巨神聖戦記 作:芹沢亀吉
「ではドリルでトドメを刺します。え?そっ、そんな!?動きました!三頭龍が動き始めました!」
氷漬けの二神を船首のドリルで砕くため轟天号が接近した途端、キングギドラが全身を覆う氷を砕いて動き出し、右の首が素早く艦体に噛みつき原子炉のエネルギーを吸う。
二神が凍死したと思い込み浮かれていた連中は全く気付いていなかったが、キングギドラは全身を氷漬けにされてもしっかり生きていて天候操作能力も健在なので暴風雨はそのままであった。
「何をしている!?そいつを俺の轟天号から引きはがせ!早くしろ!」
艦体を高圧電流で覆いキングギドラの右の首を引きはがそうとする轟天号だが、右の首はその高圧電流も吸っている。
その上ゴジラが背びれを発光させ高熱を発して全身の氷を融解させた。キングギドラ同様にゴジラも凍死などしていなかったのだ。ここでキングギドラの各首とゴジラが互いに頷いたのは、対決の邪魔をする轟天号を撃墜するため共闘する旨を確約したからである。
キングギドラの右の首は轟天号を一旦解放した。直後に中央の首の合図で各首が引力光線を吐き、放射熱線を吐くゴジラと共同で轟天号を攻撃する。単独で轟天号を瞬時に消し去ることも容易い二神だが、それぞれ引力光線と放射熱線の威力をわざと抑えて轟天号を失速させた。皇居が発し続ける濃厚な邪念を察知していた二神は、轟天号と皇居にまとめて神罰を下すことにしたのだ。
「現在轟天号は三頭龍とゴジラの双方から攻撃されています!機器が一斉に火花を吹き出していてこれ以上艦体がもちません!轟天号、墜落します!繰り返します!轟天号、墜落します!」
「夢だぁ!これは夢だぁ!俺の轟天号が皇居に墜落など夢に決まっている!これ夢だぁ!夢なんだぁああああ!」
防衛省中央管制室では皇居方面に墜落する轟天号を映す大画面に我を忘れた楠木が銃弾を何発も撃ち込み、皇居地下シェルター内では大画面が轟天号の船首を大映しにしていて天皇ら皇族が大音量で騒ぎ立てている。
皇居と皇族さえ無事なら皇族以外の人達は何人犠牲になってもいいという自分達の身勝手さが濃厚な邪念となり、この神罰が下る事態を招いたことなど当然知る由も無い。
「何てことだ!三頭龍もゴジラも皇居を避けていたのではなかったのか!俺の即位は!?俺の世の訪れは!?」
「皇居に落ちるなぁ!下々の連中なら何人死んでもいいからどこか別の場所に落ちろぉおお!現人神である朕の命令を聞けぇ!」
直後に轟天号は皇居に深々と突き刺さって大爆発し、皇居には手を出せないと巨神を舐め腐っていた天皇ら皇族は大爆発及び大規模な地盤沈下に飲み込まれ全滅した。
これは大型台風で苦しむ人々を尻目に税金 160 億円以上つぎ込んだ饗宴の儀でヘラヘラ笑っていた罪深き輩に神罰が下った瞬間であり、本来1945 年の敗戦直後に廃止しておくべきだった天皇制が滅んだ瞬間でもある。