寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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森の調査に来た冒険者と、同行していた少女と出会います。
後、ジャイアントアントとの申し訳程度の戦闘。

少女の運命に関してはオチを決めています。
ただ賛否があると思いますので、何かあれば教えてくれると嬉しいです。


11.出会いと案内

 

 

「うおおおおおおお!!?」

 

 

森が騒がしいから、クラフターは様子を見に行った。

無心に木こる事で洗われる心も、今や荒れてしまった。 原因解決に乗り出す他無い。

 

 

「カバルの旦那が悪いんでやすよ! いきなりジャイアントアントの巣に剣なんてぶっ刺すから!!」

「う、うるせーな! 俺はリーダーだぞっ」

「リーダーのくせに迂闊すぎよぅ」

「うぐ……」

 

 

現着。 周囲確認。 いた。

4人の村人が何やらデカいモンスターに追われている。

脚が6本。 強靭なキバ。 黒々している。 蜘蛛とは非なるモンスターだ。

剣は無謀か。 弓矢だ。 射抜くか。

 

 

「死んだらカバルの枕元に化けて出てやるんだから〜っ」

「ふははは、そりゃ無理ってもんだ!! なぜなら俺も一緒に死ぬからな!」

「イヤーーーーーっ」

 

 

土を積んで蜘蛛返しを作り、天辺より弓矢を構えた。

エンチャント済みで、単純な威力を上げている他、無限矢と火属性を付加しているものだ。 当たれば持続ダメージを狙える。

絞る。 的はデカい。 この距離で外すクラフターではない。

村人とモンスターに距離が生まれる。 良し今だ。 クラフターは一斉に射抜き始める。

 

 

「私が足止めを……ッ!?」

 

 

そら当たった。 燃えろ燃えろ。

 

 

「これは炎の力……でも私は何も……」

「何なの、あの炎!?」

「シズさんの仕業……じゃないよな」

 

 

苦労せず斃れていく。 有効で良かった。

未知に溢れた世界で我々の技術が通用する事を嬉しく思う。

 

……殲滅したか?

 

警戒しつつ、土を壊して村人の元へ向かう。 放心しているが無事だろう。

油断大敵。 群れる敵との殺し合いは距離や地形把握が大切だ。

死角から殺される事はしょっちゅうだ。 上から落ちてくるクリーパーとか、スケルトンに射抜かれるがままに奈落に落下するとか。

 

 

「シズさん、まだだ! 生きてる奴が……っ」

「ッ!」

 

 

いけない。 1匹倒してない。 隠れていたか。

お面を被る村人が襲われそうだ。 走っては間に合わない。

逡巡せず、エンダーパールを投げる。 村人の前にワープした。

 

 

「突然目の前に!?」

 

 

衝撃の痛みは久しく、野太い声を響かせた。

が、素早く丸石を積み立て防壁を作る。

突撃していたモンスターは間抜けにもひっくり返った。

これを逃すクラフターではない。 ダイヤ剣に持ち替え、えいやと斬り捨てる。

火属性を付加していたから、これまた燃えた。 ドロップ品は……無い。 しけてる。 萌無い敵だった。

 

 

「おーい! なに騒いでんだ……うん?」

「……スライム?」

「む。 スライムで悪いか」

「あ、いや……」

 

 

リムルが来た。 悪食を見る羽目になるかと思えば、剣を携えた村人と話し始める。

 

 

「……思ったより早く出会ったな。 運命の人」

 

 

かと思えば仮面の村人に見惚れるリムル。

倣ってスニークで見やる。 いまは仮面を外していた。 知っている村人だった。

 

 

「貴方達も炎を……」

 

 

パールモドキに映っていた村人だ。

やはりパールモドキの中にいる訳ではなかった。

では、アレはなんだったのか。 興味は尽きない。

 

 

「…………コイツらに変な事されなかったか?」

「寧ろ助けてくれたよ。 ありがとう」

「言葉が通じないんだ、コイツら。 言うのが無駄とは言わないけど」

 

 

ここは任せて木こりに戻るか。

いや。 村人達が心配だ。 こんな湧き潰しの甘い森に放置は出来ない。

それを思ったのか、リムルはお得意の村人誘導を開始する。出来るスライムだ。

 

 

「……簡単な食事で良ければご馳走するよ……俺はリムル。 悪いスライムじゃないよ!」

 

 

刹那。 仮面の村人が吹き出した。

よく分からない生態だ。 見た目こそ我々と酷似しているのに。

 

 

「どうしやしたシズさん」

「いえ、なんでもない。 それより……お邪魔しよう。 この子はきっと、信用できる」

 

 

護衛する。 ダイヤ剣を携え、左手に松明。

湧き潰しながら移動する。

 

 

「……あの人達は何をしてるのかな?」

「気にしたら負け」

「右手の青い剣、なんだ? かなり強力な気配がするが」

「知らん」

「友達?」

「悪友」

 

 

森の木々は複雑だ。 湧き潰すのに松明を無駄に使う。

だが仮に整地したところで全ての闇を払うのは不可能だ。 世界は広い。

天と地を見やれば闇に飲まれてるのは果たして地の方だ。 理想は至って遠く常に外側にある。

 

 

「松明……合点がいったでやす」

「どうした?」

「気が付かないでやすか? 洞窟の松明の規格、まさにこの人達の松明でやすよ!」

「なに!? そうか、洞窟はコイツらが」

「ならヴェルドラ消失も?」

「……ドウカナ? 俺ハ知ラナイナー」

 

 

鳴声を聞きながら街へ着く。

驚愕のハァンが響く。 良いぞ。 何度でも響かせよ。

仮面の村人は絶句している。 それもまた良い反応だと言えよう。

 

 

「な、何だこりゃ!?」

「大きな塔!?」

「森の草木で見えなかったでやす!」

「……すごい」

 

 

どうだ驚け見て笑え。 空いた顎が閉じれまい。

高層マンションにビルディング、居並ぶ摩天楼。 空をも削るスカイスクレイパー。

土地の有効活用の為、横ではなく縦に伸びた結果だ。 しかしデザインも良い。 豆腐とは言わせない。

ベランダ完備。 各階全室仮拠点セット完備。

水流エレベーターは戸惑われたが、今や使い慣れてくれた。

細やかな設備は、前に行った集落からリムルが拉致した村人達とその部下が整備している。

 

 

「都市だ……何故、今まで誰も気が付かなかった!?」

「ギリ仕方ないんじゃない? だってこれが建って数週間もしてないだろうし」

「そ、そんな短期間で!?」

「洞窟のは……彼等の片鱗だったでやす」

 

 

我々も嬉しいよ。 君達に出会えて。

褒めてくれる。 喜怒哀楽を見せてくれる。

そんな村人達が過ごす世界。

その隅で僭越ながら創造出来た事を、クラフターは感謝した。

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