巨神聖戦記   作:芹沢亀吉

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#7

ヨヴェル達に突き落とされた直後に一瞬意識を失ったパウルがゆっくり両目を開くと、自分がハンモック状に貼られた糸の上に横たわっていることに気付いた。目の前にはモスラがいて、優しくパウルを見守っている。

「そうか、貴方がこの糸で僕を助けてくれたのか。」

 

直後にラドンも飛来し少年ホシェル一行を睨む。この二神はエレボス全域を覆う濃厚な邪念を察知したった今バミューダ海域に到着したばかりだ。ヨヴェルは舌打ちし飛来した二神、特にパウルを背中に乗せたモスラへの敵意をむき出しにしている。

 

「貴様は地球の守護神だろ!さっきまで地球制圧を企んでいた地球の敵を助けるとは随分間抜けな守護神だな!」

 

既にパウルからホシェルの邪念が完全に消えているのを察知しているモスラからすれば、ヨヴェルの難癖など聞くに値しない。

 

「もし僕がホシェルのままだったならヨヴェルの言う通り地球の敵だから貴方に救出されることなど無かっただろう。何も知らずに地球制圧を進め、用済みになり次第メカゴジラの機内か海底のエレボス内部でヨヴェル達に殺されていたわけか。」

 

確かにパウルがホシェルのままならモスラが救出することはまず無かったし、瞬間移動装置が故障したメカゴジラを着地させるためエレボスが海面に浮上しなければモスラによる救出自体が不可能だ。

ホシェルをパウルに戻したのもメカゴジラの瞬間移動装置を故障させたのも引力光線が発する電磁波だったのを踏まえると、パウルの運命を一変させたのは他ならぬキングギドラである。

 

「ルクス陛下、巨神に助けてもらって満足しているあの裏切り者を巨神共々粉々にしてやりましょう!戦闘機部隊の出番です!」

 

ガルーダに酷似した形状の無人戦闘機がエレボスから多数出撃し二神を襲う。

その無人戦闘機の編隊をキリモミ回転飛行で次々撃墜させながら熱風でエレボスを焼き払おうとするラドンだが、エレボス全体を覆うバリアが熱風を遮断した。

一方で全身が頑丈なラドンがモスラを庇うため、無人戦闘機が二神を狙い一斉に撃つ光線砲も全く有効打にならない。

 

「背後に回れ!あの蛾の背中にいる裏切り者に直接光線砲を撃ち込んでやれ!」

 

ヨヴェルの命令で無人戦闘機がモスラの背中に乗るパウルを直接狙うが、モスラは瞬時に全身を霊気で覆い光線砲を遮断する。この霊気は地球の脅威、即ち帝国再興派の金星人達と戦うモスラを応援するためイエローストーン内の動植物が与えた力で、ラドンと互角の速度で飛翔するモスラの背中に乗っていた一ノ瀬達が落下することも呼吸困難に陥ることも無かったのもこの霊気のお陰だ。

 

「そうですか。貴方達はメカゴジラの餌食になりたいのですね。承知致しました。」

 

「巨神共!ルクス陛下のご威光と究極兵器メカゴジラの猛威にひれ伏し、そして散れ!あの暴悪龍同様にな!」

少年ホシェル一行はメカゴジラに搭乗した。勿論プラズマ原子炉からのエネルギー充填は既に完了している。その直後に空が一瞬真っ暗になり、甲高い鳴き声と共に凄まじい雷撃を放つ巨大な光の環が出現した。

異空間で黄金の恥晒しからたっぷりとエネルギーを頂き飛躍的な自己強化を果たしたキングギドラが、口や翼から広範囲に放つ引力光線で時空に穴を開け帰還したのである。

 

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