山あり谷ありウマ娘 〜気付いたら脱サラしてトレーナーになった話〜   作:ギノっち@カマタラル

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「夏だ!海だ!スマブラだ!!」「もう着いて行けませんわ.........」

 

 

 

 

 

 

やよい『了承ッ!!君達の合宿計画を許可しよう!!』

 

 

 そう元気よく宣言した理事長、秋川やよいは、バッと広げた扇子の影を床に作った。その顔からは良い感情しか伝わってこない。どうやら俺がシンボリルドルフを陥れた事実は伝わってないようだ。俺は正直ほっとした。

 『但しッ!!』という言葉が聞こえてくるまでは.........

 

 

やよい『条件ッ!!合宿中に配信イベントを行って欲しい!!それもうんと盛り上がるやつだっ!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「.........はい!始まりましたーチームスピカの最強は誰だ!!スマブラ王決定戦ー!!」パチパチパチパチ

 

 

ウマ娘「いやいやいやいや!!!」

 

 

 本日のトレーニングのミーティングを終えてすぐ、俺は配信の準備を始めた。配信をするという事は合宿の前に事前に言っていたので、準備している最中は特に何も言われなかった。

 ネットで告知もしてカメラもセッティングしてゲームもセッティングした。配信の準備もできている。最初の後は台本を作るだけとなったが、そこでまさかの出演者からストップがかけられた。

 

 

テイオー「なんで!!?なんでスマブラなの!!?訳わかんないよー!!!」

 

 

ダスカ「そうよ!!大体ウマ娘と何にも関係無いじゃない!!!」

 

 

桜木「そうは言われてもなー。もう外も暗くなってきたし、練習風景見せるのもつまらないし、沖野さんとの協議の結果だしなぁー.........」

 

 

 そう、合宿前に相談して決めた事だ。決めたと言うより、俺はそういう事に疎いから桜木がやってくれ。得意だろ?というパワハラ紛いの提案を受けたのだ。酷い大人もいたものだ。

 

 

マック「あの、そもそもゲームという物をあまり遊んだ事がなく、どうすればいいのか.........」

 

 

桜木「普通に楽しめばみんな喜んでくれるよ」

 

 

 そう、女の子がゲームで楽しんでる姿を見るのが好きな奴が沢山いるんだ。インターネットというのは面白い。

 しかし、やはり乗り気にはならないらしい。一人いそいそとコントローラーを差し込んでいるのはゴールドシップだけだ。

 

 

桜木「.........仕方ない。スペシャルゲストを呼ぶか」

 

 

ウマ娘「スペシャルゲスト.........?」

 

 

 本当は配信中に呼びたかったけど、こうなれば背に腹は変えられない。スマートフォンである人物に電話をかける。皆の視線が俺に集まる中、1コール、2コール、3コール目に差し掛かる頃に、その電話は取られた。

 

 

「なんや、どうしたんやおっちゃん?」

 

 

桜木「おータマの姉御。今暇してる?」

 

 

ウマ娘「タマモクロス(さん)!?」

 

 

タマ「なんやねんそのナンパみたいな誘い方。ええ度胸しとるやないか」

 

 

桜木「.........あれ?」

 

 

 なんだ、タマモクロスの口調が妙に不機嫌だ。いや、もしかしたら口調だけかもしれない。ビデオ通話にしたらめっちゃ笑顔かもしれない。

 

 

タマ「.........」ムッスー

 

 

桜木「いや滅茶苦茶不機嫌!!」

 

 

タマ「あったりまえや!!何が合宿や!!あんなんただの勝ち逃げやん!!ずるっこい!!ずるっこいでホンマ!!」

 

 

 ビデオ判定もしっかりと行った結果。タマモクロスは不機嫌だった。どうやら合宿前の対戦結果が気に食わなかったらしい。まぁ相手からすれば勝ち逃げみたいなものか。

 

 

桜木「仕方ないだろー?スマブラXなんて俺達のゲームみたいな所あるし、素直にスペシャルやっとけば良かったんだよ」

 

 

