よくある(?)ブチ込みキャラ達による瞬殺……も考えなかった訳じゃないのですが……。
ミリムの出番も考えて漫画通りに進めようと。
野戦後方支援、救援所な所やヤキイモネタは転スラ日記参考。
作者に創造(想像)力が足りなかった……ッ!
「援軍を加えて総攻撃……から10時間経ちましたハイ」
打てど斬ろうと斃れる気配を見せない巨大魚に、クラフターは様々に試行した。
地上では同志含む村人が、空中ではエリトラやいつの間にか来た天馬が思い思いに攻撃をしている。
かなりの攻撃量の筈だが互いに決定打に欠けている。 だが焦ってはならない。 創造にせよ想像にせよ何が出来るかではない。 何がしたいかを考えるべし。
……ただまぁ、やはりというか。 腹が減っては戦は出来ぬ。 思考力も低下する。
なので偶に後方支援と思われる村人の即席簡易拠点にお邪魔して「おむすび」なるボール状の携帯食料をパクつく。 美味い。 パンと双璧を為すやも知れぬ。
取り敢えずフルスタックにするとIRP内や空中、巨大魚の上でもパクつく。
身も心も動いている限り腹は減ものだ。 生きてるって証拠だよ。
……ただ皆は戦闘は戦闘、食事は食事、治療は治療に集中していた。
刹那主義か。 それも結構だが我々の様に器用になれれば練度に磨きが掛かる事だろう。
時間は常に流れてる。 有限とも無限とも取れる中、競争相手が常日頃いる身としては効率も考えねばならない。 そう、今みたいに。
「米粒散らしながら汚いですよ!」
「そうよ。 米粒1粒も残してはいけない」
「シュナ、シズさん。 ツッコむとこソコじゃない。 せめてアイツらの余裕の態度にツッコんであげて」
それでも考えるより先に手が動くのは経験が豊富が故に。 迷いは無い。
突き進むのみ。 我々、邁進の日々。
「わっはっはっ! 見ていて飽きぬ者達だな、奴の頭に木を生やしたぞ!」
「チョンマゲかよ! トレイニーさんは あんな事しないもんな……やっぱアイツらか!」
「おお!? 今度はツルハシ!? スコップ!? 斬り刺せぬなら掘ろうと!?」
「もう見るなミリム!? 悪い事覚えちゃいけないしやっちゃ駄目だ!」
「?」
「ヤダ、この子純粋無垢な目をしている!」
様々を試してはいるが進展が無い。
それでも続ける事が己の美学じゃんとばかりに腕を振るう。
時に無心だ。 単純作業に没頭するだけでも魂は嫌な事から解放される。
例え何も採取出来ずとも、大したダメージを与えられずとも、エンドラの時の様に回復されようとも。
そういやクリスタルが無い。 コイツの自己回復力はウィザー級かやはり。
「ところで、コイツらの手作りドラゴンはどうした? 力尽きたのか?」
「そうみたい。 弾切れだって」
「……空飛べる見た目じゃないもんなぁ」
リムルとシズが此方に指をさして話し合っている。 IRPに不満気な態度だ。
クラフターは首を横に振った。 役立たずの無用の長物と化した事を指摘されて悔しさを感じているのだ。
不本意だが認めざるを得ない。
これではいけませんね、と。
「そ、そんなに落ち込まないで!? ね!?」
シズに宥められる。
しかし事実である。 次はリムルみたいに羽根を生やしてみようか。 それも楽しそうだ。
問題はどうやって飛行するかだ。 我々の様にエリトラを付けられれば良いのだが。
「シズさん、あまり構わない方が良いよ。 碌でもない事しでかしそうで怖い」
「大切なお友達でしょ?」
「悪友だよ……まだね」
さてもどうしたものか。
と、その時。 不思議な事が起きた。
「お の れ」
巨大魚がハァンと鳴いた!
「喋った!? 知性は無いって話じゃなかったか?」
何という事だ……クラフターは戦慄と共に身を震わせた。
魚がハァンと鳴いたのだ!
