漫画では小物感を出しつつ一方的にボコされていましたが、当作では如何に。
ミリム:((꜆꜄•௰•)꜆꜄꜆オラオラオラ!
創造主: ●)ロ゚)〃 ウオッ!
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励みになります!
「自分の手を汚すのを嫌ったばかりに、余計に面倒な事になってしまった。 本当に失敗でした」
喚き終わったら仕掛けてきそうだから、創造主は黒曜石で縦横3ブロック分の簡易防壁を複数展開。
己が隠れる壁にのみ真ん中をダイヤツルハシでくり抜き、丸石ハーフで半分埋める。 スリットから弓矢を引き絞り状況に備えた。
「命令です。 リムル=テンペストを殺しなさい」
が、来たのは白じゃなく桃、ミリムだ。
「ミリム……ッ! 洗脳されてるのか!?」
されど慌てない。 敵なら迎え打つのみ。
黒曜石の壁裏に退避するリムルを尻目に、創造主は突進してくるミリムに矢を放つ。
通常矢だが弓はエンチャントを施してある。 有効な筈だ。
だがミリムも知ってか知らずか空中で身を捻り避けると、そのまま防壁ごと此方を殴る。
黒曜石にヒビが入るのを刮目した創造主は即座に盾を構え対衝撃態勢。 吹き込む衝撃で、スリットのハーフと己の体が吹き飛ばされてしまう。
「おい大丈夫か!?」
「ミリムの攻撃に耐え切るとは……ですが衝撃が伝播する以上、無事とは済まないでしょう」
「……マジでウォッなんだ」
「な? 面白いだろ?」
相変わらず恐るべき力である。 TNTでなし、鎧に耐爆エンチャントを施しても意味を成さない。
「他人頼りかよクレイマン!」
「何を言う。 ミリムは人の命令に従うような娘ではないでしょう。 今のは彼女自身の意思さ……ギィよ、文句はあるまい?」
「ああ構わないさ。 ミリムが自分の意思で戦うのなら止めやしない」
「……不味い! ミリムは絶対に不味い! 何とかして洗脳を解かないと……付けている腕輪が原因か!?」
怯んでいられない。
創造主は素早く態勢を立て直すと、強化した走力で素早く動く。
捉え難いよう不規則に壁から壁へ。 時々卵を投げつけて錯乱させつつ創造主は隙を窺う。 下手に仕掛ければやられるのを知っているからだ。
彼女には何度も苦杯を喫してきた。
我々を嘲笑い、破壊された建造物は数知れない。
対ウィザー級として創造したIRPも駄目だった。
圧倒的。 ひたすら圧倒的な力で蹂躙された。
それでも今日この日まで諦めず生きてきた。
今も諦めてない。 これからもだ。
「ッ! 分かった、俺はクレイマンをやる!」
ポーションで強化した足力で展開した黒曜石間を素早く、リムル共々不規則に縫っていく。
壁が足りなければ作り出す。 いつも通りだ。
ミリムも狙いを定められないのか、既にいない壁に攻撃を当てている。
「リムルを攻撃しなさいと言ったのに……まぁ良い! 先に貴様を始末してやろう!」
「舐めるなよ!」
「図に乗るなよスライムが! 行けナインヘッド!」
白荒らしが使役してる狐が来ると、突如大型化。 そのままリムルに襲い掛かる。
だがリムルは己と同様に壁から壁へ伝い攻撃を避けつつ隙を窺う。
「ちょこまかと!」
「……俺のスキルと魔素量じゃ長期戦になる程不利。 無駄遣いも出来ない。 だが勝機は作るものだからな……コイツの様に」
リムルもベテランだ。
今さら心配なんかしない。 何とでもする。
一方思う。 あの狐が欲しいと。
疑問も出た事であるし。
連邦にいた狐娘とは同種だろうか。 人型と獣型と分かれるが、耳と尻尾の形状に類似点が見て取れる。
完全な同種で無くても関連があるかも知れない。
発情・繁殖実験は失敗したが、やはり村人と狐が交尾するとあの姿として生まれるのだろうか?
元の世界で発見された狐との差異は?
疑問は尽きない。 一度元の世界に帰るか連絡を取り合うべきかも知れない。
「余所見すんな!?」
リムルに叱咤されハッとした時、目の前にミリムの拳。 反射的に盾を構えるも容赦なく殴り飛ばされた。 外壁に激突して砂埃に包まれつつ漸く止まる。
痛い。 盾が破損。 ダイヤ防具の耐久が減った。
「はははっ! たわいもない! 最早生きては……ナニィ!?」
別に良い。 このまま決戦仕様が壊れようと構わない。 予備もある。 覚悟の上だ。 取り敢えず回復ポーションを飲む。 予備の盾をスロットする。 出し惜しみは無しだ。
「生きてるだと!? あの威力で!?」
「ただの人間じゃないからな。 今更驚くなんて、意外と情報に疎いんだな」
「くっ! そこらの人魔の攻撃ならまだしも……本気でないにしても、ミリムに殴られて平然と動き回れるとは! どんな身体をしている!? その青く輝く鎧の所為か!」
「隙あり!」
「ちぃっ!?」
「お前も余所見してんじゃねーよ。 俺は本気なんだ。 ドーピングされたのに負けたんじゃアイツに笑われるからな……ん?」
リムルは狐の攻撃の合間を縫い、白荒らしに剣で攻撃した。 やりおる。 負けていられない。
(……ケテ。 助ケテ!)
