、今度こそマックイーンが危ない。身体能力を考えれば大丈夫だろうと思うかもしれないが、マックイーンは女の子だ。心に傷を負う可能性もある。そんな事で悲しんで欲しくは無い。

 

 

桜木(そういえば、あの神社.........)

 

 

 そうだ。確かあの神社、ちょうど川の方が綺麗に見えたはずだ。そうと決まれば話が早い。

 

 

桜木「あのさ、マックイーンが良ければなんだけど.........」

 

 

マック「?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「よし、着いたな」

 

 

マック「大丈夫ですか?トレーナーさん?」

 

 

桜木「ああ、心配ない」

 

 

 あんだけ歩き回った後だが、不思議とここまで来るのに疲れは無かった。これも恐らく、タキオンのトレーニングのおかげだろう。

 少し寂しさを感じる神社だが、ここの周りは自然がある。散歩の休憩にはもってこいのスポットだ。

 

 

桜木「せっかくだから、なんかお願いしていくか?」

 

 

マック「ええ、そうしましょう」

 

 

 二人で鳥居を潜り、賽銭箱の前に並んだ。二人で同時に財布から五円玉を取り出し、二人で一緒に賽銭箱に入れ、二人で一緒に手を合わせた。

 

 

マック「.........ふふっ」

 

 

桜木「.........ははっ」

 

 

 それがなんだか、くすぐったくて、おかしくて笑ってしまう。そして、きっとそれはマックイーンも同じだろう。

 

 

マック(天皇賞の制覇。必ず成し遂げて見せます)

 

 

桜木(.........とか、思ってるんだろうなー)

 

 

 瞑っている目の片方を開き、真剣に手を合わせているマックイーンの方を見る。おそらく、そう思っているはずだ。彼女の事だから、神に願うのではなく、必ず自分で成し遂げると誓うのだろう。

 

 

桜木(じゃあ、俺は沢山お願いしないとな.........)

 

 

 ウララが楽しくレースを走れますように。

 ライスが変わりたい自分に変われますように。

 ブルボンの脚が彗星であると証明できますように。

 タキオンがスピードの向こう側を皆に見せ付けられますように。

 マックイーンは、必ず勝ちます。俺がしっかり、勝たせてみせます。

 

 

桜木「.........」

 

 

 それにしても、三女神か.........そういうのを祀ってる神社って珍しいよな。大抵は日本神話とか偉人だろうに.........まぁ、ここは競走バ縁の地でもあるから、崇め奉られてるんだろうなぁ.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 雨が降っていた気がする。いつものーーーで、心はーーーのようにーーーと沈み込んで、背中はーーーにーーーて冷たく、心はーーー叩かれたように震え、ーーーの中でただただーーーを.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マック「―――ナーさん!トレーナーさん!!」

 

 

桜木「!」

 

 

マック「大丈夫ですの?あら.........涙が.........」

 

 

 心配そうに覗き込んでくる彼女。気付かずに流したであろう涙を拭うように人差し指が頬を撫でた。

 なんだったんだ。今のは.........いや、この感じ、どこかで感じたことのある感情だ。激情がまるで通り過ぎたように心は風に敏感になる。

 

 

桜木「ははは、いや悪い。なんかよく分かんないけど心が揺れ動かされちゃって.........」

 

 

マック「.........本当に大丈夫ですか?」

 

 

 大丈夫だと言うように、彼女の頭に手を乗せると、それ以上は何も言わなくなった。正直、大丈夫かどうかなんて俺にも分からない。

 全く、こんなことはソルジャーファーストとかにやらせとけばいいんだよ。あんなので泣くとかジェノバ細胞埋めこまれ疑惑発生してんぞ。

 そんな下らない想像で心の波を鎮めていると、不意にマックイーンの顔が明るく彩られた。もしやと思い、川の方を見てみると、尾を引いて垂れて行く線と、胸にまで響くような重々しい破裂音が響き渡った。

 

 

マック「まぁ.........!」

 

 

桜木「.........」

 

 

 隣をちらりと見やると、花火の綺麗さに声を上げているマックイーンがいる。改めて見ても、やはり浴衣姿も、ポニーテール姿も素敵だ。今もそうだけど、将来はもっと美人な女性になるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「綺麗だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マック「!」

