寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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本編に戻らねば……。
感想で言ってくれた方もいましたので、web小説版を参考にしようかなと思ってみたり。
ただその際、齟齬が発生するかも知れません。 ご注意下さい。

ヒナタ達VS.クラフター。
前回は毒で倒しましたが今回は?


師匠と弟子
136.ヒナタと再会


 

「西方聖教会の件は聞いています」

 

 

ヒナタを待ち構えるべく街道の封鎖作業中、シオンと取巻きとすれ違う。

リムルの指示なのは想像に固くない。 方角的に後続を抑えるか。

 

 

「別働隊はお任せを! リムル様とアナタ達が愛する魔都には1人足りとも入れさせませんよ!」

 

 

クラフターは去り行く彼女に頷いた。

成る程。 シオンなら大丈夫だ。

リムルも分かっている。 これは毒砲撃を喰らわせて良いという意思表示だ。

 

 

───そんな訳ないでしょうが!?

 

 

辛辣同志が念話して来たが無視する。

それよりも、とクラフター。

街道を木フェンスで封鎖。 前後に水流を作り進路を阻む。 後方には予備武装入りシュルカーボックスやリスポーンの為のベッドが鎮座。 ボウガン、弓矢組に手作り戦車もある。

インベントリも決戦仕様。 上位金林檎に牛乳バケツ。 ダイヤ防具とドーピングは当然で、1番腕が良い奴は必殺ネザライトの剣に不死のトーテム装備。 他は良くも悪くも馴染みあるダイヤ剣。 弓矢に雪玉もある。 TNTも勿論だが試作銃も持ち込んだ。 その他様々も。

従来の創造物は長年に渡る信頼が築かれているが、まだ不慣れな銃や戦車といった新たな物も取り入れる姿勢を崩さないクラフターであった。

 

 

「やっぱりいるよ」

 

 

リムルが飛んで来た。

会合時同様、スプラッシュポーションでドーピングして金林檎を渡しておく。

前回の様に傍観は許されない。

戦えという我々からの意志表示だ。 伝わったのか林檎を食う。 今回は人並みの速度で。

 

 

「ご親切にどうも。 今回はワルプルギスより骨が折れそうだがな。 何せ相手はヒナタと完全武装の精鋭だ……だからって毒漬は勘弁だぞ。 出来れば活かせよ」

 

 

潰す。

出来ない事はあるまいと思われた。 正々堂々挑まねば幾らでも殺り様はある。

腕は劣るが数は此方が上なのだ。 マルチクラフターを舐めるなよ。

しかし、どうにも勿体無い気がして、クラフターはスニーク姿勢で逡巡した。

 

 

「シズさんの教え子なんだ。 ただ本気で殺しに来るなら多少痛め付けて構わない」

 

 

折角実験に協力してくれた人物だ。

マルチクラフターとして、安易に殲滅して良いものだろうか。 彼女の友好度を上げれば利益を上げられる打算がある。

 

 

「そうならない様にイングラシアからシズさんを呼んで説得させる方法もあるが、これは俺とヒナタの問題だからな。 無理に巻き込んで悲しませたくない」

 

 

仲良くなれば堂々ルベリオスに入国出来るツテになるやも。 叶わずとも1歩下がったイングラシアで陽の当たる生活を赦される。

取らぬ獣の皮算用だと思いつつ、その可能性はクラフターの決断を躊躇わせるに十分だ。

ヒナタ達教会連中がガチの荒らしなら何の迷いも無かった。 結託なんて以ての外であり選択肢に含まれないからだ。

 

 

『お言葉ですが、リムルさんとヒナタさんが殺し合う方が哀しまれるかと』

「個人的な付き合いだけじゃない。 向こうは教義が、俺は国がある。 守るもの、譲れないものがある」

『正義のぶつけ合いをするなと言いませんよ。 ですがね、譲歩出来ないほど子供じゃないんですから』

「迷わすな」

『楽な方に逃げてるだけでは?』

 

 

よし。 こうなったら最恐さんだ。

必殺説教人シズである。

イングラシアで思い出した。

シズなら上手く取り合ってくれる。 剣の腕がヒナタより上とは思えないが、謎の威圧感は半端ない。

問題は所要時間だ。 ここまで距離がある。

いや悩んでいる時間が勿体無いと、イングラシアの地下に潜伏している同志が自由学園へ向けて駆け出した。

透明化ポーションも省略したものだから、教会の駐屯兵に追い回された。 だが構ってられない。 無視する。 ファルムスの絡みか数が少なく感じるし。

 

