寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

120 / 175
また創造主にとっては詰まらぬ政治話に。
でも創造主が全てじゃないから多少は、ね?

前回のあらすじ
東南方面では いつの間にか傀儡軍と創造主が戦闘中。 詳細不明なれど一部が増援として向かいました。

一方で連邦では政治話(人魔会談)が進みますが、大体の筋書きは漫画と一緒。 ですが創造主の影響点を少しだけ。


115.会議と戦場

 

「会議は終わりましたよ」

 

 

辛辣同志がまたも云う。

村人は会議が好きなのだろうか。

我々は嫌いだ。 踊っていた方が楽しい。

 

 

「馬鹿同志が居合わせたら会議も踊るんでしょうね。 それより報告です」

 

 

馬鹿なりに傾聴しよう。

どこで創造のヒントが得られるか分からない。

 

 

「魔導王朝と魔国連邦が国交を樹立。 国を繋ぐ街道の開通工事や整備、道中の宿屋の運営は連邦が引き受ける事になりました。 その代わり通行税を貰うそうです」

 

 

何してんだリムル!?

地下鉄を整備すれば良いのに!

既存を流用すれば安上がりだぞ!

 

 

「その地下鉄は不法開通でしょうが!? 公に出来る訳ないでしょ!?」

 

 

そういえばそうだった。

この世界は何かと煩い。

だがリムルは大体知っている筈なんだがなぁ。

大陸横断の話をした時点で、大陸中に鉄道が張り巡らされているのは察せるだろうに。

 

 

「"ばば"を何札も持っているリムルさんには同情します。 それもその内に見せないといけないと考えると……」

 

 

なんでだ。 何故そこで溜息を吐く?

"つまらないもの"じゃない! 有用だ!

 

 

「次いきます」

 

 

無視するな。

 

 

「西方聖教会についてです」

 

 

ああ……あの集団。

偏見 偏在 我々絶対殺す団のところか。

 

 

「向こうが手を出さない限り、此方も手を出さないと」

 

 

リムルらしい。

滅ぼせるなら滅ぼすのに。 甘ちゃんめ。

 

 

「事は単純じゃありませんよ。 大司教らへの捕虜尋問の結果、分かった事があります。 教会本部は飽くまで連邦を神敵として討伐する予定だったというだけで、正式に敵対していた訳じゃなかったんです」

 

 

何を馬鹿な。

事実、連邦は襲われたんだぞ。

 

 

「元凶はニコラウス・シュペルタス枢機卿。 その者に連邦について報告したところ、討伐する予定だと返信が来たそうで。 その親書を決定事項と説明し、挙兵を後押ししたと白状したんです」

 

 

どうでも良い。 事実は変わらん。

それに賛同した連中を無罪放免とはいくまい。

巨悪の根源を探り出し絶ったところで、その影響を受けた連中が荒らしである事に違いないのだから。

捕虜連中もリムルや君が止めるから殺さないだけだ。 我々の世界だったら黒曜石に封じ込めて幾度となくリスキルを味わわせているぞ。

 

 

「貴方達の世界なんて知りませんよ。 行った事ありませんし、行きたいとも思いませんね。 さぞ無秩序なんでしょうし」

 

 

君はこの世界の生まれか。

あの研究所でか? 深淵で何をしている?

 

 

「……話が逸れましたね。 続けます」

 

 

そうしてくれ。 話したい事を話せば良い。

 

 

「……なので交渉次第では敵対を避けられるかも知れないって話に。 それについてはブルムンドが引き受けました。 西方諸国評議会で連邦を宣伝するそうです。 既に多くの国に利用されている交易の中継地として知られれば教会とて問答無用とはいきません。 どこかの誰かさん達と違ってね」

 

 

理不尽に殴って来た連中を殴り返してきただけだ。 それを逆に理不尽だと唱えるのは不愉快極まる。

向こうだってやり返される覚悟は多少なりともあった筈だ。

少しも思ってなかったなら、随分とめでたい荒らしだ。 それこそ甘いと云いたいね。

 

 

「こっちの世界の事情も少しは考えてあげて下さい。 リムルさんが溶けますよ」

 

 

リムルは上手くやる。

会議とやらも、そうしたんだろ?

 

 

「そうですね。 各国からの慈悲も大きいと思いますがね……続けます」

 

 

握飯を食べながら聞く。

聞いていても荒らしへの憎悪が蘇るだけだが。

 

 

「……それ鮭とか、具入れてます?」

 

 

入れてない。 塩という砂糖に相対する素材をクラフトしているが。

 

 

「入れると美味しいですよ。 ある平凡なクラフターがやってました」

 

 

そうか! ここまでで1番有益な情報だ!

早速地面に穴を掘り、水を張る。

釣竿のブイを器用に投げ入れた。 狙うは鮭だ。

 

 

「まだありますよ。 一応説明するよう言われてますんでね」

 

 

もうお腹いっぱいなんだが。 二重の意味で。

 

 

「で、教会絡みは大義名分とした言い訳ですね。 国としては今後の流通の主流が奪われる事を恐れて今回の件に繋がったのだとか」

 

 

荒らして良い理由を作れば許されると?

クリーパー誘導や事故を装った欺瞞に満ちた行為は大嫌いだ。 尚更度し難い。

ミリムの時もそうだ。 荒らしたのはミリムだが、誘導したのはリムルだ。

……そう考えると、ミリムはまた誰かに誘導か何かをされて獣王国を……?

