寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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ワルプルギスの話へ。
漫画に追いついてきました。 どこまで続けられるか正直微妙ですが、他の話も考えてみたり。
トリニティは時系列的にスルーした部分が多いですが辛辣同志の星の世界の話など。

ネザライト装備なし。
原作より弱体化しているリムル。
でもマルチなので大丈夫……多分。
今回は会話メイン。 リムルのクラフターに対する考察など。


119.リムルと決戦前

 

 

「アンタらは連れてけないわよ!?」

 

 

魔国連邦議事堂、休憩室にて。

耐久するリムルの側で戦闘準備中、いつかの羽虫に喚かれるクラフター。

いっそ切り刻んでしまおうか。

 

 

「ラミリス、何揉めてんだ?」

「ちょっとリムル! コイツら何とかして!」

「また何かしたのか? 聖典奪われたか?」

「真面目に話してんのよ。 コイツら鎧纏って剣持って、明らかにスタンバッてんじゃない!」

「みたいだな」

「みたい、じゃなくて! 絶対ワルプルギスに乗り込む気よ! 止めなさいよ主でしょ!」

「本気のコイツらを止められるか。 一時凌ぎをしたところで何度でも現れるだけだ。 殺しても起き上がってやって来る。 あと訂正するがコイツらの主じゃない」

 

 

リムルが諦観と憂いの目で羽虫に鳴く。

今ならリムルごとスパッとやれそうだ。

だがやらない。 こんなでも悪友だ。 羽虫も含めば同志クラフター。

 

 

「一時凌ぎでも防ぐべきよ! 迎えが来て転移しちゃえば、いくらコイツらでも会合空間に入れやしないって!」

「妖精の棲家で何を見てきたんだ?」

「家がリフォームされるとこ。 あと最高傑作が破壊されたとこ」

「それ以外だ、別の時間軸からやってきた得体の知れない精神体を倒しかけただろ。 たぶんコイツらは物理的な物事だけじゃなく、時間や空間をも創る超常的存在だ。 それも俺達の知らない未知の力でな。 そんな力を拒絶出来る程、これから行く空間は堅牢なのか?」

「普通にホイホイ行ける場所じゃない筈よ」

「コイツら普通じゃないだろ……コイツらの造る建造物の構造を見て思うが、柱もなしに建っているモノも多い。 当初は素材の都合や特殊構造かと考えたが、ミリムに破壊されたビルを見学した時に単に頑丈と言えない光景を目にしたよ」

「ビル? 摩天楼……デカい建物の事? それと今回の話にどう繋がるワケ?」

「まぁ聞いてくれ。 そのデカい建物の腹をミリムが消し飛ばした事があったんだが」

「は? 街中でやったの!?」

「いや無人のジオフロントで。 だから死傷者は出なかったんだが……そこで奇妙な光景を見た……ビルが宙に浮いていた」

「は?」

「地面と接地してない状態、胴体が消えたのに足と頭が浮いた状態……今までも似た光景は見てきたんだがな……大賢者と俺で相談して立てた予想だが、コイツらが関わる素材は一部を除いて重力に影響しない……いや、空間に固定されているんだ」

「……永続的な魔法?」

「そう考えた方が楽だな。 となればコイツらが建設したセットバックしているビルは上層を軽量化する意図が無いという事。 コスト削減の意味はあるんだろうがデザイン面がメインなんだろう」

「そ、そうなのねー! いや迷宮作りでデザイン面とかワカルワァ」

「分からないなら分からないで良いぞ」

「……ごめん」

「兎に角、大袈裟な表現になるが最早概念に近いかも知れない。 そんな未知を前に既知の力で創った異空間に逃げ込む……解錠されない自信は何処から来る?」

 

 

開場まで金林檎とポーションをセットする。

黒曜石やダイヤツールも。

直ちにやれる事はやった。

ネザライト支給が間に合わなかったのが悔やまれる。 不死のトーテムなるアイテムも欲しかった。 無いもの強請りしても仕方ないが。

 

 

「そもそもコイツらはこの世界に到達する前から別世界を幾つも渡り歩いてたそうだ」

「勝手に召喚された、じゃなく?」

「自らだ。 自分の世界にすら帰れるという」

「……異世界人が自由に帰れるなんて……」

「地獄経由らしいが」

「過酷って事? そう簡単に行き来出来ないって事ね」

 

 

ネザライト採掘は始まったばかり。

剣にクラフト出来るまでの工程が大変と聞く。

だがまぁ、クラフターは思う。

地獄(ネザー)での冒険や開拓はそれなりにやってきたつもりだったが、まだまだ未知があった様だ。

ワクワクする。 向こうの同志が羨ましい。

だがホイホイ帰る訳にはいかない。 この世界でも楽しみは尽きない。 今に至っては荒らし討伐に忙しい。

 

 

「俺は行った事がないが……そんな奴らさ。 2年くらい振り回されて、通訳の目処が立って……俺なりに考えた」

「だからって……」

「これから会合というより客観的じゃない裁判所に出廷するもんだ。 一方的に処刑騒ぎになるなら……寧ろコイツらの相席は有難い」

「……可能性はあるけど。 ああ、ギィや他の魔王達に何て説明しよう……」

「そうか。 魔王の従者って2人までか」

「そう。 アンタとベレッタ。 アンタが行かないなら折角会えたトレイニーちゃんを連れて行くんだけど……」

「俺は喚問枠で別に出来ないか?」

「特別枠にするのは難しいわね。 そんな事するならワルプルギスじゃなくて良いし」

「だよなぁ。 やっぱ他の魔王への見せしめなんだろうな、俺」

「ねぇ……クレイマンと殺り合う気?」

「嫌でもそうなるさ」

「……死ぬわよ」

「これでも努力してきたんだ。 それに死ぬからこそコイツらが良いんだよ」

 

 

突如、目の前に大扉が現れるもんだから、思わず飛び跳ねるクラフター。

 

 

「迎えが来たか。 魔王トークは任せた」

「ええぃ! どうなっても知らないわよ!」

 

 

ネザーゲートの類か? 泥梨の扉か?

 

 

「なぁお前ら……一緒に、さ。 それこそ大袈裟だと思うけどさ……」

 

 

リムルを見やる。

妙な緊張感の中、苦笑された。

 

 

「地獄の底に堕ちてくれ」

 

 

クラフターは頷いた。

賽は投げられた。 いざ魔王の宴へ。




助けてくれ、守ってくれとは言わなかったリムル。
裏返せば自らも覚悟し、信用しているからかも。
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