寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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異文化交流が始まります。
シズさんや他のメンバーが空気に……。

日記ネタを混ぜつつも。


55.評価と友好

 

「獣王国ユーラザニア。 ビーストマスターこと魔王カリオンが支配する領域。 カリオンを筆頭に上級国民は全て獣人。 一兵士に至るまで徹底的に鍛え上げられた軍事国家……なのは学んだが」

 

 

獣村人降伏後。 各々村人がハァンハァンと鳴き始め新顔とリムル達古参が交流を始める。

だが特に人気なのはIRPだ。 足元に獣村人が集まり騒いでいる。

 

 

「これドラゴン?」

「雄叫びといい格好良いな!」

「作られたとしても……あそこまで動くとは」

「ヴェルドラの化身?」

「それは無い。 断じてな!」

「何か嫌な事がおありで……?」

 

 

獣村人はIRPとの交流を試みている。 可哀想に、ソイツは無機物で喋らない。

咆哮こそ上げるが、それも正確には摩擦音の様なものだ。

それを加味すると……やはり彼等に誤魔化しているのは我々だ。

それをシズがいないと伝えられない現状も含め心境は苦しい。 当の本人を連れて来ようとも思ったが、剣を振ってるなら邪魔しちゃ悪いし。

 

 

「ドラゴンの様な巨体と強靭な雰囲気! 天地を震わす勇ましい雄叫び! 仕合したいんだが!?」

「やめてくれ。 この辺一帯が吹き飛ぶ」

 

 

だが褒められてるのは悪い気はしない。

リムルだけ不満気であるが。

見慣れたのもあるだろうが、魚災の時は微妙な戦果しか出せなかったのもある。

何か良い案があれば良いが。 リムル達の能力をIRPにエンチャント出来れば直様能力向上しそう。

想像出来たなら創造出来る。 よって絶賛研究中だ。 勿論、他にも操縦系統や姿勢制御の見直しや基礎的な動作の見直しもする。 新たな武装も模索する。

なに酒がクラフト出来たのだ。 色々出来る気しかしない。 BBは未知で万能であるし。

 

そう夢想している間にも獣村人達は色々な所を観察したり匂いを嗅いだり、小突いてみたりしている。

見方によれば敗北者の癖に無礼な行為を働いている訳だが、褒めていると分かるなり歓喜した。 創造主として嬉しい事は嬉しいに決まっている。

よく観察してくれる村人達だ。 着目点が全然違う。 元の世界の村人とは雲泥の差だ。

ほら、見える所でも色々な拘りってあるからさ?

 

 

「脚それぞれにある2本の白爪なんてどうだ! ちょっとした木の幹くらいの太さはあるぞ!」

 

 

特に山猫風村人が興奮している。

今はIRPの脚の爪を見ていた。

それは鉄製アンカーだ。 二足歩行時の補助機能がある他、攻撃にも使える。

普段は地面の破壊や爪の故障を懸念して猫の爪の様に引っ込んでいるが、必要とあらば飛び出る。 襲歩からの急停止の時等にも飛び出る。 基本的に自動だ。 鉄製なのは試験段階の域を抜けない為、改修しやすいように。

 

 

「あの口の中の人間がこのドラゴンを操ってるのか……なんだこの中!? 意味わかんねぇ光がいっぱいキラキラしてる!?」

 

 

今度は操縦席にジャンプして中を観察された。 この辺は説明に困る。

我々は製造法含めて多くを知らない。 極限られた創造主の特権だ。

だが操縦しやすく工夫されているし、自己診断や修理もある程度パネル越しに出来るようになっている。

 

 

「両腕にある長い棒はなんだ!? 剣みたいなものか!?」

 

 

TNTキャノンを指差す。

昔に確立された理論に基づいた兵器だ。

砲身も本体同様に黒曜石製なので水流による対爆対策はしていない。

だが今までのと大きく異なる点は搭載されているキャノン構造は複雑で、薬室……圧縮次第でTNT弾頭の最大飛距離は他国を越えて余りある事。

またBBに座標を入れて演算させる事でその地に弾着するよう火薬量……圧縮率や仰角を調整して自動発射してくれる。

直様の対応が出来るようにロックオンした敵との座標を瞬時に計算して撃つ事も出来る。

魚災の時はそれが役に立ち、取り巻きの空魚を殲滅出来た。

未曾有の災害に対策する為に創造された兵器なのもあり、BB使用不可能時等の故障の際に已む得ず行われる直接照準射撃を考慮。

地下TNTキャノン実験室にて射表も作られている。

また、都市防衛思想計画から摩天楼の屋上等にもキャノンを造る案が出され、一部は試験的に設置されている。

リムルとシズはまだ知らない。 怒られる気がするが楽しければ良い。 我が道を進む。 それがクラフター。

 

要略。 創造万歳。

 

 

「……直接やりあえたという意味なら……お前ら人間は強かったぞ! 妙な技を持っているし面白い! 控えの一本角の方も強そうだな」

「勿論です! リムル様の護衛役として当然です! なにせあの魔王ミリム様を打ち負かした事もあるのですよ!」

「えッマジか!?」

 

 

IRPのみならず我々にも褒め言葉を向けている気がする。

戦いそうで戦わなかったシオンとも話し始めた。 社交性があって良い。 マルチでは大切だ。

 

 

「お前の勝ちだ、と半ベソかいていましたよ!」

「す、すげえなお前!」

 

 

うおおおおお、と謎の歓声が上がる。

アレか。 シオン級猛毒ポーションの話でもしたのだ。

それは我々も称賛する他ない。 今のところクラフト出来るのはシオン以外知らない。

 

 

「……獣人は力を信奉し強者を讃え、誇り高く正々堂々。 そして何より素直で裏表がない……信じるのか、その話……嘘じゃないけど本当じゃないというか……」

 

 

一方、リムルは未だ微妙な顔をしていた。

話に混ざれない苦しみか。 分かる。

クラフターはリムルに寄り添った。 取り敢えず酒を渡してみる。 友好度を上げるアイテムとしても比較的高評だし。

 

 

「……お前らも裏表が無く思えるよ」

 

 

苦笑された。

そうだ。 取り敢えず笑っとけ。 こうして福はやって来る。 友好度も上がる気がするのだから。




シオンがミリムに勝った話は転スラ日記ネタ。
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