本編コミカライズを参考にしていますが、転スラ日記、魔国暮らしのトリニティ等のネタも含むかも知れません。
本編で既に ある種のクラフターが多々いると思いますが、どう絡ませるか。
取り敢えず、シズさん死亡までを目安にしようかなと思ってますが続くか不明です。 羞恥心から削除するかも(殴。
1.洞窟とドラゴンとスライム
目が覚めたら洞窟なのだから、クラフター達は首を傾げた。
自分達は いつも通り拠点内のベッドに横たわった筈である。 そして就寝した。 目覚めはログハウスの自室でなければならない。
「驚いたぞ。 次々に我の前に現れるのだから」
ところが、これだ。
見渡す限り大洞窟である。 広い。 渓谷だってあるに違いない。 スポブロだってあるやも知れない。
「おい、返事をするが良い」
しかもである。
松明1つすら刺さっていない洞窟である。 間違いなく未踏破を示唆していた。 ブラマイでの邂逅と興奮が今蘇る。
鉱物の採取をしなければ。 松明も忘れまい。
最早使命と云って過言では無い。
「我を無視するな!」
各々走り出し、松明を撒き始めた。 洞窟はどんどん明るく照らされていく。
マルチでの採掘は競争だ。 鉱物は早い者順となる。 それでも何に付けても松明が優先された。
「松明? 久しぶりに見たな……って、いや どこから そんなに出しておるのだ!?」
これは習性だった。 闇とは魑魅魍魎が跋扈する空間だ。 打ち払わなければならない。
この場の座標位置は知らないが、地上も地下も洞窟も関係なく奴等は現れる。
今更にゾンビや蜘蛛に苦戦はしないが、大抵は油断した頃に殺されるものだ。
沸き潰しが甘かった頃など しょっちゅうだ。
ダイヤ採掘中、スケルトンに射抜かれてのマグマダイブは苦い思い出だ。 全ロストは辛過ぎた。
「何処へ行く!? おーい!?」
過ぎた事は仕方なし。 採掘だ。
クラフターは各々松明を刺す。 ツルハシを振り回し謎の鉱石を採取する。 自生している新種の草をも採取する。 摩訶不思議な現象に巻き込まれた上、新種との巡り合わせ。 人生何が起きるか分からない。 実に面白いから辞められない。
しかし、こうも広いとは。 いっそ拠点に改造するのも良い。 幸い拠点一式は持ち寄れる。 かまどならその辺で掘った丸石で作り放題だ。
思い立ったたが吉日。 クラフターの一部は整地作業にシフトした。 地を平坦にし、削り立ての丸石による素朴な豆腐拠点を並べ立てる。 見た目は気にしない。 仮拠点だ。
あっという間だ。 天道様並の照度を確保した村が出来上がった。
「集落が一瞬で出来たのか!? ううむ、貴様らは我の知る人間か? 念話も通じぬとは……」
照度さえ確保すれば地下でも農作が出来る。 長期滞在や後の仮拠点としても使えるように畑を作る。
運良く小麦のなる種やジャガイモ、人参やスイカの種を持つ者がいたのも幸いだ。
後は整地された地面を1マス分掘り、代わりに土を埋める。 どうしてかダイヤ製鍬を持ち歩いていた者がいたので此れで耕し種を蒔く。 間に用水路を設けて水バケツで水を流した。 土は程良く湿った。 これで良い。
「いやー、我は門外漢であるが普通の植物は育たないのでは……魔素もあるし……育った!?」
土と水は大体の者が持ち歩いている。 足場用、戦闘用、緊急用と用途は幅広い為だ。
骨粉を持っていた者は、インベントリの圧迫を理由に畑に撒いた。 もれなく成長した。
「早くないか? そんなものなのか!?」
そういや苗もあった。 こうも広いので育ちはするか。
植えた。 骨粉でホホイのホイ。 育った。
「いやなんで? 木って こうやって生えるの? 違うと思うのは気の所為?」
一方で探索組も収穫があった。 何時もながらモンスターがやってきた際だ。
蜘蛛とコウモリはまぁ、外見こそ違えど想像の範疇として……目を見張るのは別にあった。
新種、新種、新種の連続である。 今まで見た事もない形状をしたモンスターと対峙したのである。
細長いヤツは毒状態にしてくる霧を吐く。 牛でも豚でもない4速歩行もいた。 更に細長く脚が大量にあるヤツもいた。
総じてモンスターのソレで、見た目通りに凶悪かつ敵対であった。 もれなくダイヤ剣をお見舞いした。
「素晴らしい威力の剣だな。 しかし毒を喰らっては長く生きては……何飲んでる? え? 瞬時に解毒したのか!?」
楽に得られた訳ではない。 ダイヤ剣が擦り減り、ミルクバケツを1つ失った。
しかし、まだまだ新種を予感させる出来事に胸が躍る。 ついでに腰を激しく動かすコト暫し……またも新種を発見する!