タマ「うっさいわ!!あーーーもう!!!せっかく皆に対策教えて貰ってたのにパーになったやん!!」

 

 

 うがぁー!という声を上げながら頭を掻きむしるタマ。何ともまぁ騒がしいウマ娘である。

 ちなみに、タマモクロスの言う皆とは、タマが運営しているウマチューブチャンネルの視聴者の事である。暇な時間に動画投稿しているらしい。最近は稲作ゲーを細々とやっている。あのゲームは本当に神ゲーだと思う。

 生放送も行うが、いつもゲリラ的だ。だが俺はある程度把握出来る。なぜなら、それを行う時は必ずと言って良い程、俺がゲームでタマをボコった時だ。配信開始のお決まりの挨拶は[み゛んな゛〜お゛っち゛ゃんに゛ボコられ゛た゛〜]だ。視聴者からは[またか]と言われたり[今日は何対策するの?]と書かれる。

 一部のコメントでは[ありがとうおっちゃん]や[タマが苦しむ声でしか摂取できない栄養素がある]というコメントがチラホラ書き込まれている。俺もそう思う。ネコエンジンならぬタマエンジンだろう。

 

 

タマ「.........ほんで、要件はなんや?」

 

 

桜木「いやー、実はさ.........」

 

 

 トレーナー説明中.........。

 

 

タマ「.........ほーん、成程なぁ。ええけど、ウチXの解説しか出来へんで?対策したのXやし.........」

 

 

桜木「.........分かった。準備してくるからちょっと待っててくれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マック「確か、あの後トレーナーさんが白い箱のようなものを持ってきましたわよね?」

 

 

桜木「.........」

 

 

マック「.........トレーナーさん?」

 

 

 そっか.........もう、Wiiの事を白い箱って呼ぶ時代なんだな.........はは、昔はあんなに売れてたのになぁ、任天堂史上最高売上だった据え置きゲームハードが.........白い.........箱.........

 

 

桜木「俺も歳をとったもんだぜ.........」

 

 

マック「?」

 

 

 まさかこんなところで夏に感じるノスタルジーに浸れるとは思わなかった。いかんいかん、引っ付いているマックイーンがキョトンとしているではないか。

 

 

桜木「あ、ああ.........あれは部屋でアイツらがスマブラやってたから、線引っこ抜いて来たんだ」

 

 

マック「.........通りで機嫌が悪かったはずですわ.........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「.........はいっ!始まりました!チームスピカと愉快な仲間達の!最強は誰だ!!スマブラ王決定戦ー!!!」

 

 

 カメラの前のマックイーン達は拍手でそれに答える。配信に流れるコメントも、888の連続だったり、嬉しい感情の表れだったりしている。

 

 

桜木「えーまず、参加者の皆様からご紹介させて頂きます!まずはチーム[スピカ]!!」

 

 

テイオー「いえーい!!やるからには勝っちゃうもんね!!」

 

 

 チームスピカと書かれたカンペを持ち上げ、堂々と勝利宣言をするテイオー。ノリノリなご様子だ。

 対してゲーム慣れしていないスペ、スズカ、スカーレットは少し緊張しているかもしれない。まぁパーティゲーだし。ガチャガチャしてても勝てる時は勝てる。

 

 

桜木「お次に紹介しますのはチーム[スピカ:レグルス]のみなさんでーす!!」

 

 

マック「ゲームは初めてですが、テイオーには負けませんわ!!」

 

 

テイオー「言ったなー!!」

 

 

桜木「早くも熱いデッドヒートを見せております!!」

 

 

 胸の位置でカンペを持つマックイーン。そこには[スピカ:レグルス]の文字。うちのチームは初心者の集まりだ。ゲームなんて触ったことない子達ばっかりだ。

 

 

桜木「えー最後に、スピカのトレーナーである沖野晃司と、スピカのサブトレーナーこと私、桜木玲皇。+αで形成された愉快な仲間達チームでーす」

 

 

沖野「待て待て!!俺は参加するとは一言も」

 

 

