寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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ミリムと遊びます。
互いに本気ではありませんが。

シズと食事関連のネタは日記3で伺えたので、参考に。
どこかの日記ネタの中では、リムルはシズさんに夢を持ち過ぎと冒険者トリオに指摘されて泣いてましたね……。


36.戯とケーキ誘惑

 

「決闘罪に関する件」

「リムル」

「わ、分かってるよ……ミリム、程々にな」

 

 

さても場所。

摩天楼見守る不慮の事故現場に起立する。

木剣という到底実戦どころか自衛用ですら無い装備で強敵ミリムと対峙する。

しかも防具すら纏わない。 ウィザー級に対して先に仕掛けておきながらである。

中々の自殺行為だ。 事例がありそうだが。

それにしても、とクラフター。

不幸にしては出来過ぎだ。 あいや何も無いよりマシと思おう。

万が一死んでも看取る者もいる事だし。 リムルとシズが。 死して損失する貴重品も無い。

 

 

「なーに、棒切れに当たらなければ良いだけだろ? お前達の剣術は雑に過ぎる……ただミリムアイでなくとも分かるぞ。 その臆しない目、自信に満ちた態度、微塵もブレない剣。 何より摩訶不思議な創造力で激烈に数多なモノどもに打ち勝ち生きてきた事は、なぁ!」

 

 

踏み込んできた。 速い。 瞬時に丸石で防壁を作った。 相手から姿を隠す。

 

 

「それで身を守ったつもりか? 石壁諸共、破壊してやるのだ!」

「街まで壊すなよ!?」

「リムル、そこじゃない!?」

 

 

即効率強化及びシルクタッチのツルハシで石畳を叩き割り、間髪入れずスコップで直下掘。 即席蛸壺に飛び込んだ。

当然石畳で蓋をする。 真暗になったと同時、丸石が大破する音が響き渡る。

 

 

「むっ!? 何処に消えたのだ!?」

 

 

このまま直下堀して地下に逃げる手段もあるが、それだとシズを救えない。

何とかして魔王とやらを沈静化しなければ。

左手にツルハシ、右手に木剣を構え直す。 緊張の一瞬を待つ。

足音が真上に来た。 良し今だ!

 

 

「おほっ!」

「ミリムの足下から!?」

 

 

相手は空を飛べる様だが、だからなんだ。

剣先が届けば良いのだ。 不意打ちでも構うか。

凄い速さで回避された。 が、剣の僅かな先が靴底に剃れた。 もれなく空に吹き飛んだ。

 

 

「今ので当てたのか!?」

「回避された様に見えたけど……」

「あっはっはっはっ! 今度はワタシが空に打ち上げられてしまったなぁ!? だが、空に浮くワタシに攻撃は出来まい?」

 

 

降りて来ない。 滞空している。

いつかのシズもそうだった。 本当どうやっているのだろう。 気になる。

だが今は今だ。 飛び跳ねながら真下に土を置きつつ地上に這い出る。

それ以上は上がらない。 戦闘中に身を晒しながらの高度上昇もまた自殺行為だからだ。

叩き落とされる新参者を沢山見てきた。 同じ轍は踏みたく無い。

 

 

「ミリムー! もう止めとけよ? マジで飯抜くぞ?」

「うっ……いや、ワタシは様子を見ているだけだぞ。 ほら、何かしているのだ」

 

 

次にすべきは……ケーキを道に置いた!

 

 

「ケーキを路上に直置きッ!?」

 

 

これ見よがしに一切れ食って見せた。

どれ食べたかろうと。

 

 

「しかも食った!? 汚ねぇよ!」

「食べれる時に食べないと……そう。 拾い食いであっても」

「シ、シズさん……?」

「な、なんだそれは!? それも美味そうなのだ!」

 

 

どうした魔王ミリムよ?

ギラギラした目線を隠せてないぞ?

そぉら、また一切れ食べてしまった。 もう半分しかないぞよ?

 

 

「ま、待て! 今降りる! 降りるから! これまた引き分けって事にしてやるのだ!」

 

 

降りてきた。 ケーキを指差し食わせろと懇願している。

クラフターは満面の笑みで譲ってやった。

そうだ。 これが"落とし所"だと。

 

 

「ムグムグ……こ、これは! 甘くてフワフワで美味しいのだ! これまた初めての味わいなのだ! ワタシは今、猛烈に感動している!」

「俺は困惑している。 拾い食いというか、なんというか。 教育に悪い光景だもん」

「食べれるだけでも有り難いと思わなきゃ」

「シ、シズさん……昔ナニが……戦時の影響か、それとも魔王の時? ギルドの時?」

 

 

蜂蜜でなくても沈静化。 実験は成功だ!

 

やはり甘味は興奮している者を大人しくさせるのか。

皆が皆では無いと思うから、これまた研究対象だろうけど。

 

この件は、創造主達にサトウキビ畑ビルの建設を決意させるに至る。 思えばまだ無いのだ。

ここでは砂糖は貴重品らしいし、皆が喜ぶなら我々創造主も嬉しい。

キッカケは事故とはいえ……しゃがみこんでいるミリムを見下ろした。

地面に転がるケーキをモシャモシャするミリムは今、沈静化しただけでなく良い笑顔だ。

 

この笑顔を沢山クラフト出来るならば、高度限界ビルの建設をしたとしても、やぶさかではない。

なにより、皆の喜ぶ顔が我々の笑顔にも繋がるのだから。

 

 

「そう……そうよミリムちゃん。 一切れ残さず、一粒残さず食べるのよ……ふふふっ」

「シズさん帰ってきてー!?」

 

 




シズさんは戦時中の人だからかな……?
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