幸運の女神に嫌われた男が終わった遊戯王GXに転生する 作:SOD
デュエルは楽しい。自分の実力を高めることに対しても、なんの異論もない。
でも、問題はあった。それは、ちょこの実力と成長速度が、他のデュエリストと比較して高すぎたこと。
相手が弱くても楽しい人はいるんだけど…ちょこは全くそのタイプじゃなかった。
つまらないよ。楽しくないよ。
まだまだ強くなれるのに、まだまだ成長出来るのに。
ちょこ「--私を受け止めてくれる相手がいない。」
拓野「……?」
ちょこ「壊れちゃヤだよ?ドロー。
ちょこが満足するまで、いっぱいシてね?
ちょこの秘密、いっぱい見せちゃうから。
行くよ。手札から『サイバー・ダーク・クロー』の効果発動。」
ちょこの発動したカードに反応した豚ちゃん達が、割れるような歓声を放つ。
《うおおおおおー!!!!キター!!ちょこちゃんのサイバー・ダークだ!!!!》
《うっそぉ!?オシリスレッドに使っちゃうのぉ!?》
《ば、バカな…オレたちサイバーズ・クラブの部員相手にも使わなくなったのに……》
う〜ん。ちょっとうるさ過ぎ…だよね?
拓野「『サイバー・ダーク・クロー』?
そんなカード、貰ったサイバー流デッキには無かったな……」
でも拓野くんは、そんな雑音に全く意識を向けずにすぐにデュエルディスクを使ってちょこの墓地のカードを確認する。
その無駄を省いたストイックな感じ、きゅんです。
しっかり説明シてあげるからね〜。
ちょこ「このカードの効果で『サイバーダーク』魔法・罠カードを手札に加えることが出来る。
ちょこはこれで、【サイバー・ダーク】のキーカード。
永続魔法『サイバーダーク・ワールド』を手札に加えて、そのまま発動するよ。
発動時の効果処理として、デッキから『サイバー・ダーク』モンスターを手札に加えられるよ。
ちょこが加えるのは、『サイバー・ダーク・カノン』。
カノンもまたまた手札から捨てることで、デッキから『サイバー・ダーク』モンスターを手札に加えられるよ。
これでデッキから『サイバー・ダーク・エッジ』を手札に加えまーす。」
拓野「……………………。」
無言でディスクを見つめ続ける拓野くん。
真剣な目でカード効果を読み続けてる。アカデミアでは黄色の王が躾けてる配下しかやらない行動だ。
噂だと拷問かってくらい追い込まれてるらしいけど、そんなことされなくても自発的に知らないカード効果を調べるのはとってもよいことだと思います。
さてさて、それじゃあちょっと拓野くんの初めてのカードへの理解力を試しちゃおうかな。
雑魚雑魚な脳みそだと、幻滅しちゃうからね〜。
ちょこ「拓野くん。熱心に効果確認してるみたいだけどー。ちゃんと【サイバー・ダーク】に頭ついてこれてるかな〜?」
拓野「………………。」
ちょこ「あれあれ〜?返事がないなぁ?
もしかして、拓野くんでも難しすぎてー分かんないのかなぁ?」
拓野「…………うー……ん…」
……あれ??も、もしかしてほんとうに難しい?
い、いやいや。デュエル中だし、サイバー・ダーク全部見せたわけじゃないし、理解しかねてるだけかもだよね?
拓野「…………不味いな。選択した戦略に対して相性が悪すぎる……」
あ、良かった。
ちゃんと理解してたみたい。
じゃあどこが悪いのかもちょこっと聞いてみよう。
ちょこ「ん〜?どうしたのぉ?まだ4枚しか見せてないけど、何が分かったのかな〜?お姉さんに教えてみてよ〜」
拓野「『サイバー・ダーク・クロー』『サイバー・ダーク・カノン』『サイバーダーク・ワールド』。
この3枚のうち一枚あれば、それだけで最低限の力を発揮する。
そして、その最低限とはリリースも融合も使わずに、サイバー・ドラゴンの攻撃力を超えるモンスターを、破壊耐性付与状態にしつつ呼び出し、更にデッキ、またはEXデッキからカードを墓地に送り、更に状況を好転させる事ができる。
というもの。
同じカードは3枚まで入れられる。それで同じ結果を出せるカードが3種類。つまり、実質同じカードが9枚入っているようなもの。
はっきり言って手札一枚では動かない【サイバー流】デッキとは比較にならない力と完成度が実現出来る
。
場のモンスターが全てドラゴンに変えられることも相まって、もう『融合禁止エリア』も役に立たない……。
とんでもないデッキだ。」
ちょこ「ふーん。まあまあ分かってるっぽいかな〜?
『サイバーダーク・ワールド』の効果発動。手札から『サイバー・ダーク・エッジ』を召喚。召喚時効果発動。墓地からカノンを装備!」
サイバー・ダーク・エッジ ATK2400
あーもう、拓野くん凄い!!えらい!欲しい!!
