(色々あった末に)ユウキの行方?
クーデターを失敗してユウキは死んだらしいのですが、簡単に終わらず。
今回のあらすじ
弟君、帝国にて。
捜索隊のクラフターもナニかしでかします。
そして始まる新ゲーム?
状況や人間関係などは、原作等で語られてますが、当作では説明を飛ばしている部分が多いので注意。
逆にご存知の方もいるかもですが、その場合は微妙な違いや、原作側で死んでいた人物が一部生存(?)している事に気付いているかも?
だからと物語に活かせるか不明ですが(殴。
弟君は帝国の地下に篭って、クラフトを駆使。 破壊活動を主として。
ツルハシで地下に空洞を作ると、仮拠点セットを整えて、周囲をブラマイ。 鉄や石炭を採掘。 夜は闇に紛れて忍び出て、軍事拠点の座標を取得。 その場では何もせず即帰還。
代わりに取得座標目掛けて地下道を掘り進め、火薬や武具等、奪える物を奪う。 残りはTNTを敷き詰めて吹き飛ばす。
マイクラ世界で学んだ事を活かしつつ、帝国の守備隊戦力を削いでいく弟君。 ただし、時に荒らしを虱潰しする一般創造主と異なり、国民に混乱を齎す事で戦争の早期終戦を狙う意味もある行動だ。
そんな、破壊の為の創造を繰り返す。
矛盾するようで、目的が明確なソレら。
何を破壊するかで作るものが変化する。
TNTが最たる例だが、石系の破壊ならツルハシを作るし、土や砂利を壊すならスコップだ。 負の言葉に聞こえる"破壊"も、その為の道具も、良くも悪くも結局使い手次第。
クラフト……"つくる"事と"こわす"事は表裏一体なのだ。
だけど、弟君は確実に壊す側だろう。
そうする事で連邦や先輩達への償いをしているのだ。 頼まれた訳でもなく自己満足に過ぎないのは自覚している。
だから、これで許されるとは思わない。 それでもだ。 何もしないでいるより良い。 そう思って動き続けた。
「火薬に砂。 TNTの材料が帝国領にもあって良かったよ。 他の爆発物の作り方や保存場所、使い方を調べてる暇ないし。 木材に関しても……不毛の土地だったら手に入らなかったな」
1人呟く弟君は、今日も地下拠点。
松明揺らめく荒削りの四角い空間。 簡単に露天掘りしたのをそのままに利用しており、外壁は石と土。 申し訳程度に形を整える為の丸石が散見。
そんな壁際には作業台と釜戸、ベッドにチェストと、仮拠点セットが設置。
コレはマイクラ世界でよく見られる光景であり、殆どのクラフターが通る道。 序盤のみならず、ベテランも冒険の先々で作るもの。
それを作れる程度にマイクラに順応している弟君。 これくらいのクラフト能力と発揮できる環境下にあるなら、サバイバルは十分可能域。 クラフターならば。
弟君はチェストを開ける。 少量とはいえ整理されず、様々な種類が放り込まれている。
それらをインベントリに移し替えると、拠点セットを解体してしまった。
「ここもサヨナラか」
普通のクラフターが聞けば、また冒険に出るのかとか、本格的に拠点に住まうのかと思うだろう。
だが状況が状況。 平時ではなく戦時。
帝国側も領内における事件解決の為に動いている。 マイクラ概念としても、同じ場所にいるのは安全ではないのだ。
「自分が蒔いた種だもん。 仕方ないよ」
そう言い聞かせつつ、掘り進めて別の場所へ拠点を移す。 そしたら、また地上で破壊工作を行う。 それを繰り返す日々。
その内に、身に覚えの無い騒ぎを見聞きする。
どうも、その犯人は松明をばら撒いているらしいから、先輩で間違いない。 今後、暗闇に紛れた行動も難しくなりそうだ。
「見つかるのも時間の問題かな」
苦笑しつつ、短い人生を振り返る。
気が付いたら薄暗い研究所にいて、先輩達の勝手でマイクラ世界へ連行されて……軍事部で色々学び、今は荒らしとして、ここに居る。
戦争には勝てる。 軍事部の先輩達がいるのだから。
けれど自分は許されない。
幼稚な理由で連邦を飛び出して、敵国に寝返り失敗し、懺悔する様に破壊工作をしている。 けれど荒らしに厳しい先輩達だ。 見つかったら容赦なく殺される。
けれども仕方ない。 仕方ないのだ。 そうなる原因は自身にあるのだから。
寧ろ良いじゃないか。 帝国や訳分からない化物に殺されるより、身内の手に掛かる方が。
「は、はは……その時はその時だよね」
人知れず、ぬるい涙が頬を伝う。
抵抗するにせよ、大人しく刺殺されるにせよ。
今は今を生きる。 問題の先延ばしでも。
幼い思考は答えが纏まらず、今日も夜が来た。
地上に這い出る。 松明で明るく照らされた帝都は、心を暗雲で覆うには十分だった。
そして、その中で別の荒らしに出会うのだ。
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マインクラフターは困った。
弟、或いは息子の創作をした創造主は帝都に捜索に来たのにも関わらず錯綜した。
創作に次ぐ捜索は創作意欲に駆られ、心中のままに松明を刺しまくる行為に走らせる。
「な、なんだコイツら!?」
