女神のミスで死亡したオタ女子の私が、BLを求めて異世界転生したら百合展開が多い件〜無駄に高性能にされたんだけどそんな事よりBLを寄越せ。美形だらけの世界だから正直妄想が捗るんだが〜   作:くろひつじ

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好きすぎー!問題

 

 全力でライラに常識を叩き込んだつもりだけど、基本が無表情だからどこまで理解してるのかいまいち判断が出来なかった。

 何かやらかしたら毎回叱る必要があるかもしれない。

 しかし、何なんだろうねこの関係。

 エロい事をしようとする女神とそれを妨害する一般人か。

 なかなかにシュールだな。

 

 さておき、数時間に渡る授業を終えたあと。

 兵士さんが部屋に迎えに来てくれたので、その後を着いて行く事にした。

 さぁ、美女の次は美少女とデートだ。

 色々あって疲れたし、アメジストたんに癒されよう。

 

 

 城の豪勢な廊下を通って案内された部屋に通されると、なんかめちゃくちゃ長いテーブルか置いてあった。

 五メートルくらいかこれ。その両端に食器やカトラリーが1セットずつ置いてある。

 そして向こう側に、メイド服の少女が二人。私の望んだ紫髪の美少女の姿と、水色の髪の美少女が並んで立っていた。

 やっぱり仲良いなー、あの二人。並んでると姉妹に見えてくるわ。

 

「こっ……こんばんはっ! リ、リリィちゃん!」

「ようこそお越しくださいました」

「こんばんはー。来たよー」

 

 あぁ、頑張って大きな声を上げるアメジストたん、癒されるわー。

 小型犬みたいで可愛いなー。

 サファイアさんは朝より少し砕けてる雰囲気って言うか、緊張が抜けた自然体って感じだな。

 

「ところでアメジスト様、何故このように距離を取られているのですか?」

「えっ!? いや、その……まだ、慣れてないし……」

「なるほど。アメジスト様はご友人相手に距離を置かれるのですね」

「ちがっ……リリィちゃん、そんな事ないからね!?」

「冗談です」

「ねぇぇぇ! どうしてそんな事言うの!?」

 

 やっべ、面白い。

 サファイアさん生き生きとしてんなー。

 ちょっと参加してみるか。

 

「そっかぁ。アメジストたんは私の近くに居たくないのかぁ」

「ひょぇっ!? や、ちが……そんなことないよ!」

「じゃあ隣でも大丈夫?」

「大丈夫! ……えっ? 隣?」

「おっけー。んじゃそっち行くわ」

 

 用意してもらっていたセットをインベントリに収納し、てくてくと移動、アメジストたんの隣に展開する。

 ついでに、アメジストたんをガン見してみる。

 あー、やっぱ可愛いなこの子。顔立ちも整ってるんだけど、まとってる雰囲気が小動物なんだよなー。

 つい構いたくなるって言うか。

 その割にスタイル良いのがギャップあってさらに良き。

 

「……ハッハッハッハッ(呼吸音) あの、リリィちゃん?」

「なにー?」

「ぁ、なんでその、じっと見てる、の?」

「可愛いから」

 

 ゆっくり近付く。ジワジワと、目を合わせたまま。

 残り10センチくらいで停止。そのまま見詰めていると、どんどんテンパって行くのが見て取れた。

 そんなアメジストたんを見逃すはずもなく、サファイアさんか追撃の一言を放った。

 

「そう言えば、親しい友人同士は挨拶にキスを交わす事があるらしいですね」

「ぴっ……!?」

 

 顔を真っ赤にして、頭から湯気が出てそうな表情で。

 アメジストたんはあたふたした後、意を決して両目をぎゅっとつぶった。

 え、いいの?

