それを知った創造主はリムルが危険と察し、決戦準備を進める。
一方で開催前から東南方面では傀儡軍と創造主が戦争中。
大きく分けてジュラの大森林境界付近と竜の都内。 傀儡軍との競合い続く。
今回は大森林側での光景。
少ない物資と戦力で戦います。
始まりはいつだって唐突だ。
荒らしが徒党を組んで森にやって来て、好き勝手に荒らし始めた。
ツリーハウス群が炎上。 騒ぎとなった。
「ジュラの大森林側とはいえ、傀儡国に向けて集落を築くとは……」
「舐めやがって! 焼き払え!」
柄の悪い連中が様々な得物を振り回し、火の玉でツリーハウス群が破壊され燃やされる。
森林で火災が起き、創造主は慌てて殴り消したり水バケツをひっくり返し消火する。
自然鎮火するのもあるが、なにぶん火力が強い。
折角、地形を生かした建築をしたのに荒らすとは。 相手は創造主の粋を分かってない。 あいや荒らしに求めるのはお門違いか。
「アイツら拳で消火してるぞ!?」
「なんでバケツの水が延々と流れ出るんだ!?」
「一瞬で石壁が!?」
「噂通り奇天烈な人間共め!」
鎮火作業しつつ、丸石の防衛壁を展開して荒らしを観察する。
規模こそファルムス軍より少ない。
なんなら傀儡国の隣、竜の都に駐屯する荒らし戦力の方が大きい。 今対峙しているのは恐らく国の守備隊か陽動部隊だ。 威力偵察かも知れない。
「だが所詮は人間! 俺らの敵じゃねぇ!」
「数も少ねぇしな!」
だからと決して侮らない。
空を飛ぶ荒らしもいるし、個々の攻撃力や速力が高い。 対して此方はファルムス戦の為に間が悪く人員が減っている。 兵站も少ない。
そこを狙われた形だ。 下手に前に出たら忽ち全滅だ。
先手は取られたが、増援がじき来る。 その間は我々だけで凌がねば。
創造主は無闇に飛行したり拠点から出ず、地の利を活かす。 丸石の防壁に穴を開けると、ハーフで隙間を半分埋める。 出来たスリットから空や地上を見ては弓矢で反撃した。
「ちっ! 草木の間から矢が!?」
「だがたかだか人間の矢如き……グッ!?」
「毒矢!?」
「火矢も来る!」
「それだけじゃないぞ!?」
「光る矢!?」
狙撃に自信のある者は効能付きの矢を放つ。
毒や火は想像の通りだが、光の矢は当たった相手が発光し、居場所が分かりやすくなる。
そこを別の同志が射抜いていく。
草木の影から射るのは難しい。 向こうから此方は見難いが、創造主からしても同じ事。
いや、相手の方が見えるだろう。 感知系スキルとやらを持っているならば。
だからと負ける訳にはいかない。 数の不利を覆すのは容易ではない。 だからこそ少で大を対抗出来る工夫を凝らし創造する。
「矢が出てきた辺りを狙え!」
当然、荒らしも反撃してくる。
矢が出てきた辺りを狙われる。 が、それくらいは想定しているから丸石のトーチカや壁を作ったのだ。 弱攻撃ならこれで防げるので、気にせず狙撃を敢行。
強攻撃で破壊された同志は、その場に留まらず木の枝から枝へと飛び移り矢を放つ。
攻撃後もその場に留まらず、直ぐ移動して攻撃を回避していく。
「ええい、ちょこまかと!」
「地上部隊は何をしている!?」
「罠に掛かって手間取ってます!」
「ちぃ!? どいつもこいつも!」
一方、地上でも当然戦闘は行われていた。
いちいち剣や弓矢で相手に出来るほど潤沢な資源も人員もいない。
その隙を埋めるべくワイヤートラップや感圧板とTNTを組み合わせた地雷原を敷設。
場合によってはRS回路でスイッチ起爆を行う。
不規則な自然の樹木を縫いながら行動せざるを得ないのを予測して仕掛けた罠だが、上手くいっていた。 次々と地上で起爆音。 爆発が森に響き渡る。
「ぐあああ!?」
「足元をよく見ろ! 注意して進め!」
「で、ですが前から矢が……ガッ!?」
怯んでいるところを討ち取る。