「松明をばら撒いてるぞ!」
「帝都が昼間の如く明るくなっていく!」
「ええい! 衛兵急げ!」
例の如く追い掛けられる。
前に背後に側面に上に。 地面から湧かないのと壁をクラフトしない辺りは良心的な連中だ。 クラフター相手だったら足止めを喰らっていた。 そこはイングラシアでもそうであり、対応の甘さに感謝したい。
それを時に差して刺して逃げていく。 どうせ荒らしの国の荒らし組。 有名度が下がっても痛くもない。 相手も痛くないだろう。 知らない仲だし。
「ぐああッ!?」
「くそっ! 強いぞ!」
「なんだ、あの禍々しい魔剣は!」
「結界も防具も意味を成さぬ程なのか!?」
やってくる武装村人をバッサバッサ剣で斬り捨て御免なさい。 スニークする暇なく、走り抜ける。 一期一会。
決して荒らしだからとか、ムカついての無礼討ちではない。 必殺ネザライト剣を振り回すその姿は全力で、せめてなりの礼儀であった。 同時進行に松明刺すのは国の闇への指摘と私的が多分に意味しているが。
だって薄暗いじゃん、この都市。 湧くぞ。 魑魅魍魎が。 西方諸国も一部そうだったが。
「暗い場所に奴が湧く。 そして妖怪松明差シテケが現れる。 あの噂は本当だったのか!」
「マーキング行為だ、アレは!」
「ああやって、西方諸国も支配下に置いたらしい!」
「バケモノ共め!」
「だから帝都だけでも明るくしろとあれ程!」
「異世界の技術普及は急には難しいだろ!」
「連邦は、こんな魑魅魍魎の巣窟なのか。 その上で、魔王リムルは奴らを飼い慣らしている」
「恐ろしい話だ。 まさか本隊壊滅の噂や国内の破壊工作も奴らが!?」
「とにかく止めろ!」
兎に角。
発展した都市部は範囲が広い。 細かな部分を除いても松明は何スタック必要か分かったものでなし。
魔国連邦も負けず劣らず、いや連邦の方が複雑で高密度化しているものの、発展と共に松明やグロウストーン、ジャックオランタン等による照度は多くのクラフターによって確保されている。 建設中の仮設照明も抜かりない。
明るさや安全は何事においても優先される。
安全第一。 落下死? 各々注意して。
「銃だ! 距離を置いて銃を使え!」
「民間人は避難した! 撃て!」
突然、乾いた音が何発も響き渡る。
武装村人が今更に飛び道具を行使してきたのだ。
クラフターは慌てない。 左手の松明を盾に持ち替え、防いでいく。 帝国軍の標準装備を見ても、銃を使われるのは容易に想像出来た。 本土ともなれば、より強力な創造がされているだろう事も。
「退け。 ここからは引き継ごう」
「貴方は情報局の近藤中尉殿!」
「奴の仲間とは1度会っているが、危険な力を垣間見た。 あの剣も、その一端に過ぎぬであろう」
ボスっぽいのが出てきた。
たぶん、コイツが使う武具がそうだ。 挨拶に小型拳銃を凄い早さで撃ち込んできたが、盾の耐久がエラい削れた。
一部、直撃を受けた同志なんて状態異常だ。 牛乳を即飲みして正常化。
「な、なんて奴だ!」
「中尉の銃は、時に竜種ですら殺せる特殊弾丸もあるのに! 喰らっても平然と生きているぞ!?」
悪魔に核撃喰らって、遺伝子コネコネされても平気という、己と他との格の違いを確認してはいるものの……やはり駄目な攻撃は駄目という事だ。
それはそうと。
「……奇行種なだけはある。 人の身で長く生きてきたつもりだが、お前達の様な珍獣は初めてだ」
あの珍銃、欲しいなぁ。
銃、その他武具のコレクション展も考え始めている軍事部としては、アレを目玉にしてやっても良いとさえ思う。
「その目。 恐怖でもなく闘志でもないな」
交渉出来ないだろうか。 ダイヤモンドスタック単位で出しても惜しくはない。 そんな魅力がアレにある。
銃口を向けられながらも、臆せずスニーク姿勢をしつつ近寄る。 未来への投資の為に。
同志が撃たれた。 痛い。
「今頃謝罪を受ける気は無い。 既に帝都には多くの被害が出ている。 軍事施設を狙われたとはいえ、爆発物で負傷した兵も多くいるのだ。 未然に防げず、償うにも償えきれぬ罪。 あのクーデターを起こそうとしたユウキ共を殺せど国を救えず、この世界でも……貴様らに、この無念が分かるか?」
いやこれが分からない。
クラフターはベイクドポテトを散らし喰いながら首を横に振る。
何故だ。 何故、取引に失敗するのか。
ダイヤではなく、やはりエメラルドか。 あいや砂糖か。 他国では貴重と聞く。 貴重品には貴重品であるか。 あいや宝石も貴重品の筈だ。
「答えずとも良い。 始末する他ないのだ」
まあ良い。 どうせ荒らしに他ならない。
取引なんて間違っていた。 殺そう。 相手も銃口向けっぱなしだ。 敵対行為をされている以上、此方も相応の対処をするのみ。 目と目が合う。 目には目を、だ。
拳銃に持ち替えた。
「ッ!」
弾かれる様に横移動。
弾が銃から弾かれて、互いを弾き合う為に飛弾する。 目には追えぬ銃弾。 弓矢とはまるで違う弾速攻撃。
こうなると被弾する前提で動く。 先程の攻撃力は並ならぬものがある。 喰らえば防具有りとて苦戦は免れぬ。