テイオー「トレーナー参加しないの.........?」

 

 

スペ「トレーナーさん参加しないんですか.........?」

 

 

スズカ「.........」

 

 

沖野「参加します」

 

 

 どうやら少女達のいたいけな瞳攻撃には耐えられなかったらしい。配信コメントからも[それでこそ男だ][勝てるわけが無い!!][ホモで助かった]など書かれてる。

 

 

桜木「そして解説のタマモクロスです」

 

 

タマ「みんなー!今日はウチ解説にお呼ばれしたんや!偉いやろ!!」

 

 

 [偉い][偉い][エロい][おへそみして][タマさんが解説するスマブラという事はXですよね?]と言ったコメントが散見する。事前の告知で参加を発表していたため、スタンバイしていたタマの視聴者も沢山来ていた。

 

 

桜木「.........さぁ皆さん初めての方も多いので、ここからキャラ決めをして行きたいと思います。参考材料はこちらのタマモクロスさんのキャラ紹介動画を使っていきたいと思います」

 

 

タマ「あ!!それみんなから集めた情報をもとに作ったやつや!!改めてありがとうなみんな!!」

 

 

 [お礼が言えて偉い][こちらこそいつもありがとう][ちゅき][おへそみして][タマちゃんの笑顔が眩しい]

 うーん、やはり人気だなぁ.........こんな子をボコしてるとバレたら何されるか分からん。ボロは出さないようにしなければな.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「ではキャラ選択を行っている間、タマモクロスさんにゲームの解説をしていただきましょうか」

 

 

タマ「おっしゃ!任せとき!!」

 

 

タマ「ええか?スマブラっちゅうんは、相手を場外に弾き飛ばした奴の勝ちや。その為なら何してもええ」

 

 

 [場外乱闘もありなの!?]

 

 

タマ「アホ!!んなもん無しに決まっとるやろ!!」

 

 

タマ「話を戻すで。スマブラはもう有名やからある程度みんな知ってると思うけど、Xは従来のシリーズと滅茶苦茶違うんや」

 

 

 [へーまじか][知らんかった。さすがタマ][なんでも知ってるんだね][おへそみして]

 

 

タマ「64もDXもForもSPも競技性があるんや。なんちゅうんやろなぁ.........スピード感とか、有利不利の付き方っちゅうんかなぁ.........とにかくストイックやねん」

 

 

タマ「けどXは完全にパーティゲーやから、バランスが崩壊しとる。なぁおっちゃん?」

 

 

 [え!?][おっちゃん!?][いつもありがとう][今日はタマちゃんをボコしてくれますか?][タマをボコす瞬間が1番生を実感する人だ]

 

 

桜木「.........はい、おっちゃんこと桜木です。今日はタマはボコしません」

 

 

タマ「帰ってきたらきっと滅茶苦茶にされるんや.........♡」

 

 

 [エッッッ][DVじゃん][通報した][へそを見せろ]

 

 

桜木「えーXは世代的に俺達のゲームですので、バランスの崩壊具合はハッキリと分かります。特に顕著なのがメタナイトとスネークですね。クソです。ただどっちも初心者向けでは無いので、強く使うには知識と練習が必要です」

 

 

 [Xメタナイトとかいうゴミの名前を出すな虫さんが走る][殺虫剤でも撒いてろ][亜空間強上のスネークさんちっすちっす][亜 空 の 使 者 (強上)]

 

 

タマ「ウチは好きやで」

 

 

 [Xメタナイト好きギャラクシアしゃぶらせて][チョコをまいて差し上げろ][やっぱスネークなんだよなぁ][愛 北 者]

 

 

桜木「見事な手のひら返しですね。さて、どうやらキャラ選択が終わったみたいです。意外と早いですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「さて、まずは一回戦第一試合の選手。スペシャルウィークさんとサイレンススズカさんはこちらへ来てください」

 

 

 [可愛い!][いきなりチームメイト対決か!][初心者同士のスマブラって初めてみるわ][おへそみして]

 

 

桜木「ではスペシャルウィークさん。使用キャラと意気込みをどうぞ」

 