まさかの事態だった。
単純作業中の不意打ちだ。 心にダイレクトアタックされたかの様な急展開についていけず狼狽える。
「ミリ……ミリムめ……!!」
また鳴いた!
世界の環境と生物は多様性に富む事は認めるが、まさか魚までハァンと鳴くとは。
あいや可能性は既に示唆されていたのだ。 狼もハァンと鳴いた時点で気付くべきだった。
もうこの世界全ての生物がハァンと鳴いている気がしてならない。
『告。 敵個体より生体反応確認』
「生体反応? そんなの当たり前だろ」
『否。 カリュブディス自身に物質体はありません。 生体反応があるとすれば』
「依代になった方か」
穢れだ。 穢れが世界を覆っている!
不意打ちで短絡思考になったクラフターは首を激しく動かした。
この事態を解決するにはどうすれば良いんだ。 何がやれる?
あいや違う。 やれる事を考えるのではなくやりたい事を考えるんだ!
……シズは違う。 最初こそハァンと鳴いていたが。 この違いはなんだ。
アレか。 リスポーンが引金か。 最寄のベッドに寝かせて殺せばハァン病は治るか?
碌な証拠無く病気認定からの狂人思考をするのは、リスポーンすれば状態異常が治るからだ。
ベッドに寝かし付けて次々殺さねば。
……殺す事は命の冒涜ではなく救済だった?
「うむ。 覚えがあるのだ、この感じ。 確かフォビオとかいう魔人だ」
「成る程。 依代の意思に従ってテンペストを目指していたのか」
『ミリ……ム……!』
もう鳴くな。 泣きたくなる。
……涙を堪える様に天を仰ぐ。
仰ぎつつ思考する。 あの時、リムルは寝起きドッキリ救済した事になる。 あの悪夢は実は救いだった……?
……いや待てと同志。 状態異常なら牛乳バケツで解消する。
殺害は最終手段だ。 早まるな。 感じろ。
「なぁなぁ」
「……わかったよ。 ありゃミリムの客だ。 全員退避だ、ミリムが加わる。 巻き込まれるなよ」
ならばと牛乳バケツとベッドを常備しなくては。
皆は巨大魚から離れていく。 取りに行く物を取りに行かねばならぬ。
「しかし何しでかした?」
「ワタシのファンか?」
『おの……れ……ミリムめぇ』
聞こえない振りをしつつ各自拠点に戻り、ミルクを取る。 予備のベッドを取る。
あれ待て。 どこいった。 適当箱に入れていたと思っていたが。
「おのれとか言ってるよ。 絶対お前に恨み持ってる奴だろコレ!」
「ははは、まさか! この魔王ミリム、生まれてコノカタ誰かに恨まれた事など1度も無いのだぞ?」
『ヤキイモ〜〜〜!!』
「えっ、なにそれ!?」
「あー、あの時かぁ!」
「ナニしたんだー!?」
漁る。 手間取る。 いけない。 村人に効率を求める思考をしながら時間を浪費する。
「フォビオを残してカリュブディスだけ吹っ飛ばせるか?」
「容易い事なのだ……ドラゴ・バスター!」
やっと見つけて戻ってみると何やら凄い事が起きている。
ミリムを軸に魚へと光弾が放たれている。 散弾形式だ。 空が眩く輝き目を見張る。
やはり力を隠し持っていたか。 魔王とやらは侮れない。 でもハァンと鳴くのは同じだ。
くそっ。 集会の時間に飲ませてやるべきだった。
『!? 解析不能。 情報収集に失敗しました』
うわぁ……。
TNT換算何個分だろう。 凄い爆煙だ。
こりゃ魚は死んだかも知れない。 ミルク飲ませたかったのに。 せめてベッドに何とか寝かせて……頭にでも設置してから殺して欲しかった。
だが閃いた。 この形式はIRPに導入出来るかも知れない。
「うわぁ……こりゃフォビオごとイッたかな……いや、生きてるか!?」
煙の中、落ちていく人影。
ソレをリムルが拾い、地面に寝かせる。 我々も後に続く。