いや、どうだろうな。 憶測なら幾らでも出来る。

 

おっ。 かかった……フグが釣れた。

これは悪性食糧だ。 毒になる。

 

 

「……そんなファルムスに対しては、賠償金を要求する他、裏工作をして内戦を起こさせて一度滅んで貰います。 ヨウムと捕虜にはファルムスに戻ってもらい、上手く収めて王になって貰うシナリオです。 あの黒い悪魔も同行するそうですよ……聞いてます?」

 

 

毒だがクラフトしたら美味いかも知れない。

よしクラフトして食った。

……毒だっ!! くそっ!!

 

 

「馬鹿ですね本当!? 早く解毒!」

 

 

牛乳バケツを一気飲みして治す。

おのれフグ。 なら他で試すだけだ。

……牛乳と混ぜたらどうなる?

 

 

「……続けますよ。 悪いですが、これも仕事なので」

 

 

駄目だ。 美味しくない。

工夫すれば別の道もありそうだが。

取り敢えず釣りを続けよう。

 

 

「次に傀儡国の方です。 軍事行動を起こしているのは知ってますよね?」

 

 

知ってる。

荒らしだろう。 既に同志が交戦中だ。

ジュラの大森林境界辺りで。

 

 

「ミリムの支配領域、竜の都にも駐在しているのも知ってます?」

 

 

知ってる。

それなりの数がのさばっている。

そっちでも同志が交戦中だ。 横柄な態度が許せないのだ。 村人に手を出したし。

……だがミリムが黙っているものだろうか。 己の領域があるならば、そこを荒らしている奴を許すか?

我々なら許さない。 殲滅する。 他人の土地を荒らすだけでなく、自分の土地が荒れても良いと考えているなら別だが。

いや、その可能性は低い。 あの都も良い建造物が並んでいる。 村人達は何処となく原始的な食事をしているが、良い街なのだ。

なんか交戦意欲を抑えている村人もいるが。

 

 

「……ミリムの事を心配しているのは、リムルさん達も同じです。 クレイマンに操られている可能性が指摘されてますから」

 

 

傀儡国も荒らしの国か。

ここまで来ると、皆荒らしな気がする。

 

 

「荒らしてるのはアンタ達でしょーが」

 

 

冒険と開拓と建築をしているだけの、至って平和な行為がメインなのだが。

邪魔する国は ぶっこわーす!

 

 

「邪魔なのは馬鹿な同志だと思いますが……とにかく、傀儡国のクレイマンと構える事になりました。 友好国のユーラザニアの首都をミリムを使い滅ぼした事、ファルムスに攻め込まれたのもクレイマンが裏で糸を引いている可能性が濃厚だからです。 戦争にはテンペストと獣王国の戦士団、それと馬鹿達で当たるそうです……また戦争ですね」

 

 

戦争?

そんなもの、とっくに始まってる。

 

 

「ですね。 ある意味、馬鹿達の所為でずっとかも知れません」

 

 

マルチである以上、意見の相違がある。

ただ悪意には断固抵抗するのみ。

 

 

「無邪気でも許されない行為もあると思いますがね」

 

 

だろうな。 偶に怒られるから。

 

 

「それとワルプルギスが発動しました」

 

 

なにそれ美味しいの?

 

 

「魔王達の宴、全ての魔王が集う特別な会合だそうです」

 

 

また会議か。 本当、村人は好きだな。

……いやボスか。 ならウチは関係無い。

 

 

「リムルさんも招集されます」

 

 

は? なんで?

あんな悪食スライムをボスとは認めないよ?

 

 

「そうじゃないです。 喚問なのでしょうが、今回の様々な騒動の件で汚名や冤罪を着せて痛ぶるつもりでしょう」

 

 

もしかして我々の所為?

 

 

「それもあるでしょう。 ですがリムルさんは魔王じゃないですし名乗った訳でも無い。 参加は通常出来ない筈ですし、単なる制裁ならわざわざ魔王の会合に呼ばずとも……これも政治、あれも政治なのでしょうね。 今回は他の魔王への見せしめかと」

 

 

…………。

殺されるのか?

 

 

「会合ですよ? まさか……最悪は」

 

 

辛辣同志よ。 ひとつ教えてやる。

そういう場にも理不尽とは潜んでいるものだ。

……金をチェストから引き出してくる。

 

 

「金? それで都合が悪い事を無かった事にして貰うと? 取引ですか?」

 

 

いや?

そんなつもり鼻から無いね。 金で万事解決するなら荒らしなんて湧き出るものか。

君も何となく察して来ただろ?

 

 

「考え過ぎじゃ……名目上、知り合いであるラミリスという妖精の魔王の従者として向かうそうですし……って、急にどこへ!?」

 

 

決戦用上位金林檎やポーションを作りに。

 

 

「ボスラッシュ万歳じゃないんですよ!?」

 

 

そんなワケあるか。

悪友を痛ぶられるのは気分が悪い。

何より荒らしが自らの罪を他者に擦り私刑として楽しむのが気に入らない。

それをリムルにして良いのは我々だけだ。 断じて裏でコソコソする卑劣な荒らしではない。 そんな奴、堂々斬り捨ててやる。

 

 

「格好良い様でそうじゃないですけど」

 

 

クラフターは再び完全武装。

どうやら戦場は増えるらしい。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。