 

スペ「はい!私はカービィを使います!!理由はお母ちゃん家でカービィのゲームで遊んだことがあるからです!!」

 

 

 [あ][スペちゃん.........][まだ分からない][0% 0% 0%][スーファミやめろ][弱キャラ]

 

 

スペ「いきなりスズカさんと試合になるとは思わなかったんですけど、精一杯頑張ります!!」

 

 

 [その一言が偉い][勝ったな飯食ってくる]

 

 

桜木「中々いい意気込みですね。それではサイレンススズカさん。お願いします」

 

 

スズカ「えっと、サイレンススズカです.........キャラクターは、青い.........その、早いキャラを使います」

 

 

 [あ][スズカさん.........][まだ分からない][70 53 79][やめたれ][早すぎて自滅しそう]

 

 

スズカ「スペちゃんと戦うとは思ってなかったけど.........全力でやるわ」

 

 

 [その一言が偉い][勝ったな先頭の景色見てくる]

 

 

桜木「では両者コントローラーのセッティングをしてください」

 

 

タマ「お、二人ともWiiリモコンや。オーソドックスやな」

 

 

桜木「タマさん、どうみますか?」

 

 

タマ「正直上級者は皆クラシックコントローラーとか、おっちゃんみたいなゲームキューブ使うんやけど、まぁ今回はお互い初心者やし大丈夫やろ!!」

 

 

桜木「では初めて行きましょう!!」

 

 

 3 2 1 Go!

 

 

桜木「さぁ最初にしかけたのはスズカのソニックだ!」

 

 

タマ「ソニックの特徴はスピードの速さや。スズカはちゃんとそれを理解しとる。見てみぃ!ウチがオススメしたダッシュ攻撃とダッシュ投げの二択やってるで!!」

 

 

 [本当に初心者か?][大逃げするスズカは賢いなぁ.........][やりたい事しっかりやってんじゃん]

 

 

桜木「コメントでも散見していますが、普段レースでも自分のやりたい事を押し通すやり方で勝っているので、そこら辺の力が働いてるのかも知れませんね」

 

 

スペ「め、目が追いつかないべ〜.........」

 

 

桜木「.........」

 

 

タマ「.........スズカの勝ちやないか?これ」

 

 

 一方的な状況が続いて行く。スズカはただただ投げとダッシュ攻撃との二択で翻弄する中、スペはどうすればいいのか分からず、ただガードを張る。しかし、雲行きが傾いてきたのは、スペの%が100を超えたあたりだ。

 

 

スペ「た、退散します〜!!」

 

 

スズカ「ふふ、逃がさないわよスペちゃん!」

 

 

 ドォーン!

 

 

桜木&タマ

「...............おや?」

 

 

スズカ「あら.........?」

 

 

 [おっとー?][希望が見えてきましたねぇ][スペ!!空に逃げるんだ!!]

 

 

タマ「.........空中戦は苦手みたいやな」

 

 

桜木「ああ、もう3ストック犠牲に.........」

 

 

スズカ「うぅ、酷いわスペちゃん.........私から逃げるなんて」

 

 

スペ「えぇ!?だってスズカさん怖いんですもん!!」

 

 

 [確かにあのソニックは初心者からしたら怖い][しっかり二択してくるの偉いと思うわ][可愛いから良いよ]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マック「うぅ、今思い出しても悔しいですわ.........テイオーに負けるなんて.........!」

 

 

桜木「テイオーは経験者だからなぁ.........ディディーコングなんて特に戦いにくいだろ」

 

 

 今思い返しても割かし上手だった。マックイーンのゼルダが初心者だったのもあるが、仕方ない部分もある。

 だが、初心者同士の対戦ではあったものの、配信は思いのほか盛り上がった。

 

 

桜木「スカーレットのマリオとウオッカのキャプテンファルコンは激戦だったなー」

 

 

マック「ええ、特にスカーレットさんは初心者とは思えませんでしたわ」

 

 

