寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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戦争準備期間が続きます。
でもクラフターは趣味でアレコレやってます。

宇宙の知識も無い中なので、ツッコミがあるかも……。


154.宇宙同志と戦争準備

 

 

「おのれ人間め!」

 

 

議会から戻ってきたリムルはお怒りだった。

クラフターは無視する。

政(まつりごと)なぞ所詮分からぬ。 理解したところでやる事は変わらない。

作り、壊し、また作る。

それが人生。 それが生きる道。

 

 

「コイツらより無礼な連中だった!」

「どうされたのです?」

 

 

辛辣同志が状況を確認すべく聞き取りへ。

重要な話は後で伝えられるだろうから放置。

それより今だ。 宇宙だひゃっほい。

軍靴の足音が近付こうとも趣味に吶喊する者である故に。

 

 

「イングラシアで議会が行われたんだが、呼び付けておいて一部議員連中が調子に乗って俺の事を舐めまくってきた。 後半なんて物理的に舐められかけたし。 未だに寒気がするよ」

「え? まぁ、その。 リムルさんのスキンはシズさん寄りの可愛い少女ですからね」

「やめてくれよ……」

 

 

足下の星がリムルカラーだったのはショックだ。

だが、それで開拓を止める軟弱者ではない。

ましてや宇宙という新世界を見つけた。 何故、諦観していられようか。 我々は常なる探求者でありたい。

 

 

「で、内容としては……上から目線で此方の技術を寄越せだの、衛星都市は自分の国民も出入りしてるから税金を払ってくれなきゃオカシイだの、とても国のトップに対する姿勢じゃなかった! 抗議したらイングラシアの衛兵と王子と名乗る馬鹿が上がり込んで来てな、俺を討伐しようとしやがったんだ!」

「身の程知らずですね。 魔物の恐ろしさを知らないと見ます」

 

 

辛辣同志の言葉は耳に入る。

どうやら村人に馬鹿にされたらしい。

ザマァと思った。 そのまま倒されてしまえ。

戻ってきている辺り、それは無かったのだろうが。 無念。

 

因みにクラフターを、特にクラフトされたものを馬鹿にしたり破壊してはいけない。

既に皆知っている事だが、殺されるだけなら良い方だ。 気分次第で新兵器や薬の実験台にされる。 荒らす者は相応以上の報いを受ける事になるだろう。

荒らし、駄目、絶対。

 

 

「そんで、これが一部暴走かイングラシアの意思かどうか尋ねたら、国の意思だと言うもんだから、軽く捻っといた」

「殺したんですか?」

「まさか。 日々コイツらの所為で忍耐力は鍛えられてるからな。 感謝しないけど」

「ですが、ただでは転ばなかった筈」

「国主を殺そうとしたんだ、責任は取らせたよ」

「どういったもので?」

「俺達への軍事協力、軍隊の国内通過許可にテンペストの国家連合評議会への正式参加、国家連合評議会本部と自由調停委員会本部のテンペストへの移設。 連中、青褪めながらサインしてくれたよ」

「それは認めるしかないでしょう。 というか、逆に良くソレで済ませましたね」

「多少強引にでもしなきゃ纏まるモノも纏まらんからな。 帝国が侵攻してくるというのに、危機感がまるで足りてない」

「人間とは、そういうものでしょうか。 非常事態に本性を曝け出し、その直前まで足を引っ張り合う……」

「コイツらとは別の意味で面倒なのは確かだよ」

 

 

戻ってきた、で思ったんだが。

宇宙同志はこの地に戻れるの?

ふとした疑問に創造主は首を傾げた。

宇宙船も宇宙服も試作品。 プロトタイプだ。

利便性は兎も角、安全性に不安視した。

 

 

「どうしました? 急にソワソワして」

 

 

"宇宙船と宇宙服の耐久値は?"

 

 

「はははっ、知りませんよー!」

 

 

"へ? なんで? 実験しなかったの?"

 

 

「してますよ。 宇宙で」

 

 

酷い。 なんて恐ろしい子!

創造主は震え上がった。

コイツ、親を実験台にしやがったんだッ!

