なんか2ヶ月位空いたっすね!!
4月の終わり際。大型連休である
理由は単純で、部長の
「俺、今日はバイトだって言ったよね?」
歩がニッコリと営業スマイルを貼り付けた顔を部員達へ向けると、出されたお冷の氷を口に頬張った
「まだ
「良くないよ。人のバイト先を何だと思ってんだよ」
「たまり場」
「あのなぁ……」
やれやれと言った風にため息をつく歩の姿を見た
「その……。やっぱり迷惑、でしたか?」
おずおずといった様子で聞く関内に歩は営業スマイルではない自然な微笑みで「いつものことだから平気だ」と言った。
実際の所、朱莉が“たまり場”と
曰く、「蓬の花言葉は『平穏』そして『幸福』だ。ここは
「で、注文は?」
「あら?私達は客よ?その態度は何んなのかしら?」
「ご注文は何でございましょうか、お嬢様ァ?」
営業スマイルを引きつかせながら、顔を傾けてやや威圧的に岸根を見る歩。
「いつものでお願いするわ」
「すいませーん!いつものと言われましても、何のことか私にはさっぱりなものでー」
「バニラフラペチーノエクストラホイップインホイップモカシロップ変更エクストラシロップチョコレートソース追加エクストラソースチョコチップ追加アーモンドフィーシロップ追加エクストラシロップ」
わざとらしい口調で煽る歩に岸根は噛みそうな台詞でペラペラと返した。
「そんな呪文みてぇな注文、一度たりとも頼まれたことねぇよ!つかここス○バじゃねぇから!」
声を荒げて突っ込みを入れ、「うがー」と唸る。
そんな様子を見て関内はどうしたら良いかわからずにわたわたして
桜木に至っては「ほっとけばいいよ」と口に出してしまっていた。
そんな時、
「こーら」
「あてっ」
歩の背後から現れた店長の仲町が手に持ったトレンチで歩の頭をポコンと叩いた。
「お客様に失礼しない」
「……すんません鈴さん」
仲町は関内以外の3人に「いつもの」で良いか訪ねて、了承を貰ってから関内に向き合った。
「初顔、だよね?私はこの店の店長兼オーナーの仲町鈴っていうの。お名前聞いても良いかな?」
「あ、はい!私は関内香織と申します!よろしくおねがいします!」
「元気で初々しいわねぇ。皆と居るってことは職人部の新部員かしら?」
「はい、そうです!」
「そう!じゃあ今日は私から飲み物1杯サービスしちゃおうかな。何が飲みたい?」
仲町の申し出に関内はあたふたとしながら「え?え?」と声を漏らし、助けを求めるような視線を歩へと送る。
「遠慮しないで好きなのを頼むと良いよ。コーヒーが飲めるなら、コーヒーが一応おすすめ」
「仮にも雇い主を前に『一応』って言い方は無いんじゃないか?」
ムっとした様子で手を歩の頭へ置き、笑顔を歩へ向ける。その瞳は笑っていなかった。
そんな仲町と歩のやり取りを見た関内は更に慌て、自分が早く注文を決めてやり取りを終わらせないとと、目を皿のようにしてメニューを凝視する。
「わっ!あのあの!私、その、えと!」
「落ち着いて。これも恒例行事みたいなものだから、鈴さんも歩を弄るのは程々でやめてください。香織ちゃんが怖がっているじゃないですか」
「あはは、それは申し訳なかったな。桜木」
「謝る相手は僕じゃなくて香織ちゃんですよ……」
「そうね。ごめんなさい香織ちゃん」
関内の慌てっぷりに、見かねた桜木が助け舟を出し、いくつか個人的なおすすめを交えてメニューを内容を教えていた。
部活を結成する前から桜木はよく店に来ていたため、もしかしなくともアルバイトをしている自分よりも味に詳しいのかもしれない。と、歩はそう思った。
程なくして、関内はカフェラテとチョコレートケーキのケーキセット選び、部員達はコーラやコーヒー、紅茶とチーズケーキのセットなどそれぞれの『いつもの』を注文した。