 恐らく、他人の対戦を見て動きを学習していたのだろう。直前が白銀のシークとゴールドシップのドンキーだったのもあって動きは相当良かった。思ってたより器用なんだな。

 

 

マック「ですが、トレーナーさんはもう少し、褒める時の言葉を増やした方がいいですわ」

 

 

桜木「確かに.........」

 

 

 そうだ。俺はゲームを褒める時、しきりに偉いとしか言えない男だ。だからすごい場面が連続すると偉い!偉い!としか言わなくなる。タマもちょっと引いてた。

 なんだろう、IQが多分低くなるんだろうな。スマブラやってると。チンパンジー以下の脳みそになっちゃうんだろうなぁ.........

 

 

桜木「.........だからあんな事もするんだろうなぁ.........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タマ「.........えー、現在の最下位を発表するで、おっちゃん、保健室の先生、社長、司書さん。そしてマックちゃんや」

 

 

 キャラクター画面の前で正座する。流れてくるコメントからは[自業自得じゃね?]とか[盤外戦術に長けてる]とか言われてしまっているが、正しくその通りだ。

 因みにだが、沖野さんはちゃっかりタキオンのリュカに勝ってた。リンクのB技系しか使ってなかったが、勝ちは勝ちだ。最下位は確実に免れている。

 

 

マック「うぅ、まさかこんな事になるなんて.........」

 

 

 そして一番かわいそうなのがマックイーンだ。彼女もライス相手に勝ちを上げたが、見ている視聴者がライスのコントローラーの異変に気付き、白星はなくなってしまったのだ。つまり同率最下位が五人いる事になる。

 

 

白銀「本気でやんね?頭来たからぶちのめすわ」

 

 

タマ「物騒な発言が出てるで!!これは期待や!!おもろい事になるのは間違いないやろ!!!」

 

 

神威「盤外戦術は?」

 

 

黒津木「勿論有りだろ」

 

 

桜木「泣いても知らねぇぞ.........」

 

 

 頂上決戦はテイオーディディーとゴルシドンキーの一騎打ちだった。最高に盛り上がった試合だが、最底辺を決める戦いはまず、俺達愉快な仲間達が順位を決め、最下位がマックイーンと戦う流れになっている。

 一見マックイーンが不利では?と思うかもしれないが、手の空いた三人から盤外戦術を受けるのだ。勝てるものも勝てない。俺達が一勝もしてないのもそのせいだ。

 

 

タマ「おっちゃんはー.........ガノンドロフか!!ずっと使っとるやん!キャラ変えせーへんの?」

 

 

桜木「俺はDXから生粋のガノン使いだ」

 

 

タマ「先生はスネークかい!本気モードっちゅうことか!!」

 

 

黒津木「そうなりますね」

 

 

タマ「社長はなんや、ワリオ使うんかいな!!隠れクソキャラやからなーワリオ!!」

 

 

白銀「お前らをハァミハミしてやるぜ.........!」

 

 

タマ「司書さんはメタナイトかいな!!怪獣大戦争やんけ!!」

 

 

神威「唯一の対抗手段を行使します」

 

 

 [怪獣しかいないね][ん?][一人だけミジンコがいますねぇ][オッサンのこと魔王って言うのやめろよ!]

 

 

テイオー「本気の本気でやるの!?どんな感じかなー!!」

 

 

ゴルシ「そりゃお前!!おっちゃん達なんてプロフェッショナルだからよ!!すっげぇド派手な戦いをするに決まってんだろ!!?」

 

 

 スマブラ経験者は息巻いて試合を見ようとしている。未経験者はお手本を見ようとしっかり見ようとする。当たり前だろう。こっちはなんせ十年やってると公言しているのだ。邪魔する相手も無く、邪魔してくる奴も居なければ本気でやる。そう思ってくれたのだろう。

 だが、その期待はすぐ裏切られることになった.........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 3 2 1 Go!

 

 

白銀「どけェッッ!!!」

 

 

神威「べふぅッッ!!???」

 

 

 [は!?]