 

「常に楽に好き勝手してる連中よりマシさ。 まぁでも……善処する」

「頼みます。 馬鹿達も好き勝手ながら援護しますから」

 

 

遠方から合戦の音が聞こえ始める。

後発隊とシオン達が殴り合い始めたらしい。

一部の同志もついて行ったから、連中はひと足先に楽しんでいる。 数もいるから尚更だ。

だが此方はボスクラス。 雑魚なんて目じゃない。

そして、来た。 ヒナタと取り巻きが。

 

 

「久し振りね」

 

 

馬から降りて傍に退かす辺り善良だ。

取り巻きもだ。 知らない顔だが強いと思う。

 

 

「おう。 で、後方でドンパチしてる100名程の騎馬隊は何だ? 話し合いにしちゃ穏やかじゃないよな。 早く退かせろ」

「……命令違反? いえ、やはり七曜が……」

「うん? まさか知りませんってか?」

 

 

ブツブツ鳴き合い始めたものの、結局互いに剣を構えた。 取り巻きは特に殺る気に満ちている。

仕方なし。 シズが来るまで互いに死なぬ様気を付けよう。

クラフターは抜剣。 ヒナタらを囲い込む。

歓迎会の準備はしていたのだ。 主菜はネザライトの剣です。 副菜には隠し味に戦車や銃が混ざっております。 たっぷり味わい下さい。

 

 

「多勢に無勢ってか? 舐めるなよ!」

「青い剣と鎧は情報通り。 でもあの黒く禍々しい剣は一体なに!?」

「怯むな。 聖魔法と教義の前では無力だと教えてやれ」

 

 

取り巻きが吠えて煩い。

其方はダイヤ装備で相手取る。 ネザライトの剣持ちはリムルと共にヒナタを接待。

後方の副菜組は戦車やキャノンの準備をしている。 照準は雑だ。 実験も兼ねて2、3発は撃ちたいが、またリムルには犠牲になって貰おう。

辛辣同志の操縦するIRPもいる。 これだけのクラフターと戦力だ。 簡単に当防衛線が陥落する事は無い。

 

 

「まぁ始めよう。 剣戟しながら話し合おうぜ」

「……魔物と取引はしない。 それが静江さんの姿をした者と恩師達でもね」

 

 

踏み込まれた。 速い。

すぐさま丸石で防壁展開。

ヒナタは飛び跳ね壁を越え、そのまま飛翔斬を喰らわそうとしてくる。

 

 

「俺を忘れるなよッ!」

 

 

が、空中にいる内にリムルが刺突。

上空で火花が散ったが、クラフターは構わず効率強化エンチャントを施したダイヤスコップで穴を掘る。

ヒナタの着地地点に回り込み、タイミングを合わせて斬り上げた。

 

 

「相変わらず小賢しい!」

 

 

バックステップで避けられる。

だが態勢が崩れ易いと踏み、左手の拳銃を撃つ。

たった1人の弓矢では作れない弾幕を簡単に形成出来るのも強みだ。 煩いが。

 

 

「ッ!?」

「なっ! それは……!」

「新兵器か!?」

「おいおいおい、無闇に使うんじゃないよソレ!? 人間相手じゃ危ないんだからな!」

 

 

リムルまで煩いのも嫌だが。

だが対価として僅かに怯んだ。 隙有りと俊足ポーションの力をフルに使い雪玉を投げつつ吶喊。

自慢のネザライトの剣を振り下ろす。 躱された。

強い。 思考回路はRS信号より速い。

剣ガードでもしてくれたら、不思議エンチャントの黒炎等の効果で剣ごと丸焼きになりそうなものだったのに。

 

 

「その剣、往なすだけで危険ね。 銃といい、とんでもないモノを……」

 

 

続けて爆音。

次には、取り巻きと相手取っていた同志が地面諸共宙を舞った。

戦車砲だ。 強い。 精度に難があるものの。

だが即席クラフトで良くここまで出来たなとクラフターは微笑んで頷いた。

 

 

「おいいいいい!? 銃が駄目なら戦車を使えば良いじゃないみたいのやめろや!? パンとケーキのレベルじゃないし!」

「うおおおっ!?」

「なんだ今のは!?」

「仲間ごと攻撃するなんて薄情なのね」

 

 

リムルが煩い。 戦車をぶつけてやろうか?