「並じゃない動き。 数多の修羅場をくぐり抜けてきたか……全力を尽くすのみ!」
いつも通り諦めない。
それは相手も同様で、闘志を見せたと思えば、次には立派な軍服姿になった。 元よりそうだったが、此方が正装か。 或いは防具の類か。
咄嗟の盾だけでは押し切られると判断したクラフターは、丸石や土壁で防壁を設置。 弾と相手の行動を制限。
予測される回避ルートを絞り、弱体化のスプラッシュポーションを投げておく。 当たった。 都合良くいくと気持ち良い。
「くっ。 急速に力を奪われる感覚が!」
化物だらけ。 理不尽だらけの世界。
対して創造(想像)力で抗ってきた創造主。
どんな時もそうだ。 建物で悩む時も、戦闘でピンチの時だって最後まで。
クラフトの可能性を信じる。 その限りを尽くす。
今この瞬間も。 誰もが求める策を探し、先ず思いつくまま振るい舞う。
「本当に、理不尽極まる連中よ。 だがな」
相手もその様だ。
だからと譲れない。 この想いの強さは。
「2度と! 負けないッ!!」
吶喊してきた。 凄い剣幕だ。
牽制に銃弾を吐き出してくるから、咄嗟に盾を構える。 当たると、強い衝撃と共に破壊された。 ノックバックされつつ、前方に拳銃を構える。 いない。 懐に潜られたのに気が付いた刹那、胴体に凄まじい打撃音。 思わずウオッと野太い声。
ダメージが入る。 ダイヤエンチャント防具相手でも通用する量だ。 やはり理不尽な世界である。 同時に楽しい世界でもある。 それだけ想像と創造力は広がる可能性を秘めている。
クラフターは笑顔のままに、ネザライトの剣を握り直す。 即視界に映る軍服を斬る。
「ぐッ!?」
回避され胴体を掠った程度。
それでも相当量のダメージを入れられた。 その証拠に相手は苦しそうだ。
さっさと終わらせよう。 それが互いの為だ。 そして、その銃をドロップしてくれお願いします。
「負ける、ものか……ッ!」
逃走する事なく、また向かってくる。
銃を使わない辺り弾切れか。 とはいえ拳だけでかなり痛い。 わざわざ技を喰らうのも馬鹿らしい。 今度は拳届く前に拳銃弾を全てくれてやった。 流石に今度は命中していく。
花火の様に赤い飛沫を弾の数だけ上げながら、とうとう軍服は倒れた。 それでも息をしているから驚きだ。
「グッ、はぁはぁ……本当に理不尽な連中だ……これで、今度こそ、最期……後悔の念ある人生であったが、最期に……お前らに……会えたのは面白い、人生であった……」
ドドメ刺さなきゃ。
剣に持ち替え近寄ったら、プルプルした腕を上げて銃を差し出してきた。
「た、頼みがある。 こ、この銃で……閣下を───」
即奪い取る。 やったぞ。 これでクラフターのものだ。 戦後は博物館でもビルの一室でも借りてマイクラ軍事部展示会を開こう。 額縁に嵌めるのだ。 笑顔満開で元気溌剌。 思わず腰振りダンス披露。
……待て。 冷静に考えるとコイツも軍服悪魔同様に軍服だぞ。 軍事部にスカウトするべきではなかったのだろうか。
よし。
軍服に微笑みつつ向き直った。
提案がある。
お前もマインクラフター(軍事部)にならないか?
「た、たのんだ……ぞ、ごプッ!!?」
答えを知る前に事切れそうなので、回復のスプラッシュポーションを投げつける。
ついでに牛乳を飲ます。 さっき弱体化のポーション喰らわせたので。
「ゴポポポポッ!!?」
だから吐くな。 弱体化状態は地味にウザいものだ。 鈍足化もウザいが、異常であって良い事なんて何もない。
「うわあああ! 近藤中尉が負けた!?」
「ナニを飲まされてるんだーッ!?」
「しかも首に縄まで掛け始めた!」
「卑猥な事をされている!」
「異常者だ!」「逃げろ! 逃げろーッ!」
地下鉄を利用して連邦に送りつけよう。
ナニ。 トロッコに乗せたら殴り飛ばしてブーストさせれば勝手に着くだろう。
クラフターは連邦同志に連絡しつつ、地面を掘り進む。 地下鉄座標を目指している。
そして、軍服は地面の中へと引き摺り込まれていくのであった……。
その様を見た者は戦慄と共に震え上がる他ない。
「あ、悪魔だぁ……!」
その後、近藤を見た者はいたとかいなかったとか。
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近藤がヤられた後、弟君は別の場所にて活動を再開していた。
先輩達が騒ぎを起こしたお陰で、住民は自宅に閉じ籠り、兵士達は騒ぎのある方面へ出払って最低限の警備しかいない。
「先輩には悪いけど、囮になって貰うよ」
夜の帝都を走り抜ける弟君。
その先は玉座ある重要建造物。 外壁を爆破するだけでも恐怖心を煽る効果は絶大な筈だ。
可能なら、中でも爆発を起こそう。
そう移動していた時、それを見た。 見てしまった。
「な、なんだこれ……」
ある広場。
人が大量に寝かされた場所を見た。
死体置き場? いや。 生きている者もいる。 呻き声を上げて苦しそうだ。
治療待ち? 粗悪な診療所?
