なのでリムル達が何をしているのか等の描写は省略している部分があります。
リムルは名付けによる魔素を消費、スリープモードになります。
完全回復に約3日要しました。 その間にクラフターは町作り。
狼を100匹ほど従えたスライムは、そのまま村に連行した。
1匹すら寄越さぬから、貪欲にも程がある。 さすれば恨み嫉みのまま討伐したく思う。 クラフターは聖人では無い。
が、それをしたら100匹狼に襲われる。 儘ならないものだ。
「さて大所帯になった。 お前らが村を整備してくれたから良いけど、まだ余地がある。 なによりゴブリン自身にも建築や整備の知恵は必要だ」
取り敢えず村を拡張し、町にする。
元より計画していた話だ。 元の世界でも試みた事がある。
「そう言えば村長、お前の名は?」
「いえ。 魔物は普通、名を持ちません。 名前がなくとも意思の疎通はできますからな」
「そうなのか……でも俺が呼ぶのに不便だな。 よし」
やるか。
クラフターはツルハシを振るった。 スコップも振るった。 建築ラッシュだ。
石が砕ける。 置かれる。 木こる。 どれも心地良い音。
愛すべき創造。 愛すべき世界。
我々は今、生きている。
「───煩い! 名付けの横で工事すんな!?」
スライムは我々を察して、村人と狼共を一箇所に固めている。
有難い。 工事中、村人の存在は邪魔だ。 退けてくれた事に感謝の念。 お辞儀した。
「悪いと思ってるなら大人しくしとけよ。 そりゃ余地があるとは言ったけどさぁ、時と場合があるじゃん?」
「リムル様。 私にも名前を」
「……伝わる相手に伝えるしか無い時間だな」
礼儀は重要な要素。
助けてくれたなら礼を述べる。
建築でも、戦闘でも、物資の融通でも。
相手がスライムだとしても、ここまできたら仲間意識が高い。 首を垂れるのに抵抗は無い。
「───うっ!? な、なんだ この虚脱感」
「リムル様!?」
突如、スライムが平たくなった。 村人が慌てて駆け寄る。
状態異常の様だ。 アレだ。 何でも食うからだ。 空腹か毒にでもなったか。
「やはり一度の名付けで無理が祟った様子。 直ぐにお運びを」
「主殿! 御快復まで村は守ります! 彼等もいますし、安心して下さい!」
村人に運ばれて行くスライム。
行先はベッドを大量に並べ立てた建物だ。
どの工事現場からも離れている。 良いぞ。 村人も配慮出来るとは。 いつもこうなら良いのに。
「今は安静に。 最も安らげる場所はここです」
「外の工事が煩わしいかと思いますが、彼等との意思の疎通が困難な故、我々にも止められません。 どうか お赦しを」
心置き無く工事だ ひゃっほい。
用水路を流しRS回路を組んで半自動回収畑を作り、かまどを大量に並べて焼き石を作る。
出来次第、加工して石レンガや石ハーフを作る。 レンガも欲しいが粘土が無い。 あるものでやるのみ。
それも皆でワイワイガヤガヤすれば、あれよこれよと出来上がる。
石ハーフで舗装された道。 整然とした道。 居並ぶ住居。
まだ少ないが、高層ビル1号が出来た。 石造と偏るも何気に高度限界ビルだ。
天を削る摩天楼は見上げて余りある最大級の大型建造物であり、形に残る苦労と努力の結晶だ。
尚、内装は無いそうです。 これから作る。
「なんと……! 天を突く塔とは!」
「なんて大きいの!」
「まるで力を誇示しているかの様だ」
驚愕と畏怖、戦慄のハァンを浴びて、クラフターは満足気に頷いた。
そうだろう、そうだろう。 凄かろう。
前の世界だったら褒めもしないから余計である。
扉さえあれば喜ぶ連中だった。 ここは違う。
こんなに褒められて嬉しい事は無い。
ところで、今更ながら気付いた事がある。
スライムが微動だにしなくなり一晩かは忘れたが、村人や狼の姿が変貌を遂げたのだ。
大きくなっただけじゃない。 随分と美善な姿となった。
何が起きたのか。 雷にでも打たれたか。 金林檎か。 いや我々は何もしていない。
その癖、ゾンビ色は維持している。 意味が分からない。
常識とは敵だ。 互いに押し付け合うべきではない。
改めて思い知らされた。
日々学ばされるな、村人に。
中々進まない……シズさんのところまで早く行きたい……。