注文されたものの提供のため、仲町と歩の2人はカウンターの中へ入っていく。
歩は仲町が飲み物の用意をしている間に、ケーキ用の冷蔵庫からチョコレートケーキとチーズケーキを取り出し、皿に乗せる。この店ではチーズケーキの場合、皿にクリームが少しだけ絞られて提供されるため、歩は器用に盛り付けてから、トレンチに乗せた。
仲町の方を見るとコーヒーと紅茶の用意にもうしばらく掛かりそうだったので、歩はグラスに氷を入れてからコーラの瓶を取り出し、栓抜きを使って王冠を外す。それらをトレンチに乗せた所で、仲町の方も出来上がったらしく、歩に合図を送っていた。
注文されたものが全て揃っているのを確認してから歩は慎重にトレンチを持ち、職人部の面々が待つテーブルへと向かう。
「おまたせしました」
そう一言断ってから、歩は岸根の前にはティープレスと呼ばれる容器に入った紅茶と、ティーカップ、そしてチーズケーキを。
桜木の前にはアンティーク調のコーヒーカップに注がれた真っ黒なコーヒーと、陶器製のミルクポットを。
中川の前にはクラッシュアイスの入ったグラスと瓶のコーラに紙の袋に包まれたストローを。
最後に関内の前に、ラテアートで桜らしき花の描かれたカフェラテとチョコレートケーキが並べられた。
「すごいです!可愛いです!なんですかこれ!先輩が描かれたんですか!?」
関内は手を合わせて喜び、歩とラテアートを交互に見る。
「まさか、鈴さん……店長が描いたんだよ」
「そうなんですね!すごいです!」
ペコリとカウンターの奥に居る仲町に関内がお辞儀すると、仲町は手をひらひらと振って返した。
感動してラテアートを見つめる関内とは対照に、他の部員達は慣れた様子で飲み物に口をつける。
数泊置いた所で、歩は「で」と口を開いた。
「今日は何しに来たんだ?」
「ん~!」
チョコレートケーキを口に運び、ご満悦な岸根を放って、歩は桜木へ聞き直す。
桜木はやれやれとでも言いたそうに肩をすくめてから「
「……いや、明日とかで良いじゃん。まだ月曜日だぞ」
「すまん。明日と明後日はサッカー部の方に顔を出すことになってんだ」
そんな至極全うな感想に、中川が右手を立てて謝る。
「なら木曜は?」
「すいません……。私が家の用事で放課後はすぐ帰らないと行けないんです」
関内が本当に申し訳無さそうに頭を下げる。
「……金曜って確か」
「昭和の日で休みだよ」
歩の言葉に被せるようにして答えた桜木に歩は「だよね」と呟いた。
要するに全員集まれるタイミングが今日しかなく、よく集る
「いや、俺、バイト中だから」
「お客さんが居ない間だけでいいから」
「そういう問題じゃないでしょ……」
「一緒に座ってわけじゃないんだ。歩にはGWの空いてる日をメモか何かに書いて持ってきたほしい。そしたらこっちである程度固めるから、後は確認したい所でいくつか聞けたらって感じかな。いつも軽い雑談くらいはしてるしいけるでしょ?」
桜木の言葉に軽く首を傾げてから、カウンターの方で本を読む仲町の方へ視線を向けると、仲町はチラッとだけ歩の方を見てから頷いた。
「わかった」
歩は適当な紙に日付と、それぞれ予定に合わせて
「ありがと、ある程度、組めたら呼ぶよ。ああ、ちゃんとタイミングは考えるから安心して」
「はいはい」
小さいため息をついて去ってゆく歩を見てから、桜木は「さて」と切り出した。
よくよく考えたら前回ってめっちゃプロローグって感じだったんで、今回から1話ってことにしました。
それに伴って少し、サブタイも変えてみたり!
てなわけでこっちもゆっくりと書いていくんでヨロシクオネガイシマス!