でも診る者は見当たらない。
色々疑問と混乱が起きた。 自分の爆破騒ぎでの犠牲者?
そうだとして、生きてる者と混ぜてるのは何故?
それに多過ぎる。 パッと見て、横たわる者達は強者に部類される兵士達の様だ。
TNT2、3個の威力と範囲で此処まで被害が出るものではない。 運悪くゼロ距離被曝したとしてもだ。 どれだけ密集してたらそうなんだ。 いや仮にそうでも、やはりここまでの被害は……。
それが、これ程までに無力でいる。
何が起きたのか。 此処は何の場所なのか。
この戦争全体の被害者なのか。
だけど、此処に集められた理由は?
混乱が混乱を呼び、立ち眩みをしていた時。
「あーあ。 見ちゃったねぇ」
聞き覚えのある、声がした。
「ッ!」
思わず声の方向に盾を構えた。 そこには暗躍する荒らしのユウキ。
直ぐ臨戦態勢を取ろうとし……背中を拘束された事で身動き出来なくなる。
「今日は、大人しくして下さいね」
「うぐっ」
苦手なお姉さん、カガリ女史だった。
身長差で背中に当たる柔らかな双山は、弟君にとっては恐怖心を増幅させるに十分だ。
「いやー、久し振りだね!」
親しい友人に出会った様に、笑顔で話しかけてくるユウキ。
その笑顔という仮面の下で一体何を考えているのか。 そしてこの状況は何なのか。
恐怖は増していくばかりで、それでも精一杯睨み付けて抵抗して見せる。
「……そう、ですね」
「おいおい、明るく返事しなよ。 折角の再会だぜ?」
「忙しいんで」
「まだ爆弾魔でいるつもり?」
バレている。
だけど慌てない。 するだけ無駄だ。 今は抵抗するチャンスを待つのみ。
「しかし派手にヤッてくれたねぇ。 IRP奪取をお願いしたら、帝国の施設を破壊し始めるなんて。 まさかコレが策だなんて言わないよね?」
「……IRPは簡単に盗めませんよ」
「それで諦めて帝国まで敵に回すの? 君ってアイツらと違って、もう少し頭が良いと思ったんだけどねぇ。 思考制御の蟲も何故か効かないし、残念だよ」
そう言う割には、残念そうでもない。
まるで予想していた、或いは期待なんてしていなかった様子だ。
「まぁ良いさ。 お陰で邪魔な情報局、特に近藤は対応に追われて、僕達は動きやすかった。 一度殺されたのは想定外だけどね」
「えっ? 殺された?」
「近藤にクーデターがバレてねぇ。 最初はダムラダって奴と戦ってたんだけど、その隙を突かれて近藤にパーンって撃たれて終わり」
「じゃ、じゃあなんで今生きて……まさか」
「おっと、アイツらと同じにしないでくれよ? クロエに予め頼んでいたのさ。 僕が死んだら"巻き戻して"復活させてくれってね。 お陰で使える命令は後1つになっちゃったよ」
何が何だか弟君には分からなかった。
ユウキは知らぬ間に殺された? それをクロエという人物が復活させた?
命令? どうやって? ベッド?
いや巻き戻したと言っていたけど、どういう意味なのか。 不死のトーテム? まさか時間を戻した? 混乱は続く。
「まぁ、こうしている間にもダムラダや近藤は死ぬんだろうね。 既に死んだかも知れないけど。 君の先輩達は理不尽な創造主だからね」
「ッ! 知ってるなら、諦めて降参したらどうですか。 先輩は既に帝都に入り込んでます。 見つかって殺されるのも時間の問題ですよ」
「だろうね……おっと噂をしてたら」
ユウキの視線を追えば、先輩達……マインクラフターがゾロゾロとやってきた。
どうやら湧き潰しで走り回っている内に、此処にまで来てしまったらしい。
「先輩……」
「おや? もっとくる様だね? 盛り上がって来たね! 祭りはこうでなきゃ!」
空間が歪み、転移してくる者達まで。
知らない村人までいるが、別の場所からは魔国連邦の国主、リムルまで現れた。 オマケで連邦に滞在していた先輩も。
「みんな……」
「見つけたぞユウキ。 死ぬ準備しとけよ」
「あっはっはっ! ストレートですねリムルさん! そして皇帝に創造主! 不都合な奴もいるのは確かだけど、ハルマゲドンを起こす用意は出来たかな! それとね、リムルさん。 その必ず俺が勝つって発言、止めておいた方が良いですよ!」
ユウキは意味不明な事を喜び叫ぶ。 圧倒的に不利な筈なのに、その表情は生き生きとし、楽しんでいる様だった。
クラフターとは似て非なる笑顔。
狂気の笑顔だ。
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軍服を地下に引き摺り込んだ後。
IRPのレーダー支援を受けつつ、湧き潰しと弟捜索を再開したクラフターだが、とうとう弟と再会するに至る。
更に言えば、弟は胸部の膨らんだ長耳村人に背後から拘束されているときた。
更に更に老獪な雰囲気を出す荒らしのユウキまでいるし、リムルや軍服悪魔やドラゴン村人や同志はいるし、精神摩耗限界点な村人までいる。 其方は青白い肌に真っ白な髪。 弱々しく木剣でも倒せそう。
いやそれはそうと。 クラフターは見回す。
何だコレは。
死体と荒らし。 殺伐した雰囲気。
クラフターは思考する。 祭り会場に違いないと。
ユウキを皆でフルボッコだヒャッハー!
