「一部の創造は闇に葬られましたか」
事後処理班以外は連邦に帰還したが、そこでも面倒事は続く。
今なんて辛辣同志の自室で事情聴取ときた。
される覚えはない。 するなら研究所の連中にだけして欲しい。
「クラフターの時点で信用が無いのもありますが、現場にいたなら皆で情報共有するべきです。 アナタがやらかしてないにせよ、仲間が命だったものを辺り一面にぶち撒けていたことに変わりありません。 ナリを聞くのは当然でしょう」
一理ある。
だが我々は本当に知らない。 どちらかと云うと君の方がアレがナニか知っている。
……研究所の連中はなんと?
「連中は黒曜石の中で黙秘を続けています」
そうか。
だが拷問ついで、復讐したか?
「何を今更。 殺しても復活しますし、往生際にも反省の色ひとつなし、何より後味悪いし。 他の手段を取ったところで───仮にも親ですよ。 言いたい事は言わせて貰いましたけどね」
溜め込んで壊れるより何より。
「茶化してるならやめて下さい……アナタ達も知らないとなると、今は分かる事を纏めるしかありません」
続けてくれ。 情報共有だ。
「……分かっているのは全体の一握り。 良からぬ研究がされていた事、その殆どが機密保持の観点から破壊された事。 あの肉塊が散らばる部屋での研究を含めて、その他様々な技術が行方不明といった感じです。 資料も燃やされたのか存在を確認出来ません。 下手すると研究所だと言われなきゃ何の施設か分からないレベルに」
そんなにか。
「はい。 アンタらが回収した銃や戦車の技術なんて些細でしょうね。 後は研究者の頭の中。 いっそ荒らしの頭から情報を抽出する技術を探した方が早いかも」
やめろ。 いつか荒らしになるぞ。
「冗談です。 そこまで悪趣味じゃありません」
そうであれ。 "彼"が悲しむ。
それよりも宇宙開発があるだろう。
健全なクラフトをするべきだ。
「そうします。 それで……研究所跡地はどうするつもりですか? リムルさんに設備を破壊されましたが。 何人か居残ったみたいですね?」
使える物を暫く漁る。 その後放置。
良い案が出たら改修する。 あの深度に建物を造るのは面倒だからな。 アイディアが出たら利用しない手は無い。
それに残置物……連中のIRPが湖底に放置されている事だ。 消されたクラフトはどうしようもないが、利用出来るものは利用してやる。 その方が創造物も報われる。
「アンタ達まで荒らしにならないで下さいね。 既に世界を荒らしてると思いますが」
ひと言余計だ。 気を付けるが。
「これ以上現場調査しても収穫はないかも知れません。 銃や戦車の技術が何処から流れてきたのか調べられるなら、或いは……」
仮に判明しても全ての解明には繋がらない。
なに。 今ジタバタしても仕方あるまい。
目標の施設は制圧出来た。 すべき事は別にある。
「なんです?」
銃や戦車のクラフトだ!
いやぁ、折角レシピを手に入れたんだ!
クラフターとしてクラフトしない手は無い!
「リムルさん可哀想」
構う事はない。 やっちまうだけだ。
でなければ淘汰されてしまう。
今のままではIRPより劣るだろうが、改良しエンチャントすれば化けるかも知れない。 何より生産出来るならデカい。
ずっとIRPの非効率性や弱点、数多の魑魅魍魎に対抗する術に悩めていたが、その埋め合わせになるなら素晴らしい創造になる。
「居場所を作るのに技術や武力は必要かも知れません。 ですが行き過ぎた力が敵になるかも知れませんよ」
敵は倒す。 作りたい物を作る。
それだけだ。 いつも通りに。
「……健全?」
……個人差があるのは認めるしかない。