???「例によって、イタズラにカケラを集めて遊んでみたものよ。いつもと趣向を変えて、今回は山狗部隊の話よ。公式で名前を呼ばれた二人と部隊及び班のコールサイン持ちが出ているわね。さぁて、今日は何の日かしらね? 一部の酔狂な人たちにとっては面白いかもしれないわね。少なくとも私は楽しめたわ」
.
今日に日付が変わった頃、突然【雛】から直接一報が入る。早く来いとのお達しではあるが、どうせいつものお使いか何かだろうと思い診療所へ向かう。一大事だと呼ばれたんで診療所の地下区画の一室に入った。は、いいのだが、先客が居たようだ。
「ほぉう。これはこれは、皆さんお集まりで‥‥」
はァ‥‥と力弱く溜め息を吐く。肝心の【雛】がおらん代わりに山狗部隊の班である【白鷺、鴉、鶯、雲雀】が部屋の中で並んで待っていたんだが‥‥揃いも揃って何事ですかいな?
「てめぇら、いったいどういうつもりだ? アァ?」
「済みませんねえ、小此木の旦那ァ。まあまあ落ち着いてくれませんかね。実は呼び出したのは俺らなんでさァ……」
啖呵を切る勢いに呑み込まれそうになるも、雲雀十三が隊長である小此木を落ち着かせる。それと同時に各班の代表が懐から包みを取り出して隊長に思い思いの言葉を掛けながら手渡す……手筈になっていた。
「太田、安達‥‥指揮車に待機してろと言った筈だろう? 鶯1は‥‥まあいい。白鷺は‥‥救護班だったな。鴉は‥‥報告くらいしろ。で、雲雀班の十三よォ、言いたい事はそれだけか?」
「たっ、タンマっ、おち、落ち着いてっ、落ち着いて聞いてくださいよぅ……あだっ、いだだだっ、痛いですって、チョーk、スリーp、ぷはァ、やめっ……ギブ、ぎぶぅ、ぐぇぇ」
各班をギリリと睨み付けて命令を下し、首謀であろう雲雀十三の首に腕を回して技を掛ける。手足をばたつかせる十三が大人しくなったところで、何なのかと問い詰めてやった。
「つまりは小此木の旦那にプレゼントをですねぇ。いつも世話になってるから、その礼をと思いまして。今日の日を借りて日頃の感謝を伝えたかったわけでさァ。雛……いや、鷹野三佐は今ごろは富竹とランデブーですぜ、旦那ァ」
「俺は【雛】が一大事だと聞いていたが。じゃあ、何も無ぇんだな。手間を掛けさせんじゃねぇ」
素直じゃないのはお互い様って事で。こうでもしないと旦那を連れ出せなかったからでさァ。鷹野の事になるとすっ飛んで来るからどんだけよって話でもあるわけで、ほーんと愛されてんなァ。鷹野が羨ましいぜ。ちょいと嫉妬してしまうわ。
「俺ら以外は、ちゃあんと動向を監視してますんで、余程でもない限り心配するような事は起きませんぜ、小此木の旦那っ」
各班の代表から幾つかの包みを受け取る。中身を改めると‥‥高感度マイクとイヤホン、タブレットチョコ一年分、高性能ハンディ器機とアンテナ数種、それからこれは‥‥俺の完全なる趣味の‥‥チョットマテ‥‥
それからは、ことあるごとに隊長を呼び出してはプレゼントを送り付ける催しが開催される事になるのである。ちゃんちゃん。
.
バレンタインに乗じて山狗部隊、各班からのプレゼントを、隊長である小此木さんに渡したかったお話。
最後に貰ったもの? 何でしょうね?(それは秘密です)
富竹と鷹野のランデブー中に起きた出来事であり、入江は出てきません。入江はどうしたかって? それは秘密です(生存はしていますからご心配なく)