弟? 何とかなる。 彼もクラフターだもの。
「お前ら好きにしろ! 俺もやる!」
リムルが鳴く。 同時に動く。
ネザライトの剣を振り翳し、ユウキに群がる創造主。
「じゃあ遊びましょうか、創造主様?」
ユウキが剣を振るう。
縄の様に伸びてしなり、横一閃一撃で大半の同志が斬り飛ばされた。
小物ではない。 色んな意味で。 あと、その武器欲しい。 コレクションしたい。
「せ、先輩ッ!?」
「坊やがいるのに。 人質のつもりだったけど、意味ないのね」
「そうさ。 先輩からしたら、僕は荒らし。 敵なんだから。 遠慮なんかするもんか……悪い奴らを倒して! 頑張れ先輩ッ! 負けないで!」
弟よ。 頑張れじゃない。 お前も頑張れ。
負けないで、じゃない。 お前も負けるな。
軍事部クラフターだろ。 何たった1度の失敗で人生を諦観しているのだ。
足掻け。 この場を切り抜けて見せろ。
「ッ! は、はい!」
「なっ!?」
長耳に肘打ちを繰り出し、一瞬怯ませた隙に木剣を横振りする弟。
ノックバックエンチャントされていたらしく、そのまま長耳は遠くに吹き飛んだ。 良いぞ。 その調子だ。 喜びのまま腰を振る。
その勢いのまま、ユウキを相手取る。 たかが薙ぎ払い1つで勝った気になるなよ。 荒らし風情が。 負けるかよ。
「ルドラ!」
片やドラゴン村人が吠えている。
また暴れるならユウキごと倒すまで。 とはいえ、今はセルフ弱体村人と鳴き合い始めた。 この状況でも呑気な事だ。 村人らしいともいえる。
「その声、ヴェルグリンドか。 無事に安堵したいところだが……済まぬな。 ミカエルの制御も限界であった。 余は今日この場をもって終わる定めなのだろう」
「まだ終わってないわ。 なに弱気になってるの。 最期だとして、若造の言いなりになって終わるゲームなんて認めないわよ。 私だけじゃない、ギィだって認めやしないわ!」
「そうか……そうであるな。 "創造主"の弟子にして創造主に翻弄され終わるのも運命やもと思ったが、まだ終わる時ではない、か」
呑気な鳴声に構う暇なし。
こちとらウオウオ叫びっぱなしだもん。
ユウキは思ったより強かった。 クロエより強いかと聞かれれば疑問に思うものの。
あの伸びる鞭の様な剣といい、ユウキ本人の身体能力は村人の比ではない。 強化ポーションでもキメてるのか。 強い。 熊の威を借る狐では無い。 正直舐めていた。
「何遊んでんだ! 真面目に殺れ!」
リムルが水刃や水玉光線を繰り出して、弾幕形成。 回避するユウキ。 その隙を突いて、創造主はクラフト開始。
丸石の防壁を作り、スリット穴を開ける。 即ハーフブロック設置。 出来た半ブロック分の隙間から、弓矢や銃撃を浴びせて反撃。 剣突撃組を援護する。
「ボクも認められないな」
「……悪魔か?」
「初めまして。 ボクはウルティマ。 旗艦に乗っていたダムラダって人と戦ってね。 最後に貴方を殺してくれって頼まれたんだ。 引き受けたら安心して死んだみたいだよ。 近藤って人も……さっき、そこの魂劇物人間に倒されたみたいだけど、最後に同じような事を願ったみたい」
「なんという事だ……ダムラダが、タツヤまでもが……死んだというのか……」
「想い散って、貴方の下に逝ったから、また一緒になれるんじゃない?」
リムルのみ援護している状況下。
弟を見る。 長耳とやり合って期待出来ない。
ドラゴン村人は……我々がボコった後だから期待出来ない。
だからとメスガキ軍服に頭下げる暇がないが。 出来る事なら加勢して欲しい状況なんだけど。
というか国主が戦ってる傍らで、部下が呑気に話し合って良いのだろうか。 本当に部下なのだろうか。 クラフターは訝しんだ。
因みに。
ダムラダと近藤が知らぬ間に死んだ様に話しているが、この時点での近藤の生死はクラフターのみぞ知る。
ただ、あの地の底に引き摺り込まれる悪夢の光景を見てしまった者にとっては死んだか、それ以上の恐ろしい目に遭っていると捉えてしまうだろう。
ウルティマも……クラフターを魂劇物人間と言っている辺り、相当酷い目に遭ったのだろうけれど。
「そう、か。 2人は誇り高く散ったか」
片方は命ではなく誇りが散ったかも。