「狐から思念が……」
『告。 ナインヘッドから支配の呪法(デモンドミネイト)の影響を確認。 戦闘を強いられています。 接近すれば解呪が可能です』
「隙があれば助ける。 或いはアイツが牛乳を飲ませればいけるか……ってナニしてんのアイツ?」
創造主は折角外壁まで飛ばされたのだからと、エンダーチェストとシェルカーボックスに駆け寄った。
大量の卵を取り出すと、クロック回路の如くミリムに投げまくった。 避けられるも少しは当てた。 割れた一部の卵からは小さな鶏が生まれてくる。 援護混じりに狐と白荒らしにも投げ当てる。
「ナニがしたいんだお前!? てかなんで卵からニワトリが生まれるの!? ヒヨコじゃないの!? お前の世界ではそれが普通なの!?」
「なんだというのだ! ふざけやがって!」
コココッと鳴く声が増えていく。
元の世界で密室で続けていれば世界に負荷を掛ける荒らし行為に見えるが、この世界ではちょっとやそっとの動物で時空間が歪む事はない。
では何が目的か。 怯ませて攻撃妨害、反撃を許さないのもある。 だが飽くまで副次的な目的だ。 それだったら雪玉の方がコストが良い。
では何か。 嫌がらせだ。 それと足音等を掴ませにくい様に。 またはダミーとして。
「喧しくなってきたのぅ」
「おっ? また妙な事をし始めたな!」
「ギャー!? 啄んで来るな!」
「喧しくて寝れない……」
「どこでもいつでも迷惑ね」
「(あの時同様、忌々しい奴じゃ!)」
床一面に鶏が埋まる程投擲した頃、雪玉に切り替えた。 乱射しつつ中央に復帰。
再び壁から壁へ移動すると、弓矢で攻撃。 剣で接近はしない。 相手の領域に踏み込んでもやられるだけだ。 白荒らしは平気そうだが。
「ええい! 何をしているナインヘッド!?」
ここで思わぬ光景を見た。
狐が鶏を攻撃し始めた。 本能なのか指示されてなのか。 野生の狼なら理解出来る行動だが、あの狐は明らかに使役されている。 やはり狼とは異なる種だ。
「お前、まさか狙ってやったのか? いやその顔は違うね……まぁ良い! 今のうちに近付いて解呪する!」
聞き齧った情報になるが、元の世界に生息している狐もそうらしい。 だが使役は今のところ成功していないと聞く。 繁殖は狐共々発見されたベリーなる果物で出来るらしいが……やはり世界違えば大小なり差異があるという事か。
「よし無力化した!」
リムルに触れられた狐。
次には大きな狐が元通り小さくなった。
生きていると様々な疑問にぶつかる。 興味は尽きない。 実に面白い人生だ。 笑顔が浮かぶ。
ミリムに殴られた。
「だから余所見すんなって!?」
今度は黒曜石の壁に叩きつけられる。
そのままドカドカと殴られまくる創造主。
痛い。 痛すぎる。
ミリムとの間に黒曜石の壁を立てようと思ったが密接していて立てられない。
エンダーパールで離脱を図る。
「ウオウオ言ってるよ!?」
「それなりに気に入ってんだ。 バリエーションが少ないのが惜しいな」
「逆にこの状態で声を出せるのも凄いけど」
「ちょ、ちょっと! 流石に死ぬ……あっ!」
ワープの衝撃で死んだ。
体力的にギリギリだったが流石に無理だった。
創造主は視界が真赤に染まる中、遺品がばら撒かれるのを最後に目にする。
死因は地面と衝突した、である。 慣れた死に方だ。 嬉しく無い。 道具の有無くらいの差異だ。
「流石に死んで……生き返っただと!? 馬鹿な、私と同じデスマン……いや違う! ならば何だというのだ!?」
「人の形をした概念、理、世界、色々想像してくれ。 答えが出る前に殺すけどな!」
創造主はベッドから起き上がる。
こうなる事を見越して寝ておいたのだ。
遺品回収は最悪諦められる様にもしている。
「ッ! 行け!! マリオネットダンス! ビオーラも行け!!」
「今度は人形劇か。 数はあるが、倒す!」
リムルが人形の群れに襲われ始めたが、それでも果敢に剣を振るい倒していく。 剣の腕がまた上がった様だ。 体術も使う。
その間にエンダーチェスト、シェルカーボックスからダイヤフル装備と戦闘用アイテムの様々を素早くインベントリに掻き込み装備。 ドーピングも再度行い、再びミリムに立ち向かう。
