寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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首都リムルに滞在する魔王ミリム。
当然、クラフターは絡まれます。
被害報告、シズとミリムの絡みは転スラ日記2参考。

日記はギャグ系なので実際の面識ややり取りは分かりませんが……。
作者も知識が無いので(殴)。


35.荒らし行為と修繕

 

 

「首都リムル……凄い所だな!」

「勝手に動き回るなよ!?」

 

 

IRP外部初期稼動実験終了後。

かのピンク頭はリムルと友達になったらしい。

にも関わらず地上で荒らしの如く走り回った。 迷惑だ。 被害が出ているのだ。

具体的には頭を撫でただけのドラゴン風村人を凄まじいノックバックで殴り飛ばし、その余波で大通りが大破。 修繕を余儀なくされる。

他にも建造物の窓ガラスが割れたり、看板が壊れたり、景観の為の植林物が薙ぎ倒された。

更には街の記念碑の基礎を破壊されたし、木製ドアが何枚も吹き飛んだ。

 

 

「天を削るおっきな塔が建ち並び、綺麗な街並み、美味〜な食べ物がいっぱいなのだ!」

「……ミリム様による被害報告が相次いでいます。 ドアノブに窓ガラスに食器多数……中央通りの石畳100mに街路樹13本、農園の柵、水門のハンドル、ジュラ看板、建国記念日基部……」

「うわヤバ……わ、分かった! 俺からちゃんと言っておく! 国の代表としてミリムの友人としてちょっと強めに……」

「そしてこれがさっき届いた被害報告です」

「リグルド怒ってる?」

「滅相もない。 ははははは」

 

 

いっそ斬り捨てたい。 直しながら思う。

だが斬れない。 IRP総攻撃効果が見られない時点で、個人の武装ではどうにもならない可能性が高い。

といっても黒曜石で封印する気にもなれない。 唯一の救いなのは、知性が見られる点だ。

 

 

「……こんな時、アイツらが即直してくれるのは助かるが」

「本当なのだ。 凄い早さだな!」

「ミリム……次暴れたら飯抜きな」

「えぇ!? 直るなら良いではないか!?」

「そういう問題じゃないんだよ。 なんでも暴力で解決するな。 皆が困る」

 

 

こんな時、リムルがいて良かった。

世にも恐ろしいピンク頭と交渉してくれるのだから。

シズを通訳として我々も文句を言おうとしたが、これなら大丈夫か。

あいや大丈夫であってくれと願うしか無い。

シズが襲われる危険性もあるし。

 

 

「……ところで、あのドラゴンは何処なのだ? あれだけ大きかったのに見当たらないんだが」

「それで建物を壊して回ってたのか!?」

「ちゃんと扉から入ったぞ?」

「その扉と、開けた時の余波で内装がズタズタなんですけどね!?」

「細かいな。 アイツらが直ぐ直しているから良いのに」

「駄目だから。 アイツらの顔を見てみろ、怒ってるぞ」

「とても良い笑顔だ。 歓迎してくれている」

「怒りを通り越してる顔だよ!?」

 

 

早くIRPをアップグレードしなきゃ。

そしてシオンを超える邪智暴虐なピンク頭を懲らしめるのだ。

因みにピンク頭はミリムという名だそうだ。

リムルと似て紛らわしい。 シズが教えてくれたが、ピンク頭と呼称する。

荒らしだ。 敬意を示す必要を感じない。

友達だとしてもだ。 親しき仲にも礼儀は必要だ。 少なくとも建物を破壊するな。 度し難い。 絶対許さない。 絶許。

 

 

「あ、あのね……ミリムは魔王だから。 とても強いの。 怒らせちゃ駄目だよ?」

 

 

強いのは既に知り得た。

だからといって我々を怒らせるのは良いのか。

 

 

「そ、そうじゃないけど。 リムルが頑張ってくれてるから……」

 

 

シズはオロオロしつつ宥めてくれた。

そうか。 そうだな。 落ち着こう。

教えてくれた蜂蜜とやらをクラフト出来れば、ピンク頭を沈静化出来るだろうし。

それにとクラフター。

IRPの可能性も信じたい。 その前に街に飽きて何処かに行くかも知れない。 冷静になれ。 らしくないぞ。 客観的になるんだ。

 

 

「そうだね。 きっと大丈夫だよ」

 

 

よし。 取り敢えず地上は新規建築は控えて修繕作業に重きを置こう。

地下組は引き続き拡張工事、修繕とIRP研究だ。 地下は幾らかは静かだろうし。

シズも来るかい?

