山あり谷ありウマ娘 〜気付いたら脱サラしてトレーナーになった話〜   作:ギノっち@カマタラル

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テイオー「マックイーンのトレーナーって変わってるよね」

 

 

「マックイーンのトレーナーって変わってるよね」

 

 

 朝の会が終わり、次の授業が始まるまでのインターバル。皆思い思いの過ごし方をしている中、私の後ろの席に居るトウカイテイオーは、急にそんな事を言い始めました。

 

 

マック「急にどうしたんですの?」

 

 

テイオー「いや、思った事を言っただけだよ?」

 

 

 何の悪びれもなく、首を傾げながらそう言うテイオー。彼と接触して日は浅いですが、別段変わった所は無いと思うのですが.........

 

 

マック「.........って、まだ彼は私の担当トレーナーさんではありませんわ」

 

 

テイオー「けどマックイーン。昨日寮に帰ってきた時はルンルンだったよ?」

 

 

マック「うっ、そ、それは.........」

 

 

 確かに、ようやく彼の期待に応えられるかもしれないと浮かれていたかも知れません。でも、他人から見ても分かってしまう程だなんて.........

 

 

テイオー「?マックイーン、ノート潰れちゃうよ?」

 

 

マック「っ、ひゃあ!?」

 

 

 うぅ、メジロのウマ娘ともあろうものがこんな事で動揺し、ノートを落としてしまうなんて.........ここは、平静さを取り戻さなければ

 

 

マック「コホン!良いですかテイオー。ウマ娘とトレーナーの関係は二人三脚。いえ、一心同体と言っても過言ではない物なのです。それは決して人をおちょくる.........って、話を聞いてください!」

 

 

テイオー「ふむふむ。マックイーンのスペシャル献立表.........」

 

 

マック「へ!?か、返してください!!」

 

 

 どうやら、先程落としてしまったノートは、トレーナーさんが一生懸命書いてくださったあの献立表だった様です。一度ならず二度までも.........メジロマックイーン、一生の不覚です.........!

 

 

テイオー「これ、マックイーンのトレーナーが作ったんでしょ?」

 

 

マック「え?ええ、確かにそうですが.........」

 

 

 そう言うとテイオーは、目を細め、「へー」と声を漏らしました。ああ、もしかして、先程の発言も否定した方が良かったのでしょうか.........確かに、「『マックイーンの』トレーナー」と言っておりましたもの。

 

 

テイオー「やっぱり変わってるよー。普通担当でも無いのにここまでしないってー!」

 

 

マック「そ、そうかもしれませんが、テイオーがそこまで言う、彼の変わっている根拠は他にあるのですか?」

 

 

テイオー「もちろん!ボクが証拠もなしに人を変人扱いするわけないじゃん!!」

 

 

 ふふん、と自信満々に胸を張るトウカイテイオー。なんだか嫌な予感がしますわ.........

 

 

テイオー「まず第一にさ、お昼ご飯だいたい一人で食べてるんだよね」

 

 

マック「あら、そうなんですの?」

 

 

テイオー「うん!友達から聞いた話なんだけどね、いつも三女神の噴水で食べてるんだってー」

 

 

マック「.........?おかしな所なんて何一つ無いと思うのですが」

 

 

テイオー「分かってないなーマックイーンは、普通三週間も居たら知り合いの一人や二人できるじゃん!それなのにずっと一人で寂しくお昼ご飯食べてるなんておかしいよ!!」

 

 

 それは個人の勝手では無いでしょうか?大勢で食べるのが好きな方も居れば、静かに食べるのが好きな方も居るはずですし.........