 

 

 不意に聞こえる、彼の声。いつもいつも、不意打ち気味に仕掛けてくるので心臓に悪いです。

 そんな必要は無いのですが、恐る恐る彼の姿を見る為に、ちらりと横目で見ると、空を見上げながら、その顔を花火の明かりで彩られるトレーナーさんが居ました。

 

 

桜木「.........」

 

 

 苦しい。胸がこんなにも苦しく感じることなんて、今まで無かった。恋に恋するなんて言葉があるように、一人の女の子をこんなに好きになったことは無かった。

 

 

マック「.........」

 

 

 締め付けられる様に、縛り付けられるようにきゅうきゅうと音を立てているように、規則的に発生する痛みにも似た心地の良い、居心地の悪さが今の彼との関係性。

 

 

桜木(だけど.........)

 

 

マック(ですが.........)

 

 

 ((今はそれすら、心地いい.........))

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「.........」

 

 

マック「.........」

 

 

 最後の花火が打ち上がり、俺とマックイーンを強く照らした。長く伸びる影が交わるように重なるが、俺と彼女の距離はまだ、1/2バ身もある。

 

 

桜木「.........終わっちゃったな」

 

 

マック「.........終わってしまいましたわね」

 

 

 楽しい楽しい橋でのお祭り騒ぎも、ここから見ても一目で分かるように落ち着いた。みんながみんな、暗くなった夜の空を怖がるようにして足早に散り散りに去っていく。

 俺達も帰ろう。そんな事は言わない。俺は、帰りたくない。

 けれど、彼女は子供で、俺は大人だ。わがままを言える立場じゃない。階段に向かって一歩踏み出すと、彼女もそれに黙って着いてきた。

 

 

桜木「.........楽しかったな」

 

 

マック「.........はい、とても」

 

 

 下っていく階段を、隣に互いを感じながら過ごした。楽しくて、寂しくて、名残惜しい。そんな時間を感じながら階段を下った。

 このまま彼女を送り届けようと思っていると、神社の前に一台の大きなリムジンが停められる。

 運転席から現れたのは、執事服を来た高齢の男性だった。

 

 

「お嬢様、お迎えにあがりました」

 

 

マック「ありがとうございます。爺や」

 

 

桜木「へー.........なんか別世界の人みたいだな.........」

 

 

 見たままの感想をそのまま呟く。実際執事とかを見た事も無くて、こんな高齢の男性が仕えるなんて事はほとんど無いだろうと思っていたからだ。

 

 

爺や「これはこれは桜木様。いつもお嬢様がお世話になっております」

 

 

桜木「え?なんで俺の事を?」

 

 

爺や「お嬢様のメイクデビューを拝見致しました。いやはや、ジャックポットは狙うべきものでは無い.........素晴らしいお言葉です」

 

 

 そう言いながら、爺やさんは丁寧にお辞儀をした。うーん。面と向かって言われるとなかなか照れくさいな.........

 

 

マック「ふふっ、爺やだけではなく、メジロの者たちは皆感心しておりましたわ」

 

 

爺や「ええ、お祖母様も、マックイーンお嬢様に良いトレーナーが付いたと、心底喜んでおられました」

 

 

桜木「ははは、それは責任重大っすね」

 

 

 そうか、マックイーンの家族が応援してくれてるのか.........だったら尚更、頑張らなきゃ行けないよな。

 そんな事を思っていると、爺やさんは後ろの席のドアを丁寧に開ける。何でも丁寧だなー.........正直カッコイイ。

 

 

マック「.........」

 

 

爺や「.........お嬢様?」

 

 

マック「.........それではトレーナーさん。また明日」

 

 

桜木「おう、また明日な。マックイーン」

 

 

 やはり彼女は礼儀正しくお辞儀をして、別れを告げる。明日からはまた、いつも通りの二人に戻る。今日はちょっと、非日常に酔っていただけだ。

 だから、俺も笑って手を振る。扉を閉められ、窓越しに手を振るマックイーンに、寂しさを堪えるようにゆっくりと手を振り、別れを告げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マック「.........」

