巨神聖戦記   作:芹沢亀吉

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#3

 

他の国々同様に経済破綻している南アフリカ共和国では未だにシロサイやクロサイの密猟が止むことが無い。

唯一経済破綻していない国、即ち日本はご存知の通り高齢化社会であり、サイの角から作られた漢方薬の闇需要が急増しているからだ。密猟者にとって日本はいい「お得意様」である。今日もまた密猟者達が猟銃でシロサイの群れを狙っている。

 

「お、いやがった。あれはシロサイだ。この国じゃ絶滅したとか言われていたけど普通にいるんだな。日本は1980 年代にダイヤや金に目が眩んで他の国が経済制裁していたこの国と貿易し経済面でアパルトヘイトを後押ししていた強欲な国だけあって、サイの角も言い値で買ってくれるから俺達は大儲け出来るぜ。おっと、サイは視力弱いけど音に敏感だからあまりデカい声出すなよ。」

 

「兄貴すんげえ物知りっすねぇ。俺改めて尊敬し直したっす。ワシントン条約ガン無視して俺達の獲物を言い値で買ってくれる日本人の貪欲さもある意味尊敬しているっすけど。あ、兄貴、1 頭群れから離れたんであれ撃ちましょうや。」

 

この密猟者達は獲物を狙って引き金を引こうとするが、途端に別方向から銃声が響き 1 人が側頭部から血を噴出した。

 

「あ、兄貴!?兄貴ぃいい!畜生!てめえ何てひでぇことしやがる!兄貴を返せぇ!」

 

「貴様らは自分達を狩る側と勘違いしているようだが、実際は狩られる側だ。」

 

直後にもう 1 人の密猟者も眉間を撃ち抜かれたためシロサイ達は撃たれずに済んだ。自動小銃 M16A2 で密猟者達を文字通り「狩った」のはジョナ一行である。

なお M16A2 は銃撃戦を想定した軍用アサルトライフルで遠距離の狙撃に特化した狙撃銃と比べると命中精度は低いものの、軍用アサルトライフルとしては極めて精度に優れていて 400m 程度の近距離狙撃には頻繁に用いられる。

 

「隊長、この地区は制圧完了です。まさか我々が密猟者狩りを行う日が来るとは思いませんでしたが。」

 

「この仕事は文明人の環境破壊から自然を守るという我々の活動方針にも符合している。レンジャーではなく我々を雇わないといけないあたり、密猟者による被害がそれだけ深刻化しているということだが。この国の紙幣は経済破綻で紙くず同然でも向こうは対価をダイヤモンドや金で払ってくれるから仮想通貨の売買同様に活動資金の調達にももってこいだよ。」

 

モザンビークでも密猟者達がシロサイの群れを狙っていた。この密猟者達はイギリス陸軍軍人上がりで、闇ルートで入手したメガトン級核弾頭で大西洋を泳ぐゴジラの抹殺を企てたものの、結局楠木同様にゴジラの更なる強大化をお膳立てしただけだ。なおその核弾頭は 20 年以上前にマミーロワが MOGERA 製造の資金調達のため横倒ししたものである。

 

「イエローモンキー共のご機嫌を取るのは正直癪だが、今俺達の獲物を言い値で買ってくれるのは日本人だけだからな。それにしてもアラン・ジョナめ!俺達の仕事を邪魔しやがって!南アフリカの連中は全員やられたとよ、くそったれ!」

「同じイギリス陸軍出身のよしみで標的から外していた俺達が馬鹿だったぜ!今度会ったら絶対ぶっ殺す!あとは一刻も早い新たな核弾頭の確保だ。今度はしくじらんぞ!ゴジラさえ殺れば日本が我々に屈服し大英帝国再興が実現するからな。」

 

核でゴジラを抹殺して日本を屈服させ経済破綻した祖国の再興への支援を強要という核行使至上主義、覇権主義、自国第一主義が全て間違っていることに気付かないままこの密猟者達はこの世を去ることとなる。

突然地中から現れた巨獣スカルデビルに捕食されたからだ。スカルデビルは石灰化した頭蓋骨を彷彿とさせる頭部が特徴的で、コモドオオトカゲに似た姿だが後脚は無い。

 

スカルデビルはアメリカ軍がジブチ基地内部の研究所で生み出した遺伝子改造生物スカルクローラーが成長した個体で、その体長は60mを超える。

昨年ラドンがジブチの自衛隊基地を破壊した際にアメリカ軍基地も壊滅しスカルクローラーの大半が死亡したものの、生き残った 1 匹が地下で急成長した。スカルデビルは見境無く獲物を捕食するためシロサイにも容赦無く襲い掛かる。

 

そこにラドンが飛来した。見境無く獲物を捕食する人造巨獣スカルデビルは生態系を乱す害悪であり、巨神ラドンにとっては殲滅対象に他ならない。長い尾、無数の鋭い牙、尾の先端の棘を駆使し巨神相手に人造巨獣は奮闘した。ラドンがモザンビーク海峡のカルタラ山火口に飛び込んだ際にマグマに耐えられずラドンに巻き付いたまま焼死したものの、その奮闘ぶりはラドンに一方的にやられた金星人の 3 機やスーパーX より遥かに強く見える。勿論ラドンは火口内でも元気で灰と化した巨獣を軽々と四散させた。

 

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