 

 

タマ「なんとぉ!!!いきなり社長が司書をぶん殴ったァ!!!そのままの勢いで三人は部屋から退散していくゥッッ!!!」

 

 

テイオー「訳がわかんないよーーッ!?」

 

 

タマ「遅れて何故かガノンを突き落とした司書が出ていった!!!」

 

 

 [期待を裏切らない][今までで一番やばくないか?][全員ずた袋もってきて目隠しし合いながらやんのか?][←ありそう]

 

 

タマ「オォォォット!!!一着は社長やァ!!!手にはなんかもってるでぇぇ!!!」

 

 

白銀「死ねぇぇぇッッ!!!玲皇のコントロォォォラァァァッッッ!!!!!」

 

 

タマ「なんとぉ!!!ハサミやァァァ!!!!おっちゃん曰く20年連れ添ってきたGCコンの線をぶった切ったァァァ!!!間違いなく絶交案件やァァァ!!!!」

 

 

 [ヤバすぎる][予想を上回るな][これ炎上しない?][20年使ってる相棒再起不能にさせるのはエグいてぇ!!!][これがテニス.........?]

 

 

白銀「.........あァ!!?よく見たらこれ俺のじゃねェか!!!」

 

 

タマ「アホやァァァァ!!!!」

 

 

 [ア ホ く さ][良かった。これで解決ですね][出ていく前にすり替えたんか。おっちゃん頭ええな][この行動を読んでたとしたら桜木トレーナーはモナド使いでは?]

 

 

桜木「ハハハハハ!!すり替えておいたのさッッッ!!!!!」

 

 

白銀「ホいつの間に!?」

 

 

 [スパイダーマ!!?][生きていたのか][なんか持ってね?]

 

 

桜木「俺も許さねぇしこのトミーガンも許さねぇぇぇぇッッッ!!!!!」

 

 

白銀「伏せろォ!!!伏せろォォォォッッ!!!」

 

 

 [良い子は真似しないように][エアガンにしては威力強くね?][志村!!後ろ後ろ!!]

 

 

黒津木「ガトチュゼロスタイルッ☆!」

 

 

桜木「ほぁっぶな!!???」

 

 

 [斎藤一!!???][久々に聞いたわそれ][これは余裕とYOU揉んだ☆][避けれて偉い]

 

 

桜木「背中から狙うとは誉はどうしたァ!!!」

 

 

黒津木「誉は浜で死んだ!!!」

 

 

桜木「誉が死んだ!!???」

 

 

 [この人でなし!!!][ニコニコからタイムリープしてきましたか?][間違いない、十年前のノリだ]

 

 

神威「俺も仲間に混ぜてくれよ」

 

 

タマ「.........はっ!!!悪いみんな!!!あまりに展開が早すぎて気絶してもうてたわ!!!」

 

 

 [可愛い][画面に写ってる唯一の癒し][さっきからキャラ動いてなくて草][人は醜い生き物です][人じゃなくて良かった][これはラスボスも人類抹殺しようとしますわ.........]

 

 

タマ「あーーーもう!!!せっかくの配信が台無しやぁ!!!誰か原因突き止めてあの連中の暴走止めてくれやぁぁ!!!!」

 

 

ゴルシ「おっし!!!ここはゴルシちゃんの出番だな!!!」

 

 

 [あ][まずい][やめろ][頼むから動かないでくれ][1番来ちゃいけないやつが来た]

 

 

ゴルシ「アタシが思うに!!原因はアレだァァ!!!」

 

 

タマ「.........スマブラ?」

 

 

ゴルシ「ああ!!!ちょっくら世界救ってくる!!!」

 

 

 [あ][あ][あ][まずい][は?][何もしないでくれ][絶対炎上する奴では?][今からダークソウルやろう!!クリアするまで起きてよう!!!そっちの方が絶対平和だよ!!!!!][やめろめろめろゴルシめろ!!! ]

 

 

タマ「あァ!!?ゴルシの奴線引きちぎってWii持ってってもうたー!!!」

 

 

沖野「おい!!!喧嘩してる場合じゃねえぞ!!!アレお前らの私物だろ!!!」

 

 

四人「ああん!!???」

 

 

四人「.........あれ、無い」

 

 

全員「だからゴールドシップが持ってったって!!!」

 

 

四人「持ってかれたァァァァァァッッッ!!!!!」

 

 

 [おバカの錬金術師][これは禁忌犯してますね.........][Wii持ってかれてて草][早くしろぉ!!間に合わなくなっても知らんぞぉ!!!]

