寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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サイドストーリーが続きます。
作者が漫画のみ参考にしている所為で(ry。

前回のあらすじ
創造主達が宇宙を目指し始めた一方、辛辣同志が"生まれさせられた"湖底研究所の謎にも乗り出す気配を見せた創造主。
リムル達も関わらねばクロスじゃなくなってしまうので申し訳程度に絡ませつつ……。

今回は地味な話かもです。


129. リムルとネザー

マインクラフターはこの世界において、主に大陸を舞台としてきた。 中には未開拓地もありクラフトの余地はまだまだあるものの、陸地に拘らず空中や水中上、果ては宇宙まで手を出そうとしている。 最後のはファンタジーに喧嘩売っている案件な気がするが、それはそれとしよう。

 

そうした寝て起きてクラフトする日々を側で見てきた連邦の村人達も影響を受けた。 例えば鍛冶屋のクロベエやカイジンは彼等のクラフトした武具や防具に唸りを上げつつ、負けじと高品質の刀剣や鎧を作っている。 それを見せつけられたクラフターも唸りを上げ、競う様に強力なクラフトを続けた。

畜産業や農業に於いては、クラフター側で急速に生産される牛や豚や馬、小麦や野菜類に村人が目を白黒しつつも、対抗する様に酪農や品質を発展させていった。

そうした違いの創造、違う世界を互いに排他的にならず尊重、共有しつつ競い合った結果、より高品質品が出来上がるばかりでなく互いの技術が組み合わさったハイブリッドのクラフトが生まれたりと、好循環が発生。 それを求めて多くの人魔が連邦へと商談や観光、勉学の為に訪れる事となる。

また、リムルに協力してクラフターが作った各国への街道が整備されるにつれ、それを利用した商人らにより優れた技術を持つ職人や武器・防具が各地へと流れ各国の販売店やギルドに卸されていき、冒険者達の戦力が強化される運びとなった。

そのお陰で冒険者の死傷率が減少。 クラフターがその事実を知ったのは大分後になってからだったが、ものづくりに関して情熱的な彼等は大いに喜んだという。

 

尤もリムル的には莫大な数値面の利益に喜び、クラフター的には街道や建造物群、クラフト品の利用率増加に喜んでいたというズレが生じていたが。

 

一方、悪い事もあった。

言わずもがな、クラフターの自由度だ。

連邦内だけなら兎も角、他国への密入国や不法建築は日常茶飯事。 コレの所為で各地からクレームが毎日の様に入り続け、リムルは前述の歓喜がパァになる被害を被り続けている。 最初の頃こそ何とかしようと通訳を通して説教していたのだが、最近は諦観ムードだ。 最早クラフターは止められない、との判断である。

その為「何とかしてくれ」という要望に関しては「本人達に言ってくれ」とか「煮るなり焼くなり好きにして良い」と返答している始末。 返信された側は同情、憤慨、相分かったと様々な反応をしたものの、解決の兆しは全くない。

 

 

「だってしょうがないじゃないか(諦観)」

「最近はね、書類の山に埋もれていると温かく感じるんだ(錯覚)」

 

 

連邦の国主はそう述べた。

言葉が通じずモラルも異なり、武力をもってしてもリスポーンして舞い戻って来るし、多くは悪意がない分、余計にタチが悪い。

 

ただ、そんな犯罪行為を働いているかの様な彼等にも良い事はある。

国の手が及ばない様な小さな集落に対しても無償で改修工事や防衛設備を施しており、そういった所からは感謝の言葉が送られている。 クレームの山に埋もれ全然目立たないのだが……。

 

そんな日々なものだから、リムル的にはこの世界に蔓延る悪意や裏事情よりクラフターとの濃い関係に毒されてしまっていた。

それでも負けまいと理解し努力をしている。 自我を保つ為もあるが、ワルプルギスでクレイマンに勝てたのも、そういう側面からきている。

 

 

「そういやアイツらの世界ってどんな所だ?」

 

 

だからだろう。

リムルがマイクラ世界に興味を持ったのは必然だったのかも知れない。

 

 

 

 

 

◾️□ ◾️□ ◾️□ ◾️□ ◾️□ ◾️□ ◾️□

 