 

 

「どうした?」

「いえ、ロケットと宇宙服の安全性を問われたもので」

「なんだ。 コイツらが安全どうこう言うとは思わなかったよ。 でも大丈夫だろ? 生き返るんだから」

「そーなんですよー。 なので笑ってやりました。 面白い冗談でしょ?」

 

 

笑う2人の悪魔。

村人を実験台にするのは良い。 だが己が実験台にされるのは嫌だ。

いくらリスポーン出来るとはいえ、ロストする事に変わりない。 苦しいものは苦しい。

それにクラフターには懸念があった。

死ぬより危険な場合があるからだ。

リスポーン地点。

まさか宇宙に更新じゃないよな?

 

 

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

 

 

 

 

 

宇宙同志は困惑した。

惑星軌道に乗ったのか定かではないが、小さな丸窓からは青い星が同じ大きさで視界に広がる。

だが悪く言えば、身動き出来ない。

システムが壊れたのか、うんともすんとも言わないのだ。

内部に申し訳程度に付けられた簡易な操縦桿を動かしているのだが、まるで駄目。

計器を見る。 アイテムスロットの様に並んだそれは、どれも耐久値がゼロになっていた。

どうしたものか。 直し方が分からない。 ロスト前提だったとはいえ、鉄インゴットやRSくらい用意するべきだったろうか。

せめて説明を聞くべきだった。 迂闊であった。

 

その内、酸素ゲージが緩やかに減っていく。

ロケット内の空気がなくなったのだろう。

延命処置として、宇宙服を装備。

ゲージ減少が収まる。 が、しかし。 表示は消えない。 妙な息苦しさは続く。

 

 

「調子はどうですか?」

 

 

辛辣同志から念話だ。

応える。 どうもこうもない。 ロケットは故障。

酸素はなくなり身動き取れない。 どうすれば良い。 このままでは死んでしまう。

 

 

「宇宙服は?」

 

 

装備した。 他にすべき事は?

 

 

「そのまま船外に出て下さい」

 

 

無重力空間に命綱ナシで飛び出たら、それこそなす術なしでは?

クラフターは訝しんだ。

 

 

「チッ」

 

 

チッ?

 

 

「馬鹿だと思えば、妙なところで鋭い」

 

 

つまり死んで来いと仰る。

 

 

「……ロケット側面に何かしら設置出来ませんか? 出来たら、そのまま仮設宇宙基地を建造して欲しいんですが」

 

 

相分かった。

結局建築欲に敗北したクラフター。 良くも悪くも素直な子であった。

さて。 宇宙空間での活動なんて、未経験である。 正解は分からない。 そこで空中・水上建設の要領を試みようと思う。 1ブロックの土でもなんでも設置出来れば、そこから幾らでも拡げられる。

なに。スニーク姿勢を維持すれば、きっと大丈夫。 そんな偏見と共に船外に出た。

勢い良く放り出された。 虚無の無重力空間、どっちが上か下か分からない。

 

 

「どうですか? 出来そうです?」

 

 

無理。 出来ない。 放り出された。

酸素ゲージが減り始める。 どうすれば良い。

無重力空間で手足をジタバタさせるクラフターだったが、虚しく虚無を蹴るだけだ。

 

 

「エリトラは? エンダーパールは?」

 

 

無い。 エンダーチェストに入れてきた。

リスポーン前提であった。

 

 

「ならリスポーンするしかないです」

 

 

そうするしかないか。

ピタッ、と悪足掻きを止めるクラフター。

酸素がなくなり、ダメージが入り始める宇宙同志。 潔く宇宙の塵となろう。

やがて訪れる死。 死因は酸欠だった。

残念だが、リスポーンして再チャレンジ。 そう気を取り直し復活したのだが……。

 

まさかの"ロケットスタート"だった。

 

乗ってきたロケットがリスポーン地点になっていたのだ。 最悪の事態だった。

全ロストしたから、当然宇宙服もない。

一気に酸欠になっては死亡を繰り返す。 そんなリスキルモドキの無限フルコースが始まった。

 

 

「あー。 そうなっちゃいましたか。 第2、第3の宇宙飛行士に期待しましょう」

 

 

宇宙同志は自力で青き星に戻れなかった。

生と死を繰り返し、永遠に宇宙空間を彷徨うのだ。

そして死んでも死にきれないので、そのうち宇宙同志は考えるのをやめた。

 

ただ目眩く創造の妄想と意欲はあったので、消え失せる事はなかった。

 

 

 

 

 

■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■

 

 

 

 

 

「それはそれとして」

 

 

