先ずブルムンド王国へ。 漫画ではトリオと共に森を抜けて行く訳ですが……。
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71.移動と想像
「"ちかてつ"って凄いんだな……」
いつかの冒険者トリオと再会の翌日。
寝起き驚愕各1回の朝、結局は皆で地下鉄を利用する事になった。
リムルを先頭にシズ、村人トリオ、我々と密着する様に続く。
逆走防止用に感知レール式……その加速用パワードレールを減速の起きない間隔で敷設してあるので一定間隔で赤色を見られる。 綺麗に清線されている証拠だ。 誇らしく思う。
だがクラフターは村人の驚愕を得てもなお、燻る不満があった。 原因は行動や表情、会話にあるのは違いない。
「悪いな、カバル達を信用してない訳じゃないんだ。 ただ時間がある内にコイツの性能を試しておこうってな」
人を批難し切り刻む割に利用されるのは気分が悪い。
創造した物事を他者が利用すると嬉しいが、前置き次第では悲しくなるものだと思い知らされた。
「トロッコと言う乗り物に初めて乗ったでやす。 1人乗り用で狭い鉄箱でやすな」
「"キシャ"があるなら、そっちが快適だろうさ。 排気の問題が出てくるだろうが」
「リムル」
「分かってるよシズさん。 贅沢は駄目だよな。 これだけでも十分凄いんだ。 謎の動力源とか、な。 空気も汚れないばかりか、現時点で粉塵も無い。 人が呼吸するにも問題なさそうだし」
感謝感激ありがとう。
拍手喝采を求めている訳ではない我々であるが、批難して優越に浸る前に学ぶべき姿勢ではないだろうか。
クラフターは反論したい気持ちに駆られた。
だが彼等はマシである。 文句を述べる癖に搾取はしっかりしていく荒らしとかいた訳であるし。
「楽なのは良いけどぉ、景色が同じだとツマンナイわねぇ」
「地下だからな」
「でも地上と比べたら安全そうでやす」
「カバルが魔物の巣を突く事もないしねぇ」
「グゥの音も出ねぇ」
トリオが軽口ハァンをし、シズが苦笑している。 先頭のリムルは前方を見て一応の警戒をしていた。
その光景にまぁ良いかな、とクラフターは許す。 我ながらチョロい。 だが笑顔を見せてくれるなら良い。 許せる笑顔だ。
と思っていた矢先。 リムルがハァンと鳴き始めた。 リムルの事なので不平不満だろう。
「大賢者の見立てでも、一応方向は合っているから安心だな。 ただ」
「ただ?」
「勝手に他国に地下鉄を延ばさないで欲しかったナ……ハハッ」
かと思ったが違った。
消え逝く声ながら我々は確かに見聞きする。 笑顔と苦笑のハァンを。
クラフターもまた笑顔になり頷いた。 終わり笑顔なら全て良し。 今後とも延線及び途中駅等の建造に勤む事にする。
「"クラフター"さん」
なんだいシズ。
笑顔のまま訪ねた。 彼女も笑顔で続けた。
「勝手な真似は駄目だからね?」
良く見れば暗黒微笑だった……。
独創性の無さを咎められた様だ。 悲しい。
シズは相変わらず厳しいなぁ。
確かに地下鉄の出来栄えは平凡だ。 露天掘りにレールを敷設しただけ。
移動は楽だが不変な光景が続く。 人員への配慮が不足しているのである。 愛が足りない。
なら改修しよう。 咎められて腐るのではなく挑戦して逆に活力を得て邁進するべきだ。
クラフターは移動中、あれよこれよと想像した。 水中トンネルをガラス張りにする様な工夫がいると。
絵画を並べるのは。
溶岩を流し照明兼見た目にインパクトを。
音が鳴る様にするのも面白い。
非常事態用の脱出ハッチを一定間隔で。
外壁の露天掘り感は取り敢えず消そう。
明るい石ハーフ等を使うべき。
駅間隔が長いから途中駅を設けよう。
「……いつもありがとうシズさん」
「ごめんね。 正確に伝わった自信がないな」
クラフターは笑顔満開だ。
今すぐやりたい。 だが駄目だ。 今はシズ優先だ!
嗚呼! なんてもどかしい!
衝動を抑えきれず首や腕を激しく動かす創造主。
現着したら班分けしよう。 勿論、シズ組と地下改修組の二極分化で。
移動中の光景を想像するとシュールかも……。