(不法)入国目指していざぁ……。
あ、リムル達じゃないですよ勿論。
要略してる感じなので、ミスがあるかも。
「いやまぁ、やられっぱしは嫌だからね。 軽い意趣返しにフルポーションを紹介したけども」
例によりトロッコにて地下を移動。
駅は整備されたが、流石に道中は殺風景だ。 露天掘りが過ぎる。
流石に3日やそこらで全部を綺麗にするのは困難だ。 景色をどうするか、という議題も残る。 なれば手より思考する時間が長い。
だが同志の事だ。 きっと素晴らしく改修してくれると信じている。
クラフターは将来に期待し頷いた。
「ジーギスさんに実演協力して貰ってね、失った右足が生えるトコを見せたワケ」
「良い事だ旦那。 これでジーギスさんも冒険者稼業に戻れるんだな」
恒例の暇潰しハァンが風に流れる。
後でシズに聞こう。 我々も移動中は脳内クラフトばかりだ。
地下鉄の内装どうしよう、これから行く国でナニをクラフトしようとか。
「ああ、喜んでくれてたよ。 同時にフューズとベルヤード男爵にも『これが量産されているというのか!?』と驚かれた。 そっちは思ったより深刻な空気になっちゃったよ」
取り敢えず照度確認だ。
何に付けてもコレは怠ってはならない。
「そりゃそうでやしょ。 フルポーションはドワーフ王国の技術をもってしても生産出来ないとされていた、幻のポーションの扱いでやしたから」
次に綻びを確認。 修復が必要ならクラフトしなければ。 既に創造主の脳内では予定が組み上がりつつある。
……実の所、地下鉄工事やマッピングの際に観察まではしていた。
空から見た国家形成は、それはもう立派な円形状の大都市で景観もまた素晴らしかった。
計画的な都市設計が見て取れ、建築物も密度が高い。 連邦に建設したビル程の高度には遠く及ばないものの、装飾や使用建材に配慮が見て取れ実に立派であったのだ。
「そうねぇ。 リジェネーションの回復薬なんて神聖魔法に匹敵するわよぉ」
区画整理の為と思われる、都市を取り巻く水路もまた芸術の一環と見て良いだろう。
だが飽くまでも上空から見た限り。 詳細は分からない。
理由は単純だ。 入国しようとしたら騒ぎになったから。 矢やら見えない謎の攻撃……恐らく魔法……の笑えない挨拶をされて以降、調査出来ていない。
あそこの武装村人は装備が統一されている。 ダイヤフルエンチャントなら遅れは取るまいが、練度と数は馬鹿に出来ない。
「でも万能過ぎる薬は危険よ。 絶対に政治や戦争に絡んでくる。 ましてやそれら概念や倫理観が覆しかねない」
「それは思った。 飽くまで定期的に卸すのはハイポーション。 フルを20分の1に薄めたものを送る」
通訳して貰い、敵意が無い事を伝えねば。
或いは少しでも村人語を理解しないと。
耳を澄ます。 今のシズの言葉のみで会話を想像してみる。
……ポーションの話だ。 我々もクラフトするから興味が湧く。
「旦那達が高い技術力をも有している証明にはなったな」
「でも気を付けた方が良いでやすよ。 切り札となり得るものを見せ過ぎては……抑止力にはなるかもでやすが、逆に狙われるなんて事も……」
「全部見せたつもりはないさ。 俺のスキルに関しても……特にコイツらの場合は」
リムルが此方を見る。
不満気でもあり、呆れてもいる。
……その中に畏怖がスパイスされていた。
「見せたとしても、次から次へと新しい物を作るからなコイツら。 把握したつもりでも、次には想像を超えている。 それが分かってる奴ほど……殺そうとはしてこないさ。 その逆も然り。 何より排除しようなんて、それこそ無駄骨を折るだけになりそうだ。 "寝ても起きて作る"から。 終わりを懇願しない限り何度でも何度だって、な。 なんなら折られた骨を更に強く治して見せびらかして来るまである」
クラフターは理解した。
ポーション話から想定される恐怖。
それはシオン級だ。 確かに例のアレは我々も震え上がる悪魔の兵器だ。
思い出しただけでクラフターは身震いした。
「そうね。 でも私は好きだよ?」
「……俺も好きになれる時はある。 邪悪じゃない、純粋なところとか。 真っ直ぐな、信念を曲げなさそうなところとか」
恐怖とは備えなき時に訪れるか、得体が知れないモノ等に云う。
その上で断言する。
アレは両方だ。
どんな厨房設備や高価な食材をシオンに与えても、クラフトして出てくるは料理ではなく兵器だ。
もはや我々がクラフトしてシオンに与えた筈の厨房は兵器廠と化している。
取引する際は必ず体力を満タンにし、牛乳をがぶ飲みしながらでなければならない。
何故なら、その場所にいるだけで奈落に落ちたかの様なダメージを負い続けるからだ。
可能なら金林檎を齧り、回復ポーションを常に飲むのが好ましい。
猛毒を手にするという行為はハイリスク、ハイリターンであり続ける。
だがそれくらいの緊張感がある方が良い。
簡単に手に入れば、阿鼻叫喚の地獄絵図の世界が創造された事だろう。
「まぁまぁ旦那。 大切なのはこれからだろ?」
「そ、そうよぉ。 仲良く行きましょ?」
「シズさんの教え子達に会わないとでやす」
まぁ、それはそれ。 これはこれ。
クラフト出来ぬ猛毒の取引先が出来た。
「そうだ! ポーション関係をこの人達に手伝って貰うのは?」
「……フルポーションよりもっとヤバいのを作りそうだからパス」
「手足が余計に生えるとか、逆に身体が崩れるとか?」
「やめてくれ。 現実になりそうで怖い」
「そうでやすよ! 悍ましい事を言うもんじゃないでやす!」
「そうよぉ! このバカバル!」
「そんな事にはならないと思うな、たぶん」
結果的に研究は進んだ。
具体的にはキャノン砲(爆)弾を開発、量産中だ。
間もなく出来る。 試射する際は座標に気を付けねばならない。 標的もどうしたものか。
「あ、着いたよ」
「ここからは徒歩だな」
そうこう考えていたら、あっという間に目的地周辺に到達。
やはり鉄道は良い。 文明、クラフトを感じられる。
「お前らはココに残っとけ。 流石にこの国でまで騒がれたら大変だ。 そもそも入国審査が通りそうに無い。 証明証が発行されてないからな」
「…………という事だけど」
大丈夫だ問題無い。
既に騒がれた。 今更でもない。
「……え」
それにとクラフター。
我々には手に馴染んだコレがあるから。
「まさか……」
笑顔で取り出すは、ツルハシとスコップだ。
苦難や障害は壊して乗り越え埋め直す。
我々には我々の道がある。
君達は君達の歩むべき道を進み給え。 では後程。
クラフターだから(諦観。
いやでもマジ、ユウキ達との絡みどうしましょ。
未だに……(殴。