「であれば余も、無様に散る事は許されぬな。 この世の支配者の1人として、最後まで諦める訳にはゆかぬ。 我が威にて、ミカエルを従えて見せようぞ!」
「天使之軍勢を!? 駄目よルドラッ!!」
先程から煩い。 こちとら忙しいというのに。
抗議の目を向けた創造主だったが、驚いた。
「させないよ!」
メスガキ軍服悪魔が、叫ぶ村人に攻撃。
が、眩い光に阻まれ、掻き消された様子。
「余の意思に従え! ハルマゲドン発動!!」
帝都上空に眩い光が満ち溢れる。
そして魔に対する究極の軍勢として、天使の軍団が顕現を開始したのだ。
最も、クラフターにとっては荒らしでしかない。
文明を破壊し、魔扱いする者を殺戮する。
平和な場所であろうがなかろうが無差別に。
これが荒らしでなくて、何なのだ。
何が天使だ。 何が悪魔か。
我々の独善と偏見の産物の呼名だ。
荒らしなら、何方も等しく敵である。
名称なんて重要じゃない。 タグ付けで荒らしを無くせるなら、誰も苦労しなかった。
───創造主は天を睨んだ。
「あはは! 悪いね、リムルさん! 僕の勝ちだ!」
「ッ! 止めろお前ら!」
ユウキが叫んだ村人に何かしようとする。
嫌な予感。
「スティールスキル!」
本能のままに、エンダーパール投擲。 間に挟まってみせた。 ユウキからの謎の衝撃を丸石で防ぎ切る。
「くっ! 相変わらず邪魔な創造主だ!」
すかさず銃撃と弓矢を浴びせるも、うねる剣撃に弾かれた。
「く、くくく、あははははははは! まさか、ね。 まさか、本当に……、世界を堂々闊歩する創造主がね、僕を……創造者の邪魔をハッキリするなんて。 それと流石ですよ、リムルさん、 出来るなら、僕自身の力で世界を滅ぼしたかった。 でも、残念ながら……僕では、世界を作り続ける貴方達には勝てそうもない。 それどころか、そこの悪魔達にさえ───貴方達は出鱈目過ぎますよ。 やはり、出会った時に感じた悪寒は本物でしたね。 あの時、本気で始末していれば良かった。 どこかで狂ってしまったのかな? まあ、今更いいですけどね。 いや、案外、僕を止める事が出来るならば、それはそれで世界の意思。 後は───が判断してくれる、か」
何を鳴いているのか。
命乞いなら受け付けぬ。 荒らし死すべし慈悲は無い。
近付いて、必殺ネザライトの剣を振り翳す。
「サヨウナラ、創造主にリムルさん。 案外、アナタ達の事、好きでしたよ───本当は、友達になりたいと思う程には、ね……」
「避けろッ!?」
リムルが鳴く。 警告だと分かった。
咄嗟に盾を構える。 丸石の防壁は破壊され、そのまま盾に強い衝撃。 ノックバックが起きて、後方に吹き飛ばされた。
「ッ!」
メスガキ軍服が、どこかで手に入れていた拳銃を発砲。
が、それもしなる剣撃で弾かれてしまう。
「ルドラ、逃げ……ッ!?」
弱体化しているだろうに、ドラゴン村人が今更に参戦。 が、神速で懐に入り込まれ、腹パンを決められていた。
ざまぁ、と思っている場合ではない。 アレはクラフターの目にも止まらぬ。 俊足ポーションより凄かった。
その怯んだ隙に、ユウキが村人と接触。
「来い! ミカエル!」
「!!」
刹那。 周囲は眩い光に包まれる。
生気が枯渇した村人から、それでも大切な何かを簒奪しているかのよう。
「これでボクの魂の力を使わずに、天使の軍勢を呼び出し掌握出来た。 色々と予想外の出来事はあったが、概ね、計画通り」
「あ、あああ……そんな、ルドラ……ッ! こんな! こんな悲惨な最期に立ち会う事になるのを知っていたなら、私は……ッ!!」
「嘆いてる場合じゃねえだろ!! 奴を何とかするんだ!」
ユウキがユウキじゃない。
無表情なその顔に、もはや以前の面影は見当たらない。 何方にせよ荒らしだ。 消す対象だ。 リムルも同じ思いの筈だ。 嘆くドラゴン村人を宥めつつ、ユウキに立ち向かう。 クラフターもそうする。
「憑依せよ!」
そんな此方を無視すると、何かを鳴く。 すると天を覆い尽くす羽虫共が舞い降りてきた。
───ありゃ荒らしだ。
咄嗟に、本能のままに黒曜石で簡易シェルターを作る。
弟に無理矢理呼び掛けて、全員を中に入れさせるよう指示を出す。 そのあとは自己判断だ。 地下に潜っても良い。 取り敢えず同志に伝えろ。
