幸運の女神に嫌われた男が終わった遊戯王GXに転生する 作:SOD
拓野「サイバー・ドラゴン・ネクステアで攻撃。」
“おいおいおい、死ぬわアイツ。“
“サイバー・ドラゴン・ネクステアの攻撃力は200
でもサイバー・ダーク・エッジの守備力は800で負けてるぞ。“
“それだけじゃないわ。オシリスレッドのライフポイントは、600しか残ってないんだから、このバトルのダメージで負けるじゃない“
“さすがオシリスレッド。算数すら出来ないのとは。“
“オレ達エリートには想像もつかないミスだな!“
ツクシ「あいつ、どうするつもりなんだ?
リミッター解除はDNA改造手術で使えないってのに」
ヒカリ「仮に使えても、攻撃力が守備力を越えられません。
だから、何か作戦があるんだと思います。捻くれて根性ネジ曲がってるマスターが、素直に褒める人なわけですし。」
翔護「ヒカリ〜お前今日はやけにケンカ売ってくるなァ?
よっぽど泣かされてえと見える。」
ヒカリ「褒めてるンデスヨー。ヒカリ、マスターダイスキー」
翔護「フカシこく前にその大根役者矯正して貰ってこい。」
翔護(さて、このまま殴ったらバックダメージで死ぬ。
かと言って、下手に火力を上げてエッジを殺したら
エッジを倒さずにどうやって表に返す?
サイバーという、相手を高火力で殺すことを想定したデッキで、どんなカードを採用している?)
ちょこ「さぁ、もっと魅せてちょこを楽しませてよ!」
拓野「出来ることはやりますよ。結果が着いてくるかは分かりませんがね。」
サイバー・ドラゴン・ネクステアATK200 VS サイバー・ダーク・エッジDEF800
拓野「ダメージ計算時。速攻魔法。『九十九スラッシュ』を発動。」
ちょこ「へぇ…。」
拓野「自分より攻撃力が高いモンスターと戦闘する自分のモンスターの攻撃力を、自分と相手のライフの差の分だけ上昇させる。
彩刃先輩のライフは1100。こちらは600。なので
ネクステアの攻撃力を500加算してに700にアップ。」
サイバー・ドラゴン・ネクステアATK700
サイバー・ダーク・エッジDEF800
拓野LP500
ちょこ「……なるほどね〜。なるべく大型モンスターの召喚を牽制していって、殴り合いに持ち込む。
そして最後はライフ差が開いたところで一気に決着を着ける。
そういうコンセプトだったわけだ。
サイバー流デッキのワンキル性能を、そういうカタチで組み込んだんだね。
けど、実際はそのカード使って、その結果バックダメージでゲームエンドを避けただけ。
作戦は良いけど、今回は失敗したみたいだね。
素直にサイバー・ドラゴンだけ出す選択もあったんじゃない〜?」
拓野「残念ながら無いですね。そもそもサイバー・ドラゴン、
ちょこ「へぇ〜融合禁止エリアと言い、大胆で思い切ったデッキだね。
それで、わざわざダメージを受けてエッジを生かしたはいいけど、どうやってDNA改造手術を攻略するのかな〜?
サイクロンとか持ってるなら、インヴェイジョンに使ってるよね。実は持ってるとか言ったら、完全にプレイングミスだからオシオキものだけどね。」
拓野「そこは問題ないですよ。そこは、ね……。
俺が使いたかったのは、このリバースカード。
DNA改造手術の
ちょこ(わざわざこのタイミングで使うカードって、なんかあったかなぁ…?)
拓野「サイバー・ダーク・エッジを対象に、罠カード『無限泡影』を発動。」
ちょこ「うぇっ!??無限泡影!???
そ、それって黄色の王が自分の特別な側近にだけ渡してる超インチキカードじゃん!」
拓野「ルール違反ですか…?確かに協力過ぎる気はしていたが…まさか」
それは宜しくない。かなり宜しくない。
仮にもバイト先の偉い人から貰ったデッキで戦っている中で不正が発覚するのは尋常じゃなく印象悪化しちまう!!