 

 

沖野「おい!!機材持ってアイツ追いかけるぞ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜の海

 

 

ゴルシ「こんなもんあるからおっちゃん達が喧嘩するんだァァァァァッッッ!!!!!」

 

 

四人「テメェェェェェッッッ!!!!!何してんだァァァァァッッッ!!!?????」

 

 

 [時既に時間切れ][あのポーズはもう終わりでしょ][ゴルシはなんで海の方向いてるの?なんで片手にWii持ってるの?][今北産業][三分前見てくれ。それしか言えん]

 

 

ゴルシ「海に帰れェェェェェッッッ!!!!!」

 

 

黒津木「俺のWiiが!!!?????」

 

 

桜木「俺のGCメモリーカードが!!!?????」

 

 

白銀「俺のスマブラが!!!?????」

 

 

神威「痛くも痒くもねえわ」

 

 

ゴルシ「あとついでにこれも」

 

 

神威「俺のWiiリモコンが!!!?????」

 

 

 [お疲れ][可哀想に][一つ大人になったな][これはウマ娘ですか?]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「.........今思えば、この合宿で得たものより、失ったものの方が多いかもしれない」

 

 

マック「普通にしていれば何も無くなりませんでしたわ。自業自得ではありませんの?」

 

 

 呆れたようにそう言い放つマックイーン。流石にもう引っ付いては来なかった。俺もクマへの恐怖心が無くなっている。

 得たものと言っても、それはマックイーン達のものだ。俺が得たものは何一つ無い。失ったものと言えば。

 俺のデッキと、俺のGCメモリーカードと、思い出の詰まったWiiと、社会人としての尊厳だ。大分捨てられたな、今俺達は空っぽなのかもしれない。

 

 

桜木「.........まぁ、それでも良い思い出って言えるんだから、夏は面白いよな」

 

 

マック「ふふ、そうですわね」

 

 

 お互いの顔を見合って笑い合う。あんだけハチャメチャした筈なのに、こんな俺に笑いかけてくれるんだ。こんなに嬉しい事は無い。

 

 

桜木「それにしても、最後の最後でまさかのなぁ.........」

 

 

マック「.........ええ、代替案とはいえ、まさかあんな事になるとは.........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

タマ「最下位はおっちゃんと マックちゃんや」

 

 

 突きつけられた残酷な結末。それは最下位は あの中で俺になってしまったと言うこと。理由を聞いてみれば、俺のガノンドロフだけストックが一つ減っていたらしい。

 アイツらは意気消沈してしまったのか、部屋の隅で体育座りしている。俺も仲間に入れてくれよ。

 

 

テイオー「.........けどさぁ、スマブラはもう出来ないんでしょー?サブトレーナー達が騒いだせいでさー?」

 

 

桜木「申し訳ないぜ.........」

 

 

 俺に送られる視線が酷く冷たい。どうやらゴールドシップ以外の期待を全て引きちぎってしまったみたいだ。子供は期待を裏切られて大人になる。今日はみな、その階段を登ったのだ。

 

 

ゴルシ「ダンスで決めればよくね?」

 

 

桜木「.........だんすぅ.........!?」

 

 

マック「それは.........どうなのでしょう?」

 

 

 何気ないゴールドシップの一言で頭がショートする。悪い事は立て続けに起こる。それはもう立証済みだ。

 視線をタマと繋いでいるスマホに戻すと、腕を組み、唸りながらその案をどうしようかと考えていた。

 

 

タマ「.........そや、せっかくウマ娘がこんなに居るんやし、二人で踊って審査してもらえばええやん!!!」

 

 

桜木「は!!!??」

 

