砂岩地帯で行き倒れと出会います。
時系列的に齟齬があるかも知れません。
ですが救いたかった……たぶん。
シズさん生存がキリが良いと思いましたが、続けてしまいました……。
原作崩壊……失踪フラグ……。
作者はどこへ行くというのだね?(他人事
「何でも良い……食いたい……」
日が有頂天に昇る頃。
砂岩地帯を見つけたクラフターだったが、同時にゾンビピッグマンを見つけた。
正確にはゾンビではないし、金剣も無い。 デカいし肥満に見える。
他には見当たらない。 何か。 ネザーゲートの類からの逸れ者か。
「……人間、か?」
倒れている。 空腹らしい。 瀕死だ。
モンスターも腹は減るのか。 あいや豚か?
取り敢えずベイクドポテトを与える。
効率の良い食糧と言えばコレに限る。 しかし知識の中に住まう豚通りなら小麦だろうか。
「……ッ!」
食った。
スイカを与えた。 食った。
パンを与えた。 食った。
腐肉を与えた。 食った。
この調子なら何でも食いそうだ。
ふと拠点の水色玉悪魔が脳裏に浮かび、身震いした。
シズは無事だろうか。 あの悪魔にリスキルされてなければ良いのだが……。
「……すまない。 恩に着る」
落ち着くとハァンと立ち上がる。
立つ。 やはりデカい。 アイアンゴーレム級か、それに準じる。
攻撃方法は両腕万歳の高い高い攻撃なのか。 ならば防具なしで近寄りたくない相手となる。
「飢える民の為に森に入り、少しばかりの恵みを……人間よ、そこから来たのか?」
しかし……砂岩しかないのかなぁ。
クラフターはピッグマンを他所にして、周囲を見渡した。
別クラフターに先を越されたのだろうか。
砂漠バイオームは表面こそ多量の砂であるが、下層はこの様に砂岩になっている。
かつて、ここの上は砂に覆われていたのかも知れない。
ここまでスーパーフラット級にあるのも珍しいが。
「……言葉が通じないのか。 礼をしたいが、先を急ぐ」
そうだ。
ピラミッドはどうした。 解体されたか。 ならばチェストの中身も掠奪されたか。
悔しい。 だが落下したままの感圧板を踏み抜いてからのTNT爆発に巻き込まれる事はあるまい。
ちゃんと解体しているなら、罠をも資源としている筈だからだ。
うん。 そうだ。 ポジティブにいこう。
「……しかし、人間達は何をしている。 ここに何かあるのか?」
ピラミッドだけではない。
砂は資源だ。 砂漠は宝の山なのだ。
砂は焼く事でガラスが作れる。 建材として当然使うし、ポーションの瓶作りにも使う。
透明度の高さを純粋に生かした建築にも使える。
染色すれば、見て楽しいイルミネーションにも使えたりと発想次第で幅が広い。
あればぜひ回収したかった。 無念だ。
クラフターはその気になれば、バイオーム丸ごとを手中に収めてしまう。 文字通りに。
まぁ、砂岩を回収すれば良いや。
砂岩もまた建材として欲しい。
加工すれば様々な模様を生み出せる。 色こそ偏るが、それこそ腕の見せ所。
建築狂いであるクラフターは、直ぐに考えを新たにした。
そうだ!
いっそ此処に街を造ってしまおう!
「……松明? 儀式か?」
取り敢えず松明を撒くクラフター。
もうこれは癖だった。 湧き潰しとは昼間だろうが行うべき行為なのだ。
「……こんな所で畑? いや、そんな事よりこの速度は……幻覚を見ているのか!?」
鉄鍬を持つ。
同志が原木で四角に囲い、土を綺麗に充填していく。 中央を用水路とし水を流す。
すかさず鍬を片手に耕しまくり、種芋を撒く。
骨粉を撒き散らして急速な成長を促し、種芋を増やしては畑を拡張していく。
「何という事だ……この速度で食糧が量産されている……!」
ハァンハァン煩い。
見ればさっきのピッグマンが凝視していた。
時々、目を擦っている。 砂でも入ったか。 砂は無いのに。
「た、頼む人間よ! どうか我々の為に食糧を分けてはくれないだろうか!?」
何やら平伏され要請された。
畑を指さす。 まだ食い足りないのか。
マルチクラフターは嘆息した。
どこぞの水色玉とは違い、偉いとも思う。
何故か。 礼儀があった為だ。
あの悪食悪魔も何でも食うわで、際限無く思えるが、相手の都合に構わない所がある。
少しはピッグマンを見習って欲しい。
そう思いつつ、ジャガイモをスタック単位で与えようとしたら乱入者がやってきた。
白い帽子、変な仮面を被る。 鼻が出ている。
ウィッチか?
なら危険だ。 悪性のポーションを投げつけられる前に仕留めねばならない。
クラフターは剣を構えた。 左手には牛乳バケツを所持する。 状態異常を受けたら即コレだと決めている。
「貴様らぁ! ソイツはな、オークロード、いやオークディザスターの素質がある奴だぞ! 何を勝手な真似をしてくれる!? 横取りする気か、人間の癖に!」
攻撃はしてこないが喚かれた。
意味不明だし、礼儀がなっていない。
コイツもジャガイモが欲しいのだろうか。
与えてみた。
食べるならそうだろう、とクラフターは思った。