取り返しつくかなぁ(遠い目。
リムル達が知らん所でも好き勝手やるクラフター。
「は? ジャガイモ? いるか!」
弾かれた。 ジャガイモが転がる。
無作法振りは水玉悪魔より上である。
「直接手を出すのを禁じられてなければ貴様らなぞ……!」
「誰かは存じないが、粗末にしてはいけない」
ピッグマンに拾われるジャガイモ。
そうだ。 落とした物は拾ってでも食べなさい。
有り余る食糧があるからといって無駄にしてはならない。
このピッグマンは見た目に反して弁えている。 実に好感が持てた。
「貴様も貴様だぞ! 人間如きに……!」
「一族郎党、飢餓に喘いでいる。 一刻も惜しい……恩人達よ失礼した。 いずれ礼をする」
かと思えば踵を返すピッグマン。
ジャガイモを抱えて何処へ行くのか。 水色玉を追尾した時の様に、その先に集落があるのか。
「……そうだ、名をつけてやろう! このゲルミュッド様が……」
「有難いが、飢えない事が先決なのだ……」
「おい待て! これでは魔王誕生計画に支障が……くっ、他を当たるか? いや、あれ程の逸材は中々いない……」
挙動不審なウィッチモドキだ。
まぁ良いや。 追跡しよう。 新たな集落がありそうで楽しみだ。
「……人間ども! これ以上邪魔をするな!」
火の玉が飛んできた。
避ける。 色違いの火だった。
火に着色したとでもいうのか。 その発想は無かった。 さも花火。
今度試すか。 シズが喜ぶと良いなぁ。 無謀か。 やっぱ花火だ。
ディスペンサーとRS回路を組まなければ。
「手を出すなとは言われているが……なに、人間の2匹や3匹、潰すのは問題あるまい」
敵対している。
明らかに敵意を向けているぞ。 アレ。
どこで間違えたのか。 元より悪印象なウィッチモドキだ。
殺すのに躊躇は無いが、原因は知りたい。 直接手は出してないのに。
……手ではなく、ジャガイモを与えたのがマズかったか?
「二度と邪魔立てしないと誓うなら、この辺にしといてやる……は?」
剣から林檎を構えた。 これ見よがしに食ってみせる。
どうだ。 色鮮やかな赤である。 好意的な反応を示せば正解だろう。
「舐め腐りやがって! よほど死にたいらしいな!」
火の玉が飛んできた。 避けた。
駄目か。 金林檎なら良かったか。 村人ゾンビならそれで効果があるし。
いや、相手はウィッチモドキだ。 ポーションを投げつければ良いかも知れない。
思いついたらやるべきだろう。
スケルトンにクリーパーを射抜かせる事でレコードが手に入る様に、何が条件か分からないのだから。
「デスマーチダンスッ!」
弾幕を張られた。 丸石で防壁を作る。
こいつもブレイズみたいな事をする。 が、シズ程では無い。
火の玉は壁に阻まれた。 丸石で十分か。
「一瞬で石の壁を!?」
こうしていると、しみじみ思う。
ネザーだ。 あの地での、特に広所に展開する防壁は丸石と決めている。
普段は撤去が容易な土だが、強度に不安があるのだ。
土壁はガストに破壊されて余りある。 特にネザーゲートは丸石で囲む。
被弾を許すと帰還が困難になる故に。
「おのれ! この俺が人間如きに……」
回想の果て、剣を構え直す。
左手は毒のスプラッシュポーションに持ち替える。
実験がてら殺害だ。 敵だし斬り捨てる。 心境は揺るがない。
投げ付ける。 もろ当たる。 スケルトンみたいに間合い取りをしないからだ。
「ぐわああああッ!!?」
脆い。 地面にのたうつウィッチモドキ。
アッサリしている。 歯応えが無い。
「……馬鹿な……こんな……ところ、で……」
結局動かなくなった。 こんなものか。
ドロップ品は無い。 しけてる。
クラフターは溜息しつつ、周囲を見渡す。
ピッグマンモドキを探しているのだ。
ところが見当たらない。 戦闘に夢中で見失った。
百害あって一利なし。 ウィッチは嫌いだ。
いや。 元の世界より、と前置きする。 ドロップ無いし。
毒耐性あるんですかね……?
たぶん無いと思っての話でした。
それにしたって、あっさりし過ぎましたね……。
漫画の方でも小物臭が強くて、あっさり殺されましたが。