「流石ミリム。 見事な手加減だったよ……さてと、どうだ大賢者」
『解。 個体名フォビオと個体名カリュブディスの融合率九割以上』
「マジかよ……どうする? どうやってフォビオからカリュブディスを完全分離する?」
『スキル変質者と捕食者の並列起動による分離"手術"の可能性。 ただしカリュブディスの力に対しスキル捕食者では───』
「やるしかない。 死なせる訳にはいかない。 大賢者は制御に……ん?」
取り敢えず寝ている村人をベッドに寝かす。
これで安心。 最悪の場合は殺せる。
「助手か? だが俺には大賢者がいるから。 というかヤメテ? 碌な結果を残さないよね絶対!?」
「大丈夫!?」
「ああ、シズさん! 助けてー!?」
煩い。 リムルが邪魔してくる。 シズまで来た。
取り敢えずリムルとシズごと黒曜石で防壁からの豆腐状にして実験室内に入れる。
他者から邪魔されない為。 あとネザーみたいに爆発しても良い様に。
リムル、シズ……死ぬ時は一緒だよ?
「マジキチスマイルヤメロォ!?」
「何をする気なの! ふざけないで!」
『……』
ふざけてない。 真面目にふざけてるんだ。
それを言ったら何だ。 我々からしたら、さっきの攻撃の方が余程ふざけているぞ。
何故か魚から村人が出てきたし。
飲み込まれていたのだろうか?
何にせよ、魚の化身な気もする。 だからそれで良しとするが、結果を顧みず爆破すれば良いなんて短絡的だ。
殺すならベッドに寝かせてからにするべきだ。 リスポーンするにも知らぬ土地で復活するのだろうし。
「そんな真顔で……」
「なんて言ってる?」
「死んだらどうする、知らない所で復活するぞと」
『解。 素体から分離させると精神生命体であるカリュブディスは別の依代を得て復活します』
「……コイツら、それを知って?」
その地も知りたいが、先ず手の届くところから手を付けたい。
ベッドに寝ている村人に近寄る。
「な、何をする気だ……!?」
見てろよリムル。
牛乳バケツを各自右手に持ち見せびらかす。
状態異常とはこうして治せ。 意味不明でも取り敢えずコレで何とかなる。
「牛乳!? そんなのでどうするんだよ!? メシマズの口直しじゃないんだぞ!?」
村人の口を抉り開ける様にして、ミルクバケツをひっくり返す。 溺れる勢いで次々と。
「ゴボッ!? ゴボボボボッ!!?」
「牛乳で溺死させる気!?」
「ま、真面目に治しているみたい……」
「これでか!? これで万病が治るなら苦労しな……」
『告。 カリュブディスが分離を開始。 捕食しますか? yes/no』
「ヘァッ!?」
黒いモヤが出てきた。 リムルが煩い。
だが構わず突き進む。 牛乳を飲ませると決意したなら飲ませ続ける。 オラオラである。
「今なら捕食出来るの!?」
『謎の白い液体により弱体化した為、捕食可能域になったと思われます』
「えぇ……取り敢えずイエスで……」
片やリムルが黒いモヤを捕食している。
何でも食うが、霧まで食うか。 仙人か。
何でも有りだと思いつつも、我々は我々の道がある。 スライム道は知らぬ。
おいコラ吐くな。 飲め。 さすれば楽になる。
『告。 カリュブディスの捕食に成功しました』
「……アッハイ」
「……お、終わったよ。 だからね、もう牛乳飲ませなくて良いよ!? 折角楽になったのに別の意味で楽になっちゃうよ!?」
「ゴボッ! ゴボボボボボボッ……」
結果を先に述べよう。 実験は成功だ!
かくして。
クラフターはシズとリムルに止められるまで白き濁流を生み出し続けた。
フォビオは一応、一命を取り留めた。
ツッコミどころだらけだと思いますが許してください!