ワルプルギス終盤。
ただ政治的な話(大切な話であっても)に居合わせてもクラフターが遊んでしまうだけ。
どんな話になったかはリムルや辛辣同志に後日語らせる事が出来ますが、作品的に創造系が絡まねばならぬと脱線話を考えてみたり。
いや、もうそれオリジナル路線(今更感
お兄さん達許して(殴
という訳で辛辣同志サイド(唐突
投げっぱなしの星の世界やダークサイドな研究の話とか出来たら良いな(曖昧
*仲間の光輝く瞳に震えていた。
その影に怯えて。 寒さに震えて。 夢を抱く事すら信じられなくなってきて。 差し伸べられた手に縋る事すら出来なくて。
私は焦りすら稀薄になってきた。
それで"彼"と同じ道になら……堕ちていく感覚も悪くない。
*それでもマインクラフターは────。
126.過去と願い
傀儡軍は無力化、クレイマンの城は陥落。
後はワルプルギスの夜が明けていくだけ。
代表の報告によれば、また詰まらない状況下との事。
「ああ、会議ですね。 問題ないですねソレ」
そう考えた私は操縦桿を動かして連邦の帰路に着く事にしました。 もう支援は不必要です。
IRPのテストも出来ましたし。
この結果を持ち帰り、また研究です。
面倒事があるなら、ワルプルギスの結果をリムルさんに聞いて報告書を纏め、馬鹿連中に報告する事ですかね。
政治的な話は聞く耳持たないでしょうが、それでも伝える事は伝えなきゃ。
それと森が荒れた件。
トレイニーさんには悪い事をしました。
でも馬鹿同志の所為にしときましょう。
帰る時もコックピットを完全に閉鎖して見られない様にします。
大丈夫。 大抵は馬鹿の所為と言っとけば疑う事なく罪は流れます。
「やる事はやりました。 帰ります」
そう言うと、馬鹿同志は特に引き留めるでもなく私を送ります。 ただ後でIRPやBBについて質問したいそうです。
面倒だなぁ……でも、ちょっと嬉しい。
だって彼等に出来ない事をやったのだから。
彼等クラフターは新たな事には興味津々で、熱心に研究し創造しようとする。
その熱意は凄まじい。 通り越して炎上騒ぎになるけど、本物だから羨ましい。
そう。 本物。
私は……偽物。
本物に作られた……偽物。
あの冷たい床で作られた肉人形。
紛い物。 実験体。 創造物。
創造主と村人の能力を中途半端に引き継いだ通訳者。 リスポーンが出来ず、身体能力も平均以下。
息も上がる。 創造力も低い。
出来る事なんて、彼と比べたら……。
こんな調子じゃ星の世界になんて……。
「……まだ過去を引き摺ってる」
自身を叱咤する様に呟きつつ、連邦のジオフロントへ。
連邦郊外の搬出入口に侵入して────。
「ちょ、ちょっと擦ってますよ!?」
「へ……あっ!?」
白衣を着た村人の技術者、ベスターさんの声で我に帰った。
見やればIRPを外壁に擦り付ける様にしており、結果、メンテナンス通路を壊してしまった。
ああ、もう……ボーっとしてるから。
「すみません、始末書作成します……」
「いえ、彼等がもう修復作業に乗り出してますし……此処は私の研究所じゃないですから、そう気を落とさず」
言われてもう1度見やる。
此処の同志達が梯子を掛けて、或いは土で足場を作って通路を修復し始めていた。
そのままIRPにも取り付くと、作業手順に従ってメンテナンスもしていく。
相変わらず行動が早い。
それすらも、悩む事なく思うがままなんだ。
羨ましい。
私はコックピットから修復した足場に飛び移ると、ベスターさんの所まで降りていく。
「……そうですね」
「操縦系統を弄りましたからね。 振り回されるのは仕方ありませんよ」
「いえ、コレは私の落ち度です」
「………何か、お悩みで?」
心配そうに聞いてくるベスターさん。
でもコレは……話して良いものなのか分からない。
私の出生。
星の世界。
私は首を横に振った。 話すべきではないから。
「大丈夫です」
「本当ですか? 通訳者としてではなく、技術者の1人として────」
「……強いて言えば武装です。 ベスターさん達の協力のお陰でコックピットや操縦系統は良くなりました。 電磁砲の威力は申し分無い程です。 しかし飛距離や砲撃可能までのチャージ時間の長さを改善出来れば尚良いですね。 其方のポーション作りとのリソースに問題が無い範囲で今後も協力が出来れば是非その辺も含めて────」
だから誤魔化してしまった。
本物じゃないから。 偽物だから。