 

 

「私は地上の皆、リムル達と一緒にいるね。 剣も練習していたいから。 それに、あまり多くで移動していると地下にミリムが来ちゃうかもよ?」

 

 

それは困る。

地下まで壊されるのは勘弁願いたい。

既に搬出路内はズタズタにされたのだ。 それでも地下まで来なかったのは昇降機の存在がバレなかったからだ。 危なかった。

 

相分かったとシズと別れ、一部の創造主は地下へと向かう。 ところが。

 

 

「……地下への道教えるからさー、ちょっとアイツらと遊んでなよー? ドラゴンもいるぞ?」

「リ、リムルーッ!?」

 

 

シズが叫ぶ。 振り返った。

リムルが暗黒微笑して我々を指さしている。

次には昇降機の方角を指す。

 

全てを悟った。

裏切った! 我々を裏切ったな!?

我々の気持ちを裏切ったんだッ!!

 

リムルよお前もか!

友達だと信じていたのに!

お前まで荒らし行為に手を染めるのか?

誘導も立派な荒らし行為だぞ。 片手落ちの下衆に成り下がるのか?

 

トレインスライム野郎ッ!!

施設群にクリーパー誘導するんじゃないよ!?

 

 

「あんまりだよ!?」

「……おい。 その女はナニモノカ?」

「えっ!?」

「馴れ馴れしいなお前。 いっちょ揉んでやるのだ」

「や、やめろぉ!? シズさんは聖域なんだ、逃げてー! 逃げてー!!」

 

 

挙句にピンク頭はシズを襲い始めた。

シズの服が破かれていく。 いけない。 想定していた最悪の事態だ。

リムルによる失態だとしても過ぎた事は仕方ない。 解決に乗り出す他ない。

放置は出来ない。 悪友でもだ。

 

 

「ぐへへー、良いではないか良いではないかぁ」

「い、いやぁー!?」

「悪代官!? いやそれより止めるんだ!?」

 

 

ノックバック強化した練習用木剣を携えて突撃。 これしか無い。

効果は無いかも知れない。 それでもやるしかない。

剣を振り被る。 反射的に見られた。

それでも振り下ろす。

 

シズーッ! 今助けるぞーッ!

 

 

「ふっ! そんな木の剣じゃ、魔王どころかアリンコ1匹……ッ!!?」

 

 

ピンク頭に剣先が触れた刹那。

ピンク頭が吹き飛んだ。 ノックバック強化分、ちゃんと。

 

 

「へ……?」

 

 

誰かが間抜けなハァンを上げた。

或いは我々だったかも知れない。 だって誰が予想出来ただろうか。

IRPすら駄目だったのに、ノックバックのエンチャントは効果があるなんて。

 

 

「……ふ、ふふ……はっはっはっ!! 驚いたぞ! 痛くも痒くも無いが、まさか吹き飛ぶとは! やはりお前達は面白いのだ!」

 

 

直ぐにピンク頭は戻ってきた。

傷一つ無い。

だが、やる気満々の笑顔で。

 

 

いや……だって……ねぇ?

 

これ事故だよな?

 

正当防衛だよね?

 

 

困惑の空気のままに互いを見合う。

シズとリムルは目を白黒している。

 

 

「お、俺知らねー!」

「リムル。 責任、取ってね?」

「シ、シズさぁん……」

「はっはっはっ! あのドラゴンも面白いが、お前達自身の方も面白そうだ! あの創造主達だしな、今度はお前達と直接遊んでやる!」

 

 

ピンク頭と第2ラウンドが始まった。

インベントリを確認した。 ダイヤツルハシとスコップ。 土と丸石。

それから、シズと食べようとしたおやつのケーキがあった。

 

ヤバい。 ダイヤ防具と剣が無い。

当然、沈静化作用を見込める蜂蜜も無い。

 

……ケーキでなんとか懐柔出来るか?

テンペストでは甘味は未だ少なく人気だし。




困らせちゃう系女子からの被害は続く……。
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