寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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逆襲を、いざぁ……。
魔王化を目指しませんが、侵略してきた連合軍を退治します。
このクラフター達は荒らしに無慈悲。 微グロ注意。

漫画で大賢者が他方、複合結界の解除は困難でもアンチマジックエリアの解除は可能と言っていましたね。
今回魂の拡散を気にしなくて良いので……。

戦争理由、ユーラザニアやミリムの話を盛り込むのを忘れてました(殴。


109. 砲撃と掃除

 

 

「アンチマジックエリアは解除した。 これで連絡は取り合えるな」

「はい……今からでもドワーフ王国とブルムンド王国に救援を」

「頼む。 だが全て後手に回ってる。 今からじゃ間に合わないだろう。 戦いは俺達だけでやるしかない」

「そうですね。 それから、獣王国ユーラザニアの件ですが……」

「ああ。 難民の受け入れも考えないとな。 まさかミリムがユーラザニアに宣戦布告するなんて……だが今は敵を片付けないと」

 

 

戦える者は得物を持ち準備する。

砲撃準備も完了した。 合図待ちだ。 詰まらない会議も済んだ今、やっと身体を動かせる。

 

 

「ブルムンドの商人や冒険者もポータルで避難させたから……地上には警備隊とコイツらが後方支援と守備に就く。 後は弱体化を引き起こしている複合結界の解除と連合軍の殲滅だ。 人選は───」

 

 

荒らしは四方に陣取った。

連邦を包囲したつもりなのだ。

だが甘い。 地表に安易な拠点を置いているに過ぎない。 レベルは村モドキだ。 随分めでたい連中だ。 片腹痛い。

水や黒曜石で耐爆を施している訳でもなし、周囲にワイヤートラップも確認出来ていない。 その癖密集している。 スプラッシュポーションでも投げつけたら一気に減らせる。

だがわざわざ近付くのも馬鹿らしい。 砲撃して、その後突撃、残党を狩る。 大きなクリスタルがあるのは気になるが、どうせ碌なものじゃない。 ジ・エンドでそうだった。

笑止千万。

ともかく辛辣同志達よ、伝えてくれ。

 

 

「───と、馬鹿達は言っていますが」

 

 

一言余計だぞ。

 

 

「……そうだな。 これは戦争、卑怯も何もない。 俺の合図を待って砲撃、此方の部隊が攻め入ったら止めてくれ。 だが毒は使うな。 言い訳が出来ない。 それにわざわざ苦しませる事もない……向こうは正義を掲げちゃいるが、正直言って貿易面で面白くないからというのもあるだろう。 その上で滅ぼすか隷属させようとしてきたのが本音じゃないかと思う」

 

 

よく分からないが分かった。

荒らしに慈悲はいらない。 正々堂々、剣劇してやる道理もない。 奇襲されたし。

だがリムルよ。 表情に甘さが残っているぞ。

 

 

「わかってる。 みなまで言うな……戦争を知らない世代だのなんだので言い訳しないさ」

 

 

辛いなら任せて背後にいればよろし。

あの女騎士、ヒナタの時みたいにサボれば良い。

 

 

「いや、俺も戦うよ。 もう2度と己に甘さを許さない為にも」

 

 

そうか。 そうだな。

だが無茶はするな。

我々は死んでも良いが、君達は"死ねない"体だ。

 

 

「おっ? 少し気を遣える様になれたかね?」

 

 

シズの姿でイヤラシイ笑みを浮かべるな。

だが荒らしに気を遣う事はしないぞ。

 

 

「それで良い。 じゃあ……皆。 反撃開始だ」

 

 

応。

 

刹那。 ビル屋上や郊外で爆発音。

キャノンの砲身内でTNTが炸裂し始める。

空を見上げれば砲弾となるTNTが白く点滅しながら無数に飛んでいく。

防衛準備期間があった分、座標計算も済んでいるし、多少の誤差はキャノン職人により方位修正がなされていた。 問題なく敵陣地に着弾する。

 

さぁ荒らしども。 報いを受けろ。

荒らすという事は荒らされる覚悟は出来ているんだろう。

なんなら、一方的に蹂躙されても卑怯とは言うまいな。

 

クラフターは各方面を睨みつつ、武装村人と共に出陣した。 砲撃のみに頼らず、直接陣地を叩く為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぎゃああッ!!?」

「腕がッ! 腕ガァッ!?」

 

 

四方に陣取っている荒らしは同志と武装村人に任せて、我々はリムルと共に本陣と思わしき拠点側までやってきた。

 

いる。 わんわんいる。

が、どんどん散る。

 

声にならない声を上げ、肉片を飛び散らせ、爆音の中で生きた証をも消していく。

当然の報いだ。 幾千幾万幾億いようが、荒らしが存在して良い理由にならない。 その断片に至るまで消えて貰う。 理想論だが。

 

一方、辛辣同志は死ねない事情があるらしく、ついて来ていない。 経験値の問題か?