 

 

 心地よく揺れる車内の中。今日の出来事をゆっくりと振り返っていました。楽しかった。お祭りという非日常をここまで楽しめたのはやはり、彼のおかげです。

 ですが、彼の事を.........お祭りのことを思い出すと、やはり胸がきゅうきゅうとします。今はそれを抑えるのが精一杯です。

 

 

爺や「.........お嬢様」

 

 

マック「?......なんでしょう爺や?」

 

 

爺や「良いトレーナーを見つけましたな.........」

 

 

マック「.........ええ、素敵な、トレーナーさんですわ」

 

 

爺や「お祖父様を思い出します」

 

 

 お祖父様を.........?その言葉を聞いても、私にはピンと来ませんでした。確かに、お祖父様はトレーナーとしてその腕を奮っていたと言う話は聞いた事がありますが、私の記憶のお祖父様と彼は、全く合致しません。

 

 

爺や「.........大変優秀な指導者でした。かつての古賀トレーナーの師事をしていたと言えば、その敏腕さが伝わるでしょう」

 

 

マック「まぁ.........!」

 

 

爺や「そして.........スケールが大きい。あの娘の脚は重機関車だと言ったり、激流の流れの中を綺麗に泳ぐ鯉と表現したり.........挙句の果てには、宇宙の真理を解き明かすより、彼女らの脚を育て上げる方が自分にとってはノーベル賞だとも言われておりました」

 

 

マック「!」

 

 

 その言葉一つ一つが、何となく理解出来てしまいます。きっと、トレーナーさんなら完璧に理解してしまうのでしょう。

 けれど、理解が出来なくても、それは決しておふざけではありません。走るウマ娘を全面的に信じているから、そう言い切る事が 出来るのです。お祖母様も、素敵なトレーナーさんに出会えたのですね.........

 

 

爺や「.........うかうかしていられませんよ、マックイーンお嬢様」

 

 

マック「な.........!?」

 

 

 バックミラーでちらりと見える爺やの口元は、とても意地悪な笑みでした。偶にこうして、凝り固まった私の思考や心を解してくださるのです。

 

 

マック「.........爺やは、その.........どう、思いますか?」

 

 

爺や「一目で見ただけですが、良き青年だと思われます。ですが少々他の娘に目を向けやすいかも知れません。お祖父様と同じように」

 

 

マック「まぁ.........ではお祖母様は相当苦労されたのですね.........」

 

 

爺や「ええ、お祖父様は毎日、身体の関節のどこかを痛めておりました」

 

 

 その言葉を聞いて、思わず笑い声が漏れてしまいました。若い頃のお祖父様がお祖母様にメジロ家秘伝の護身術にかけられている姿を思い浮かべました。そんなの、笑ってしまうに決まっています。

 運転している爺やも、その姿を思い出しているのか、静かに笑い声を零します。

 

 

爺や「お嬢様。立場というのは常に変化します。今は相応しくなくとも、いつか相応しくなる時が来るはずです」

 

 

マック「.........もし、来なかったら.........?」

 

 

爺や「無理矢理という手もございます。寧ろ、お祖母様は無理矢理お祖父様とご結婚なされましたから」

 

 

 それは.........初耳ですわ。お母様からは昔から仲が良かったとしか聞いていないので、お祖母様の結婚にそんな背景があったとは知りませんでした。でも.........そうですか、最終的には無理矢理.........

 

 

桜木『また明日な』

 

 

マック「.........」

 

 

 いけません。そんなことをしてしまえば、あの優しい笑顔に.........純粋さが失われてしまいます。それだけは.........彼のあの優しさだけは、絶対に利用しては行けません。

 

 

マック(.........早く、大人になりたいです)

 

 

 以前まで分からなくなっていた[大人]になると言うこと。もしトレーナーさんの言う通りになれたら、未だに勇気を持てず、名前を付けられていないこの感情を貴方に伝えることが出来るのでしょうか.........?

 心地の良い揺れをする車体の中で、終わった夏祭りと彼の姿に思いを馳せながら、今日という非日常の終わりを静かに感じました。

 

 

 

 

 

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ......To be continued

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