欺瞞に満ちた、本物が嫌う作り話を。
「……分かりました。 後ほど研究室に伺います。 詳細はその時に」
「はい。 今回の実験結果を纏めておきますね」
そう言って、ベスターさんと別れた。
私はというと、そのまま自室兼研究室に戻る。
別に間違っていないやり取り。 大丈夫。
そう私は私に言い訳して。
頭にかかる霧を払う様に、自室の机上で羽ペンで本に文字を走らせる。
今回のレポートは少し荒々しくなったけど、報告としては十分な出来栄えだと思う。
この世界の文字を大体覚えられたのは、大きな意味がある。 こうしてベスターさん達とやり取り出来るのだから。
「失礼します」
丁度ベスターさんがやって来た。
「どうですか?」
「ええ、纏め終わったところで……」
そう言って本を渡す。
暫くパラパラという音だけが響いて、最後にパタンという音が高く響く。
どうしてか、心の内で怯えた私がいる。
「成る程。 今後の改善点は把握出来ました」
大丈夫。 何もオカシイ事はないんだ。
そう私は言い聞かす。
聞かしつつ、相手に愛想笑いを向けてしまう。
「はい。 一緒に頑張りましょう」
「ええ。 その為にも」
一方、ベスターさんは徐に口を開いた。
「少し、私の昔話を聞いてくれますか?」
「唐突ですね」
「お忙しいと思いますが、双方の技術進捗に貢献出来ればと考えての事です」
「聞きましょう」
マズイ。
何がマズイって、昔話をしたのだから其方も聞かせろ、という流れになりそうだから。
私の過去は同志にだって未だ話せてないのに。
"彼"にだって……話せなかった。
でも私は思っておきながら聞く事にしてしまった。
それは決して相手の事情を知りたいという知的好奇心じゃない。
客員だから……とすれば、それは言い訳。
きっと擬似的に私自らと向き合わないと、という考えからだろう。
そしてベスターは悟ってか、敢えて過去の話を持ち出したのだと解釈する。
「私は魔国連邦に来る前は武装国家ドワルゴンにいました」
ベスターさんは淡々と話し始める。
私は黙ってその昔話を聞いた。
王の為に尽くし、役に立とうとした事。
だけど仲間のカイジンへの嫉妬や焦りで考えが歪み始めた事。
そして功を焦り魔装兵計画というもので事故を起こしてしまった事。
その罪をカイジンに擦り付けてしまった事。
その後も嫌がらせを続けた事。
だけど延長線の先でリムルさんと出会い、事態が大きく一変。
夜の店で出会ったリムルさんとカイジンさんに理不尽な罪を着せて裁判を引き起こし。
最後は王の判決でリムルさん達は国外追放。
だけどそれで終わらなかった。
己のした事、いや、してきた真実を王は知っており、その咎めを負う事になって王の下を去らねばならなくなった。
その後、心を入れ替え魔国連邦へ。
王の側にいる事は遂に出来なくなったが、間接的にお役に立つべくリムルさんの下でポーション開発に勤しみ、遂に究極の回復薬であるフルポーションを作り出す事に成功したのだった。
「────そして今に至ります。 研究員も増えた事で余裕も生まれました。 ですから此方の研究にも協力が出来たのです」
そう赤裸々に語り終えたベスター。
偉いし、凄いなって素直に感じた。
それに……経歴は他人事じゃないから。
正に今の心境は、昔のベスターに似ている。
このままじゃ、私は似た道を……いや、もっと取り返しのつかない、また路頭に迷う道へ行ってしまうかも知れない。
「貴女の悩みや過去は存じません。 ですがもし、話したい時が来たらお聞きします。 それこそ協力出来る事であれば喜んで取り組みましょう。 そう、彼等の様に」
部屋の外。
格納庫の光景を指差され、釣られて見やる。
そこには同志達が、マインクラフターが活き活きとクラフトしていた。
壊れた通路はとっくに直り、IRPのメンテナンス作業を嬉々としてやっている。
そればかりか、自ら考え様々な案を出し合っては試そうと走り回っていた。
嫌な顔1つせず。 純粋な笑顔で、嘘偽り無く。
本物が。 輝かんばかりの本物達が。
そこかしこに溢れていた。
私は依然偽物で。 彼等の陰だけど。
願わくば。
並び立つ事をお赦し下さい。
「…………ええ。 そうですね」
────眩し過ぎて、涙が頬を伝った。
辛辣同志の心は不安定。
漫画を追い越すリスク……だけど創造サイドも進めて……。
リアル…今後…伏線…被害妄想……うっ、頭が!
(作者の心も不安定)