 

まぁ……それは良いとして。

今は植林場の木陰から様子見中だ。

砲弾は問題なく陣地に着弾し続けている。

未だ爆発音が景気良く辺りに響き、荒らし村人共の喧しい阿鼻叫喚を掻き消している最中である。

 

 

「惨いな。 即死出来なかった奴は不幸だよ」

 

 

顰めるリムル。

そう気負うな。 これは仕合じゃない。

 

リムルの顔と目前の惨状を交互に見やる。

弾着観測による報告を入れ、爆散する陣地を暫し観察。

地形は抉れ、岩盤までいくんじゃないかという無慈悲な硝煙弾雨。

精密砲撃はIRPに任せている。 既存のTNTキャノンでは限界があるのだ。

 

 

「他の場所もそうなんだろうな……」

 

 

しかしまぁ……火薬チェスト何個分を消耗しただろうか。 マルチで火薬を掻き集めてきたとはいえ、消費は一瞬だ。 湯水の如く消えていく。 他に良い方法は無いものか。

そういえばゴブタの鞘は電磁砲だかなんだかとかいう機構が組み込まれているらしい。

火薬とは別の方法で弾丸を飛ばすのか。 参考に出来れば良いのだが。

 

 

「止めろ」

 

 

手で合図をされるクラフター。

直ぐに砲撃中止の連絡を取る。 暫し残弾が降り終わるのを待つ。

 

硝煙が晴れたら弓矢で射撃。

その援護の下、リムルと剣劇者が突撃を敢行。 残党を掃討する予定。 他の場所も大体同じ手筈。

 

 

「……結界を作るクリスタルはおろか、生存者はいないんじゃないか?」

 

 

木陰から弓矢を構え索敵し始める同志。

生き物だったモノが辺り一面に転がる中、クレーターの中をも覗き込む。

 

深淵と目が合った。

念の為、溶岩を流し込む。 どうだ明るくなっただろう。 ついでに汚物も消毒出来る。 一石二鳥だ。

 

 

「羅刹の様に容赦ない……って、食った経験のある俺が言える立場じゃないが……」

 

 

リムルが狼狽えた。

集団戦には不慣れなのだろう。

いや、それにしては都市内でチート行為をしていたけれど。 状況が違う所為か。 砲撃したし。 それか砲撃そのものに驚いたか。

だとしたら光栄だ。 我々にしかまだ出来ない事を見せ返した気分だ。

 

 

「なんでこんな状況で笑顔になれるんだよ……不謹慎極まりないぞ。 今までも片鱗はあったけどさ」

 

 

だがリムルは気分が優れない様子。

また状態異常を受けたのか。 ならばと牛乳バケツを手渡す。

さぁ飲め。 今回は2個渡そう。

 

 

「いや大丈夫。 寧ろ飲んだら吐きそうだ」

 

 

断られた。

そうか。 そうだな。 油断大敵。

更に酷い状態異常を受けた時に備えねば。

牛乳を仕舞い、周辺警戒に努める。

 

 

「……虐殺だな。 咎めるつもりは無いが」

 

 

その内に出て来たゾンビみたいに呻き蠢く肉塊を刺殺していく。

果たして生きているのかも怪しいが、アンデッドの存在もある訳だし、そう不思議ではない。

ともなれば原型を留めている荒らしは怪しい。

念の為に刺しておく。 いっそ溶岩に沈める。 ネザーの連中みたいに火炎耐性があると厄介なので、バラしてから処分した。

 

 

「……毒を使うなとは言ったけどさ、他にも色々注意しとけば良かったよ」

 

 

リムルよ。 鳴いてないで手伝え。

流石に万単位がいただけはある。 今や腐海と化した光景は実に不快で、同時に砲撃で爆散しきれなかった連中が転がり放題。

腐肉は間に合っているので火打ち石で燃やして回る。 放置する気が起きない。 精神的に不衛生だ。

拾う骨があれば拾う。 植林や畑の肥やしとする。

 

しかし掃除や整地が面倒だ。

次は溶岩を砲弾として撃ち出せないものか。

あいや、それはそれで片付けが面倒か。

溶岩の回収もそうだし、木造住宅地に放ったら火災が起きる。 建築物を愛する者としては微妙な線だ。

 

 

「……今、各所から思念伝達がきた。 他も片付いたらしいぞ。 都市の結界も消えた。 後は責任者がいれば捕らえるんだが……この様子じゃ誰も……ん?」

 

 

リムルが何かに気が付いた。 遠方を見る。

 

 

「無事に逃げた者がいた。 責任者かも知れない、追跡する……今度は殺すなよ」

 

 

リムルが蝙蝠翼を生やして飛んでいく。

我々も片付けを急ぎ、後を尾ける。

残党なら恕す訳にはいかない。

何より呆気ないのも詰まらない。 きっと次はボスに出逢える筈だ。

 

そう思いクラフターは走り出す。

勿論、慢心しない。 決戦の準備は済んでいる。

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