寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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テンペスト連邦国の樹立、調印式。


31.本と羽根ペンと建国記念

 

 

「では国名はジュラ・テンペスト連邦国。 首都は中央都市リムルと」

 

 

酒の席から夜が明けた。

今度は屋外にてリムルと鎧村人が対峙している。

リムルに関してはシズに擬態しているだけではなく、黒服を着込んで髪を整え、背筋を伸ばしていた。 新鮮だ。

同席しているシズもだ。 こう並んで見るとソックリだ。 背丈と色が同じなら見分けは難しかった。

上位金林檎と下位金林檎の見分けくらい難しいと思う。

 

 

「連邦は支配領域を持つ種族も加わるから。 この街、首都リムルは……皆の意見から。 恥ずかしいから反対したんだけど」

「諦めろ。 今更変えるなぞ言うなよ? そも調印式で話す事ではない」

「悪い……よし。 始めてくれ」

 

 

しかしナニをしているのか。 儀式か。

机の上には本と羽根ペンがある。 交換日記みたいな奴か。

やるのは勝手だ。 クラフターは遠慮するが。

恥と後悔の無いように。

 

 

「あ、あのね……大切な事だから邪魔しちゃ駄目だよ?」

 

 

シズに小声で注意された。

心配いらない。 寧ろ我々はする側だ。 黒歴史も経験している身である。

誤字脱字は気にしないが、記載内容によっては世界に助平な情報を拡散しないように。

同志の中には失敗した者がいる。 羞恥心のあまり其奴は暴れた。 都市部が崩壊しかけた。

誤ちは繰り返す。 何処へ行けども。

それを止められる1番は本人であり、気付くべきなのも本人であるが、友として止めてやる行為も時に必要だ。

その時は手遅れかも知れない。 それでも止めよう。 シズ、その時は君も協力してくれ。 友として。

 

 

「……シズさん、顔が赤いけど大丈夫か?」

「大丈夫……」

「あー……はい。 ではこれより、ドワルゴンとジュラ・テンペスト連邦国における協定の証として、両国の代表による調印を行います」

「この盟約は魔法により保証され、世に公開されます」

 

 

2人が文字を書き始めた。 マジマジと見た。 解読出来ない。 残念だ。

 

 

「覗き込むなよ!?」

「だ、駄目って言ったよ!?」

「はっはっはっ! 躾はしておけよ?」

「先行きが不安だぁ……!」

 

 

刹那、不思議な事が起きた。

光の球が浮き上がったと思えば、次には花火の様に打ち上がり弾け散った。 面白い見世物だ。

 

……この本に何かしら書けば花火が上がる?

やってみよう。 そうしてこそクラフ……。

 

 

「駄目だって言ってるよー!?」

「スライムアターック!」

 

 

ウオッ。

 

シズに止められ、リムルに吹き飛ばされ野太い声が響き渡る。

痛い。 良いノックバックだ。 我々もハァンと鳴きたかった。

 

 

「面白い調印式になったな。 後にも先にも酒の肴に出来そうだ」

「建国早々、調印式で喧嘩とか。 これ一生揶揄われる奴じゃねえかよ!?」

「はーっはっはっはっ! 諦めも肝心よ! 語り尽くす事が出来ぬ国になりそうだな!」

「こんな所を、それでも国として認めてくれる懐の深さに感謝します……」

「愉快痛快! 次来る時には何が見られるかな? 楽しみだ!」

「遊園地じゃないんですけどね、一応」

 

 

取り敢えず話は済んだらしい。

それぞれ姿勢を崩している。 笑顔だ。 笑顔が1番ってそれシズにも言いたい。

 

 

「……それでですね。 事後も事後になりますが、一応教えておこうかと」

「別の娯楽施設か?」

「いや、軍事施設……かな。 隠し事をして後々問題になりたくないし。 というか、コイツらが散歩感覚でアレを出しそうで怖いし」

「……案内して貰おうか」

 

 

地下施設へと向かうリムル一行。

我々も後に続く。

今度は驚愕の顔をするが良いぞよ?

 

クラフターも笑顔で溢れた。

我々がいる事で人生が楽しくなるだろう?




そろそろ暴れさせてあげるからね(シオン風。
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