巨神聖戦記   作:芹沢亀吉

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第 三章 地球の主
#1


ガルーダの機体に飛び乗りモスラの糸で拘束されていた自衛官連中を捕食したラドンを、戦闘機とオスプレイの編隊が急襲する。

 

「3 機を全滅させたその鳥をぶっ殺せば俺達アメリカ軍が最強ということを世界中に示せるぞ!さあ始めろ!」

管制室でホイットモアは檄を飛ばすが、アメリカ軍が全く手に負えなかった金星人の 3 機を単身で撃破したラドンにアメリカ軍残党が勝てる筈も無い。

ジョナの目論見通り瞬く間にオスプレイも戦闘機も全機撃墜された。この時アメリカ軍残党が使用した F/A-18 戦闘機にはホーネット、即ちスズメバチの愛称があるが、スズメバチに怪鳥の相手は余りにも無理があり過ぎたのである。

「いけません!そんな身体でホーネットを操縦など危険過ぎます!」

 

ラドン討伐部隊の全滅に憤激したホイットモアは、オニール達の制止を振り切って強引に F/A-18 に搭乗しそのまま出撃した。

「あれはただの鳥だ!鳥なんだよ!だから俺達アメリカ軍の兵器で殺せる!殺せるんだよ!殺せるんだぁ!」

全身に張り裂けるような痛みが走り、ホイットモアは絶叫しながらラドンに向けて突き進む。

 

「いたぞ!いたぞぉー!ぬうぁあああああああ!」

ラドンの姿を目視したホイットモアは M61A1 20mm バルカン砲をぶっ放すが、当然ラドンには何のダメージも与えられない。

 

「これでもくらえ!このホーネットはなぁ、ゴジラだってぶっ殺せるんだよ!だからお前をぶっ殺すのも簡単だぁ!」

 

どうやらホイットモアはお世辞にもゴジラとは呼べない例の巨獣(ジラ)を本物のゴジラと勘違いしているようだ。確かに通常兵器で普通に負傷する例の巨獣なら F/A-18 の武装で十分抹殺可能だが、数十回の核爆発の直撃に耐え抜く規格外の耐久力を誇る本物のゴジラを F/A-18 の武装で抹殺するのは、全長25m 以上あるシロナガスクジラ 1 頭を 1 人の人間が丸呑みするより難しい。

 

F/A-18 は空対空ミサイルサイドワインダーを発射する。ヨコバイガラガラヘビから名前を取ったこの空対空ミサイルもラドンの頑丈な表皮を傷つけることは出来ない。人類こそ地球の支配者で巨神は人類の軍事力で打倒出来る程度の存在と勝手に思い込んでいるホイットモアは、自暴自棄も相まって冷静な判断能力を失い無意味な攻撃を繰り返している。

「くそったれ!こんな時に発射装置が故障とは何たる不運!ふ、ふはははは!こうなったら俺自身がミサイルになってやる!俺の命と引き換えのこの一撃で合衆国の強さと正しさを全世界に示せるのなら安いもの!合衆国万歳!」

 

最後のミサイルを撃とうとするも発射装置の故障で撃てないことが判明したホイットモアは、さらに自暴自棄度合いを加速させ突進してくるラドンの口の中に特攻した。F/A-18 はラドンの嘴で噛み潰され爆散したが、体内も頑丈なラドンは無傷のままである。

 

結局無駄死にしたホイットモアだが、たとえ出撃していなくても死亡は確定していた。何故ならホイットモアが出撃した直後に空母ジョージ・ブッシュ自体がゴジラにより撃沈させられたからだ。

当然艦内のエンリケスやオニール達は全員海の藻屑である。原子力空母ジョージ・ブッシュを撃沈させ核エネルギーを吸い尽くしたゴジラは、そのまま北東を目指して泳いでいった。

 

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