 

 

テイオー「それに!毎日駄菓子を持ち歩いてるんだよ?大人なのに!」

 

 

マック「あら、別によろしいではありませんか」

 

 

テイオー「えー?でもあの見た目で駄菓子ってイメージ湧かないからなー」

 

 

テイオー「他にもあるよ?例えば歩き方とか」

 

 

マック「?歩き方ですか?」

 

 

テイオー「あの人、右腕全然振らないんだよ?癖なのかな?」

 

 

 そうなのでしょうか?あの人と居ると、歩き方まで気がまわる事がありませんでしたので、その姿は想像できませんでした。そうと言えばそうですし、そうではないと言えばそうではないというのが私の見解でした。

 

 

テイオー「まーボクとしては、一番は経歴が分からないって所かなー?」

 

 

マック「経歴.........ですか?」

 

 

テイオー「うん。あの人、急にトレーナーになったんだって!いわゆるぽっと出ってやつ?」

 

 

テイオー「親族にトレーナーも居ないし、前まで普通の会社員だったって話だよ?」

 

 

マック「.........あの、一つ気になったのですが、それは誰の情報なのですか?」

 

 

テイオー「うぇ!?」

 

 

 私は純粋に気になりました。なぜテイオーはこんなにも彼の事を知っているのでしょう?友達の話と言っても、常に一人で居る彼の事をここまで知っているという事は、ストーカー問題になってしまいます。

 仮にもしテイオーが色々な人に聞き回っているのであれば、その理由を確かめなければなりません。

 別に、嫉妬ではありません。ええ、嫉妬ではありませんとも。

 

 

テイオー「うぅ、今日登校する時、か、カイチョーがそうやって褒めてたんだよー。彼は一人でもーとか、歩き方に癖があってーとか」

 

 

テイオー「もう!!ボクと話してる時はボクの事褒めてくれないのに!!」

 

 

マック「そ、そうだったのですね.........」

 

 

 確かに、学園の生徒の管理を行っている生徒会長ならば、トレーナーである彼の詳細を知っていても何ら不思議ではありません。

 

 

テイオー「と、とにかく!これらの情報を元に、ボクは一つの仮説に辿り着いたんだ!!それは.........」

 

 

マック「そ、それは.........?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「マックイーンのトレーナーは外国のスパイだっていうこと!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マック「.........さてと、今日は確か古文の小テストが.........」

 

 

テイオー「えぇぇぇ!!?ちゃんと聞いてよマックイーン!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 現在、午前10時頃。俺は誰も居ないトレーニングコースで、ゴールドシップと共にカメラの設置をして居た。

 

 

桜木「よーし、準備OKだ。操作方法分かるか?」

 

 

ゴルシ「モッチモチのロンに決まってんじゃねえか!!それにしても高そうなカメラだなー。いくら?」

 

 

桜木「三十万」

 

 

ゴルシ「え?」

 

 

桜木「三十万」

 

 

 その言葉を聞いて、俺の顔とカメラを交互に見るゴールドシップ。まぁ、俺の一月分の給料がコイツになったと思えば大したことは無い。飯と違って手元に残るから十分だ。

 

 

ゴルシ「躊躇ねえなアンタ。アタシなんかよりよっぽど命知らずだぜ.........!」

 

 

桜木(ま、下手したら死んでた命だからな)

 

 

 昨日、あの夢を見てからどうも投げやりになってる気がする。行けない行けない。自分を大切にすることこそが、幸せになる為の第一歩だ。

 そう思っていると、ゴールドシップもカメラの設置方法と設定に関して理解が出来たみたいなので、一旦それらを回収して、イベントの最終確認を行っていた。

 

 

ゴルシ「なぁ、所でよ、アイツはどうしたんだ?偽織」

 

 

桜木「.........?え、ああ、アイツなら今古賀さんと沖野さんとだべってるよ」

 

 

ゴルシ「え?アタシのトレーナーとウルトラおっちゃんと?」

 

 

 なんだウルトラおっちゃんって、古賀さんの事か?まぁ、普段俺がおっちゃん呼ばわりされてるし、差別化してくれてるのだろう。嬉しいような嬉しくないような.........。

 白銀の奴は今、久しぶりに会った古賀さんと大分話し込んでいる。変人同士気が合うみたいで、それのストッパーを沖野さんが担ってる訳だ。本当に申し訳ない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古賀「おーーー!久しぶりじゃないかぁ翔也ぁーー!!」

