寝て起きてクラフト案件。【完結】   作:ハヤモ

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感想、評価、登録等ありがとうございます!!
まさか日間ランキングで当作を見る事になるとは。 感謝感激です!
涙がで、出ますよ……。

さても物語は進めねば。
なのに良く道草を食う作者です(殴。
どこまで続けられるかな……(遠い目。


72.入国評価と越権行為

 

 

「子供達に会う為?」

 

 

地下鉄駅から地上に這い出て徒歩少しの光景は新たな集落である。

山の美にある建築に少しの惜しさ。 良くも悪くも中級者の成功とありがちな失敗。

入国早々、クラフターが見たブルムンド王国は取り敢えず悪くない評価を下した。

一瞥した限りだが、平地ではなく山の起伏に造られた部分もある集落だ。 美意識か整地が面倒だったのかは定かではない。 それか敢えてか。

最近は防衛に煩い創造主である。 察せるものも無くはない。

 

 

「ああ。 シズさんの心残りだ」

「隣国のイングラシア、自由学園にいるの」

 

 

山頂付近の建造物は大きく立派だ。

麓までに至る建造物は石レンガ、或いはレンガと木材の組み合わせによる建築物が生える様に広がっている。

先ず良い点を挙げていこう。

2、3階建ての堅固な作りは素直に良い。 生えている木々も手が少なからず入っており無造作に生えていない。

武装した村人はゴーレム代わりに警邏していた。 皆に活力があるのもポイント高い。

この世界で初めて見た村とは雲泥の差だ。 アレを評価基準にして良いか微妙だが、取り敢えずそうする。

 

 

「シズさんは大丈夫だろうけどぉ」

「旦那の場合、ギルドで冒険者登録しといた方が良いぜ」

「え、なんで?」

 

 

次に悪い点だ。

石造の街並みに拘るのは良い。 だが嵌り過ぎて光源が蔑ろ。

また建材が尽きた等の理由だろう。 道の舗装具合に綻びが生じていた。

この集落をクラフトした者は初心を忘れた頃合いだったのだ。 きっと。

我々にも良くある経験だ。 大規模建築とは際限なき増築と改築に追われる。

故にと腕を振るったは良いが、途中で意欲が落ちたのかも知れない。 分かる話だ。

 

 

「ホラ、冒険者って街の外での活動が殆どでしょう? ギルドと提携している国なら身元証明されるのよぅ」

「ははぁ、つまり身分証か」

 

 

とはいえだ。

多くの石造建築物、今いる内装の木製の木と椅子、壁掛けの装飾、天井の升目状の梁、シャンデリア……以前のクラフターであればソコソコの評価を与えた造形に違いない。

例え気に食わなくても、無闇やたら破壊せずシルクタッチを心掛け、この地の創造主を尊み見学するだけに留めた筈だ。

 

 

「あと、うちのギルマスに紹介状書いて貰うと良いでやす」

「フューズに?」

「イングラシアにはギルドの本部があるんだよ。 グランドマスターは確かシズさんの弟子……だよな」

「うん……ユウキ。 ユウキ・カグラザカ」

「んじゃこの後はフューズんとこに案内してくれ」

 

 

しかし、もういけない!

右手がッ! 疼くッ! 抑えられない!

というか先走りした。 気が付いたら松明をぶち撒けていた。

集落の荒さを補修するばかりか、我々の創造力の見せ所を見つけては存分に建築改修三昧してきたクラフターは、もう己を止める事が出来ない。

結果として国外に採石場と植林場を設け、持ち込んだ建材で表通りを直していく。

割れたガラスを見つければ張り替えてみたり、屋根の上に松明を立てまくり、木の影も許さぬという追求とも執着とも取れる行為で国全体に光を満たしていく。

 

 

「ところで旦那にシズさん」

「言うな。 聞きたくない」

「……うん」

「外が大騒ぎなんでやすが、あの人達の仕業でやすよね?」

「勘の良い冒険者は嫌いだよ」

「勘も何もないわよぉ! 他に誰がいるのよぉ!」

 

 

この国は良い国だ。 誤解なき様。

眺望は素晴らしく山を掘削整地せず、自然の残し方は実に素晴らしい。

しかし見た目ばかりに気を回しすぎた。 肝心な要素である照明が圧倒的に不足していた。

景観を優先し過ぎたか。 逆に暗闇を愛する者達による仕業だったか。

だとしても認める事は出来ないから、果たして松明をばら撒いた。 安全面への配慮のみならず、願わくば暗闇に浮かぶ幽玄な光景を見て欲しい。

きっと、山の集落の美を向上させたに違いないから……。

また、水場が少なく感じられたので彼方此方に設けてみた。 空き地が少ないので、壁等の側面を利用した掛け流し……滝式風の水汲み場を作る。

山に築いた堅牢な集落をコンセプトにしたにせよ、やはり補いたい部分とはあるもので。

 

そんな訳で。

クラフターは日がな1日、笑顔で国を走り回った。

あ、理由も同じくしてか畑も無いのでは。 作らねば。 幸い種も鍬も沢山あるぞ。

よし耕さねば。 植林場の近くで良いだろう。

 

 

「入国早々疲れたよランガッシュ……」

「誰!?」

「とにかく捕獲するよ!」

「ほ、捕獲って……」

「色んな意味で人外よぉ!?」

 

 

リムル達も触発されてか我々の後を追う。

お遊戯か創造か。 何にせよ足を止める暇はない。

驚愕のハァンを聴きながら、クラフターは意気揚々と鍬を振るったのであった。




躾が大変そう……。
そして中々進まない……。
漫画での風景を見た感じですと、山に建築物を建てている様に見える所がある為、この様な話にしてみました。
結局は妄想(殴。

しかしシズさんと弟子達のやり取りどうしよう。
転スラに詳しくない作者ですので(おいw)意見、訂正等募集しております。
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