ステラを観光案内。 でも街はクラフターにより原作風景より魔改造されています。
高層ビル群、謎の創造物……。
摩天楼に抱かれて……。
でも夜は綺麗だと思います(白目。
「街の事を知りたいなら案内するよ」
「私も警備隊としてついて行くです」
乱入者たる水色を優しく案内するシズ。
犯罪予備軍を連れ回すのは賛同出来ないが、監視という名目でついていく。
いざとなれば木剣で吹き飛ばす。 それかクラフトしたての釣竿で引き戻す。
「この街が出来てから約2年。 発展は著しいけど、その殆どはこの人達のお陰なんだ」
「この挙動不審な連中が?」
「右手に木剣、左手に釣竿持ってるです。 よく職務質問されないですね」
「みんな慣れちゃったからね」
皆して此方を見てくる。
シズの言葉からして賛美の目線だ。 いやぁ照れるな。 趣味趣向は様々だけどさ?
「街に聳える塔を何基も建て続けたです?」
「そうみたい。 建てている所を見た事あるけど……凄い早さで積み重ねていったね。 それも手作業だよ」
「積み重ね? 何事もそうよね」
「でも手作業で建てられるです?」
「さっきみたいに不思議な作り方をしたの」
「「あー……」」
「深く考えちゃ駄目だよ」
見下ろしてくる摩天楼を見上げて驚く一行。
良いぞ驚け。 ひとつひとつは苦労の上に聳え立っている。
高密度建造物は土地を有効に使用し、村人を分散させ過ぎず管理をある程度容易にする為のものだ。 主なスポーン地点付近だから、という理由もあるが。
でなければ土地確保の為に森を伐採し尽くさねばならない。 だがそれを試みると、いつかの植物村人達が騒ぎ立てるのだ。
その意味でも首都高密度化は避けられない。
また管理と言ったが徹底はされていない。 大抵村人任せの雑居ビルだ。
ベランダがあろうがなかろうが村人が住居にしたり職場にしている。 クラフターはそれでもヨシとする。 独自発展させる事は互いの利益に繋がるのを既に知り得ているからだ。 例えば酒とか料理。
寄生ではなく共生。 うむ。 良い響きだ。
「オーク達が建てた建物もあるけどね」
「一目で分かる気がするわ」
「文化の違いというより創造力の違いが見て取れますです……」
次にピッグマンモドキ達が建設した建物を見ていた。
精々2、3階建てと小さくも素晴らしい造形をしている。 クラフターはこれらに高評価を付けていた。
無駄に高度限界まで伸ばした摩天楼とは名ばかりの長方形の豆腐より断然良い。
勿論、縦長でも横長でも豆腐と罵倒されない造形を心掛けた建築を我々も行なっている。
それに付けても、と感じる素晴らしさだ。 負けていられない。 心地良い闘争心もあるものである。
「あの大柄で鈍足な人は……いえ、人じゃなさそうね。 魔物でもない」
「アイアンゴーレムだね。 それもこの人達が造ったの。 この街を護ってるんだよ」
「え!? ゴーレム使いだったです!?」
「うーん……作って放置しているから自立しているみたいだよ。 鉄とカボチャで作れるんだって」
「カボチャ!? 食材よねソレ!?」
「カボチャでどうやるです!?」
「他にも雪とカボチャで作れる別種があってね……」
「ごめんなさい待ってお願い。 頭が痛くなってきたわ休ませて頂戴」
ゴーレムを見て興奮している。
それは都市防衛力強化を図ってクラフトしたものだ。 何体もいる。 逆に何体クラフトしたか知らぬ。 沢山だ。
だが反応からして初見か。 新参なら仕方ない反応だ。 この世界の集落には大村落だろうがゴーレムの存在を確認出来ないからだ。 そもそも存在しているかも怪しい。
この世界の村人は武装して反撃するからまだ良い。 対して元世界の村人は暢気な者達であった。 防衛意識の欠如は最悪、死へ直結するというのに。 見習って欲しい。
ゾンビが出現した際こそ建物に駆け込む行為が見られたが、あれは建物に対する盲信でしかない。 村で主に使用されている木製扉は破られる。 絶対に安全な場所は無いとした方が良い。
地下施設や基地だってそう思っている。 水色スライム野郎に場所をバラされ魔王ミリムに散々にされたのが証拠だ。
故に同志が様々な地下極秘座標地点に避難所や軍事拠点を建造しているのである。
それもどこでバレる事やら。 なので通訳のシズにだって教えるつもりは毛頭無い。 今のところは。
「分かった、休憩しよう。 ご飯を食べようか」
「あ、そうです! ミリム様が召し上がった料理を食べましょうステラ!」
「えっ! ミリム様が召し上がった!? それは是非食べてみたいわ!」
シズ達は料理が提供される建物へ入って行こうとする。
我々もついて行こうとしたが、ここで狐村人が上を見た。
「あれは……有翼族(ハーピィ)です?」
釣られて見ると村人が屋根の上で寝ていた。
純白の翼が生えており、脚は鳥のソレである。 だからと驚きやしない。
また新種が出たか、とワクワクはする。 この世界は何種類の村人がいるのだろうと。
「私は警備隊のフォスです。 どうしたです?」
「ネムは……ネムなの。 お腹が空いて動けないの。 もうダメなの〜……」
「えぇ!?」
狐村人が軽やかに屋根に昇る。
訓練の時も思ったが身体能力は高い。 我々は跳躍のポーションを使っても届かないというのに。
「取り敢えず下に降りるですよ」
鳥村人を背負って降りてきた。 軽やかに。
我々だったらダメージ不可避の高度であるのに。
だとしても嫉妬はしない。 それぞれ個性がある事は良い事だ。 我々には彼等が真似出来ない創造力が有る様に。
進みませんね(自虐)。
3人……トリニティが揃った感じに。