 

 

白銀「おっちゃん!!」

 

 

 細い身体の男を、がっしりとした体格の男が抱きしめる。抱きしめられた男はそれを豪快に笑い、抱きしめる男も嬉しそうに笑う。傍から見ていた男はこれから起きるかもしれない面倒事を想起して、苦笑いを浮かべた。

 

 

古賀「一回戦敗退おめでとう」

 

 

白銀「うっわダルゥッッ!!?」

 

 

 触れてほしくない所を触れられて叫び声を上げる男。細い身体の男はやはり豪快に笑っていた。

 

 

沖野「桜木ぃ.........早く帰ってきてくれぇ.........」

 

 

 傍から見ていた一人の男は嘆き声を上げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 昼をまたぐ様にして空の太陽は頂点から傾き始める。いつもなら何かで腹をこしらえる筈なのだが、どうにも腹が減ってくれない。緊張しているのだろうか、柄にもない。

 

 

ゴルシ「なぁ、今日はお昼食べねーのか?流石にキツいだろ?」

 

 

桜木「.........ああ、緊張してんだろうな。柄にも無く」

 

 

 それでも、何か口にしなければ行けないと思い、ズボンのポケットに手を突っ込んで箱を手に取る。いつも通りのココアシガレットを一本取りだし、口に咥えた。

 

 

桜木「食うか?」

 

 

ゴルシ「いや、アタシ硬いの好きじゃないんだよな。遠慮しとく」

 

 

 それっきり、俺とゴールドシップとの間に何時もの喧騒さは身を潜めた。珍しく静かなゴールドシップだが、やはり、何処かそれに慣れてしまっている自分が居る。

 だから、ついつい口が滑るように動いてしまう。

 

 

桜木「.........なぁ、昔話しても良いか?」

 

 

ゴルシ「.........ああ、アタシで良ければ聞いてやるよ。つまんなかったら紐で括り付けてアタシが引きずってやるからな」

 

 

 俺の笑い声が響く。どこから話そうかなと思索する耳には、絶え間なく流れる噴水の音が聞こえて来る。

 

 

桜木「.........俺にはな、夢があったんだ」

 

 

ゴルシ「夢?」

 

 

桜木「ああ、夢に向かって、ずぅっと頑張ってきた。大っ嫌いだった自分が好きだった、数少ない時間だった」

 

 

桜木「けど、よく分からない内に怪我しちまってな」

 

 

 右の肩をちらりと流し見る。痛みや違和感はもう無い右肩。恐らく、交通事故にでも会ったのだろう。俺にはその日一日の記憶が抜けている。

 そんな俺にゴールドシップは何も言わない。いつも通りの滅茶苦茶さも無くして、ただ俺の独白に耳を傾けている。

 

 

桜木「暫くは、世界から色が消えちまってた。あんなにエネルギッシュだったのに、興味のある物以外、見える景色は全部灰色だ。息が詰まりそうだろ?」

 

 

ゴルシ「.........て言うか、なんで今アタシに話すんだよ。そんな事」

 

 

桜木「お前は茶化さず聞いてくれると思ったから」

 

 

 そう言うと、ゴールドシップは頬杖を着きながらそっぽを向いた。今はそれがありがたかった。

 

 

桜木「.........夢ってのは形を変える。俺は今日、あの日の夢をぶっ壊して、新しい夢を見る」

 

 

桜木「悪かったな、つまらない話に付き合わせちまって」

 

 

ゴルシ「あー、すっげーーーつまんなかったよ。お前の昔話」

 

 

 そう言いながら、ゴールドシップはその場を立ち、ゆっくりと前を歩いて行く。悪態をつく姿も、その後振り返る姿も、やっぱり親友そっくりだ。

 

 

ゴルシ「だから未来の話はせめて面白くしてくれよ?アタシを楽しませるようにな!!!」

 

 

桜木「.........ああ、約束する。お前が退屈しない様な世界を、ちゃんと見ていくよ」

 