運転テストもしたかったところだ。 運転手は後方ではなく前線へ繰り出す。 間も無くデカい鉄の箱が威風堂々と現れる。

 

 

「"異風"堂々すんなあああ!? というか轢き殺そうとするなよ! スライムじゃなかったら死んでたぞ!」

「馬車とは似ても似つかない……!」

 

 

駄目だった。

リムルは履帯の下敷になったが、地面に薄く伸ばす様に水色が広がったと思えば直ぐにシズの見た目に戻ってしまった。

チッ。 くたばらなかったか。 そう簡単に問屋は卸さない。

 

 

「リムル。 与える玩具は選べないの?」

「俺の所為じゃねえよ! 気が付いたら作ってたんだって! 疑うなら東の帝国にしてくれ!? アッチには銃とか生産されているらしいから!」

「厄介な事を。 でも物理的なものなら、それはそれで分かりやすい」

 

 

やばい。 近過ぎると撃ち難いぞ。

主砲の回頭が相手に追い付けない。 懐に潜り込まれたらいよいよだ。 轢き殺すなら出来そうだが、上に乗られては駄目だ。

改善点だな。 次回、迎撃窓でも付けよう。

とか思っていたら何らかの力が下から働き、戦車がひっくり返ってしまった。

身動きが取れなくなった。 放棄する。

 

 

「お前ら。 大人しく剣で良いんじゃない? というかそうして? 俺からのお願い」

 

 

ならばとエリトラ組が空から弓矢を浴びせる。

高速飛行しながらの射撃は狙い難いが、多少は安全だ。

何人か打ち落とされた。 またよく分からない攻撃だ。 魔法とやらだろう。

困った世界だ。 やれやれ。

 

 

「困った顔したいのは俺だわ!?」

 

 

素直に既存のアイテムや武器を駆使する。

いずれは銃や戦車ももっと使える様にクラフトしたいが、今は難しい。

銃も本体と弾の生産は試験的だ。 数が無い。 今なんて弾切れ。 こうなったら本体は嵩張るのみである。 さっさと違うアイテムに切り替える他ない。

 

 

「楽しそうに。 でもお喋りする時間じゃないの」

「くっ!」

 

 

ヒナタは冷静だ。 取り巻きは怯んでるのに。

戦車を無力化されたとはいえ、彼我との戦力差は数えなくても明らかだ。

いや。 勝てると踏んでるのか。 今はリムルと剣戟している。

押されているので助太刀致す。

摩天楼に設置されているTNTキャノンの調整が済んだので同志が発射。 座標計算は乱暴にしたから、リピーターは雑だ。

それにしては疎ながら周囲に着弾する。 舗装路のみならず左右の森と植林場が荒れた。

必要な犠牲だ。 仕方ないね。 それにこれで森に立ち入る口実が出来た。 良い仕事をする。 良くやった。

 

 

「どっからの攻撃だ!?」

「魔法弾!? いや魔都から飛んできてる!」

「やめてくれよ……トレイニー姉妹からの苦情が増えるんだよ……。 白樺で直すのも迷惑だから。 自然が減ってる事に違いないから」

「苦労してるのね。 同情はしないけど」

 

 

毒のスプラッシュポーションを投げても良いが、それは最後にしたい。

シズが来るまで実験したい事は色々ある。 何よりヒナタ達の反応が楽しいから、もう少し付き合って貰おうか。

 

 

『好き勝手し過ぎです馬鹿同志ッ!?』

 

 

IRPもやってきた。

取り巻きは見上げ驚愕している。

良いぞ。 その顔が見たかった。

 

 

「き、機龍……」

「一矢報いてくれようか……ッ!」

「躾がなってない様ね」

「あーもう滅茶苦茶だよ」

 

 

祭りだ。 祭りだひゃっほい。

シズが来るまで色々お披露目だ。

これだけ抑止力があるなら、相手を留めるのは難しく無い。 客には楽しく過ごして貰う。

 

……いや念の為にヒナタにはリードを付けておくべきか?




あーもう滅茶苦茶だよ(殴。
書いておきながら、えぇ……な感じになったかもです。
この先書くなら、それはweb小説みたりしながらになるかなとか思ってたり。
ただ漫画版の展開とは異なる部分があるので齟齬が発生するかも。
既に滅茶苦茶なので今更感もあるかもですが(殴。
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