せっかく貰って強かったから採用してみたってのに。
ちょこ「いやー別にルール違反じゃないよー。」
拓野「あ、そうですか。よかった。」
言いながら、鳴海を睨む彩刃先輩。
翔護「……別に良いじゃねえか。デッキの能力差考えたらその位。
強いカードがあった方が楽しいんだろ?」
ちょこ「ちょ!?余計なこと言わないでよー!拓野くんからの心象悪くなるじゃん!!」
翔護「カカッ!そのヤベえナリで、心象良くするつもりあったのかよ。ウケる」
ちょこ「クソキングめ……っっ!!」
翔護「……ほんとに心象よくする気ある?全部見られてますが?」
ちょこ「あーはいはい。どうせちょこはネコも被れない堪え性無しですよーだ!」
拓野「……さて、無限泡影の効果で、発動時カードが存在した縦列の魔法罠カードは効果が無効化され、DNA改造手術も無効化。
これでこのターン中、ドラゴン族から元の種族に戻ります。」
ちょこ「はいはい☆拓野くんは無駄口きかなくてほんとに良い子だな〜」
拓野「どうも。では、彩刃先輩のサイバー・ダーク・エッジと、俺の場のサイバー・ドラゴン、サイバー・ドラゴン・ネクステアを墓地へ送り、キメラテック・フォートレス・ドラゴンをEXデッキから特殊召喚。攻撃表示で。」
キメラテック・フォートレス・ドラゴンATK3000
ちょこ「サイバー・ドラゴンも纏めて…かぁ。
悪くはないけど、リスキーだね」
拓野「そうですね。けど、俺にはもう打てる手がないので。」
ちょこ「無限泡影、サイバーダーク・インヴェイジョンにチェーンして撃っちゃえば良かったのに。」
拓野「そうですね…彩刃先輩みたいにわざと勝ちを逃したわけじゃない。これが、今の俺の限界でしょう。」
杉田拓野 LP200
手札2枚
キメラテック・フォートレス・ドラゴンATK3000
融合禁止エリア
彩刃ちょこLP1100
手札1
サイバーダーク・ワールド
DNA改造手術(ドラゴン族)
サイバーダーク・インヴェイジョン
もし、彩刃先輩の手札にサイバー・ダーク・エッジと同系統のモンスターがあれば、仮に攻撃力が同じ800と仮定して。
サイバー・ダーク800+墓地のレベル3ドラゴン族最高火力1600アタッチメント・サイバーン+アタッチメント・サイバーンの固有効果600=3000
更にサイバーダーク・インヴェイジョンの効果を使用すれば、墓地のドラゴン族モンスターを攻撃力1000上昇の装備カードとして使用して
総合攻撃力は4000
ちょこ「なるほどなるほど?つまり、もうサレンダーしちゃう?
みっともなく負けを宣言しちゃうの?」
拓野「いいえ。それはしません。
棟梁が言っていた。
対人ゲームをする時は、相手とゲームに敬意を払い、負けるときはしっかり手順を踏んで負けなさい。
ただし相手が納得して降伏する場合はヨシ。
……強い相手と戦いたい人間が、可能性だけで諦めるようなことは納得いかないでしょうから。」
ちょこ「そっか。」
拓野「ええ。それじゃあ、ターンエンドです。」
ちょこ「行くよ。ドロー。」
翔護「メスガキがサイバー・ダークモンスターを引き入れればアウト。確率的には
アネモネ「何考えてるんだろう?
運で左右される勝敗なんて…アイツに勝ち目なんて無いじゃん。」
ヒカリ「彩刃主将は、ドローに関してもかなり高い力を持っています。たぶん、ここで逆転のカードを引いてくるはずです。」
ちょこ「拓野くん。」
拓野「はい。」
ちょこ「
拓野「どうぞ。」
ちょこ「サイバー・ダーク・キールを召喚。」
サイバー・ダーク・キール ATK800
拓野「……効果は、エッジと同じ装備効果か…」
ちょこ「召喚時効果。サイバー・ダーク・カノンを装備。」
サイバー・ダーク・キールATK2400
見事にサイバー・ダークモンスターを引いてきた。
主将の名は伊達ではないということか。だが、分からんな。
拓野「…………」
ヒカリ「ここからサイバーダーク・インヴェイジョンを使用して、更に攻撃力を上げられる…彩刃主将の勝ちです。」
翔護「--結果は変わらねえが、何でアタッチメント・サイバーンじゃねえんだアイツ?」
アネモネ「別にどっちでも一緒じゃん?どのみち、あいつの負けだし…」
俺を含めて満場一致。
俺の敗北は確定……そのはずだ。ソレを
ちょこ「--サイバーダーク・インヴェイジョンの効果発動!サイバー・ダーク・キールに装備されてるサイバー・ダーク・カノンを剥がして、融合禁止エリアを破壊するよ!」
拓野「なんだと!?」
翔護「はァ!??」
ヒカリ「彩刃主将!?」
アネモネ「なにやってんのあの人!?」
その奇行に、会場にいる全員が動揺した。
“え!?ちょこちゃんは何をしているんだ!?”
“何でわざわざ勝利を逃したの!?”
“お、オレたちエリートにもさっぱりだ!!”