 

 腕時計を確認する。長々と話しすぎたようだ。講和まで後一時間。そろそろ行かなくては、そう思い立ち上がった。

すると、ゴールドシップは俺の方向に振り返り、とても美人がしては行けないような舌出しの変顔をかまして走り去って行った。

 

 

桜木(マジで残念美形な所もそっくり)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴルシ「まったく、アイツ、アタシの事を友達だと思ってんじゃねーか?」

 

 

 そう呟きながら、アタシは待機場所であるトレーニングコースへと走っていく。

 正直言って、あの話をされて悪い気はしなかった。周りから破天荒だとか、奇想天外だとか、その内大金溶かしそうとか、終いにゃ金も借りてないのにゴルシ金返せとか、色々言われてきた。

 そんなアタシを.........なんて言うか、認めてくれた感じがしたんだ。アタシが多分、偽織と言動とか似てるせいもあるかも知れないけど、普通の奴として接してくれた、

 レースとしての理解者はスピカのトレーナーだけど、アタシの行動の理解者はおっちゃんだ。

 だから、今度ゆっくり話せる時はちゃんと伝えたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 実はマックイーンとは知り合いじゃないって事を

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マックイーン「ご馳走様でした.........ふぅ」

 

 

 食事を終える挨拶をしてから、私はゆっくりとお腹を摩りました。少々はしたなく見えてしまいますが、久々に感じる満腹感に浸っていると、そんな事からも意識が薄くなってしまいます。

 お昼休みのカフェテリア。中等部高等部関係無く、ウマ娘達が昼食をとる為に、ここは毎日満席近くまで席が埋まります。

 

 

テイオー「あ、マックイーン!!一緒に体育館に行こー!」

 

 

マック「あら、そう言えば、今日の五時間目から外部講和の授業でしたわね.........分かりました。一緒に行きましょうか、テイオー」

 

 

 一緒に食器を持ちながら、カフェテリアのカウンターへと向かい、使った食器を戻しました。その際テイオーは気付いた様に、意地の悪い笑顔で言ってきました。

 

 

テイオー「そういえばさ、トレーナーが一生懸命考えた献立って、言っちゃえば愛妻弁当みたいな物だよね♪」

 

 

マック「あいさ.........!?」

 

 

 いえ、行けませんわ。ここは冷静に対処するのです。テイオーの思い通りになってしまうのだけは、なんとしてでも避けなければ!

 

 

マック「テイオー、愛妻弁当は本来。女性が男性に対し、手作りしたお弁当の事を言うのですよ?その場合は、私が彼に作るのでは?」

 

 

テイオー「え」

 

 

 ふふ、どうですかテイオー。何も言い返せないでしょう。人の事をからかっているから仕返しされるのです.........あら?何故でしょう、テイオーの顔がみるみる内に赤くなって.........

 

 

テイオー「そ、そっか。マックイーンとトレーナーってそういう関係だったんだ」

 

 

マック「.........は」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「〜〜〜〜〜〜!!!!?????」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

テイオー「もー、機嫌直してよマックイーン〜」

 

 

マック「嫌です。絶対許しませんわ」

 

 

テイオー「え〜?だってあれは完全にマックイーンの自爆じゃんー」

 

 

 隣の席でニシシと笑うテイオー。あんな辱めを受けたのは生まれて初めてでした。確かに思い通りにはなりませんでしたが、あれでは哀れなピエロですわ。

 はぁっと、胸に溜まった空気を吐き出しました。意地を張っていても仕方がありません。今回の事は確かに、私の配慮が足りなかったせいです。

 

 

マック「.........仕方ありませんわね、今後こういったからかいをやめてくださるなら、考えて差し上げますわ」

 

 

テイオー「ありがとーマックイーン!!」

 

 

 まったく、調子の良い人です。満面の笑みを浮かべているテイオーの単純さに微笑ましさを感じていると、体育館の全体が、若干ざわつきを帯び始めました。

 

 