たった一回見ただけで【サイバー・ダーク】を大体理解してるよ。おりこうさん!
もう少ししたら、ご褒美にダイレクトアタックしてあげよう。
ちょこ「手札から比翼レンリンを召喚するよ。」
比翼レンリンATK1500
拓野「今度はサイバーでもサイバー・ダークでもないモンスターなのか……」
ちょこ「このモンスターは、自分のフィールドに存在する場合、他の自分のモンスターに『ユニオン』出来るんだよ。」
拓野「ユニオン………ああ、そういえばそんな能力もルールブックに書いてあったな……
(装備魔法があれば充分じゃないかと思って読み進めていたら、余りにも使える効果を持つモンスターが無さすぎて、記憶の片隅に捨てていたが)」
ちょこ「ふふふ〜ん。ユニオンって、基本的にはよわよわで、作ったクリエイターはちょっと現実を見る能力と頭のネジ外れてるんじゃないかな〜って思うけどー」
拓野「…………。」
ちょこ「これは別物。って言うか、絶対にサイバー・ダークの為にデザインされてると思う。サイバー・ダークって名前が付いてないのが不思議なくらい。本当はサイバー・ダーク・レンリンで良いんじゃないかな?
どー思う?拓野くん?」
拓野「………………ちょっと、わかんないです。」
ちょこ「そっかー。じゃあ拓野くんがサイバーズクラブに入部したら、ちょこが手取り足取り腰取り教えてあ・げ・る・ね〜☆」
拓野「………………(苦い愛想笑い)」
翔護「おーい。杉田ー?嫌なことは嫌って言えるのは、太古からの人間の特権らしいぞー。はっきり言ってやれー?ガキそのものの体型で寒いこと言ってんじゃねえってよ。」
拓野「………………か、勝てばいい…から……。」
翔護「うわー……負けそう。優しさは現実を隠すことじゃねえんだぞー」
拓野「……やめてくれ。」
ちょこ「比翼レンリンの効果発動。サイバー・ダーク・エッジに装備。
これにより、レンリンの効果で、サイバー・ダーク・エッジの元々の攻撃力は1000ポイントに変動。そして装備カードの加算分を再計算するよ」
サイバー・ダーク・エッジ ATK2500
アネモネ「けど、まだサイバー・ツイン・ドラゴンの方が攻撃力は上だし、大丈夫そうじゃん。」
ヒカリ「いえ……サイバー・ダーク・エッジは、攻撃力の半分で、相手に直接攻撃が出来ちゃうんです。」
アネモネ「そうなんだ。でも1300しかないなら、大したダメージにはならないね。」
ヒカリ「それが、比翼レンリンの装備モンスターは、2回攻撃が出来るんです……」
アネモネ「へぇー良く出来てるんだ。サイバー・ダークって」
ちょこ「それじゃあそろそろ、拓野くんにちょこからのダイレクトアタック。イっちゃうよ〜!
バトルフェイズ。サイバー・ダーク・エッジで〜拓野くんに直接攻撃!!エッジスライサー!!」
攻撃宣言とともに自分の翼で飛び上がったエッジは、待ち構えるサイバー・ツイン・ドラゴンの頭上を嘲るように素通りして、そのまま拓野くんに無惨な竜巻攻撃を浴びせていく。
拓野「…………モンスターがいるのに守りに使えないのは、厄介だな…」
拓野 LP1950
ちょこ「ふっふっふ〜それじゃあそのままもう一発イッとこう!
エッジスライサーセカンド!!」
拓野「……………っ。」
拓野 LP600
ちょこ「おお〜!!ソリッドビジョンとは言え、拓野くんの顔に切り傷のアクセント!!超映えるよー!!やっぱ引き締まったカラダに整った顔立ちには戦傷が相性盛り盛りだよねー!!かっこいいよー!!拓野くーん!後でカメラ撮らせてねっ!?ねっ!?」
拓野「ど、どうぞ。」
ちょこ「やったぁー!!
