寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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平和。 薄味。
街もですが、住民とのやり取りも書きたいですね。

ちょっぴり転スラ日記ネタも。
時系列はズレるかも。



26.農作と順風

 

「上下水道の工事は進めているけど、まだまだ井戸が主流だな……あと、お前らの無限水源。 その辺、シズさん越しに頼めるか?」

「言ってみるね」

 

 

通訳のシズ越しに地下水道を頼まれたから、クラフターはさっさと街下に作った。

注文は段々と細かくなり、やれ水流方向はこうしろああしろと煩い。

詳しく聞けば要らないブツを流す為らしい。 それを早く伝えろと思う。

だが分かれば手が早いのがクラフター。

流れ着く先に溶岩を置いておく。 我々も良くやる手法だ。 これで処理は終了。 いつもの流れだった。

一応、下水にメンテナンス通路を備え、安全の為の柵も設けた。 安易に出入り出来ない様にする。 安全にも気を遣ってこそクラフターである。

 

 

「……へ? 下水は終わった? 早くない? じゃ、じゃあ次は……」

 

 

また頼まれた。 今度はツールだ。 剣や斧、鍬やツルハシ等だ。

何でも研究用らしい。 鉄で良いと言われたのでさっさと作る。 髭モジャ達に渡した。

 

 

「……何度見ても凄いな。 純鉄の精製も謎だが、切味も一級品……それ以上だ」

「んだな。 オラは金床まで貰っただ。 こりゃ負けてられねぇだよ」

 

 

感動された。 クラフターとしては建物の方を褒めて欲しかったが。

まぁ、喜んでくれた。 嬉しい事に変わりない。

 

次は半自動回収畑ビル、その運用法の教授を頼まれた。

RS回路の説明は面倒なので省略したが、レバーを倒せば水流が流れ、その水流で育った穀物と種が流されて端に貯まる。

それを回収したら、種を蒔き直す。 終わり。

 

 

「……普通、作物も耕した土も駄目になると思うんスが」

「考えるな。 受け入れろ」

 

 

なんか色々頼まれる気がするが、村人も自力で様々な事をやっている。

家造りもそうだし、設備整備もやるし、田んぼとかいう畑の仲間みたいなモノも作る。

我々としても逆に学ぶべき事が多い。 ある種の技術交換か。

 

 

「……なぁ、俺にニンジン畑の手伝いをさせるのはナニかの嫌がらせか!?」

「あらお兄さま、考え過ぎですよ?」

 

 

人参畑の方では、いつかの赤帯刀村人が慌てている。

人参に不満があるらしい。 まぁ、ジャガイモの方が腹持ちが良いのは分かるが、意味なきモノを植えているワケじゃない。

ぜひ、この機会に学んで欲しい。

 

 

「……なんとか品種改良を重ねて日本のコシヒ●リみたいな米を食べたいなぁ」

「ふふっ。 きっと食べれるよ」

 

 

リムルとシズが親しげに話している。

同郷らしいから、その時に食べた思い出の食べ物があるのだろう。

クラフターにも色々ある。 食物の手に入れ方が分からなかった頃は腐肉だった。

その後は雑草刈りの際、得た種を蒔いて育てたら小麦が手に入った。 感動した。

この地でも育てている。 小麦は基本だ。 それで出来たパンは需要と供給に見合っている。 村人の評判も悪くない。

 

 

「畑用のビルを建てたりと、お前らの農業の方法は不思議だけどさ……最終的には同じ様な気がするよ。 土の匂い、空気がガツンときて、その空気を胸に、飯を腹に。 ただそれだけで満たされる。 ただそれだけで実感できる。 俺達も、お前らも土を喰っていきているんだな。 迷惑掛けられるけど、やっぱ仲間だよ。 そう信じたい」

 

 

リムルが感傷的に鳴いている。 そうか。 半自動畑に感動しているのか。

そうだろう、そうだろう。 凄かろう。

鍬を振り回すのも種蒔は地味に面倒だが、回収含めると更に面倒だ。

それだけでも自動化する事で大分楽になると言うモノだ。

これもまた物作りであり、物作りの上に物作りが成り立っていく。

技術とは決して1で終わらない。 10にも100にも拡がりを見せていく。

特に見た仲間達が新たな発見をするかも知れない。 それは景色に溶ける村人達からかも知れない。

 

 

「本当に大変なのはこれからだろうな」

「……でも今年はきっと、良い作物が採れますよ」

「おっ、お墨付き。 トレイニーさんは植物の専門家だもんなー」

「ええ、ですから……待っていたんですよ私……お・さ・そ・い」

「……あ」

「ドライアドなのに。 管理者なのに」

「収穫時には声かけますから、ここはひとつ……」

 

 

今度は植物村人に責められている様に見える。 何故か。

相変わらず理解が困難な村人達だ。 ただ共に居て苦にならない。 寧ろ楽しい。

村人達が行う農業、建築、料理様々……日に日に新たな発見が増えていく。

 

次は何を見せてくれる? 学ばせてくれる?

 

クラフトとその発想、可能性は無限大だ。

興味も探究心も休まる暇がない。

 

……ああ、ただ聞きたい事がある。

シズに伝えておこう。

 

 

「……あのねリムル」

「どうした?」

「一部植林場が水浸しになっていて、木が何本も倒壊してたんだって。 知らない?」

「し、シラナイナー? ゴブタノ仕業カナー?」

「リムル様酷いッス!?」

 

 

平和の中に溢れていく喜怒哀楽。

効率を求めて資材や技術を追い求めるだけでは見られなかった様々な感情表現。

 

この風景は良いモノだ。

柄にも無く、心の底から創造主達は思った。




本編を進めたい気持ちもありますが、平和回を挟みたくもあり。
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