クラフターサイドが続きます。 研究所攻略。
申し訳程度の転スラ要素でリムル同伴。
銃や戦車が登場。
湖といっても、転スラ日記に出てきたものをイメージしています。 巨大魚が跳ねた描写がありますので、広さだけでなく水深もあるのだろう、と想像しています。 つまり妄想(殴。
ほぼ漫画に追いついている以上、小説やスピンオフを参考にするべきかもですが……齟齬が発生するのと設定が大変そうで手を出し難くてですね……(言い訳。
クラフター戦。
それは同格能力者との鍔迫り合い。
決め手は数より機転、創造力と立ち回りの違いとなる。
───不倶戴天殲滅!
───突撃! 施設を制圧だ!
───奪える技術は奪え!
───ヒャッハー!
───汚物は消毒DA!
そして此処、湖底に沈む研究所内外で勃発。
不穏だとして荒らし認定された湖底研究所は今、クラフター同士の戦場と化した。
先ず陽動組が研究所の水面にボートで接近。 注意を逸らしている間に工作組が水中用ポーションと透明化ポーションを駆使、外壁に接近。 砂や砂利を混ぜて水中でも地形破壊を引き起こすTNTを即席で作ると、壁を爆破。 大量の水と共に攻略組が施設内に雪崩れ込む。 そのまま抜剣して剣劇を開始、戦いの火蓋が切って落とされた。
攻略組は電撃的に中枢部を目指す。 水中神殿と異なり壁は妥当な速度で破壊出来るから容赦なく破壊し最短ルートを開拓。 問題は相手がガーディアンではなく同じクラフターである事。 行動パターンが複雑なのだ。
───敵襲! 応戦しろ!
───各セクター対応急げ!
だが相手とて腐ってもクラフター。
ダイヤ装備でもって応戦。
防衛設備の砂利シャッターやピストンを起動し侵入者の行動を阻害。 迎撃用ディスペンサーを作動させ、ファイヤーチャージや毒矢が放たれる。
交渉なんてものはとっくに決裂している。 単純に水に流す事も出来ない以上、互いに潰し合う他ない。
───子供騙しだ!
───想定済!
───塵芥!
それを剣ガードや盾、土壁で防ぐ。 隙を見てTNTを火打ち石や火矢で着火、設備を吹き飛ばす。
剣で荒らしを斬り捨て、固まる荒らしにはスプラッシュポーションで纏めて倒し、突貫する相手に容赦なく溶岩バケツをぶっかけ足を止め弓矢でトドメ。 相手もそこそこに奥へ奥へと突き進む。
連中のリスポーン地点は不明だが、後方支援組が一応初期スポーン地点の洞窟を抑えている。 見つけ次第黒曜石に封印する手筈だ。
クラフター達は荒らしを施設共々潰しながら深部へと浸水する様に流れていく。
やがて実態が白日の元に浮かぶ時、果たして創造主は何想う。
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「説明頼む」
場所は湖畔。
そこに突如現れたリムルと辛辣同志に陽動組は狼狽えた。 都合の悪い人物がいるのだから当たり前だ。
「はい。 連中の研究所が湖底にあるのですが、良からぬモノを作ってる疑いがありまして。 それを今回制圧するつもりです」
バレている。 いや当然か。
「そうか。 洞窟にアイツらが押しかけてきたとガビルに報告を受けたが……どうやらコレと関係してそうだな」
初期地点の洞窟には村人達がいる。 いつもと違う雰囲気の同志を見てリムルに報告したのだろう。
合点がいきクラフターは頷いた。
改めてマルチにおける隠密行動の難しさを実感してしまった創造主だった。
「恐らく。 連中は死ぬと最後に寝たベッドで復活するのは既にご存知かと思います。 ですがベッドが破壊された場合、初期スポーン地点とされる場所で復活するのです。 この世界だと洞窟が初期スポーン地点になっています」
「成る程。 それで倒した奴が洞窟で復活した所を取り押さえると」
「そうです」
辛辣同志がリムルに説明している。
仕方ない。 今更止めても意味を成さない。 出来れば身内のみで解決したかったが。 後で尋問不可避である。 面倒臭い。
「しかし何を研究してるんだ? 今まで見てきた物も碌でもないんだけど」
「……ホムンクルスとか。 詳細は分かりません」
「サリオンの技術とは違うんだろうな」
話したくない事を平常心を装って話している。
創造主とて慈愛はある。 リムルとの間に入り娘の会話を止めさせた。