スライムだ!
大きさは最小に近い。 だが ただのスライムではない。
水色。 水色スライムであるぞ。 跳ねない。 地面を這う。 纏わりつかない。 なんと珍妙か。
特に色だ。 スライムといえば緑色と決まっている。 他の色はあり得ないのがクラフター間の常識だ。 今度、羊の様に染色を試みた方が良いかも知れない。
しかしスライムがいるとは、座標は深いのだろうか。 いやそんな事よりスライムだ。
「我を無視し小さき者に絡むとは……羨ましくなんか無いんだからね!」
クラフターは緊急会議を開く。 スライムの処遇を決めねばならない。
現在、スライムは拠点に進んでいる。 もう分裂が出来ないサイズだ。 無害スライムである。 衝突しても痛くもない。
駆け出しの頃でなし、他に見当たらないものを屠る事はしたくない。
取り敢えず家畜同様、柵で囲っておく。 漏れなくスライムを確保した。
(あれ? 急に進めなくなったぞ。 ここまで異様なまでに平坦だったのに。 じゃあ右に……ぶつかる。 左もダメ。 じゃあバックして……ダメ!? あれ囲まれてる!?)
観察する。 賢い。 前が駄目なら左右、それも駄目なら元来た道へ行く。 だがぶつかってから方向転換をする始末だ。 視界が無いのだろう。
(じゃあジャンプして……なんでダメなんだ!?)
跳ねた。 スライムらしい行為だった。 しかし1.5ブロック分の柵である。 安易と越えられない。
「虐めは良く無いぞ。 早く解放するのだ。 そして我と友になってくれ、小さき者よ。 此奴らは話が通じん! 寂しい! 何より意味分からん!」
とはいえ、いつまでも見ているワケにはいかない。
無害なので解放してみた。 暇なので生態を確認しておこうとの事だ。 色が違えば行動パターンも違う。 別種の様だ。 新種の研究とは思わぬクラフトに繋がる事もしばしばだ。
(おっ、急に進める様に……って、さっきの声は誰だ?)
水色スライムは拠点を通り過ぎ、クラフターも後を付く。 やがては、とんでもない邂逅を果たす事になる。
「おお、やっと気付いたか! どっか行かれる前に名乗ろう! 我は暴風竜ヴェルドラ! この世に4種のみ存在する竜種が1体である、クァーハハハハ!!」
エンダードラゴンだ!
エンダードラゴンが洞窟にいるんだが!?
おかしい。
深淵にして終焉世界、ジ・エンドで巣食う漆黒のドラゴンは皆で倒した筈だ。
復活したのか。 いや、細部が異なる。 これまた新種か。
いやぁ、楽しい世界に来た様だ!
日が入らぬ洞窟だけで、何度目か分からない驚嘆を上げるクラフター。
取り敢えずドラゴンを射抜こうとした。 半透明な謎のドームに阻まれて届かなかった。 謎だ。
「いきなり ご挨拶だな。 だが この勇者によって封印された無限牢獄は物理的には破れんぞ」
つくづく面白い。
クラフターはツルハシとスコップを振り回す。 TNTも着火する。 溶岩バケツをひっくり返す。 駄目だ。 ドームが壊れない。 上から砂利や砂と共にTNTを落としてみるか。 対水仕様だ。
「出そうとしてくれてるのは有難いが。 話が進まないのでそろそろヤメテ欲しい。 我からのお願い」
クラフターは持ち得るアイテムと知識を動員して多くを試す。 諦めるのに1日は費やした。
こうしてクラフターは やって来た。
最初は洞窟を騒がしく、その後は世界を騒がしていく。
そして想像だにしなかった冒険の日々に翻弄されたり、想像を絶するクラフト能力を行使して、寂しい運命をちょっぴり擽り笑わすように翻弄させていくのだった。
続くのか……?
感想ご意見、お待ちしております。