寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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使節団のアルビスとスフィアが帰った後へ。
トリニティネタも混ぜたくなったり。


57.実験と狐村人との出会い

 

 

「アルビスとスフィアは帰った。 だが配下達は滞在。 技術を学ぶ為らしいが……」

 

 

出会いあれば別れ有り。

また滞在もあるものだ。

大酒飲みの獣村人が帰ったと思えば、部下らしき獣村人は滞在を続けている。

それは好き好きだ。 好きにすれば良い。 荒らさなければ、という条件が付くが。

 

 

「マンションに空室が沢山あるからな。 贅沢しなきゃ住居には困らないか」

「水の昇降機等には困惑されましたが、今は慣れてくれた様です。 ですが……」

「どうした」

「それら彼等の技術も学びたい、と」

「無理ダナ。 大賢者でも解析出来ない事が大半なのに教えられないゾ。 ハッハッハッ」

「……リムル様、お辛いのは分かりますが」

「辛い時やどうしようもない事は笑うしか無い。 というわけでリグルドも笑いたまえ」

「ははは……」

 

 

新規村人達は建造したビルやマンションに勝手に住み始めている。

やはり余分に空室を作って正解だった。 万単位の人口なんてかつて経験した事のない規模である。

だが同時に新たな取り組みであり、ワクワクが止まらない。

村人も我々が建設した大都市にて独自に活動し、様々なクラフトを見せていく。

負けてはいられない。 酒も様々な種類を開発した。 醸造台を用いて蒸留酒にジャガイモを混ぜて白樺の木炭で脱臭、すると火酒なるものが出来た。 個人差があるがキツい。 かなり酔う。 これも個人差あるが熱くなる。 ブレイズみたいに火を吹けそうな気分になる。

実際、火薬を調合してスプラッシュにし、火柱に放り込んだら烈火の如く燃え上がった。

考え方次第で武器に出来そうだ。 一考の価値有りである。

なお、ジャガイモではなく小麦を原料にしたら麦酒なるものが出来た。

握り飯を放り込んだら米酒なるものが出来た。

面白いので今後も様々なモノを原料にしていこうと思う。 味も見た目も異なって来る酒は見ても飲んでも面白い。 あと投擲。

 

 

「首都リムルは凄いな。 何もかもが不思議だ」

「無限に湧き出る水、かのドラゴン程の規模を生物以上に動かせる技術力」

「そうだな。 2年足らずで大都市を築けたのも彼等、謎の人間達の技術力故か」

「出来れば学びたいんだが言葉が通じんからなぁ」

「なに、ドワーフや鬼人の鍛治職人達から学べる事も多い。 あれもこれもと言わず、出来る事をしていこう」

「だな」

 

 

取り敢えず獣村人達は荒らし行為をする様子が無く安心した。

それを嬉しく思ったクラフターは、時々彼等に酒を振る舞う。 実験動物的な役割もある。

 

 

「おお、これはこれは……」

「うむ、美味い!」

「これを祖国でも飲めたならば」

 

 

よしよし。 やはり酒はウケる。

もうケーキやパンが無くて良い。 無いなら酒を飲ませれば良いじゃないか。

その方が間違いないなら尚更に。

 

 

「美味い酒造りを教えてくれればなぁ」

「言葉が通じないのが残念でならない」

 

 

かと思った側から残念そうな顔をされる。

酒も個人差で好き好みがあるのだろう。 それは仕方ない。 嫌われなければ良い。

 

さても酒ばかり構ってられない。

クラフトの世界は壮大だ。 村人達に負けない為にも都市整備を続け、屋上にキャノンを増産していく。

残念ながら砲塔旋回不可能の固定式で単発式。 自動装填は無い。 だが一応は対地対空式とする。

余裕を見てフルオート自動装填にする。 先ずは防衛力の向上を優先したのでこうなった。

BBもあれば砲塔旋回させたり自動で動く様に出来るのだが。 砲手や観測手も要らない。

演算能力もありかなり凄い技術である。 頑張ればIRP等も操縦者無しで動かせる可能性もある。 なんなら喋らせる事も出来るかも知れない。

だがしかし。

残念ながらアレの創造方法は鞍同様不明だ。

クラフターが創造したものの筈だが。 どこかにレシピが落ちてないか。 無理か。

 

 

「あ、ああ……そんな顔しないでくれ」

「そうだ。 別に咎めている訳じゃねぇ」

 

 

なんか村人に気を遣われた。

なんだか気不味い。取り敢えず腰を曲げてお辞儀。 この場を去る。

 

 

「じゃあな! 美味い酒、ありがとよ!」

「言葉なくても構わない! 気持ちは伝わるさ!」

 

 

街中を散策する。 道中の路地裏もくまなく調べていく。

沸き潰しヨシ。 破損箇所無し。 平和である。

 

行き交う村人達は交流に取引に忙しい。

テンペストは最近はこうだ。 最初の頃とは雲泥の差だ。

どこからこんな万単位の村人が沸いたのか。 種類も様々である。 繁殖場所が何処かにあるのだろうか。

いやしかし、繁殖現場を目撃した事がない。 そういや食べ物を与えても発情する様子もない。 与えるモノが違うのか?

 

 

「来たです! 魔国連邦首都リムル!!」

 

 

ふと甲高いハァンで振り返った。

犬のような猫のような獣耳と尻尾を生やした村人がいた。

最近元の世界で見かけたとかいう狐とかいう生物に似る気がする。

 

ふと、気が付いた。

村人と獣を発情させて交配すると生まれるのが獣村人なのではないか、と。

 

 

「ふあー! 道がスーッと真っ直ぐです。 デコボコしてないし砂っぽくないです! 天を摩する塔が何基も建ち並んで凄いです! ピシッとした綺麗な都市です!! それに色んな種族がいるです!! あ、噂の人間もいるです!?」

 

 

取り敢えず手頃そうなので発情実験だ。

腰を曲げて挨拶しつつ酒とコスパの良いベイクドポテトを渡してみた。

 

 

「え、えと……ありがとです……?」

 

 

困惑された。 受け取るも発情した様子は無い。

 

簡単にはいかないか。

取り敢えず簡易実験は失敗だッ!

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