寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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リムル不在のテンペストにて。
日記やトリニティ等も参考にしつつ。

ついて行っても政治的な話になりますからね。 あと某国とのドンパチ伏線。
最近は会話メインになりがちなので創造の話を混ぜたくはありますが……難しい。
特にシズさんどうしよう(殴。


61.束縛と自由

 

 

リムルがドワルゴンに旅立ってからも、テンペストは賑やかだ。

1番の統率者がいなくなっても治安維持が為されている辺り、村人達の努力の賜物である。

 

 

「お待たせしました。 リムルさまん蒸し上がりです……」

「リムル様だんご、冷やしリムル様もありますよ〜……」

「リムル様リムル様リムル様リムル様……」

 

 

微細な変化としては村人達がややゾンビ行動に似た行為を取る事だ。

呻き飢え渇く集団でゾロゾロと取引所に寄せる姿はイベントのソレである。 情が湧く前なら殲滅していた。

癖で抜剣しなかったのは今日まで養ってきた強靭な精神からだろう。 我々も確実に強くなっているのだ。

 

 

「以前の3倍は売れているようで」

「愛……ですかなぁ?」

 

 

食品が美味いのは賛同するが。

以前に増して消費されるのは何故か。 どれもリムルに似せた食べ物ばかりだ。

これは精神的支柱であるリムル不在と関係があるだろう。 間違いない。

 

……本物が帰還した時、喰われそうだ。

実は常に狙われているのでは?

 

捕食者側と思っていたが、そうでもないらしい。

だが食う喜びと食われる恐怖を同時に知り得ているのは悪い事ではない。

生きている以上、生と死について無頓着にならずに済むからだ。 安易に死ねる人生は精神摩耗の恐れ有り。

特に時間と資材ロストの苦痛は辛い。 その感覚は忘れてはならない。

 

 

「え、えーと……私は稽古に戻るね。 貴方はどうする?」

 

 

シズに尋ねられた。

ふむ。 共に行こう。 IRP研究も行き詰まっている。 ミリムの攻撃を参考にした散弾式キャノンを右肩部に搭載したくらいだし。

この理屈は難しくない。 元の世界でも実験していた事だ。

円形状に弾頭を複数発射して、中央に起爆が他より早い弾頭を同時発射。 中央の弾頭が先に起爆する事で周囲に飛翔している弾頭が爆物で散るというもの。

が、問題もある。 TNT消費量は自然と多くなるし長距離攻撃に不向きだ。

対空戦闘や対地戦闘において軍団を相手にするのが好ましい。 若しくは俊敏な敵とか。

TNTの材料である火薬の収集は大変だ。 ストックはあるとはいえ、大規模戦が長期化したら継戦出来ない。

火薬に変わる動力があれば良いのだが。 もしくはTNTに代わる兵器。

 

 

「別行動にする?」

 

 

いや共に行くぞ。

この地でもやりたい事は色々あるが。 都市防衛思想計画も行き詰まり感が否めないし。

キャノンはフルオート機構を取り付けるまでいったものの、それ以上の進展は無い。

BBがIRPにしかないので大型化も避けられなかった。 演算のリソースは余裕様子だから何とかIRP経由でも遠隔操作出来ないだろうか。 だがRS回路みたいに有線式にする訳にはいかない。 無線技術が我々には無い。

BBは謎に満ちているから、操作パネルから何とか出来ないものか。

 

兎に角、考えても仕方ない。

息抜きも兼ねて戦闘訓練をしよう。 この世界での戦闘も研究しなければ。

そこからヒントを得られるやも知れないし。

 

 

「……また何か造ったの?」

 

 

さあ行こう。 時は有限だ。

 

 

「分かった……後で聞かせてね。 たっぷりと」

 

 

……笑顔の重圧が凄い。 改めて生と死について考えさせられた。 己の未熟さを嘆いた。

忸怩しつつ、次に出来る事を考えよう。 アレはどうか。 これ如何に。 そうして恐怖を誤魔化した。 現実逃避はらしくない。

というか嫌いだ。 だがそれ以上にこの雰囲気は嫌だ。 だから許せ。 今は楽しい妄想に浸りたい。

 

 

「……本当はね、分かってるんだ。 貴方達を縛れる立場じゃないって」

 

 

移動の最中、シズが憂いを帯びる。

帯びたいのは此方なのだが。

 

……前にもあったな。 こんな事。

 

 

「なのに私の未練でリムルや、貴方達の人生を縛って……重圧になっている。 でも本来貴方達は1つ所に縛られる存在じゃない。 堂々毅然たる姿で冒険して開拓して建築して。 そうして生きていくんだよね。 楽しく、誇らしく、嘘偽りない笑顔でどこまでも」

 

 

シズを見る。 下を向いて口角を上げている。

 

 

「イングラシアって国に私の教え子達がいるの。 落ち着いたら国を出て戻るつもり。 リムルや貴方達に迷惑を掛け続ける訳にはいかないと思っているの。 本当は魔王の所にいって魔素を安定化させる方法を聞こうと思っていたけれど……場所がはっきり分からないから……だけど、そうすれば貴方達の肩の荷が少しは……」

 

 

ぽんっとシズの頭に手を乗せた。

やっと頭を上げた。 己を見た。

 

 

「えっ?」

 

 

シズが人生の重圧だなんて思っていない。

寧ろ軽度に制限された世界に生きてこれ程の自由を与えられて嬉しいくらいだ。

その中で出来る事を思考する。 創造する。 逆に1つ所に籠る事で熟成されていく創造もあった。 感謝する。

 

 

「でも……」

 

 

それはシズもだ。

 

 

「……私は何もしてないよ」

 

 

否。 我々はシズの努力を知る者達。

君がこの地で直向きに剣を振るった事で確かに前進している。 己に足枷がある事を自覚していながらだ。

これを我々は称賛する。 かつての力を失っても歩み続ける姿は我等マインクラフターのソレでもある。

 

 

「で、でもリムルは……」

 

 

リムルもだ。 あの水色スライムはシズに擬態して紛らわしいし、ミリムの件を思い出す度に殴りたくなるが、根は良きクラフターだと信奉したく思う。

愛する建築物に良くも悪くも興味を持ち意見してくるし皆から慕われているし。

それにシズの事を大切にしている姿勢は我々にも分かる。 悲観するな。

苦難は仲間で分かち合え。

 

 

「…………」

 

 

シズ。 君は我々の仲間である。

重圧だなんて誰も思っちゃいない。 いたら其奴は殴り飛ばしてやる。

だから自信を持て。 誇りを持て。 君が諦めず剣を持ち続けていた様に。

 

 

「……敵わないな、君達には」

 

 

砕けた口調で苦笑された。

我々も笑顔を向ける。 そうだ。 笑ってなさい。

シズには笑顔が1番似合うよ。




シズさんだったら何て言うか、行動するか……。
詳しくない(おいw)作者には難しい問題です……。
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