それじゃ、ちょこはカードを一枚伏せてターン終了だよ。」
杉田拓野 LP600
手札3枚
サイバー・ツイン・ドラゴンATK2800
伏せ1 融合禁止エリア
彩刃ちょこLP1100
手札0
サイバー・ダーク・エッジ+(サイバー・ダーク・カノン 比翼レンリン) ATK2600
サイバーダーク・ワールド
DNA改造手術(ドラゴン族)
伏せ1
拓野「ドロー。」
拓野(さて…どうしたものか。
サイバー・ダークもさることながら、やはり一番の問題は、あの永続罠。DNA改造手術だな。)
先程戯れに宣言した『リミッター解除』は、本当に手札にある。
これが使えていれば、前のターンに勝てていたんだが、やはりというかなんと言うか。俺という人間がそんな都合の良い展開になるはずも無い。俺にそんな幸運は否定されている。
だと言うのに……なんだこのドローカードは。
拓野(『皆既日蝕の書』。お互いの場の表側モンスターの表示形式を裏側守備表示に変える速攻魔法。)
コレを使えば、サイバー・ダーク・エッジは、裏側守備表示になり、贅沢に凝らされている装備の全ては対象不在により消失する。
そしてサイバー・ツイン・ドラゴンの一回目の攻撃でエッジを倒して、二回目の直接攻撃で、そのまま彩刃ちょこのライフを0に出来る。
が、そんな未来は来ない。来るわけがない。断言しよう。絶対に俺はこのターンで勝利しない。
そんな都合の良いことが起こる人生なら、今まで苦労してこなかったんだから。
では、一体何が起こるのか?そんなもの……
拓野「使ってみなければ分からん。
ドローフェイズで速攻魔法『皆既日蝕の書』を発動。」
ちょこ「うぇっ!?皆既日蝕の書!?
そ、そのカードを今使うのはあんまりじゃない〜?ひどぉ〜い」
拓野「チェーンはありますか?」
ちょこ「………クス。全然表情変えないじゃん。自分の有利なんて全然信じてない。
そういうのちょこ、大好きだよ。リバースカードオープン。
永続罠『サイバーダーク・インヴェイジョン』を発動。サイバー・ダーク・エッジに装備されてるサイバー・ダーク・カノンを墓地へ送って、サイバー・ツイン・ドラゴンを破壊するよ」
拓野「そう来たか。」
サイバー・ツイン・ドラゴンが破壊される。
だが、予想外の搦め手を使われるより、よほどマシな結果だろう。
ちょこ「カノンが装備されてる状態で破壊されたから、効果発動。一枚ドローするね。」
墓地にはまだサイバー・ドラゴン・コアが残っている。
ここから、三枚目のコアを喚ぶのか、サイバー・ドラゴンを喚ぶのか。
あるいは………。
拓野「…………相手の手札は…1。
そして、サイバーダーク・インヴェイジョンの効果は…………」
ヒカリ「随分悩んでるみたいですね。拓野さん。」
アネモネ「多分。他にろくな手札が無いんだろうな〜」
翔護「…………………………。」
ツクシ「なあなあ、飼い主。コレもしかして拓野のヤツ、ただ攻撃する以外の選択肢があるのか?」
翔護「……………ああ。有る。
素人なら絶対にそこまで思い付かないだろうし、今のヒカリも多分思い付かないが、手札次第じゃ、メスガキにしっかり刺さる一撃だ。ただし諸刃の刃だが」
ヒカリ「ふぇっ!?な、なんですかソレ!
そんな手があるんなら、ヒカリだって思い付いて見せますよ!!
やってやろうじゃないですか!!」
アネモネ「うわわっ!?ひ、ヒカリちゃんどうどう…落ち着いて。」
ヒカリ「落ち着けないです!ヒカリは、マスターに馬鹿にされるのが一番ムカつくんですっ!!」
翔護(…………杉田のあのツラ。思い付くかどうかじゃなくて、もうやるかどうかを悩んでる感じなんだがな……。)
拓野「………800を仮定?いや、無意味。1000で固定。2600。
から3600…?だがそれなら究極2200で充分。
放置は?論外。なら…せめて前のめりに行くか。」
ちょこ「………考えは纏まった?」
拓野「ええ。お待たせしてすみません。
かなり無理矢理な気もしますが、攻めていこうと思います。」
ちょこ「ふぅ〜ん?じゃあどんな手を打つのか見せて貰おっかな。
失敗したら、いい子いい子して慰めてあげるね。」
拓野「出来ればそうならないようにしたいですがね……。
メインフェイズ。墓地のサイバー・ドラゴン・コアの効果発動。」
ちょこ「さあ、何を出すのかな?サイバー・ドラゴン・コア?サイバー・ドラゴン?」
拓野「俺が選んだのは--サイバー・ドラゴン・ネクステア。攻撃表示。」
サイバー・ドラゴン・ネクステア ATK200
ちょこ「うん?」
ヒカリ「えっ…?ネクステア?融合も出来ないのに、何で…?」
拓野「ネクステアの効果、墓地からサイバー・ドラゴンを特殊召喚。」
ちょこ「それで、どうするつもりかな?ちょこのライフポイントは1100。サイバー・ドラゴンでエッジを攻撃してネクステアで攻撃しても、ライフは900残るよ?」
拓野「良いんですよ。このターンではどうにも出来ないので。
バトルフェイズ。
ヒカリ「何それ!??」
ツクシ「嘘だろ!??」
翔護「クカカッ!!あいつ、マジで思いついていやがった!!」
ちょこ「…………くすっ。拓野くん、キミってほんと可愛いねぇ」
最近画力にバフ掛かったので、彩刃ちょこのキャラクターデザイン描くか迷ってます。
メスガキの年上戦闘狂ギャル。
属性もりもり。