漫画通りにしようとするも怖いからついていかない、なんて選択はシズさんはしなさそうですし……難しい。
一方、不在中のテンペストの描写はマルチである事を利用して、それぞれ書けそうです。
……それこそ、侵略時の描写も。
クラフターを無礼(なめ)るなよ。
日常、訓練の情景へ。
まだミュウランはいませんが、代わりにシズ登場回を増やさねばと思い。
「シズ殿に……お主らもかの」
シズと共に村人達の訓練場へ赴いた。
相変わらず大勢の武装村人がハァンハァンと真剣勝負をしている。
どちらかというと木剣勝負の割合が大きいが。 訓練だしそんなものか。
「本日も宜しくお願いします」
シズがハクロウなる帯刀村人にお辞儀したから、倣って我々もお辞儀した。
またハクロウが相手らしい。
相手は懸絶した格上である。 剣気や凄まじく生半可な戦法で挑戦して良い相手ではない。
「ふぉっふぉっ。 お主らは時を惜しむ中、迷いや焦りは日に薄れておる。 同時に強くもなっている……どれ同時に相手してやろう」
木剣を構えられた。 我々も構える。
とはいえ剣のみで勝てると思えない。 土やその他アイテムを使う腹である。
実戦さながらの戦法、それこそ奇襲や奇策を取る事で多くの経験を得られるものだ。
「はい……行きます!」
シズが踏み込む。
一方、此方はエンダーパールを投げつけた。
「児戯じゃの。 童でも避けれるぞ」
避けられた。 が、それで良い。
パールが相手の背後に着弾した刹那、ダメージを負いつつハクロウの背中に瞬間移動。
そのまま無防備な背中に剣を振る。
が咄嗟に振り向かれ剣ガードされる。 判断能力も動きも迅速かつ的確だ。
「むっ……瞬動法ではない、か」
だが歴戦のクラフターとて、この程度の動作を出来る者は多い。 想定内だ。
構わず剣ごと斬り伏せる。 もれなく相手は吹き飛んだ。
「ぬっ」
信頼と実績のノックバックエンチャントを付加させた木剣だからだ。
そしてその先にはシズがいる。 さあやれシズ。
「ッ!」
「やるのぅ。 じゃが、まだまだ」
シズの剣技を防ぎ躱す。
そのまま激しい木剣同士の斬り合いに発展してしまう。
「くっ!」
「防ぐ方が多くなってきたの。 それ、打ち返してこんか」
シズが押されている。 それでも目に追えない剣筋を防ぐ姿は驚愕だ。
だがいずれ斬り捨てられてしまうのは火を見るよりも明らか。
我々もすぐさま加勢する。 ある者は瞬足ポーションを用いた突撃を敢行。
ある者は地面をスコップとツルハシで掘り進む。 ある者は土ブロックを積み上げてからの横移動という空中移動で攻めてみる。
クラフター同士の戦闘でも同様の情景は見られるが、果たしてこの世界でどこまで通用するのか。
格上のハクロウ相手に実験するのも違う気もするが、だからこそ分かる収穫を期待する。
よし。 ハクロウの真下に来た。
ミリムや山猫村人の時みたいに掘り上げて……。
「ッ!」
突如、相手が消えた。 そう認識した刹那。
ドスリッ。
鈍い音と共にシズと地面から顔を出した同志の脳天が木剣で叩かれた。
霹靂の如し。 認知する間も無し。 見事、という感情は遅れに遅れて湧いてきた。
「〜……ッ」
シズは悶絶。 同志は地中に埋め直される。
唖然。 まさかハクロウはエンダーマンか。 テレポート能力があるとでも?
「余所見してる場合かの?」
としている間に今度は地上の己の背中に瞬間移動されてしまう。 先程とは立場が逆だ。
即剣ガード。 ダメージ軽減。 だが目にも留まらぬ剣撃を縫う隙が無い。 反撃は困難。 だがこのままでは削り切られる。
「お主らは面白いのぅ。 今に限っては明らかに剣で覆い隠せない部位を斬っている筈というのに、全て剣に当たっておる。 まるで正面に見えない壁があるようじゃ」
左手のパールを投げて間合いを開ける。
仕切り直し。 シズも何とか立ち上がり復帰した事であるし。
「……ッ、もう一度!」
「前より意気込みが良いのぅ。 教え甲斐があるわい」
その後も何度も打ち続けるも、やはりハクロウに一撃を喰らわすには至らなかった。
やがて腹が減り走れなくなる頃にようやく終わった。
太陽は傾き、昼と夕方の間くらいである。
「お主らと仕合したい者が増えている様子じゃ。 まだ動けるなら彼等とも仕合してみよ。 互いに良き経験になるじゃろう」
指をさされ、先を見る。
周囲に赴きが増えていた。 何か。 挑まれているのか。
「ハクロウさんは……」
「儂はサボっておる者を相手にしてくる。 のぅ、ゴブタ?」
「ひぃ!? なんでバレてるっすか!?」
ハクロウは今度はゴブタ達をボコボコにし始めた。 此方との手合わせは終了らしい。
「えーと……私と仕合する?」
そうだな。 どうしたものか。
ベイクドポテトで満腹にしつつ空を見る。 まだ寝るには早過ぎる。
だからと今から出来る事も限られる。 対して周囲には武装村人が沢山いる。
彼等の誰かと戦うべきか。 少なくとも経験値稼ぎにはなる。 いや殺さないが。
「あ、あの!」
ハァン声をかけられた。
見やれば最近の狐村人だった。
はて。 地下労働をしていた筈だが。 クラフターは首を傾げた。
「私は警備隊にスカウトされて配属されたフォスです! 先程の剣気、凄かったです! 良ければ手合わせ願いますです!」
「……前にどこかで働いていたの?」
「えっ? あ、はいです。 地下鉄の工事に従事してたです」
「配置替えになったのかな」
「地上で買い物していた時に偶然にもゴブタさんにスカウトされて今に至るです」
「そっか。 私はシズ。 宜しくね」
名乗っている。 我々も釣られるように各々名乗り上げる。
伝わるかはさておき、それが礼儀だ。
「ほれほれどうしたゴブタ。 休んだ分、動けるじゃろ」
「ジジイ、少しは容赦ってものを……!」
「ジジイ……?」
「ぐぎゃあああああ!!!?」
無礼を働けばゴブタのようになるだろう。
見るに堪えない事態と化している。
礼節なき最悪の事例であろう。
「じゃあ始めましょう。 先ず模擬戦50連戦」
「はいです……はいぃ!?」
狐村人をシズが扱き始めた。
粗方、ハクロウより楽だと油断したな。 それは大きな間違いだ。
「ふぎゃあああああ!!!?」
「逃げちゃ駄目だよ」
終了後、革と骨にならない事を祈る。
礼儀を守れどヤられる時はヤられる。 我々は知っているんだ。
先行き不安……意見等求む(殴。
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いつまで書けるかな……(遠い目。