リムルは宇宙同志の件を聞いて案ずる事もせず、寧ろ生き生きと上機嫌。

流石スライム野郎。 血も涙も無い。

 

 

「そんな顔すんなよ。 なに、次の打ち上げで助けに行けば良いだろ? 大丈夫。 お前らなら出来る! 俺は俺で帝国に対処しなきゃだから助けられないけどな。 ま、頑張れよー!」

 

 

粘着ピストンに加工したい、その笑顔。

ドロップ増加剣で斬り付けたい。 だが我慢。 地上は地上でやる事がある。 宇宙ばかり見上げてはならない。 大地を見なければ。

 

リムルも、どうもその様子である。

辛辣同志も付き添う。 帝国絡みだろう。 解決したら宇宙に集中したい。 平和が1番。

軍事部もいるし、心配していない。

 

 

「そうは言いますけど……大賢者さんに聞いたのですが、リムルさんの世界における宇宙事故事例に"そういった例"はまだ無いとか。 飽くまでリムルさんの記憶領域内での話だと思うので、実際はどうか知りませんが」

「無ければ創るんだよ通訳ちゃん!」

「まぁ、実験も兼ねて救出するつもりです」

「そうしてくれ。 だが惜しいな。 開戦するまでに監視衛星でも作ってくれたなら、帝国の動向を探れたんだが」

「既に軍事部から案が出ています。 そのうち開発されるかも知れません」

「成る程ね。 さすがは物作りのエキスパート」

「今は戦争直前なので集中出来ませんが、落ち着いたら皆で開発を進めたいです」

「そうだな。 その時は俺も噛ませて貰おうかな」

「ありがとうございます」

 

 

こうして2人を見ると、娘が秘書に見える。

シオンより出来る女なのではないか?

流石、我が娘。

自慢? 自慢である。

 

 

「ところで」

「はい?」

「大賢者に聞いたって、どうやって? 俺のスキルなんだけど……」

「IRPの交信機能を弄ってたら、コンタクト出来ちゃいまして。 なんならハッキングも出来そうだったのですが、大賢者さんを怒らせたくなくてですね」

「は?」

「大賢者さんもマスター……リムルさんを守りたい気持ちからか、情報提供の協力をしてくれる事になりまして。 いや脅した訳じゃないんです。 向こうから申し入れがあったんですよ。 気を悪くしないで下さい」

 

 

リムルから笑顔が消えた。

流石、我が娘。 良いぞ。 もっとやれ。

 

 

「へ? ブレインハッキング? 俺、ユウキにされるみたいに思考誘導されたり洗脳されちゃうの?」

「今そこまでは……大賢者さんと、大賢者さんを介せば心身共に操れそうですけど」

「怖っ。 君達、マジ怖いよ!?」

「大袈裟ですって」

 

 

青くなるリムル。

元より青いが、人間の姿で青くなる。 これまた違った印象があるものだ。

どうも、操られる恐怖心があるらしい。 分かる。

クラフターも操られるのは勘弁だ。

その内、娘に良い様にされるのだろうか。

我が娘……恐ろしい子!

 

 

「君が味方で良かったよ。 心底思う」

「いえ、まだ成果は出てないです」

「互いに良性の成果が出る事を願ってる」

「どうも」

 

 

やがてIRP格納庫に辿り着く。

相変わらず機龍は健在。 旧式化の意見があるものの、改修を繰り返し強化した。

ここまで述べた機能に加え、機動力、不整地での走破性能、高所落下時の衝撃緩和能力も改善している。

だが量産は最早難しい。 核となるBBは1つしかないのもあるが、高性能化によるハイコストは無視出来ない。

自前でボディだけ造ろうにも、村人の技術も盛り込まれた混血型は真似出来ない。

無理矢理造れば、劣化版ともいえない御粗末な仕上がりになってしまいそうだ。

例外として水中用試作機があるが、あれだって試験運用に漕ぎ着けなかった。 時期が悪かったのもあるが。

 

 

「コイツも頭数にしたいんだが、大丈夫?」

「大丈夫です。 常に改修やら実験やらで緊急的な動きは出来ませんが、戦時は動かせる様にして見せます」

「ありがとう。 それと、ロケットなんだが」

「必要とあらば軍事利用しても」

「すまんな」

「国家存続の方が大切ですから。 軍事部も使える物は使う腹積りです」

 

 

