寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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一方、竜の都にて。
漫画ではリムル(ラファエル先生)が作った大群を転送出来るレギオンマジックで乗り込み傀儡軍と戦いましたが……。
作中では既に展開していた創造主がいまして……怒ったクラフターは恐ろしい……。


117.竜の都と駐屯荒らし

 

「ミリム様への供物まで取られては困ります」

 

 

忘れられた竜の都。 ミリムの領地。

今ここは騒がしい。

 

荒らしの国……傀儡国の隣であり、ミリムも荒らしなのだから故にここも荒らしの都かと思えばそうではない。

それなりに造形の整った建造物、神殿もある。 観光する分には村人も襲ってこないから、時々お邪魔していた。 滞在同志もいる。

が、今は状況が劣悪だった。

別に都が破壊されたとか、村人に殴られた訳ではない。

獣王国をミリムが吹き飛ばしやがったから、創造主は不機嫌なのだ。

 

あそこも良い都市であったのに!

 

やはり荒らし。 だが荒らし。

創造主は完全武装でヤツを待ち伏せする事に。

あの後ここに戻って来ると思っていたのだが……不在を決め込んでいる。 探してもいない。 居留守かは分からない。

全く……いたらお礼参りをしようとしたのに。 久しぶりの挨拶を兼ねて。

代わりといってはなんだが、何故か傀儡国の荒らしが駐屯。 我が物顔で振る舞い始めた。

 

ああヤメテ。 これ以上イライラさせないで。

 

 

「───魔王ミリムの勅令書を先日お渡しした筈だが?」

「ですがヤムザ殿。 我々としてもこれ以上の援助は厳しいのです。 其方の軍に提供した食糧で倉庫が3つ空になりました。 民が食うに困るとミリム様が悲しまれますので」

 

 

村人と荒らしが揉めている。

が、創造主は我慢した。

決定的な瞬間を待っているのだ。 荒らしの現行犯、その瞬間を。

 

 

「ミッドレイ殿か。 礼儀知らずの部下を持つと苦労しますな……と言いたいところですが、貴君こそ礼儀がなっていない。 魔王ミリムが勝手に動いたのだ。 その尻拭いをしてやってる我が軍に対し貴様らは礼を尽くすのが当然だろうが!!」

 

 

荒らしイベント続きで怒り心頭の創造主は痺れまくり、逆に笑顔が浮き始める。

辛辣同志の報告だと、コイツら傀儡国の荒らしがミリムの領域にいる理由は、獣王国の残党狩りの為らしい。

だがそれに何故傀儡国が介入するのか。 それはクレイマンが真なる魔王覚醒の為に魂が必要だから……とか良くわからん事を云われた。

どちらにせよ荒らし行為に違いない。 敵だ。

 

既に何人もの同志が鬼気迫る表情。

我慢。 我慢だ。 まだその時ではない。 先に手を出しては我々が責められる。 リムルに。

 

 

「───協力の機会を差し上げよう。 我らだけで獣王国の残党狩りは十分……貴君らには物資の運搬をしていただこうか」

「ちょ、ちょっと待って下さいよ! 食糧まで奪われた上に人手まで取られるのは」

 

 

刹那。

荒らしが村人を斬りつけた!

 

 

「ぐっ……!!」

「ヘルメスさん!」

「黙れカスが。 見せしめに殺してやっても……」

 

 

よしもう良いぞ皆の者。 殺せ。

創造主は現行犯をしかと両眼で見ると、一斉に武装し襲い掛かった。

荒らし死すべし慈悲は無い。

 

 

「ハッ! カッとなってくれて助かる。 力で挑むヤツには力で御せば楽なんでなぁ!」

 

 

暴力には暴力だ!

なに、己の道を往くのみ。 荒らしは倒す。

創造主は初手で剣撃を喰らわすも、爪の様な得物でガードされる。

だが関係ない。 ノックバックだ。 村人から距離を離す。

 

 

「チッ!」

 

 

吹き飛ばしたところを雪玉連射で牽制。

怯ませてる間に同志が弓矢を引き絞り、一斉射。

ガードされつつ横っ飛びで回避されるも、幾つかは当てた。 追撃する。

 

 

「奇妙な連中め……おいお前ら! 叛逆者だ、全員纏めてブっ殺せぇ!」

 

 

奴がハァンと鳴くと、ゾロゾロと簡易小屋から荒らしが大量に湧き出てくる。

面倒だ。 せめて目の前の荒らしを殺しておきたかったが止むを得ない。

相手になってやる。 纏めて掛かってこいや!

