寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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シズと共にいるクラフターとは別、リムルとは別に旅立った(?)クラフターの話になります。
将来焦土化しそうな土地の地下での作業の様子。
文字ばかりになります。
人間も侵略しますが、クラフターも侵略中。


65.備えと心配

 

 

地上が賑わいを見せる一方、昼夜を知らぬ地下でも動きは続いている。 IRP改造や人口増加に合わせてのジオフロント拡張。

そして……壮大な地下鉄延線計画も。

 

実行する上で世界の地図作り……マッピングを続けているのだが、結果からしてこの地は大きな大陸である事が判明してきている。

その上で拠点としてきたテンペストは大陸のほぼ中心に位置している様だ。 なんと都合が良い事か。

その為にハブ状、四方八方に線路を伸ばす事で物流や人的移動の交差点となるのは言うまでもない。 重要度も言わずもがな。

取り敢えず白樺の植林場から遥か南方の某地下にまで地下鉄を伸ばしたクラフター。

やがては西方諸国方面や獣王国ユーラザニア領の地下にまで到達するに至る。

 

だが地表には出ない。 出たら問題が起きそうだ。 シズの暗黒微笑が浮かぶ様で恐ろしい。

代わりに地下に潜伏してやる事がある。

秘密基地建造。 これだ。

第二地下秘密基地。

テンペスト地下は暴露されたが故に。 破壊活動もされた。 大問題だ。

この事から首都地下情報は広く周知された可能性が高い。 潜伏型荒らしが既にいると考えた場合、情報が漏洩しているのは疑う余地もない。 つまり侵攻される恐れ有り。

バックアップが必要と思い立ち、副都心を築く事に相なった。

 

別にテンペストのジオフロントを放棄した訳では無い。 避難所も兼ねている訳だし。

彼方は彼方で警備や軍事、防備を強化して備える。 それは都市防衛思想計画と並行して行われる。

とはいえ、だ。 魔法だのなんだのと意味不明な技術で溢れている世界相手だ。 やはり保険は必要なのである。

 

そんな訳で。

効率強化及び耐久性能を上げたダイヤツルハシとスコップを振り回し、地下をひたすらくり抜いていく。

 

テンペスト程でないにせよ、小規模なジオフロントや実験施設群が出来ていく。

一応、IRPの"ハリボテ"も用意。 万が一、テンペストのIRPが大破等で放棄せざるを得ない場合、BBのみを回収して移植すれば取り敢えず動かせる様に準備を進めた。

 

あれよこれよと備え有れば憂いなし。

と言いたいが。 やはり不安は拭えない。 地表下に敷設する黒曜石装甲は無敵ではない。

果たしてどこまで耐え得るか。 故の保険を世界各所に点在させる。

だが受けばかりではない。 攻めもする。 研究は諦めてないし、クラフトを続ければいつか魔王ミリムにも抵抗出来ると信じている。

 

平和に発展を遂げた現状で終了はしない。

だからこそ建築は地上地下問わず進める。

そして何よりも……荒らしとは如何なる場面で突如と現れるかも分からない。

だからこそ軍事施設を創造し設置する。 それが逆に火種とならぬよう、なるべく地下に隠蔽しつつ。

 

我々は学び続けてきた。

この世界には国があると。 思想があると。

様々な人魔がいるという事を。

それを否定する権利は我々には無い。 相手にも無い。 互いに理解しきれていない時点で決めつけに過ぎない。 したとするならば世界を否定しているに等しく畢竟、世界を侮っているといえる。

 

多様性に富む現世界において敵性勢力を人種魔物別に明確に分類する事は出来ないという理由で荒らしという概念は存在しないという主張が一部同志にある。

しかし最近の魔国連邦の様に移動や交雑した(?)獣村人等の往来が盛んになっている世界では地域変異集団や思想を明確に分離出来ないのは当然だ。

むしろ人種や魔物の境界は存在しないという主張が、実在する人魔差別の免罪符に使われない様に注意するべきだろう。

肝心なのは個人でも集団でも、それぞれ身体的・文化的特徴の違いがあっても、偏った特定の価値観に基づいて差別してはならない、という事である。

 

それを踏まえても、いや踏まえるからこそ創造を止めない。 研究を止めない。 クラフト全体を止めない。

 

それがクラフター。

そして……この思想が出来たからこそ逆も然りである。 故に備えている。

立地や豊かさから交易路となりつつあるテンペストは恐らく誰かにとって目障りだ。 嫉妬もする。

もし我々が違う立場ならそう思う。 仲良くなろうともする者も出るだろうが、攻撃する者も出て来る。 前の世界でも荒らしが出没したように。

 

……杞憂に終われば良いが。

ツルハシを振るいながらクラフターは思った。




他国の地下に基地を作るという国際問題(進行形)。
漫画通りにいくと、獣王国は消滅しますよね。
もしそうなったら……地下基地が露呈する……?
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