クラフターは頷く。

軍事部に限らず、使えるものは使う。

そうでなければ、シオンの汚料理を兵器転用しなかった。 アレを超える兵器は中々ないだろうとすら考えている。

軍事部にシオン級を見せた時を思い出す。 その恐ろしい威力に皆震え上がっていた。

 

 

「……女の子の夢と技術を戦争に転用、か。 仕方ないの一言で済ますには少し重い」

「気にしないで下さい。 また作れば良いのです。 創造物そのものも、使い方次第で毒にも薬にもなる事でしょう。 使い手の問題です」

 

 

ロケット……ミサイルにアレを詰め込んで世界中に打ち込めば、世界は汚料理に包まれる。 そうすれば青い星は紫の星に変貌だ。

下手すると宇宙より過酷な環境になるやも。

改めて恐ろしい兵器だ。

 

 

「後は軍事部が用意した戦車や銃が戦線に投入される予定です。 既に帝国領手前に小規模な部隊が展開しています」

「さっきから出てくる軍事部って連中、手際良さそうだな」

「サークル活動みたいなものです。 好きでやってるだけですよ」

「好きで戦争をするのね。 怖い連中だ」

「荒らし行為は避けてますがね。 だから向こうから手を出してくるのを待ってるんです。 正当防衛だの正義だの報復を理由に戦えるので」

「ウチとしては戦力があるのは嬉しいからさ、迷惑掛けてこなきゃ良いよ」

 

 

そう考えると、宇宙を脱出先の候補になるのか。

問題点は同志の事故含め色々あるものの、解決すれば様々な星を股にかけられる。 そして新たな定住地を築いていける。

或いは軌道上に基地を創り地上を監視するなり、復興の足掛かりにしても良い。 夢は広がる。 ワクワクする。

 

 

「純粋なテンペストの戦力は?」

「ベニマルを総大将に、ゴブタ、シオン、ゲルド、ガビルの軍団を用意している。 加えて悪魔の軍団が出来たよ」

「悪魔? クロちゃん軍団?」

「ブッ!? く、クロちゃんって……ククッ」

 

 

リムルが再び笑顔に。

そうか。 そうだな。 やはりクラフトの世界は良い。 リムルもクラフターだ。 分かってくれるか。

 

 

「いえその、語呂が良いので」

「うんうん。 そうだね、分かるよ。 ふふっ」

「で、その。 悪魔の軍団ってのは?」

「クロちゃんが何人か配下を連れて来たんだよ。 末席に加えて欲しいって。 明らかにクロちゃんにボコボコにされて連れてこられた感じだけどな。 なんかクロちゃんの地上での活動を何処かで見聞きして、馬鹿にしてきたとか」

「……気に入ったんですか?」

「まぁね。 ファルムス攻略とかドタバタしちゃって名付け出来なかったからなぁ。 そのままクロちゃんにしようかな」

「やめてあげて下さい。 泣いちゃいますよ。 私も責任感じちゃうんですけど」

「冗談だよ。 だから、お前ら剣向けるな」

 

 

おうおうリムルさんや。 娘を困らすなよ。

それを理由に斬り刻んでも良いんやで?

 

 

「……子供が出来たら、名付けに気を付けよう」

「へ?」

「い、いえ……その後は?」

「受肉させた。 そうしないと魔素が垂れ流しになるからな。 問題なのは受肉先だったが、迷宮でラミリスが研究している人造人間の型に受肉させてみたところ成功したんだ。 綺麗なお姉さんになったよ」

「……そうですか。 良かったです」

「あ、いや、悪意は無いんだ。 だからお前ら……剣先で突くの止めろ!? どこぞのアレな地球割ロボットじゃないんだから!」

 

 

困るなぁ。 反省してくれないと。

いっぺん死んでみる?

