ひぐらし@チラ裏   作:与末居

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※このカケラは【pixiv】に置いてあるものと同一です。

???「いつものように、イタズラにカケラを集めて遊んでみたものよ。
クリスマスのお話で単独でも読めると思うわ。
小此木がメインなの。あなたなら分かってくださるわよね?
番犬部隊、富竹二尉、入江二佐、鷹野三佐、雲雀十三、野村……が出ているわね。
一部の酔狂な人たちにとっては面白いかもしれないわね。少なくとも私は楽しめたわ」





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いっぱい食わせる処に

「クリスマスだァ? 悪いが、あいていねぇですんねぇ」

 

そう言っておいたんだが。何ねぇこれは。

そう、今朝は普段と変わらず仕事をするはずだった。興宮にある会社のシャッターを開けたら、中の様子が昨日と違っていたのだ。俺が疑問に思ったのは、それだけではない。

 

「……小此木二尉、あなたを保護しに来た。大人しくせよ。手荒な真似はしたくない」

「何の真似なんねぇ」

部隊と呼べるかは分からんが、四方から番犬の目が銃口とともに小此木に注がれた。 『東京』からわざわざのお出ましとはな。

 

「付いてきてくれたらわかるようになっている。周囲との兼ね合いもあり、安全に同行させていただく。その先は自由に過ごして構わない」

 

山狗の事実上の解散から数年経った今頃になっての登場とは、どういう了見なんだか。……まさか俺を消す目処でもついたのか? 誰に頼まれた? 聞いても答えてはくれそうにねぇな。

それにしても……こいつらからは殺気が感じられん。俺が何かした訳では無いらしい。なら、ついて行ったほうが色々分かるかもしれん。

 

「そうかい。理解りましたん、従いますんね」

 

雛見沢訛りのままに返答する。促された車に乗り込むやいなや、目隠しと耳栓をされる。手脚の拘束はされないものの、よほど知られたくない場所のようだ。

喧騒が遠くなっていく。興宮と雛見沢を繋ぐ砂利道を通り抜けていく車内では特記するような事は何もない。試しに雛見沢症候群や野村の名前を呟いてみたが無反応だったからな。

タイヤが踏み進める時にだけわずかに車体が揺れていたが、やがて静かになる。舗装された道路に出たようだった。減速したと思ったら加速しはじめるところを脚で感じ取る。フーン、高速か。

 

 

しばらく走ったところで停車し耳栓と目隠しを外される。どうやら到着したようだった。先導者が二手に別れ、まるで式場のような重厚な入り口の前まで促される。

 

「ここから先は、小此木二尉のその目で確かめてくれ」

 

カーーンと鐘の音が間近で聞こえ、ヒソヒソと人の声が聞こえる。これはただの会食ではなさそうだ。

\ぱんぱかぱーん/

クラッカーの音がパラパラと鳴り、キィーっとトビラが開かれたそこには見知った顔がそこに居た。

 

「ようこそ、小此木くん」

 

やはりな。番犬を呼べると言ったら富竹しかおらんだろうからな。しかし普段着ではなく畏まった――緑の制服を着ていた。

 

「……富竹、なんの真似だか知らんが」

 

振り被って殴りかかろうとした腕を、同じく緑の制服を着た細身の男――入江に掴まれた。

 

「待ってくださいっ、私から説明しますから、落ち着いて話を……」

「待ってたのよぅ、小此木ッ!」

「よっ、隊長! 朝からご苦労さんです」

「フフッ、クライアントとしてお世話になっていた私も居るわ。感謝しなさいな」

 

予想通り、入江も鷹野も、なんなら雲雀十三も……野村も居た。……野村?!

 

 

俺を此処に連れて来た四人もこの中におり、富竹に労われていた。

 

「小此木殿が従ってくださらなかったら、どうなる事かと思いましたよもー」

「あっははは。僕は小此木くんの前だとすぐにボロが出ててしまうからね。きみたち四人に頼んで正解だったよ」

「ささやかながらのつもりが、おおごとになってしまいまして」

「この私、野村が居なかったらこの場所で会合は出来なかったでしょうね。感謝して欲しいくらいよ」

「くすくすくすっ、発案者は私なの。小此木にひとあわふかせてやろうと思っただけよ。これは……成功ってことでいいのよね?」

「……あのなァ」

「隊長、ちょっと待ってくださいよぅ」

「誕生日だけではなく、このイベントも小此木くんと祝いたいってなってしまってね」

 

みんな口々に話すもんだから何が何だか。小泉一派は招かれておらず、政治的な話でもなさそうで、少し安堵した。

 

「ってなわけで、隊長もグラス持ってさぁ……」

「みなさん、グラスを持ちましたね? 大々的になってしまいましたが……乾杯! そして、メリークリスマス!」

 

宴は始まり、かれらの物語はこれからも続いて紡いでいく。

 

 

 

 

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長年(?)あたためていた『東京組』のクリスマスの様子を書いてみましたが、楽しんでいただけたでしょうか。
冒頭の小此木の台詞が、物語を書こうと思った発端です。番犬の登場については、四人組むのが基本と聞きましたので、このような配置になりましたん。小此木が造園所に訪れる前のド深夜に番犬を配置して身を潜めて貰ってました。あとはなるようになれーっと、筆の赴くままに書ききった次第です。
後書きまで読んでくださってありがとうございましたっ。
あなたにもメリークリスマス☆
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