木々の間、通れる場所がクレーターになった後も役に立つ。 こうして行動阻害が出来る。
爆破範囲を極めてこそTNTの使い手と云えよう。
それでも何人かの荒らしが根元に来てしまう。 そこは剣かTNT直接投下で倒す。 水流で押し流すのも可。 マグマは火災が懸念される為、他にする。
「たかだか人間の剣に押されるとは……!」
「木を奴等ごと切り倒せ!」
「はっ! ……何故か木が倒れない!?」
「根元から上が浮いてるゥッ!!?」
「ウッソだろお前!?」
木を切る地味な荒らし行為を見せられたが、気にせず倒す。 なんならTNTで根元ごと吹き飛ばす。 直すのは後で出来る。 今は戦闘優先だ。
無限弓でなく、矢が尽きた同志は左手に釣竿、右手に必殺ダイヤ剣を構える。
上から下の敵にブイを投げつけ釣り上げると、そのまま斬り捨て御免。 排除する。
「なっ、釣り上げられ……ぐはぁっ!?」
「馬鹿な!? そんなに腕力があるのか!?」
ノックバック剣持ちは敵を遠方に吹き飛ばし、木の幹に衝突して怯んだところを弓矢組が射抜いて処理した。
マルチの連帯は決まると気持ち良い。
「片手剣で吹き飛ばされただと!?」
「奴等、人間じゃねぇ……!」
「くそっ! 撤退だ! 体制を立て直す!」
荒らしが皆して逃げていく。
組織的な荒らしは厄介だ。 奴等もマルチの連帯を知り得ている。
あの様子だとまた仕掛けられるだろう。 だが此方もノンビリ待ち構えるつもりは無い。
火災を鎮火させ、ツリーハウスを要塞に改造する。
資材は無い。 なら地下を採掘して集めれば良い。 それがクラフター流。 足らぬ足らぬは工夫が足らぬ。 だが欲張れば足下は宝の山だ。
採掘で大量に得た丸石で防壁を設置し、僅かに得た石炭で鉄鉱石を精錬、鉄を集める。 食糧からカボチャを割いてアイアンゴーレムをクラフト。 トラップも作り直す。
どれも急造だったが、対荒らし戦闘をするマルチクラフターの団結力を舐めてはいけない。
粗末で不恰好ながら、ツリーハウスはあっという間に丸石要塞と化した。
ついでに地下に簡易的な拠点が出来る。 地下採掘跡を防空壕ないし迎え撃つ迷路とする。
「よし、上から火の雨を降らせろ!」
来た。 想定より反転が早い。
真上からファイヤーチャージの雨の様な攻撃をされてしまう。
まだ改修の余地があったが仕方ない。 迎え撃つ。
敵は待ってはくれないのだ。
上空を覆う緑のカーテンが燃やし尽くされ、拠点が空から丸見えにされていく。
荒らしの癖に少しは頭を使ったか。
「このまま丸裸にしてやる!」
だが空襲なんて初めてじゃない。
特にこの世界に来てからは。
天馬といい、魚といい、半鳥村人といい、村人や怪物にとっても空が身近な世界なのだ。
経験は糧となり創造へ繋がっていくのである。
「よーし、見えて……ナニィッ!?」
天井も丸石で覆った。
カーテンが開けられ、眩い空。 それを合図に天井に僅かに開けた隙間から弓矢組が一斉射。 対空弾幕が張られ、油断している鳥荒らしを次々と撃墜する。
「グギャッ!?」「ガッ!?」
「くそっ! 一旦距離を取れ!?」
向こうからよく見えるという事は、此方も良く見えるのだ。
相手の意図を理解した創造主は、視界が確保されるタイミングを合わせ反撃していく。
拠点そのものは丸石でほぼ覆われた。 焼き払うのは不可能だ。
「相手の射程外から一点に集中砲火! 穴を開けて、各個突入!」
今度は一点に集中砲火を掛けられる。
流石に丸石壁が耐えられず、空と地上それぞれに大穴が空いてしまう。
そこから荒らしが雪崩れ込んで来たので、白兵戦……剣劇へ発展してしまった。
穴が限定されている分、いっぺんに相手せずに済んだが負けるのは時間の問題だ。
くそっ。 今回の荒らしは手強いぞ。
だが負けん。 守ったら殺られる。 攻めろ!
