寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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今度は冒険者トリオとそのギルマス、ヨウム達調査団と出会います。
出会いと再会の章ですねぇ(他人事。

登場人物が増えると描写が難しいですね。
減らせるところは減らさなきゃ(殴。

漫画版ではヨウム達はオークロードの調査、フューズ達はロードを倒したとされる魔物の調査。
作中ではクラフター達の影響でオークロードは存在していませんが、そのクラフター達が得体の知れない人間との情報から調査に来ている感じです。


43.再会と新規

 

「なんでこんな目にいいいいいっ!?」

「お前がナイトスパイダーの巣をつっついたからだろうが!!」

 

 

いつかのように森が騒がしいから行ってみれば、大蜘蛛だった。

中々の速さで移動中。 逃走している村人を襲おうとしている。

 

 

「死んだらカバルの枕元に出てやるんだからね〜〜っ!」

「そりゃ無理ってもんだ! ってこのやりとり前にもしたな!」

 

 

よく見れば村人トリオと……ひとりは知らん奴だが。

旧友だ。 助ける義理がある。

迷わずクラフターは、またいつかの様に真下に土を積み上げ高度を上げる。

全体を見渡せる位置で弓矢を絞り、一斉射撃。 相手はデカい。 この距離で外す創造主ではない。

 

 

「うおっ!? どこからともなく矢が!」

「あ! あそこにいる、土柱の人影達は!」

「あの人達でやす! あの時と同じでやす!」

 

 

当たった。 もれなく針山になる。 動かなくなるまで矢を刺しまくる。

見た目相応に体力値が高い。 こういう奴は安全圏からチクチクするのに限る。 チャンバラなんてとんでもない。 試合でもあるまいに。

 

 

「知り合いか?」

「ええまぁ……魔物の町の主の友人的な?」

「曖昧だな……」

「何故か言葉が通じないのよぉ」

「でも良い奴らでやすよ」

 

 

土柱を壊しつつ、トリオの元へ向かう。

剣に持ち替えるのを忘れない。 前は伏兵がいたが為に。 我々は学ぶ。 考える葦である。

ミリム等のウィザー級に相対する時もだ。

ひとりひとりは弱い一茎の如く虚弱で悲惨な存在でしかない。 だが思考次第で世界をも抱擁出来るのが創造主だとも愚考する。

逆に無限と無という相矛盾、二律背反の中で揺れ動く俗世と生命の存在は何であるか?

ここに我々や生きとし生けるものの尊厳と偉大さがある。

個人による思考は正義と悪同様に様々であるから、議論はしない。

今は今だ。 やるべき事、したい事をするのが真っ当である。

 

 

「なんだ。 来てみりゃ終わってんじゃねぇか」

 

 

何か村人が増えた。 この辺に村は無い筈だが。

なんにせよ敵ではないか。 剣を仕舞う。

更にケーキを置こうとしたが、やめた。 利無き敵対は勘弁だ。 代わりにベイクドポテトを食う。 戦闘前後は満腹にしておきたい。

それによる体力の自然回復は緩やかだが、馬鹿には出来ないものだ。

我々は元の世界でその重要性を既に知り得ている。 腹が減っては戦は出来ぬのだ。

 

 

「誰だあんた……」

「ファルムス王国調査団長、ヨウムだ」

「ヨウムさーん! 急に走ってどうしたんですか!?」

「……で、あの眼鏡の若造がロンメルだ」

 

 

なんかハァンハァン鳴き合い始めた。

ポテトを食いながら眺める。 シズがいなければ内容は妄想するしかない。

あいや我々は考える。 ハァンハァン合唱にもちゃんと意味があるのをこの世界で知り得たのだ。

我々は学ぶ。 ハァン語なるものがあるなら解読したい。

我々も痛感時のウォッなる悲鳴ではなく、ハァンと鳴けば距離が縮まるやも知れぬ。

 

 

「なんだ、先に仕留められちゃったす。 良いっすけどね、楽して今日の晩御飯手に入ったすから」

 

 

また増えた。

が、此方は知る村人だった。 ゴブタという村人だ。

大蜘蛛の亡骸を捌き始めた。 素材収集か。 分かる。 蜘蛛の糸とか。

悪性食料の蜘蛛の目は食いたくないが、これだけ大きいのだ。 他の部位は食べ甲斐があるかも知れない。

それに所変われば品変わる。 つまり美味いかも知れない。

楽しみが増えたな。 人生こうでなければ。

 

 

「……一気に賑やかになったな」

「俺はフューズだ。 ブルムンド王国のギルマスで、コイツら三馬鹿の上司に当たる」

「で、そっちの魔物は?」

「ゴブタっす」

「……ゴブタ君。 君に頼みがある。 この辺にあるという、魔物の町に案内を頼めるか?」

「良いっすよ。 皆ついて来るっす!」

「俺らもついていくか。 目的地も内容も同じだろうし」

「という事は?」

「得体の知れない人間達が混ざる、魔物の町の調査、さ。 多分ソイツらの事だろうが」

「……やはり噂は無視出来んか」

 

 

ゴブタの手が鈍い。 良し。 手伝おう。

取り敢えずドロップ増加のエンチャントを施したダイヤ剣で死骸を切り刻んでいく。

本来は死ぬ前に切るべきだが、仕方ない。 安全が優先だ。 実験も兼ねる。

 

うん……? まだ少し息があるか?

斬り捨てた。 明らかに増えた。

おお諸君、増えたぞ!

元より得するとは気分が良い!

 

次は完全なる死骸に試すべきだ。

その条件の場合、増えないと思うが決めつけは良くない。

 

 

「……笑顔で切り刻んでるぞ!?」

「おい! 本当にコイツら大丈夫なのか!? サイコパスじゃねえのか!?」

「だ、大丈夫でやすよ。 たぶん」

「たぶん!?」

「おー! 相変わらずアンタ達の剣は謎で凄いっすね! 可食部が増えたっす!」

「それ食えるのか? 食って平気なのか!?」

「あ、街まで行くついでに運ぶの手伝ってくれるっすか?」

「……アンタも大物の気配がするよ」

 

 

ストレージに入りきるが、どうやら彼等も運んでくれるらしい。

ご好意に甘えよう。 礼としてお辞儀した。

 

 

「コレ鍋が良いっすかねぇ……今から楽しみっす。 あ、これだけあるから皆さんの分もあると思うっすから、そこは安心」

「やっぱ食うの? これ食うの!?」

 

 

食とは娯楽の一種だ。

かと思えば命を未来へ繋げる重要性がある。

一方で火種でもある。 キノコの論争規模で済むなら良いが、そうでない事もある。

ケーキの件もそうだ。 悪性食料を与えられて憤慨するなら理解出来るが、アレは手間のかかる高価な嗜好品だ。 贅沢だ。

只で貰えるだけで有り難い筈なのに。 ミリムは喜ぶが他は駄目だったりする。 謎だ。

 

食は奥深い。 美学であり哲学である。

そして我々は考え思う。

要するに好き好きじゃね、と。

 

 

「まぁ食ってみれば分かるっすよ」

 

 

だがシオン。 彼奴の出す汚物は悪性食料で間違いない。 悪食リムルすら拒否反応を示す程だから。 創造主は存じているのだ。




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