 

 

「叛逆も何も、コイツら他所者なんスけど」

「ヘルメス、お前を庇っての行為なのだろうが……成り行きを見守るとしよう。 面白い戦いが見られそうだからな!」

 

 

火矢を放ち簡易小屋に放火。

瞬く間に火の海に。 荒らしは火だるまになって転げ回るが、無事な連中も多い。

 

 

「いやいや、これ勝っても負けても俺達の所為になるんじゃ!?」

「だったら止めるか?」

「……今頃無理でしょ」

 

 

熱い思いをしなかった連中には痛い思いをして貰う。 エンチャント弓矢で射抜き、必殺ダイヤ剣をお見舞いし。

どうせ荒らし連中だと、予め奴らの足元に埋めていたTNTをRS回路で着火、纏めて地面ごと吹き飛ばす。 展開される前に叩く。

 

 

「派手にやりますねぇ。 天幕ごと吹き飛ばしましたよ。 魔法では無さそうですが……」

「ぬぅ……! 卑劣な手段を取らず堂々戦えば良いものを!」

「それが彼らなんじゃないですか?」

 

 

散っている荒らしを各個射抜く。

IRPに支援要請もした。 大急ぎで此方に向かっているそうだ。

IRPのパワーなら、森の木々を薙ぎ倒しながら全力疾走でこれる。

 

嬉しい情報は続く。

IRPは辛辣同志と研究員の村人の協力を得て進化しているそうだ!

しかも!

パイロットが新素材でクラフトした剣を届けてくれるという!

 

俄然やる気が出てくるというもの!

とはいえ、距離があるから時間は掛かる。 その間は我々で支える。

元々ここにいる同志は、ミリムにお礼参りをする予定が大半だった。 武装はフルエンチャントである。 ミリム相手には不安だったがコイツら程度なら十分戦えそうだ。

 

 

「ただの人間じゃないのか!?」

「強い……強いぞコイツら!」

「武具だけじゃない! 動きも違う!」

「ひ、怯むな! こんな事、クレイマン様に知られては殺される!」

「やるしかねぇんだ! 死ぬ気で挑め!」

 

 

荒らしが勢いに乗ってきた。

が、勢いだけだ。 軽い魔法弾は丸石壁で防いだり、数が少なければ剣で跳ね返す。

 

 

「ギャァッ!?」

「は、跳ね返ってきやがった!?」

「馬鹿なッ!?」

 

 

やがてIRPの支援砲撃も重なり、荒らし陣地が耕された。 もはや相手に態勢を立て直す余力は無い。

 

 

「さっきからの爆発はどこからだよ!?」

「空!? 地面!?」

「知るか!」

「駄目だ! もう勝てない……!」

「ヤムザ様、最早我が軍は!」

「数分……たった数分で壊滅!? 万も駐屯していた我が軍が……!?」

 

 

生き残りは堰を切った荒らしと数える程。

呆気ない。 烏合の衆と罵るつもりは無いが。

我々は罠を仕掛けたし、放火もした。

だが力に挑む時、同じ力で挑む道理は無い。 仕合じゃないのだ。 荒らしなら余計に。

 

貴様らの負けだ。

敗因は密集していた事。

我々が完全武装だった事。

何より我々を怒らせた事である。

 

 

「……囲まれてます」

「敗北を認めろというのか!?」

「生き残りも武装解除。 降伏を始めてます」

「空間転移は……間に合わんな……降伏の申し出があるならば受け入れ……ッ!」

「ヤムザ様?」

 

 

僅かな荒らしどもが得物を地面に落とし戦闘の意志を失くす中。

堰を切った荒らしは突如、片腕をプルプルし始めた。 手には小さな球体を持っている。

 

 

「あ、ああ……お、おやめ下さいクレイマン様ああああ!!」

 

 

叫びと共にソレを飲み込んだ刹那。

あっと驚き創造主。

村人がかつての巨大魚に変貌したのである!

 

 

「なにがどうなっておるのだ……!?」

「カリュブディスの残滓の様なものか!」

 

 

ヤベェよヤベェよ。

創造主は慌てふためく。

なにせ当時、IRPや武装村人と共に何時間も戦闘を続けても尚、倒せなかった怪物である。

最終的にミリムが倒してくれたが、今の我々のみで倒せるのだろうか?

 

いや倒す! 荒らしは絶対許さない!

 

我々もあの時とは違う。

ミリムを待たずしてきっと倒せよう。

進化したIRPと新剣に期待する!

 

と結局はどこか他力本願な創造主であった。

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