無理する事無いぞ、と。
「……大丈夫。 言いたいから言ったんです」
「……この子から根掘り葉掘り聞かないよ。 それより大切なのは今だろ? 手伝おうか?」
「───と仰ってますが」
そうか。 そうだな。
クラフターは頷く。 ここまできて拒否する方が面倒だ。
村人倫理に反する光景を見せるのは本望ではない。 だが蓋をした後でバレる方がマズい。 より重き咎となるからだ。
ならば使えるモノはスライムでも使うべきだ。
「あいよ。 俺とお前らの仲だ、話は後にしてやる」
リムルの笑ってない目を他所にクラフターは攻略組に連絡。 これからリムルが参戦する事を告げる。
予想通り困惑されたものの、事情を把握してくれた。 現在深度は───まだまだ沈む。
だが既に幾つかの研究室は制圧した。 面白い物も出てきたという。
「リムルさんと直接念話は出来ませんが、通信水晶越しに連絡を取り合えます」
「分かった」
ホムンクルスの件だけじゃない。
銃。 戦車……その他。
何れも知らないモノだ。
だがきっとお宝の類だ。
それらを報酬と思いつつ。
陽動組は深淵にリムルを送り込む───。
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「派手にやってるね」
水浸しの廊下にヌッと現れたリムルにギョッとしつつ、攻略組は軽く会釈した。
協力してくれるなら構わない。 今は兎に角進むだけだ。 鹵獲した武器も使用する。
「ここまで光源はなく水圧も相当だった筈なんだが……お前らはその辺関係ないんだな。 身体だけじゃなく建造物も。 今更だけど、もう普通の人間と違うだろ」
手に持ちたるは拳銃と呼ばれる武器。 研究室にボウガンに並んで額縁に収まっていた物で、弓矢と同じ飛び道具の類である。 だが使い勝手は断然良い。 ボウガンと違い引き絞る必要が無いし、連射もリロードも優れている。 同室でレシピも手に入れた。 外に出たら生産するのもアリだ。 問題なのは射撃時に煩い事だ。
「おい、その手に持ってるのって銃か!? まさか開発していたの!? 剣と弓矢が主兵装のお前らが!?」
コイツも煩い。 あげないぞ。
これはクラフターのものだ。
「通訳ちゃん、聞こえる?」
『どうしましたか?』
「アイツら、拳銃なんて持ってるんですけど!? ボウガンはまだ理解出来るけど、銃とか思いっきりファンタジーに喧嘩売ってる武器なんですけど!?」
『拳銃? 東の帝国で量産されてるという?』
「……え、あるの? なら良いかー、ってなるか! アイツらの手に渡ってる時点で安心の欠片もないんだよ!?」
『たぶん、帝国かどこかから手に入れたのでしょうね。 それをここで研究していたのかと。 ひょっとしたら既に派生した武器を開発しているかも知れません』
「また悩みの種を植え付けられた……」
『今は進むしかありません』
リムルが荒ぶっている。 いつもの事だ。
だが今は集中して欲しい。 遊びでやってるんじゃないんだよ。
「なんかゾンビ出てきそう」
『連中はゾンビより恐ろしいですよ』
「だろうな。 頭に剣ぶっ刺しても生きてたし」
創造主は鹵獲した拳銃を右手に、盾を左手で構えつつ前進。 飛び出してきた荒らしを弓矢の要領で撃ち抜く。
連射する事で接近を阻害し、同時にそれなりのダメージを与えられる。 だが土壁程度で防がれてしまう。 改善点だ、とクラフターは思考する。 扱い易いのは良い。
「初めてとは思えないセンスだな……いや、実銃の事は知らんけど。 片手でそう簡単に当てられるものか?」
『説明書を読んだんじゃないですか?』
「そんなもの転がっていた様に見えないんだけどね……仮にあっても読んだだけで上手くならないだろ」
『まぁそこは……連中の十八番かなと』
やがて向こうも銃を使ってきたから、撃ち合いに発展。 狭い通路だから倒す他ない。
……とはならないのがクラフター。 土壁で防壁を展開。 弾を防ぎつつ時間を稼ぐ。
「うわー……まさか銃撃戦を見る時が来るなんてね……俺が変わろうか? スライムの俺ならたぶん大丈夫だから。 てか、ここまで俺何もしてないんで少しは活躍を……」
その間に外壁を同志が掘り進む。 既に湖底より下な為、水が噴き出して来る事は無い。 バイパストンネルを掘ると、敵の背後に出る。 そのまま無防備な背中を安心信頼の必殺ダイヤ剣をお見舞いして殲滅。 脆いものだ。 次だ。