 

マック「トレーナーさん.........手強い相手ですわ」

 

 

タキオン「うん?踊れるのかい?トレーナー君」

 

 

桜木「踊れません」

 

 

ウララ「踊れるよ!!!ねぇライスちゃん!!」

 

 

ライス「うん!トレーナーさん、マックイーンさんと一緒にうまぴょい伝説踊ってたよ!!」

 

 

桜木「」

 

 

 終わった。配信のコメント欄も見とうない。だが一つだけ見なくても分かる事は、冷たかった視線が鋭さを帯びてグサグサと俺に刺さってくるという感覚だけだ。

 

 

タキオン「うわぁ.........」

 

 

ブルボン「マスターの気持ちが理解出来ません」

 

 

ダスカ「流石にちょっと.........」

 

 

ウオッカ「.........何も言えねぇ.........」

 

 

テイオー「マックイーンのトレーナーって変わってるよね」

 

 

タマ「きっしょ」

 

 

桜木「」グニャァ〜

 

 

 え?女の子に気持ち悪がられるのってこんなに辛いことなの?よく見る創作物ではご褒美扱いなのに?そんな事を思いながらグニャグニャに歪む表情を無理矢理にでも叩き直し、皆に問いかけた

 

 

桜木「あの、需要がないと思うんですよ(笑)見た目も良くない20代のオジサンが可愛い女の子と踊ったってね?」

 

 

タマ「ウチにあるで。いい気晴らしや」

 

 

桜木「あ、はい.........」

 

 

 圧が怖い。こんな事なら普段からタマに優しくしておけば良かった。コメント欄も[いつもイジメてるから.........]とか[Sっ気タマちゃんにイジメられたい]とかいう声が散見している。

 ここでウジウジしていても仕方が無い.........俺は諦めて正座を解き、ゆっくりと立ち上がった。

 

 

桜木「.........それで、何を踊れば良いのでしょう.........?」

 

 

全員「[うまぴょい]」

 

 

桜木「」

 

 

 同時だった。コメント欄もここに居る連中も全員口を揃えてうまぴょい伝説を支持してきやがった。マジで許さん古賀聡トレーナー。お前には地獄すら生ぬるい。

 

 

マック「うまぴょい伝説.........うぅ、これを放送で乗せるのは、少し恥ずかしいですわ.........」

 

 

桜木「.........やるぞ、もうどうせ逃げれないんだ。踊って、見世物になって、審査で負けてやる.........」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

桜木「んで、俺は結局審査で負けて、見事スマブラ最弱の称号を貰ったと.........」

 

 

マック「あはは.........災難でしたわね.........」

 

 

 あの光景を思い出すと、彼に対して哀れみの情を抱いてしまいます。隣で割と真面目にへこんでしまっているトレーナーさんを言葉で慰めることしか出来ませんでした。

 

 

桜木「.........俺もうネットが怖くてスマホを付けらんないよ.........」

 

 

マック「私もですわ.........」

 

 

 昨日のあの配信、どこまで盛りあがったのか分かりませんが、あの異様な光景。恐らく知る人ぞ知る配信となってしまうのは間違いないでしょう.........

 ですが、あの時のあの日の空間は、確かにハチャメチャでおかしな事も沢山ありましたが、とても魅力的な時間でした。その感情だけは本物です。

 

 

マック「.........確かに、印象に残る二日目でしたが、私としては三日目も捨て難いです」

 

 

桜木「三日目ェ!?お、俺もしかしてなんかやらかしてた!?すっげぇ大人しくしてた気がするんだけど.........」

 

 

マック「[印象]に残ったと言ったのです。トレーナーさんが騒ぎを起こした訳ではありませんわ」

 

 

 そう言うと、彼は目に見えてほっとしました。全く、そんなリアクションを取るなら、最初から大人しくしてくだされば済むことですのに.........

 そう思いながら、揺れるバスの窓に浮かぶ夕日を見て、昨日の出来事をゆっくりと浸るように、思い出していました。

 

 

 

 

 

  ......To be continued

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