「ヘッ、近付けばこっちの……ッ!?」
「なんだこの巨人!?」
「ゴーレムか!?」
「雪玉を投げて来る奴もいるぞ!?」
「どこまでもふざけやかって!」
アイアンゴーレムが壁となり、荒らしを殴り上げる。 スノーゴーレムは雪玉を投げて微弱ながら敵の侵攻を阻害。
その間にクラフターは地下へ退避。 地上区画は放棄。 嫌がらせに溶岩バケツをぶち撒いてTNTを適当に設置、火矢で起爆。
拠点内に溢れた荒らしは後続に押されたのもあり、固まって吹き飛んでくれた。
「ぐはっ!?」
「くそっ! 悪あがきを!」
「追え! 逃すな!」
「皆殺しダァ!」
まだ来やがる!
増援同志はまだなのか!?
狭い地下採掘道を進みつつ、最後尾が丸石で封鎖しつつ奥へ奥へ引っ込む。
時折嫌がらせ程度にマグマ溜まりを挟む。
IRPに連絡を取り、砲撃支援要請もしているが時間が掛かるか!?
「道を塞がれた!」
「この先にいるのは間違いない! なんとしても殲滅するのだ!」
「このまま逃げ帰る様ではクレイマン様に殺されちまうからな!」
ハァン声が近づく。
採掘能力が無いと油断していた。
荒く破壊しながら進んでいる様だ。
此方も慌てて進む。 が、ツルハシがタイミング悪く壊れた。
直ぐに作業台で石のツルハシを作るが、作業速度は極端に落ちる。
もう使えるメイン武装は剣しかない。
戦うしかないと創造主は覚悟。 状況に備えた。
刹那、爆音に次ぐ爆音。 落ちて来る砂埃。
「な、なんだ!?」
「地上のトラップの誤作動か?」
「それにしてはデカ過ぎるぞ!」
「良いから前を……」
次には光の洪水。
地下だった空間に青空が再び現れて、白雲が流れる光景が視界一杯に広がった。
「へっ……?」
続けて爆発。 爆発。 爆発。
驚く間もないまま、目の前で荒らしが無数に爆破解体。 荒らし達が爆煙の中に消えて逝く。
創造主は窮地を脱し息を吐く。
IRPの支援砲撃が間に合ったのだ。
危うく荒らしごと吹き飛ぶ際どい地点とタイミングだったが、なんとかなった。
死んで復活出来るとはいえ、荒らしに敗北し拠点を占拠されるのは気分が悪い。 そうならず良かった。
増援が到着したのはその直ぐ後だったが、そのまま残党狩りと拠点修復作業に手を貸してくれた。 戦闘こそ間に合わなかったものの、意味は大きい。
そしてそのまま傀儡軍への反撃、牽制部隊として再編成。 竜の都の同志も勝利すれば大雑把ながら包囲網が出来上がる陣形だ。
そして後に連邦の鬼人を加えていき、本土侵攻への足掛かりとなる……。
戦闘描写難しいです……。
後半ほど雑だったかも……。
クラフターも追い込まれる事があります。
他にもっと良い方法があったかも知れませんが、作者の創造(想像)力が足りなかった……(殴。