「興味深いのぅ」
「精神体になって、別のものに受肉するなら分かるけど受肉するものなかったよね?」
「だが、ちゃんと実体はある様だぞ」
「成る程。 同じ顔が何度も来れる訳だ」
「ほ、本当に不死身なの……?」
「(邪竜の次に忌々しいわッ!)」
ミリムが飛び蹴りをしてきた。
今度は盾じゃなくノックバック木剣で斬り伏せた。 今度はミリムを外壁に吹き飛ばす。
だが吹き飛びつつも、途中で遺品……先程まで所持していたダイヤ剣を拾われた。 なんて事だ。
「ミリムを吹き飛ばしただと!? い、いや奴ら人間がミリムに勝てる試しなど……」
「どうかな。 今日この場で勝つかもよ。 アイツは、アイツらは日々成長してるのさ」
エンダーパールで追撃。
ミリムが外壁に激突したタイミングで剣を振り下ろす。 それをミリムは剣ガード。
忌々しい。 ゾンビみたいにツールを拾われ使われるとは。
だが負けん。 左腕が留守だぞミリム。
「スキルが決まっていても、負け続けても、工夫して創り出して挑み続ける。 俺もその1人だクレイマン! 【煉獄の握手】(ジェイルシェイク)!」
「ぐあっ!?」
此方は二刀流だ。 左手にも持ったダイヤ剣を振り下ろす。
だがミリムも諦めてない。 獣王国で見せた黒い剣を出し剣ガード。
だが構わず斬り伏せる。 ノックバックを狙う。 防がれるのは想定の範囲だ。
「それを出すか」
「ミリムには感謝せねばな。 こんなにも面白い仕合を見せてくれたのだから」
「殺し合いの最中よ! 仮にも友達同士なのに……呑気に見てられないわ……」
「そうか? 互いに目的を忘れて楽しんでる様にも見えるがな」
リムルの方を一瞥。
禍々しい巨大な腕が白荒らしごと敵勢を薙ぎ払っていた。 普通吹き飛ぶかに思われたが、なんと触れた場所から細切れに。 白荒らしは耐久力が高いのか、まだ生きている。
リムルの新たな技だろう。 ゆっくり観察していたいが、今はミリムだ。 視線を戦場に戻す。
斬られた。 痛い。
「だから余所見してんじゃねーよ!?」
「な、舐めやがって……皆殺しだ! 絶望して死ね!」
「逆にお前はどうなんだ? まだ奥の手があるなら出せよ。 全部潰してやる」
足を空中でジタバタさせて吹き飛びつつ、雪玉牽制。 接近を阻害しつつ、わざと弾幕に隙間を作る事でミリムを誘導、そこに釣竿を投げ付けフックを引っ掛ける。
ダイヤ剣を釣った。 本体を引き寄せるつもりだったが、仕方ない。
鈍足のスプラッシュポーションを相手に投げつける。 範囲攻撃だ。 何とか食らわす。 ミリムの動きが遅くなる。
「ならば食らえ! デモンマリオネット!」
突如、黒い影に纏わりつかれた。
此方まで状態異常を受けたらしい。 効果は知らないが、碌なものじゃない。
創造主は思うより先に動く。 牛乳バケツを取り出して一気飲み。 忽ち黒影は消えていく。
「な、なぜ効かん!? あのミリムすらも支配する究極の呪法だぞ……!!」
「仲間割れさせるつもりだったんだろうけど……相手が悪かったな」
だが強化分も中和されてしまった。
再びポーションを出そうとするも、ミリムが来てしまう。 已むを得ない。 そのまま剣劇に持ち込む。
「手詰まりか? それとも、今度こそお前自身が戦うか、クレイマン!」
「そうか、そうだな。 魔王……私は魔王なのだ。 だから戦い方にこだわり、上品に優雅に敵を葬ってきた……久しく忘れていたよ。 自らの手で敵を捻り潰したいという高揚感をな!!」
リムルの方でまた変化があった。
白荒らしが変貌したのだ。 腕が4本くらい増えている。 防具らしきものも付けているが胴体の鎧はなく、代わりに腕とズボン部分のみ。 虫のようにも見えた。 特効エンチャントが効くかも知れない。
「へぇ、少しはマシになったじゃないか。 見直したよ……魔国連邦国主、リムル=テンペストだ。 クレイマン、覚悟ッ!」
「魔王───いや"喜狂の道化(クレイジーピエロ)"クレイマンだ。 殺してやるぞリムル=テンペストッ!!」
向こうも剣劇しそうな剣幕だ。
そろそろ決着だな。 此方もしなければ。
また斬られた。 今度はリスポーンした。
これ以上死なぬ為にも集中しなければ……。