「うん分かってたよ? 俺がいらないのも」
『見届け人、相番が必要かと』
「打設じゃないんだからさ……」
横に並ぶ個室を虱潰しに制圧。
ベッドがあれば即破壊。 チェストがあればトラップチェストを警戒。 注意しつつ解体して中身をぶち撒ける。 適当に奪取した後は火打ち石で焼却処分。 吟味している暇はない。 進む。 自爆されたりIRPみたいな秘密兵器でも出されたら堪ったものではない。
簡易な砂利シャッターや障害物をTNTで吹き飛ばし、黒曜石が充填された廊下は外壁を壊して迂回。 その内格納庫と思われる場所に辿り着く。
此処で開発されたIRPは施設の外に放置されているのは確認済なので、別の兵器用だろう。
で、そこにあったのは変な乗り物だった。 鉄の塊の様であり、長い筒が水平に生えている。
「どこからどう見ても戦車です。 本当にありがとうございました」
『リムルさん、しっかり……』
搬出路が見当たらないので、たぶん此処も実験、工作室の類だと見た。
今は遊んでる場合ではない。 役立つなら乗り込むが、今はレシピだけ持ち逃げする事にする。 まだ先がある。 インベントリは既にいっぱいだ。 余裕も無い。 進む。
やがて最深部と思われる大部屋に出た。
薄暗く、中央には醸造台。
その周囲には腐った肉が散乱している。
「今度は……なんだよ、これ……」
近くのチェストの中身は腐肉と骨。
何か。 スポナーを利用したトラップタワーでもあるのか。 その共用レベルに溢れている。
まぁ仕舞われている分は良い。 だが散らかっているのはいただけない。 下手すると世界に負荷を与えている。 ここを管理していた奴は反省して欲しい。
……調査員が発狂したのは、ここの負荷の所為かも知れないな。
「俺がスライムじゃなかったら吐瀉してるところだ……で、こりゃ何の真似だ」
『どうしましたか?』
「肉が散乱した部屋に出た。 悍ましい光景だよ」
『…………』
「すまん、大丈夫か?」
『……醸造台はありますか?』
「それっぽいのが置いてある」
溶岩バケツで一面を処分。
同時に光源を確保。 周辺を探索。 薬の開発記録でも残置されていれば回収する。
例えば完全回復薬なるものや、蘇生薬だ。 村人に出来るなら我々も出来る筈だ。 そういった研究をしていた可能性がある。
……にしては何故腐肉が散乱しているのか。 腐肉が材料になるとでも云うのか。
クラフターは首を傾げた。
『告。 これは───』
「大賢者、みなまで言うな」
『……出来れば破壊を』
「わかった。 この件は内密にしておこう。 悪魔より悪魔的な光景だ、一刻も忘れたい」
『後悔してますか?』
「してないと言えば嘘になる。 正直に言えば付いてこなきゃ良かったよ」
『すみません』
「通訳ちゃんが謝る事じゃない。 コイツらの仲間がやらかした事だ。 さて……此処を片付けたら色々聞かせて貰おうかね」
荒らしは目論見通り洞窟でリスポーンしたらしい。 そこを待ち伏せ同志が確保。 黒曜石に順次ぶち込んでくれている。
外は大丈夫そうだ。 ならば此処の始末だ。 ほぼ制圧したと見る。 後は燃やす物を燃やし、奪取出来る物は奪取。 施設は……折角こんな深部に建設されているのだ。 全て破壊し尽くすなんて勿体無い。 とはいえ不便な場所なのも否めない。
よし。 湧き潰して放棄しよう。 何かに使うアイディアが生まれたら戻って来るのでも良い。
クラフターは水中呼吸のポーションを再度飲むと、ボートで浮上した。
結局謎は謎のままに。 辛辣同志がスポーンした経緯も分からず仕舞い。 いつか分かると良いが。 いやどっちが幸せだろうか。
何にせよひとつの悪は潰した。 収穫もある。 今はこれで満足しよう。
暗闇から光を徐々に浴びていく。
その中でクラフターは夢想した。
得られたクラフトからアレよコレよとするのが今から楽しみだと。
腐ってるのは果たして肉だけだったのでしょうか。
物作りの世界の善悪は人それぞれある事でしょう。
銃や戦車が今後どう影響するのかしないのか。
とはいえ、あまりクラフターサイドも良くないですよね……web小説を参考にしようかなと考えてみたり。
もしくは失踪(殴殴。