拓野「何の、真似だ?」
ちょこ「おっ!ふふ〜ん。やっと敬語が消えたね〜拓野くん。
礼儀正しく。人として誇り高く。胸を張って生きる。
勿論ソレはとっても素敵だけど、これから彼氏になる相手なんだし、やっぱりあらかじめ壁は壊しておきたいじゃん?だからまずは、先輩後輩から払っておこうと思ってさ〜」
拓野「………そのために、敢えて勝ちを逃したと?」
ちょこ「ざーんねん。こう見えてちょこは、軽い女じゃないよー。
計算して、読み切って、安全を確保した上で、しっかり勝ちもさらっていく。
ついでに、君の心も攫っていけたら完璧だね☆」
そう言いながら、彼女は手札の最後の一枚を晒した。
拓野「『サイバー・ダーク・ホーン』」
ちょこ「とまあ、別に拓野くんを舐めたわけでもなければ、さっきの拓野くんの……ううん。棟梁さんの言葉を蔑ろにしたわけじゃないよ。分かってくれるかな?」
拓野「……行動の意味が理解出来ませんが、おちょくられてるわけではないというのは分かりました。」
ちょこ「ありがとう。むー、やっぱり敬語に戻っちゃうか〜。
そんなわけで、ちょこは今一度、彼氏になる人に自己紹介したいのです!せっかく付き合うんだから、色々知ってもらいたいんだよ。
だから--『サイバー・ダーク・カノン』の効果発動。
カードを一枚ドローするよ。」
デッキの一番上に指をかける。赤いネイルをしながら、カードにキズをつけないように注意しているのが、所作で伝わる。
目は瞑っている。付け睫毛とマスカラが違和感なく塗られている。格好は派手だが、目立たない細部にも気を遣うのだろうか。
髪には複数色のエクステと、大きめのヘアアクセ。
耳には大きなハートを模したイヤリング。手首にはブレスレット。
初めて彼女をしっかり見てみたが。物凄く公共の場にそぐわない服装だな……。
トップスは水着同然でそれ一枚。アンダーに至ってはパンツの左右にチャックが付いていて全開。見せパンなのであろう下着は丸見えで……完全にギャル。日本人なら彼女の第一印象がギャルに由来する何になるのは、もはや宿命だろう。
それが、今はどうだ。
アネモネ「………なんか、あの子の雰囲気が変わった…?」
翔護「………へえ。」
ヒカリ「…………。」
“ちょ……いや、彩刃主将……”
“彩刃主将だ……。”
“ああ…彩刃主将だ……!”
観客席がちょこちゃんと呼んでいた幼気な空気は消え去り、今の彼女は、カリスマ性すら感じられる威圧感がある。
“ドロー。”
ただ、紙の束から一枚の紙を引く。たったそれだけの動作が、やけに無駄が無く洗練されている。
どんなカタチだろうが、デッキの一番上のカードは変わらないのに、彼女のソレは、引きたいカードをデッキから差し出されているかのような幻想を抱かせた。
拓野「彩刃……ちょこ。か。」
ちょこ「改めまして、はじめまして。杉田拓野くん。」
サイバーダーク・ワールドの効果を起動し、先程見せた手札のサイバーダーク・ホーンを召喚しながら、その目線は、ひたぶるに俺に向けられている。
ちょこ「わたしは彩刃ちょこ。サイバーズクラブの主将で、サイバー・ダークを継承手順を踏まずに手に入れた決闘者です。
好きなものは楽しいこと。嫌いなものは、そういうルールだからって人の個性を否定する人。
因みに、お菓子はチョコよりロリポップの方が好きだな。」
拓野「あ、はい。覚えておきます。」
ちょこ「特技はデュエル。そして、ちょこの切り札を紹介します。」
デッキから引いてきた一枚を、デュエルディスクに装入する。
そのカードは
アネモネ「うわぁ………ほんとに凄い引きしてる」
ちょこ「魔法カード『オーバーロード・フュージョン』を発動。」
通常魔法
オーバーロード・フュージョン
自分のフィールド・墓地のカードを除外して、闇属性・機械族モンスター一体を特殊召喚する。
拓野「オーバーロード・フュージョン……と言うことは、キメラテック・オーバー・ドラゴン?」
ちょこ「残念。ハズレ。
でも、大丈夫。これから色々教えてあげるよ。拓野くんなら、きっとすぐに覚えてくれると思う。
わたしはフィールドのキール、ホーン。墓地のエッジ、カノン、クローの5体のサイバーダークを融合するよ。」
拓野「ああ……なるほど。サイバーダークも闇属性・機械族モンスターか。」
ちょこ「疎まれた鎧竜よ。5つの鬱憤を重ね合わせ、謂れなき迫害を塗り潰せ!
融合召喚--レベル10 鎧獄竜‐サイバー・ダークネス・ドラゴン!!」
鎧獄竜‐サイバー・ダークネス・ドラゴンATK2000
拓野「これが、サイバーダークの切り札。
攻撃力が低いということは……」
ちょこ「もちろん。サイバーダークの効果も持ってるよ。
鎧獄竜‐サイバー・ダークネス・ドラゴンは、墓地のドラゴン族、さらに機械族モンスターでも装備出来る。アタッチメント・サイバーンを装備するよ。」
鎧獄竜‐サイバー・ダークネス・ドラゴン ATK4200
拓野「サイバー・ダークネス・ドラゴンか………。
なんか…ちょっと、彩刃先輩に似てるな。」
ちょこ「………ありがとう。
それじゃあ、これからよろしくね。拓野くん。」
拓野「……ええ。こちらこそ。」
ちょこ「バトルフェイズ。サイバー・ダークネス・ドラゴンで、キメラテック・フォートレス・ドラゴンに攻撃力。
オーバー・ダークネス・ブラスト!!」
鎧獄竜‐サイバー・ダークネス・ドラゴンATK4200 VS キメラテック・フォートレス・ドラゴン 3000
杉田拓野 LP0
クラウディア「勝負あり。このデュエル、彩刃ちょこの勝利!」