 

 

 

 

「で、来た訳なんだけど」

 

 

リムルがネザーにいるものだから、クラフターはギョッとした。 今までこんな事はなかったから驚愕するばかりである。

 

 

『警告。 ゲートから離れるほど適応した魔素が急激に低下していきます。 これ以上離れるのは推奨出来ません』

「お前らの世界にも魔物はいると聞いていたが、俺達とは違うという事か」

 

 

とはいえ、自由に動き回ってこない。 ゲートの周囲のみを確認している辺り、軽い視察止まりなのだろう。

 

 

「しかし通訳ちゃんに地獄みたいな所だと言われたけど……確かに全体的な赤さは想像している地獄に似ているな。 どこからか不気味な鳴き声も聞こえるし。 でもさ……快適な街作っちゃってね? いや想像してたけどね?」

 

 

周囲の建造物を見てゴニョゴニョしている。

建造物の評価をしているのか。 なら嬉しい。

ゲートから出た瞬間は黒曜石のセーフハウス内に出る所為で色彩が悪いものの、外に出れば様々な建築様式を取り入れたセーフハウスが広がる街の光景が飛び込む。

それぞれがガストからの空襲に備えて連絡通路や橋で繋がれており、気が付けば集団居住地が出来ていた。

特に最近は人口と共に建造物が増えた。 ネザライト収集の為である。 ダイヤを越えた装備を作れる素材だ。 エンチャントと合わせればミリムにも勝てるかも知れない。 今まで負荷分散の事を考えてきたが、一転攻勢のチャンスに群がった形だった。

 

 

「こことは別に青空広がる世界があるらしいな。 そこが元々の世界だとも聞いてるが、今のままじゃそこまで辿りつけそうにない。 今はこの辺をウロチョロするのが限界だからな」

 

 

ネザライトの剣を欲する者は多くいる。

クラフターなのだから、真新しいモノに手を出すのは当然の行為だ。

故に取り合い競争が加速していて、辛辣同志の要請に応えられるか微妙だ。 それ以前に荒らしに利用される心配も危惧している。

 

 

「───世界から世界を渡り歩いて、その場その場で色々工夫して開拓して建築して。 やっぱお前らスゲェよ。 宇宙にだって行けるかもな……ただ」

 

 

リムルを見た。

同じ心配をしてか険しい表情だった。

 

 

「あの子を悲しませる事はするなよ」

 

 

当然だ。 クラフターは頷いた。

荒らし許さん慈悲は無い。

もしネザライトの剣を装備した荒らしが出てきたその時は、目には目を。 毒で毒を制する様に此方もネザライトで応酬する。

もしくは集団で囲い込む。 マルチだ。 味方はいる。 その中には当然、リムルも含まれる。

 

 

「俺も協力出来る事はするさ。 お前らの力は悪い事ばかりじゃないからな」

 

 

ハァンと鳴いてリムルはゲートに消えた。

次はゆっくり観光して欲しいと思う。

さてもネザーの需要は高まる一方。 ネザライトもそうだが、辛辣同志が星の世界を目指す話も大変面白い。

どうやって行くつもりか知らないが、ひょっとしたらネザライトがヒントになるやも知れない。

そう思ったら俄然やる気が出てきた。 クラフターはツルハシとスコップを振り回す。

ひとつの素材から生まれるのは剣や防具ばかりじゃない。 ボートやトロッコの様な乗物だってそうだ。

ネザライトが果たして乗物の類に使えるかは分からないが、分からないからこそ研究の甲斐があるというものだ。

 

そうだ。 研究といえば。

 

きな臭い話もある。 湖底研究所だ。

辛辣同志がかつて所属していたらしいのだが……荒らしの温床の疑いがあるとかで、向こうの同志が調査を開始した。

此方はネザライトひゃっほい中毒で応援するしかない。 だがもし前回の様な非常事態になるならば参戦もやぶさかではない。

 

同志から出た錆は身から出た錆。

 

───その時、リムルは助けてくれるだろうか。




リムルがちょっとネザー覗くだけでした(殴。

辛辣同志絡みの話が続きます……。
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