軍事部の力も必要だ。 IRPの砲撃やロケット攻撃は効果を望めないから今は止めろ。 爆発が効くか分からないし、猛毒も然り。
「せ、先輩達は!? 空から来るアイツらはいったい何なのです!?」
荒らしだ。 害虫だ。 駆逐対象だ。
クラフターは答えつつ弓矢、拳銃で天に向かって撃ちまくる。 空覆い、押し寄せる羽虫。 狙わなくても当たるくらい、数が多い。
弾薬、弓矢、人員、色々足りない。 故に悪足掻きなのは承知だ。 それでも譲れない。
エンチャント付きの武器だからか、幽霊的な存在にも攻撃が当たる。 当たらないより良い事だ。 だがやはりというか、捌き切れない。
「くそっ! これが天使だってのか!」
リムルも加勢。 いつぞやの大量殺傷攻撃……光線攻撃をするも、やはり駄目。
地上に数多降りる羽虫は、広場にいた死体や瀕死の連中と次々合体していく。 そして変貌し、天へと上がる。
だが数に対して相手が足りない。 その分は帝都の市街地へと降りていった。
「リムル様! 奴ら民間人を!」
「ユウキてめぇ!! 天使達を止めろ! 関係ない民間人まで巻き込むんじゃねぇ!」
リムル激昂。
クラフターも遅れて理解した。 非戦闘員の村人が羽虫に"喰われている"のだと。
クラフターは嫌悪感を露わにする。 リムルの捕食シーンも大変ショッキングだったが───荒らしの国とはいえ、その様なやり方で村人の大量殺戮ないし犠牲者を出すのは黒歴史を彷彿とさせるからだ。
軍事部的にはTNTキャノンの標的にしたし、効率厨等は製鉄所や取引現場を作る為に拉致監禁をした。
だが大抵、静寂が訪れた後に後悔した。 取引相手やクラフトの時間を失い、土地が荒れ、ゾンビイベント対策を怠り村人が全滅してしまったり、時空間が歪んだ。
ユウキも後悔する。 先に立たず、ではあるが、罪を重ねる事はない。 殺す事に変わりなくとも。
「ユウキの奴、どうしたんだ……表情が全くなくなってる。 機械的な、大賢者や世界の言葉のような感情を持たぬ意思……さっきの別れの言葉といい、ひょっとして、ユウキは表層人格で……俺に大賢者が居たように、ユウキにも何らかの意思が居たのか。 それに苦しんでいたなら……馬鹿やろう……だったら相談してくれよ……」
リムルがユウキに呟いているが、無視。
それより羽虫を何とかして欲しい。 もう手がつけられない状態だけど、少しでも数が減った方が良いではないか。
「せめてルドラの亡骸は……奴らには渡さない。 例え粒子となり消え逝くとも」
「とにかく連邦領へ脱出します。 僕が地下に向かって掘り進めますから、後について来て。 地下鉄にたどり着いたら、線路を辿ってひたすら西へ。 テンペストを目指して下さい。 悪魔さん……ウルティマさんは護衛をお願い! 天使が地下まで来るか分からないけど、何があるか分からないから!」
「へぇ、ボクに指図するんだぁ? 契約するなら、君の魂を……」
「あ、いえ、その……」
「冗談だよ♪ リムル様も、その方が良いかもだし。 引き受けてあげよう!」
「ありがとうございますっ!」
IRP……BBによると、羽虫は約100万匹。
うん。 ナニその数。 おのれ荒らしめ。
「ねえ、ゲームをしましょう。 ボクを止める事が出来たら、貴方達の勝ち。 出来なかったら、貴方達の負け。 勝利者が得るものは、この世界。 開始は1ヶ月後。 返答は必要ありません。 ゲーム開始へのカウントダウンは、既に始まっていますので、これは、創造主ユウキ カグラザカの最後の意志です」
倒す。 倒しまくる。
剣の耐久値が心配になる。
「一方的だなおい! だがな、創造主は腹一杯なんだよ。 これ以上要らないね。 それに、な〜にが創造主だ。 無差別破壊者の間違いだろ訂正しろ! 本当の創造主ってのはな、コイツら馬鹿野郎みたいに、何かを作って、それで人魔問わず喜怒哀楽を互いに与え合える存在を言うんじゃねぇの?」
「互いの偏見、互いの認識を確かめ合う気はありませんよ」
「一方的、好きにする点は共通してんのな」
剣を振り回すも、虚しくなった。
何の為の松明だったのか。 帝都の明かりが虚しく感じる。 魑魅魍魎を出現させない為の湧き潰しだったのに。 これでは意味ないじゃないか。
……はた、と気づく。 この世界において湧き潰しは大した意味がないのでは?
