寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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漫画だと第6話、運命の人。
やっと彼女の名を出せそうです。

味薄かも。


9.胸囲とパールモドキ

 

「打ち上げぇ?」

 

 

暫し。 剣のエンチャントについて妄想しているとハァンが響く。

スライムと村人だ。 またも交渉している。 何でもありだ。 羨ましくある。

 

 

「ああ。 リムルの旦那のおかげで無事に納品できたんだ。 ご馳走させてくれや」

「いいよ、そんなの。 味覚ないし」

「綺麗なお姉ちゃんも、いっぱいいるから」

「そそっ。 若い娘から熟女まで!」

「……仕方ない。 付き合ってやるか」

 

 

何処かへ案内される。 またか。 次はナニを見せてくれるというのだね。

観光ガイドがいるのは大変有難い。 クラフターは内心感謝しつつ、付いていく。 再び建物に入った。 村人に群がられた。

耳が尖っている。 綺麗な服を纏う。 胸が膨らんでいる。 また新種か。

この世界には何種類いる事か。 まだ見ぬ生物群を考えるとワクワクしてしまう。

 

 

「いらっしゃいませー!!」

 

 

喧しい。

 

 

「うっひょーーーーー!」

 

 

スライムも喧しい。

しかし魂の奥底から響かせる。 確かに内装は素晴らしい。 煌びやかだ。 参考にしたい。

 

 

「うわぁ可愛い!」

「FOOOOOOO!!」

 

 

スライムが抱かれた。

勇敢な村人だ。 何でも食うのを既に知り得ているクラフターとしては、見ていてハラハラドキドキだ。

村人が食われるのはどうでも良い。 ただ結果として村人に擬態されたら見分けが付かない。

村人は大勢いる。 森の中から1本の木を見つける行為は困難だ。

半自動釣り装置の様に、スライムホイホイなる装置は作れないものか。

 

 

「えーと……楽しんでくれてるみたいでなによりだ」

 

 

皆が席に着く。 椅子も豪華。 どうしたら作れるのか。

持って帰れないか。 駄目か。 疑問が積もる。 楽しい。 我々に対する挑戦は続く。

 

 

「いや本当、旦那には感謝してるんだ。 お陰でドワーフ王への面目が立つ」

 

 

我々も座る。 羊毛だろうか。 知れない世界を尻に敷く。

 

 

「しかし恐れいったよ。 俺の渾身の一振りが、まさか数秒で量産されちまうとはね」

「カイジンの一振りが素晴らしかったからな。 俺はそれを複製しただけだ。 あんたは最高の職人だよ、カイジン」

 

 

お酌された。 飲む。 美味い。

ポーションの一種か?

状態異常を受けた。 口内に独特の刺激。 視界が僅かに歪み、宙に浮かぶ感覚。 しかし不思議と心地良い。

 

 

「それでな旦那。 村に来ないかと誘ってくれただろ? あれなんだが……」

「あ、ママさんさっきの美味しいのおかわりもらえる? 此奴らにも同じく」

「お、おい旦那!?」

「……もう十分見返りはもらえた感じだしな」

 

 

これも作りたい。 あれも作りたい。

気分が高揚する。

飲んだからといって攻撃力が上がる気がしないが、人生に潤いを齎す。

あ。 またお酌された。 戴く。 お辞儀して礼を述べる。

 

 

「ねぇねぇスライムさん、水晶玉で占いやってみない?」

 

 

村人が球体を持ち寄る。 今度はなんだ。 エンダーパールか。

いや違う。 色もだが。 鉱物を加工した物に感じる。 建材では無い。

ツールか。 ならばどんな効力があるというのか。

 

 

「何を占ってくれるんだ?」

「そうねぇ……運命の人とか!」

「え"?」

 

 

パールモドキにナニかが映る。

子供村人複数に、左目辺りに模様が有る村人が動いている。

どう云う仕組みか。 球体の中に村人が住んでいるとは思えない。

 

 

「もしかして……爆炎の支配者、シズエ・イザワじゃねえか?」

「有名なのか?」

「ギルドの英雄だよ。 見た目は人間の若い娘さんだが何十年も活躍してたんだ。 今は引退してどっかの国で若手を育ててるんじゃなかったかな」

「英雄……いざわしずえ……井沢静江? どう考えても日本人の名前だよな」

 

 

採掘していれば、それっぽいのを見つけられるだろうか。

僅か1つ処から様々な疑問と興味が湧く。 楽し過ぎる。 休まる暇がない。

 

 

「運命の人、気になるんだ?」

「同郷者なら会ってみたいな」

 

 

カランと音がした。

また村人だ。 今度は神経質そうだ。

 

 

「おいマダム! この店は魔物の連れ込みを許すのか?」

「まずいな……大臣のベスターだ」

 

 

ツカツカ歩いて来る。 手には水の入ったガラス容器だ。

アレなら作れる。 ポーションの空瓶だ。

しかし用途は何だ。 醸造台は見当たらない。

あいや、無くても構わないが。

 

 

「ふん!」

 

 

次の瞬間。 頭上でひっくり返された。 ずぶ濡れになった。

そうか。 そういう用途か。 火薬を使わずして浴びるときた。

スプラッシュポーションみたいなものか。

 

 

「魔物を連れ込んだのはお前らだろう。 頭を冷やした方が良い……え?」

 

 

瓶を奪う。 残りを飲み干す。 やはり駄目。

浴びても飲んでも効果が無い。 ただの水。

ガッカリした。

 

 

「ま、まぁ良いでしょう。 反省したなら改める事です」

「やいベスター! なんて口の利き方だ!」

「これこれはカイジン殿。 こんな所で油を売っていて良いのですかな?」

「納品なら済んだぞ」

「え……そ、そうですか。 流石はカイジン殿ですな。 まぁそれ位出来て当然でしょう」

 

 

村人同士が揉め始めた。 新参が不利だ。 しかし何故揉めた。 水の意味なき使用に憤慨しているのか。

だとしたら悪い事をした。 水が欲しいなら作ろう。 無限水源を。

 

 

「よくも恩人の連れにケチつけやがって……ん?」

「貴方こそ誰に向かって口を……へ?」

 

 

部屋の隅に無限水源を作る。

掛け流し風にする。 既存内装に何とか合わせた。 これで満足して欲しい。

 

 

「……あー……ごめんママさん」

 

 

スライムが静寂に一石を投じた。

白けた事へ配慮された。 持つべきは友である。

 

 

「……なんだ此奴らは!?」

「俺も知りてぇよ」

「ママさん……コイツら悪気は無いんだ。 ナニ考えてるか分からないだけで」

「まぁ。 それは良いのですけれど……綺麗な物を作ってくれましたし」

 

 

微妙な空気になる。 また内装が気に入らなかったのか。 無念だ。

かと思えば苦笑される。 謎だ。 そのままにして置こう。

 

 

「此奴らをそのままにはして置けない。 連行する」

 

 

また何処かへ案内された。 素晴らしい。

いやー、ここの村人は親切心があって良い!

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