シズとヒナタは生き返ったんだ。 リムルにも経験させようか。 成功するか保証は出来ないけれど。

 

 

「いえ大丈夫です。 分かってますから」

 

 

娘が冷静なもので、此方も剣を下ろす。

本人達がそうなら良い。 手を出したら許さない。

 

 

「……準備は出来るだけやる。 西方諸国からも増援、正規軍や義勇兵が来ている。 長年軍拡を続けてきた帝国に対抗する為にも、数は多い方が良い。 お前達も頼りにしているからな」

「───だそうです。 頼みますよ」

 

 

頷く。

それも手を出されたら、始めよう。

先に手を出した方が荒らしだ。

そしてソイツらに勝つ。

勝たねばならない。 何故なら勝てば官軍、負ければ賊軍だからだ。

負けられない。 絶対に。 荒らしに屈したりしない。 軍事部を呼んだのも、そういう理由が強い。

 

 

「帝国の戦力って分かりますか?」

「詳細は分からないな。 ただ異世界人を保護して技術を取り入れてる様だ。 魔法科学と呼ぶべき新たな技術体系を得ている。 その点、お前らと俺達の技術を混ぜた兵器もそうだと言えそうだがな」

「試されますね。 どちらが上か」

「自信は?」

「あります」

 

 

ニヤリ、と娘が不敵に笑う。

良いよノッてきたね。 クラフターらしくなった。

 

 

「私が、私達が作った兵器です! 帝国の兵器なんて問題にはなりませんよ!」

「旧式化してるとも聞くけど?」

「馬鹿親達が旧式のまま放置するとでも?」

「そりゃそうだ。 本当、頼り甲斐がある」

「きっと活躍します」

「ロケット墜落は嫌な事件だったが」

「だ、大丈夫ですよ。 日々進化してますから」

 

 

我々もクラフター。 こうしていられない。

IRP整備班に混ざり込むと、ディスペンサーに様々な矢やらファイヤーチャージを放り込み、機関銃とやらには試験開発中の魔導弾を装填してみたり。

詰め込むだけ詰め込む。 実験している余裕がないなら、ぶっつけ本番だ。

 

 

「アイツら興奮し始めたな」

「楽しみなんですよ」

「戦争が?」

「作るのが」

「戦争だぞ。 どちらかというと壊れる側だ」

「その中で生まれるもの、得られるものがあるのです。 褒められたものじゃないですが」

「連中にとっては、戦争もひとつの手段に過ぎないんだな」

「……話変えますが、監視システムはどうしましょう。 IRPのレーダーで、ある程度周囲の状況が分かりますけど」

「いや、アテがある。 俺が開発した物理魔法にメギドがあるんだが、それを応用する」

「と、いいますと?」

「水玉を操作して、巨大なレンズと拡大された光景を鏡で反射させる。 それを成層圏界面付近に展開された同様の鏡を中継し、この地点まで映像を転送させる。 画像処理は大賢者に任す」

「成る程、その様な手が……」

 

 

どれ程の操縦性能か、操縦席に乗り込み片足を上げた。 凄い。 その姿勢を維持出来る。

ゆっくり足を下ろす。 もれなく同志が潰れた。 何故そこにいたのか。

 

 

「……大丈夫か? 勝手に操作してるぞ」

「大丈夫です。 最悪、ここから遠隔操作で強制停止出来ますから」

「あと1人、何故か潰されたけど」

「宇宙で死ぬよりマシです」

「そうだな」

 

 

レーダーや電気通信を確認。

通信はクラフターには無用そうだが、面白いから許す。 レーダーも面白い。 地下にいる所為か、あまり多くは投影出来ていない様子だが。 これも改善していきそう。 楽しみだ。

 

 

「ですが、向こうも監視なり偵察なりをして来ているのでは?」

「してるな。 既に怪しい奴が迷宮都市で過ごしてる。 冒険者共々迷宮に挑んでいる辺り、たぶん下層にある研究所が目的なんだろう。 まぁ、そこまで辿り着くのは無理だろうな。 レベルが違い過ぎる」

「リムルさんが言うならそうなんでしょうね」

 

 

戦争は技術を発展させる。

そんな気がする。 勿論、荒らしは駄目だ。 されど良い結果が得られるなら、適度な息抜き程度に戦闘が起きても良い。 闘技場の様に。

 

 

「ところでさ」

「はい?」

「アイツらに迷宮出禁だって伝えて? ラミリスに泣きつかれたんだよ」

「何をやらかしたんですか、馬鹿親は」

「松明だらけにするのは良い方で、壁をブチ壊し、改造し、好き勝手に部屋を作ったりして楽しんでいるらしい」

「一応、伝えておきます。 でも出入りを完全に止めるのは難しいかと」

「いや良い。 何もしないより」

 

 

これから始まる大戦争。

さぁ! かかって来い帝国軍!

相手になってやる! そして創造の糧となれ!




宇宙同志:(思考停止)
某原初:クフフ(心核バキバキ
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