衝撃の真相に辿り着いた気分になり、オロオロしていると、どこからともなく人影が湧いた。
もう駄目だ。 湧く世界だ、ココは。
今更に分からされた。 クロエに。
「隙を見て、ギィを相手しろ。 始末出来なくても、それはそれで構わない。 ただし、ゲームの邪魔はさせるな!」
気持ちを察してか否か、頷くと去っていくクロエ。 見逃されたと見る。
このショック状態では本気で戦えなかった。 本気だったところで勝てる保証はないのだが。
ユウキはというと、羽虫や部下共々、何処かへ転移した。 行き先が分からないのが悔やまれるが、次会うまでに準備しなければ。
また荒らしが来る。
良くも悪くも、いつもの事だ。
元の世界とは勝手が違えど、クラフターがマルチでいる限り、避けては通れぬ道である。
だけど、その道が、マルチが好きだ。 避ける気もない。 堂々歩く。 それこそが我等マインクラフターであるのだと胸を張る。
湧き潰しの件はまぁ……常識は敵だっただけ。
さて。
連邦には対空キャノンがビル屋上や側面に鎮座しているものの、無鉄砲で挑んで勝てる相手ではないのは確かだ。 軍事部の意見と創造(想像)を頼りたい。
「天界に行ったのか。 天使の軍勢を整える時間が欲しかったのかもな。 だとしても、此方も何もせず迎え撃つつもりはない。 出来る事はやるぞ。 お前らも手を貸してくれよ。 本物の創造主ってのは、お前達だって……勝つのはお前達だって、みんな信じてるんだからな!」
クラフターはヨシ、と頷いた。
弓矢、剣、TNT、キャノンといったクラフトは当然の事、非常識も必要だ。
IRP、ロケット。 使える物(者)はバンバン使う。
ファルムスの様にはいかない。 そう挑まねばならない。 されど勝つのは我々だ。
創造主が破壊者(荒らし)に敗北など許されない。 断じてだ。
でなければ、この世界でやってきた事が全て嘘になる。 この世界に対して、何かを誤魔化してしまう。
創造主は敵より、それを"嘘"を恐れた。
だからこそ立ち向かう。 諦めこそ真の敵だと。
大決戦の予感を前に、空を見た。
これまでのクラフト人生をふと、振り返る。
やはり常識は敵だった。
押し寄せる化物の大群。
ひたすら圧倒する理不尽。 それに抗い続けた我々マインクラフター。
厳しく楽しいマイクラ道。
茨を掻き分けて、我等は進む。
吹き荒れる暴風雨。
その中で可能性を見つけては熱くなれた。
悪友がいたから、互いを高め合えた。
時に禁忌を犯す。
その命は、誰もが認める輝きを放ち始めた。
刹那、タブーも所詮作り物だと云わしめる。
誰もが求めた創造力。
クラフターは大胆に手を伸ばす。
欲亡き者は俗世から消えて逝く。
けれど遺された残滓の輝きは星の世界へ導いた。
築き上げた建造物は数知れず。
多くの人魔の喜怒哀楽をも作りあげた。
ひょっとしたら、誰かの命を救えたのかも知れない。 奪っていたのかも知れない。
名も知らぬ数多の人魔生とすれ違った。
掃いて捨てる程いる道行く村人達は邪魔だし、特別良い感情は湧かないけれど、元の世界では見られない行動で、クラフターと間接的にでも関わらせてくれた……このマルチ世界が好きだ。
「帝国は、皇帝ルドラは崩御した。 生き延びた臣民は混乱の中にあるだろう。 けど、そっちは俺が……俺たちが何とかする。 お前はいつも通り物作りに耽ってろ。 世界の為に」
クラフターは良くも悪くも創造に生きる。
今も。 これからも。
クラフトに絶対の安全は求めない。 楽しい事ばかりではない。 その産物は多くの村人の反感も歓喜も驚愕も、全ての喜怒哀楽を創り与え合ってきた。
そんな、クラフトしてきた愛すべき創造世界の崩壊を見過ごすなんて、どうして出来ようか。 何かを得る打算もなしに、守りたいと思った。
正義も悪もない。 全ては自由の中で。
それが我々らしいのだと、腕を振るうのみ。
「戦力も集めるだけ集める。 お前らもだろうな。 通訳なんていなくても、世界の言葉が無くたって……こういう時は通じ合える気がするよ。 それがなんか、嬉しいよ俺。 普段は迷惑極まる馬鹿なのに……非常事態に何言ってんだろうな俺……おっと!」
リムルにネザライトの剣を投げ渡す。
上位金林檎等の決戦シリーズも投げつける。
昔だったら狂気の行いだが、今は迷わず押しつけられた。 不思議だ。 何故にとは考えない。 故にと動く。 仲間だし。
───うるせぇリムル! 良いから勝つぞ!
怒りと喜び半々の顔をリムルに向ける。
向こうは不敵な笑みで返しやがった。 流石。
伝説は異次元より、やって来た。
世界史上、例のない創造で中央から、あっという間に大陸全土を支配した。
善も悪も、そこにはない。
勇者でも英雄でもない、大馬鹿野郎。
世界に物と喜怒哀楽を作り与え続けた創造主。
その創造は多くの人魔が伝え往く。
その伝説の名は───。
「往くぞ! マインクラフター!」
伝説は駆け出した。
創造主を、雌雄を決する為に。
書くの難しいです。
ここまできて、今更ですが(殴。
今後の展開、作品完結するのか否かの不安……。
原作や本屋さんで販売されている書籍版、漫画版等や外伝的作品、その他の展開もある中。 設定や人物、物語に違和感のある方もいるかも知れません。 作者(ハヤモ)の書き方の問題もあると思います。
ここまでに限らず、今後も批判・疑問もあるかもですが、本編NO.150台となった今も読んでくれている方々がいると思うと、とても嬉しく思います。
いつも応援してくれている皆さま、ありがとうございます。 大変励みになります。