テイオー「あ!!カイ.........チョー.........?」

 

 

マック「.........?何か頭に着いていませんか?」

 

 

 何でしょう。登壇した生徒会長の頭には何故か、アンテナの様な物が装着されておりました。恐らく、ざわめきの原因は会長の頭に乗っているあの謎の存在なのでしょう。

 しかし、当のシンボリルドルフ生徒会長は、気付かない所か、全く気にしない様子で初めの挨拶を行い始めました。

 

 

ルドルフ「静粛に、これより。中等部外部講和を行う。起立!気を付け!礼!」

 

 

 頭のあれが気になりますが、ご本人の様子は至って普段通りです。ますますあれが何なのか、理解が及ばなくなりました。

 とりあえず、先程まで体育館全体に広がっていたざわめきも、シンボリルドルフ会長の挨拶で霧散し、元の落ち着いた空気を取り戻しました。

 

 

ルドルフ「それでは、今回の外部講師に登壇してもらう。皆、盛大な拍手を」

 

 

 そう言って降壇するシンボリルドルフ会長。よく見えなかったのですが、降りている最中、ニヤリと笑った気がしました。

 

 

テイオー「ね、ねえ.........講師の人出てこないよ.........?」

 

 

マック「え、ええ.........?あら.........?何か音楽が.........?」

 

 

 何なのでしょうか、ファンファーレにも似た管楽器の旋律が静かに、ゆっくりと音量を上げていきます。何かの演出なのでしょうか?

 

 

テイオー(あ!僕知ってる!これドラゴンクエ○トだ!)

 

 

マック(?ドラゴン.........クエ○ト.........?)

 

 

テイオー(マックイーンしらないの?有名なゲームのオープニングだよ!!)

 

 

 そう言われても.........ですが何故でしょう、初めて聞いた気がしません。この音の並べ方、何処かで聞き覚えが.........

 

 

テイオー(中山のレース場の、G1のファンファーレを作った人が作った曲なんだ!!)

 

 

マック(まぁ!!道理で.........)

 

 

 ヒソヒソと話している内に、まばらに拍手が聞こえてきました。いけない、折角講師の方が来て下さっているのに、お出迎えしないなんて。

 そう思い、視線と身体と、意識をステージの方へ向けると、そこにはなんと、重々しい甲冑を来た騎士が立っているではありませんか。

 私は思わず固まってしまいました。他の方も同じ状況なのでしょう。まばらだった拍手も、今ではシンボリルドルフ会長と、たづなさん。そして理事長の分しか聞こえてきません。

 

 

騎士「私は勇者。伝説の悪竜[ダルトムント]を成敗すべく、遥かなる旅を続けている」

 

 

 凛々しく。そして雄々しく勇ましい声が、体育館に響き渡ります。マイクも使わず、ここまで声が響くなんて.........これから一体どうなるのでしょうか?

 

 

騎士「というのは冗談で」

 

 

マック(え?)

 

 

 そんな雰囲気も一瞬で消え去ります。私だけが、その声に心当たりがあります。やめてください。違ってください。もし、騎士の正体が貴方なら、テイオーに朝から言われている事を肯定せざるを得ません。

 しかし、そんな私の悲痛な思いは届いてくれません。彼が兜を脱ぎ、顔を顕にした瞬間。私の中での彼が、音を立てて崩れていきました。

 

 

テイオー「え!?」

 

 

マック「」

 

 

騎士?「えーね、こんな壮大な登場をさせて頂きましたが、勇者では、ありません。期待して頂いた生徒さんには申し訳ないですね。改めまして、トレセン学園でトレーナーをしております。桜木 玲皇(さくらぎ れお)と申します」

 

 

 ニコニコと笑いながら挨拶をするトレーナーさん。私は絶句しながらその姿を見ていました。この講和会、今まで聞かされていたお話とひと味もふた味も違う。そう思いながら、世界で一番、奇想天外な講和会が幕を開けて行くのでした

 

 

 

 

 

ㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤㅤ......To be continued

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