 サファイアさんに目を向けると、ニヤニヤしながら自分のデコを指でつついた。

 あーなるほど、そゆことね。

 

 アメジストたんの頬に手を添える。

 明らかに身体を硬直させて、しかしそれでも逃げようとはしない。

 よほど私と仲良くなりたいんだろうな。その事は凄く嬉しいけど、それはそれ。

 

 誰から見ても緊張の極地にあるアメジストたんのデコに、そっと口付けした。

 

「……えっ? ぁ、おデコ?」

「あれ? アメジストたんは口が良かった?」

「ちがっ!? ……あれ、違わない? いや、違うのかな……?」

 

 おー、混乱してんなー。目がグルグルなってる。

 

「さぁアメジスト様、次は私の番です」

「サファイアも!? やだもー、あたしの事そんなに好きなのー?」

 

 あ、イキりだした。サファイアさんには強気だなー。

 

「え? いや、そこまででは」

「ねぇぇぇ! なんでよぉぉぉ!」

「ですがアメジスト様がどうしてもと言うのなら構いません」

「ちょっと!? サファイアがあたしの事好きなんでしょー!?」

「勤め先の上司なので仕方なく相手をしているだけです」

「そうなのっ!? ぇ……そうなの?」

「冗談です」

「ねぇぇぇ! 意地悪すんのやめてよぉぉぉ!」

 

 この二人見てると飽きないな。まるで漫才みたいだ。

 二人とも美少女だし眼福である。てぇてぇ。

 

「さて、そろそろ食事をお出ししますので席にお戻りください」

「ぐぬぅ……今日のご飯は?」

「バンバーグです」

「ほんとにっ!? やったぁ!」

 

 おー。はしゃいでんな、アメジストたん。

 さて、私も席に着くか。

 

「ぁ……リリィちゃん、本当に隣に座るの?」

「え、うん。近い方が話しやすいじゃん」

「そ、そうだね! えへへ……お友達かぁ……」

 

 この子、ハニカミ笑いが似合うなぁ。

 半泣きでキレてるのも可愛いけど、こっちの方が似合ってる気がする。

 ……本当に魔王軍トップクラスの戦力なのかな、アメジストたん。

 

「ところでアメジスト様、話題は用意されていますか?」

「大丈夫! 会話デッキを用意したから!」

 

 会話デッキ? 話のネタって事か?

 てか何かデカい箱出してきたけど、抽選形式なのか?

 

「えっと……まずはこれ! 好きな食べ物! 私はハンバーグが好きです!」

「あぁ、そういう感じなのか。確かにハンバーグ美味しいよねー」

 

 でもこれ、私の好物も言わなきゃならないんだろうか。

 今まで共感された事ないんだけど、大丈夫か?

 

「えーとね、私の好きな食べ物なんだけど」

「なんだけど?」

「トウガラシ」

「……え? 好きな、食べ物?」

「うん。生のままかじるの」

 

 ブート・ジョロキアまでなら試したことがあるけど、あれもまだ甘かったんだよなー。

 でもこの世界になら、私が満足できる物もあるかもしれない。

 

「ハッハッハッハッ(荒い呼吸音) えっ、リリィちゃん……辛いものが、好きなの?」

 

 えっ。何でそんなに怯えてんの?

 無理やり食べさせたりしないよ?

 

「アメジスト様は幼児が食べられる程度の辛味でも受け付けないのです。つまり幼児以下ですね」

「ねぇぇぇ! 言い方とかさぁぁぁ!」

「事実ですので」

 

 あ、なるほど。辛いの苦手な人って結構いるもんな。

 

「いや、別に良いんじゃない? 味の好みなんて人それぞれなんだし」

 

 ちなみに私は辛くない物も好きだ。

 一番の好物がトウガラシってだけで、ちゃんと味覚は生きてるし。

 

「そ、そうだよね!? ほらサファイア! リリィちゃんは優しいよ! 誰かさんとは大違いだね!」

「リリィ様、甘やかすと増長しますので程々に」

「ねぇぇぇ! そういうとこだよ! もっとあたしに優しくしてよ!」

「それは業務外です」

「友達じゃないのっ!?」

 

 良いぞもっと絡め。てぇてぇわー。

 

「アメジスト様の妄言はさておき、夕食をお出し致しますね」

「ぇ……友達だよね……?」

「はい、無二の親友です」

「だ、だよねっ!? もーサファイアってばあたしの事好きすぎー!」

「……さて、夕食をお出し致しますね」

「照れちゃってもー!」

 

 サファイアさん、アメジストたんの事好きすぎー!

 でもそれ以上に、サファイアさんの方がアメジストたん好きすぎー!

 って感じだな。

 

 でもこれ、本当に友情かなー。

 いや、別にガチ百合でも構わないけど。

 私に害が無ければ見ていて尊いし。

 

 それはともかくお腹が空いたな。

 ハンバーグ、楽しみだわ。

 

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